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2014年11月12日 (水)

〈新・午前十時の映画祭〉ニッポン無責任時代

〈新・午前十時の映画祭〉ニッポン無責任時代
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:古澤健吾
脚本:田波靖男、松木ひろし
音楽:神津善行
主題歌:植木等「無責任一代男」、「ハイ、それまでヨ」
出演:植木等、ハナ肇、谷啓、中島そのみ、重山規子、団令子、藤山陽子、峰健二(峰岸徹)、稲垣隆、田崎潤、由利徹、松村達雄、清水元、久慈あさみ、中北千枝子、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ、安田伸 他


 《古き良き時代のサラリーマン喜劇》


 東宝とナベプロが1962年から71年にかけてクレージーキャッツのメンバー主演で製作した、所謂クレージー映画の記念すべき第1作。配給会社も予想していなかった大ヒットとなり、以降“無責任”や“日本一”など複数のシリーズがあるクレージー映画としては、1971年の最終作「日本一のショック男」まで、計30本作られる事になる。


 口八丁、手八丁の平均〔たいら・ひとし〕(植木等)は、バー「マドリッド」で太平洋酒乗っ取り話を小耳に挟んだ。太平洋酒の氏家社長(ハナ肇)に同郷の先輩の名を持ち出し、まんまと総務部勤務になった均の初仕事は、大株主富山商事の社長(松村達雄)を買収することだった。小切手一枚で見事に成功。新橋芸者まん丸(団令子)も彼の凄腕にイチコロで、係長に昇進と全く気楽な稼業である。


 しかし三日天下とはよくいったもの。乗っ取り男・黒田有人(田崎潤)が富山の持株を手に入れたと判って、均はたちまち会社をクビに。黒田の黒幕は山海食品社長大島良介(清水元)だが、彼の娘洋子(藤山陽子)はボーイ・フレンドの氏家孝作(峰健二)と駈け落ちをした。さて、均は新社長就任パーティで黒田に会ったが、余興と宴会の取り持ちの巧さから渉外部長に返り咲いた。ところで伝統ある太平洋酒が山海食品の子会社になるとは、太平側の社員にしてみれば無念な話である。


 一方、トントン拍子の均の下宿にマドリッドの女給京子(中島そのみ)、芸者まん丸、太平洋酒の女秘書愛子(重山規子)が押しかけ、恋の鞘当てを始めた。均は愛子の猛烈なキス攻めにフラフラである。


 その頃、大島邸を訪ねた黒田が令嬢洋子の結婚話を切り出したところ、彼女には氏家孝作という好きな相手がいると判った。均の次の仕事は、太平洋酒の商売仇である北海物産からホップの買い付けである。均は煮ても焼いても食えない北海の石狩社長(由利徹)を、桃色フィルムとお座敷ヌードで攻略したが、美人局の真似とはもってのほか、その上公金横流し、御乱行がバレてまたクビに。


 だが転んでもただでは起きない均は、洋子の縁談の事で大島と黒田が頭を痛めていると知るや洋子の居場所をタネに、氏家社長の復職を迫った。かくて二転三転、晴れてその日は氏家家と大島家の結婚式、タキシード姿で現れた均が北海物産の新社長になっていた…!


 1962年といえば、高度経済成長の真っ只中であり、当時“三種の神器”といわれたうちの1つであるテレビの普及率が50%近くまで上昇し、日本の映画が斜陽化し始める頃である。そんな中で、当時から業界トップだった東宝が放ったコメディ映画だ。


 この映画の面白さはやはり主人公のキャラクターによるところが大きいのではないだろうか。平均は、いまでいう“チャラ男”。でもタイトルに“無責任”とついていても、この主人公は決して無責任ではない。会社には無責任かもしれないが、人助けもするし自分がした行動にはしっかりと責任を持つ男である。そういったところに人間的な魅力があり、人気絶好調だった植木等が軽く演じる事で大ヒットにつながったのだろう。


 しかしまぁ、今と比べれば何て牧歌的な時代だったのだろう。僕はまだ生まれていないから、この時代の事は分からないが、

「サラリーマンは〜気楽な稼業と〜きたもんだ」

なんて、今言ったら張り倒されてしまうわ(笑)。

「人生で大事な事はタイミングにC調に無責任」

って、そりゃそうなんだけど… 実際C調に暮らせたらどれだけ楽しいか。


 ちなみにこの脚本は田波靖男が主演にフランキー堺を想定して書いた「無責任社員」がベースで、ちょうどいいタイミングで植木等で1本撮ってほしいと依頼がきて、脚本を提出したところGOサインが出たらしい。と、いうことは全然別キャストになる事も考えられたわけで、「無責任一代男」の歌詞を地でいくエピソードであり、実に大事なのはタイミングなのだな、と思った。


私の評価…☆☆☆☆★

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