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2014年11月30日 (日)

ジャージー・ボーイズ

ジャージー・ボーイズ
劇場:MOVIX京都
監督:クリント・イーストウッド
脚本:マーシャル・ブリックマン、リック・エリス
製作:グレアム・キング 他
作詞:ボブ・クルー
作曲:ボブ・ゴーディオ
出演:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーガン、ヴィンセント・ピアッツァ、マイケル・ラマンダ、クリストファー・ウォーケン、キャサリン・ナルドゥッチ、フレイヤ・ティングレイ、マイク・ドイル、ジョニー・カニツァロ、ドニー・カー、ルー・ヴォープ、ジェレミー・ルーク、ジョーイ・ルッソ、ジェームズ・マディオ、エリカ・ピッチニーニ、スティーヴ・シリッパ、アレクシス・クラウス、バリー・リヴイングストン、フィル・エイブラムス、アイアン・スコット・ルドルフ、マイルス・オーブリー、フランチェスカ・イーストウッド 他


 《舞台版を観たことのない人向き》


 1960年代中頃に世界規模で成功を収めたポップス・バンド、“フォー・シーズンズ”。この映画は、フォー・シーズンズの経歴を基に製作された、2006年のトニー賞受賞ミュージカルを映画化したものである。


 ニュージャージー州の貧しい地区に生まれたフランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)、ボブ・ゴーディオ(エリック・バーガン)、ニック・マッシ(マイケル・ラマンダ)、トミー・デヴィート(ヴィンセント・ピアッツァ)。彼らが生まれたのは、犯罪が日常頻繁に起こっていたニュージャージーで最も貧しい地区。そこから抜け出すには、軍隊に入隊するか、ギャングになるか、スターになるかしかなかった…。


 金も、コネもない彼らだったが、神から与えられた歌声と、曲を作る才能、そして見事に息の合った完璧なハーモニーがあった。希望のない町に生まれた4人は、自分たちの音楽だけで夢のような成功を掴み取る。彼らは〈ザ・フォー・シーズンズ〉として、「シェリー」、「恋はヤセがまん」、「恋のハリキリ・ボーイ」、「悲しき朝焼け」、「悲しきラグ・ドール」、「バイ・バイ・ベイビー」、「愛はまぼろし」、「君の瞳に恋してる」といった数々の名曲をヒットさせ、音楽界に不滅の伝説を打ちたてていく。しかし、そのまばゆいばかりの栄光故に、裏切りと挫折、別れ、家族との軋轢といった不幸が彼らを襲う…。


 ミュージカルとイーストウッドとは、何も接点がない感じがするので、この話を聞いた時は、少々不安だったが、それは見てすぐに吹き飛んだ。実は、イーストウッドはこの企画の他にもう1つ、何度もリメイクされているミュージカル映画「スター誕生」を、ビヨンセ主演で再度リメイクするというものもあったのだが、肝心のビヨンセが妊娠してしまいスケジュール調整がつかず降板。代役は見つかったものの、その他のキャスティングが全く進まず、製作そのものが止まっている状態であり、当初は関わるはずではなかった(「アイアンマン」のジョン・ファブローが予定されていた)こちらを監督することになったのだ。


 音楽映画という括りでいえば、イーストウッドには「バード」という秀作があり、この監督の音楽センスはかなりのものということは分かるのだが、それはこの映画でも遺憾なく発揮されているといえる。ただ、あの“流浪の番組”のテーマ曲がこれと同じボブ・ゴーディオ作曲だったのは初めて知った(笑)。


 語り手をグループのメンバーで回していく手法や、観客に向かって語りかける手法、ラストシーンの群舞は、恐らく舞台版を踏襲しているのだろうが、映画としては斬新な一方で、これはたぶん舞台版の演出をそのまま映画に持ち込んだのだろう。そういう演出は悪くはないのだが、やはり映画は映画、舞台は舞台でそれぞれ違うものであって、映画は映画なりの演出があっても良かったのではないかと思う。古くは「サウンド・オブ・ミュージック」や「マイ・フェア・レディ」などのように、映画オリジナルの場面や歌曲があっても良かっただろう。本作でも舞台版未使用曲は使われているが、それは本編ではなくエンドロールなのだ。


 その辺のところが見透かされたのかどうかは分からないが、アメリカでは評論家の受けは悪くなかったものの、興行的には失敗した。こういう結果は、製作側にとっては悔しいだろうが、イーストウッドにはまた素晴らしい音楽映画を撮ってほしい。


私の評価…☆☆☆☆

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