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2014年12月12日 (金)

〈新・午前十時の映画祭〉オズの魔法使

〈新・午前十時の映画祭〉オズの魔法使
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ヴィクター・フレミング
脚本:ノエル・ラングレー、フローレンス・ライアン、エドガー・アラン・ウルフ
原作:ライマン・フランク・ボーム「オズの魔法使い」
製作:マーヴィン・ルロイ
音楽:ハーバート・ストサート
出演:ジュディ・ガーランド、レイ・ボルジャー、ジャック・ヘイリー、バート・ラー、ビリー・バーク、マーガレット・ハミルトン、フランク・モーガン 他


(写真は地方公開でのチラシ 公開時期は不明)


 《ジュディ・ガーランドの出世作》


 1939年(日本では1954年)に公開されたアメリカのファンタジー・ミュージカル映画。当初は人気子役のシャーリー・テンプルを主演に据える予定だったが、映画会社のトラブルによりジュディ・ガーランドに交代。これを機にジュディはスターへと伸し上がっていく反面、薬物中毒により若死にするきっかけにもなってしまう。


 カンサスの農場に住む少女ドロシー(ジュディ・ガーランド)はある日愛犬トトが近所のグルチさんから虐められたといって泣きながら帰ってきたが、誰も相手にならないので、トトと家出して、田舎道を歩いていると家出を見破った占い師マーヴェル(フランク・モーガン)から伯母さんが心配して病気になったといわれて、家へ帰ると、折から大竜巻が襲来して農場は大騒ぎ。怖くなってベッドにうつ伏せになっていたところを、風で外れた窓が彼女の頭を強かに打った。ふと気がつくと、ドロシーは家もろとも大空高く吹き上げられ、やがてふわりと落ちたところはオズと呼ばれる国だった…。


 やっぱり75年も前のこういう映画をスクリーンで観られるというのは幸せなことである、ということを改めて感じる。同年のアメリカ映画の代表作に同じヴィクター・フレミング監督の「風と共に去りぬ」があるが、1939年といえばモノクロ映画からカラーへのちょうど転換期。カラー作品である「風と〜」は約390万ドルという、当時としては破格の製作費で作られたが、本作はテクニカラー(3本のモノクロフィルムを使って同時に撮影し後で重ねるという手法のため現在最新の技術を使って3D化することができ、今年そのバージョンがBlu-rayで発売された)で撮影されているためか、こちらも約278万ドルという高額な費用をかけて作られている。


 特撮技術こそ、今の映画と比べるとその差は歴然としているが、僕は今のCGよりも、こういう手作り感覚のある特撮の方が好きだ。特殊メイクもライオンのメイクが残念ということくらいで、あとはファンタジーな雰囲気をよく出している。


 しかし何といっても最大の魅力はジュディ・ガーランドなのではないだろうか? 映画会社のトラブルで大役が転がり込んできたとはいえ、実年齢より年下の役をキュートに演じている。彼女はこの後ミュージカル映画女優として人気を得ていくが、歌唱シーンの撮影前には当時ショービズの世界でまだ許されていたアンフェタミン(今でいう覚醒剤の一種)を服用して、ハイな気分になった上で歌っていたようで、徐々に薬に溺れていったというのは、本当に残念である。


 ちなみに、邦題に「い」が無いのは誤植なのではないかと思う人も多いだろうが、そうではない。実はこの原作自体、戦前のサイレント映画の時から何度も映画化されているもので、一説には、「い」と続編を意味する「II」を勘違いする人が続出するのではないかとの配慮から「い」が省かれたのではないかといわれているようだ(リバイバル上映のチラシなどには「い」が入っている)。当時の印刷技術の都合もあるとは思うのだが、そんな人、いるのか?


私の評価…☆☆☆☆★

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