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2014年12月 9日 (火)

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:オリヴィエ・アダン
脚本:アラッシュ・アメル
原作:ジェフリー・ロビンソン「グレース・オブ・モナコ」
製作:ピエランジュ・ル・ポギャム 他
音楽:クリストファー・ガニング
出演:ニコール・キッドマン、ティム・ロス、フランク・ランジェラ、パーカー・ポージー、マイロ・ヴィンティミリア、デレク・ジャコビ、パス・ベガ、ジェラルディン・ソマーヴィル、ロバート・リンゼイ、ニコラス・ファレル、ロジャー・アシュトン=グリフィス、ジャンヌ・バリバール、イヴ・ジャック、オリヴィエ・ラブルダン、アンドレ・ペンヴルン、フィリップ・ダレンシー 他


 《実話が基というわりにはフィクション部分が多い》


 ハリウッド・スターからモナコ公妃となったグレース・ケリーが、存亡の危機に立たされた公国を救うために見せた「一世一代の大芝居」を描く。一応伝記映画だが、かなりの創作が入っているようだ。


 1956年、オスカー女優のグレース・ケリー(ニコール・キッドマン)は、モナコ大公レーニエ3世(ティム・ロス)と結婚。1961年12月、二人の子供に恵まれるも王室の中で孤立していたグレース。社交の場で女性が政治に意見するのは「アメリカ流」だと皮肉られ、夫のレーニエからも控えめでいることを望まれる。


 そんなある日、グレースの前に脚本を手にしたヒッチコック(ロジャー・アシュトン=グリフィス)が現れる。「マーニー」という新作映画の出演依頼に訪れたのだ。そんな中、モナコ公国に危機が降りかかる。アルジェリアの独立戦争で戦費が必要になったフランスが、無税の国モナコに移転したフランス企業から税金を徴収して支払うよう要求、「従わなければモナコをフランス領とする」と声明を出したのだ。もし戦争になれば、軍隊もない小国モナコは、一瞬で占領されてしまう…。


 愛する家族を守るため、そして宮殿生活で見失っていた自分を取り戻すため覚悟を決めたグレースは、自分にしかできない秘策を考えだす。外交儀礼の特訓を受けて、完璧な公妃の「役作り」に励み、フランス大統領シャルル・ド・ゴール(アンドレ・ペンヴルン)を含む各国の指導者を招いた「舞台」を用意する。


 果たしてグレースが自ら書いた「脚本」のクライマックスとなる、運命を握るスピーチとは…?


 これはもう、ニコール・キッドマンありきの映画。夫である国王の父との確執や、謎が多い自動車事故死には一切触れられていないが、一般人から他国の王室に嫁いだ、一人の女性の孤独や苦悩を描いた人間ドラマとなっている。


 冒頭から、グレースが運転する車が、曲がりくねった山道を猛スピードで走るという、グレースの死のシークエンスにも繋がる場面があるため、てっきり最期まで描くのかなと思ったら、モナコ公国の窮地を救ったところで終わった。王妃になってからのグレース・ケリーの生涯は、伏せられている部分も多いため、描けない事柄もあり(自動車事故では同乗していた子供が生還しており、真相はその子供が知っていると思われるが公表されていない)、フィクション部分も当然多くなるのはわかるが、この映画に関してはそれが詰め込みすぎて、掘り下げられておらず、印象が薄い。


 たとえ実話でなくても、オリジナル部分の描き方が、当時の社会情勢と照らし合わせて秀逸であれば、それなりに評価されたのだろうが、王室から批判を浴びているということは、恐らくそれが中途半端なのだろう。勿論、実話の映画化作品であっても、娯楽として見せるために、部分的には創作された話を少しだけ挿入するのは普通にあることだが、この映画はそのバランスを欠いてしまった。本人達に全然似ていないキャスティング(笑)は、意外と気にならなかったが、モナコ国王のキャラクター設定だけは、直した方が良かったのでは?


私の評価…☆☆☆

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