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2015年2月

2015年2月28日 (土)

薄氷の殺人

薄氷の殺人
薄氷の殺人
薄氷の殺人
劇場:シネ・リーブル梅田
監督・脚本:ディアオ・イーナン
音楽:ウェン・ジー
出演:リャオ・ファン、グイ・ルンメイ、ワン・シュエビン、ワン・ジンチュン、ユー・アイレイ 他


 《正直、ここまで暗い内容の映画は二度は観たくない》


 中国北部で起こった、ある女性と繋がりを持つ者たちがバラバラにされる連続猟奇殺人事件を、寒々しく虚無感が漂う映像で描くクライム・サスペンス。第64回ベルリン国際映画祭でコンペティション部門の最高賞にあたる金熊賞と、男優賞である銀熊賞を受賞。


 1999年。ひとりの男のバラバラ死体が6都市15ヶ所の石炭工場で相次いで見つかった。プライベートで問題を抱える刑事ジャン(リャオ・ファン)は、この猟奇的な殺人事件の捜査にあたっていた。容疑者として挙がった兄弟は逮捕時に抵抗し射殺され、真相は闇の中になってしまう。それから5年後、この事件と同様の事件が2件起こる。辞職し警備員となっていたジャンも独自に事件の調査を進め、ウー(グイ・ルンメイ)という未亡人に行き着く。被害者たちは何れも殺される前にウーと親密な関係にあった。やがて彼もまたウーに惹かれていくが…。


 これは、自分の好みには合わない映画だった。予告編を殆ど観ずにチラシのイメージだけで観に行ったのが、そもそも失敗のもとだったような気もするが、なんとか最後まで観たものの、途中で何度も居眠りかけた。


 確かに、石炭工場でバラバラ死体が見つかる最初のシークエンスは、切断された手首の大写しなどがあり、なかなかインパクト大なのだが、その衝撃があまり持続しない。次にインパクトがある場面までかなりの時間を要するため、そこで眠たくなってしまうのである。もう少しこの“緊張”と“緩和”のタイミングが良ければ、テンポよく観られたかもしれない。


私の評価…☆☆★

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第38回日本アカデミー賞情報

第38回日本アカデミー賞が発表された。俳優・作品部門での主な受賞者および受賞作は次のとおり。

▼最優秀作品賞…「永遠の0」

▼最優秀アニメーション作品賞…「STAND BY ME ドラえもん」

▼最優秀監督賞…山崎 貴(「永遠の0」)

▼最優秀主演男優賞…岡田 准一「永遠の0」

▼最優秀主演女優賞…宮沢 りえ「紙の月」

▼最優秀助演男優賞…岡田 准一「蜩の記」

▼最優秀助演女優賞…黒木 華「小さいおうち」

▼新人俳優賞…上白石萌音(「舞妓はレディ」)、小松菜奈(「渇き。」)、能年玲奈(「ホットロード」)、池松壮亮(「神の月」「愛の渦」「ぼくたちの家族」)、登坂広臣(「ホットロード」)、福士蒼汰(「イン・ザ・ヒーロー」「神さまの言うとおり」「好きっていいなよ」)

▼最優秀外国映画賞…「アナと雪の女王」(ウォルト・ディズニー・スタジオ)

▼話題賞…[俳優部門]岡田 准一(「永遠の0」)[作品部門]「るろうに剣心 京都大火編」「るろうに剣心 伝説の最期編」


※話題賞のみ、ニッポン放送「オールナイトニッポン」リスナーの投票で決定。


 去年は俳優部門の女優賞で真木よう子が主演と助演の両方で最優秀賞を受賞したが、今年は男優賞で岡田准一が主演と助演のW受賞。うーん(-ω-)誰か他にいなかったんかいな(笑)。「永遠の0」は一昨年暮れの公開だったため、昨年度の対象期間からは僅かに外れ今年度となったのだが、結局それで山崎貴監督作品が2作も関わる形になった。


 外国語映画では今年はやっぱりこれなのか、という感じで「アナ雪」が受賞。昨年「レ・ミゼラブル」が受賞した時と同様、去年はこれ一色だったなぁ、という感じだ。今年は短編が公開されるし、まだまだブームは続くのかもしれない。

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2015年2月26日 (木)

ビッグ・アイズ

ビッグ・アイズ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ティム・バートン
脚本:スコット・アレキサンダー&ラリー・カラゼウスキー
製作:ティム・バートン、スコット・アレキサンダー&ラリー・カラゼウスキー
音楽:ダニー・エルフマン
出演:エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ、クリステン・リッター、ダニー・ヒューストン、テレンス・スタンプ、ジェイソン・シュワルツマン、ジョン・ポリト、ジェームズ・サイトウ 他


 《バートンらしい毒気はないが“良作”》


 1960年代のアート界に衝撃を与えた事件をテーマに、ティム・バートン監督が描く人間ドラマ。


 大きな瞳でどこか悲しげな子供を描いた絵画「BIG EYES」シリーズが1950〜60年代に一大ブームとなり、作者のウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)は一躍脚光を浴びた。しかし真の作者は彼ではなく、彼の妻・マーガレット(エイミー・アダムス)だった。その絵画は1枚残らず、口下手で内気なマーガレットが描いたものだったのだ。


 富と名声を手に入れた夫はセレブたちと派手に遊び歩き、妻は1日16時間、絵を描き続けた。彼女は内気な性格で、唯一自分の感情を表すことができるのは「BIG EYES」だけだった。


 そして、10年の月日が経った…。


 心の内の全てを絵で表現してきたマーガレットは、

「このままでは自分を失ってしまう!」

と“告白”を決意する。だが、天才的なウソつきのウォルターは

「妻は狂っている」

と反撃、遂に事態は法廷へともつれ込む。


 マーガレットの魂「BIG EYES」を懸けた、前代未聞のバトルの行方は…?


 空想的なファンタジー作が多いティム・バートン監督にとっては、「エド・ウッド」以来の伝記もので、しかもマーガレットとは知り合いらしく、そのためかこの監督特有の毒気は殆ど無い、珍しいくらい正攻法で描かれている。なので、普段通りのバートン作品を期待している人にはこの映画は向かないし、変に落ち着いた映画に見えるかもしれない。


 ただ、だからといってこの映画の出来そのものは、悪くはない。それはやはり主演の2人がそれぞれ個性的なキャラクターを好演しているからで、特にウソつき男を演じるクリストフ・ヴァルツがいい。ウソにウソを塗り固めていくと、必ずどこかで歪みが生じ、誤魔化しが利かなくなっていくものだが、この人の怪演によってどこか可笑しく、またそれにエイミー・アダムスがきっちり応える事で、バートン監督お得意のブラックコメディとしてちゃんと成り立っているのだ。


 ストーリーそのものは平凡だが、それでも演者がうまければ、見応えある映画になるのである。


私の評価…☆☆☆★

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2015年2月24日 (火)

エクソダス:神と王 3D

エクソダス:神と王 3D
エクソダス:神と王 3D
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:リドリー・スコット
脚本:スティーヴン・ザイリアン
原案:ビル・カレッジ、アダム・クーパー
製作:リドリー・スコット 他
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):クリスチャン・ベール(宮内敦士)、ジョエル・エドガートン(小山力也)、ジョン・タトゥーロ(山野史人)、アーロン・ポール(石上裕一)、ベン・メンデルソーン(石川禅)、マリア・バルベルデ(杏)、シガニー・ウィーバー(駒塚由衣)、ベン・キングズレー(川久保潔)、ヒアム・アッバス(滝沢ロコ)、アイザック・アンドリュース(高山みなみ)、ユエン・ブレムナー(森宮隆)、インディラ・ヴァルマ(勝生真沙子)、ゴルシフテ・ファラハニ(長尾雅世)、ハッサン・マスード(宮崎敦吉)、タラ・フィッツジェラルド(水野ゆふ)、ダール・サリム(大黒和広)、アンドリュー・ターベット(園岡新太郎)、ケン・ボーン(田原正治)、フィリップ・アルディッティ(新城健)、ハル・ヒューエットソン(阿久津秀寿)、アントン・アレキサンダー(山岸治雄)、ケヴォルク・マリキャン(世古陽丸) 他


 《リドリー・スコットらしい映像美》


 モーゼとエジプト王ラムセス。ヘブライ人をめぐって、運命に翻弄される2人の男の姿を描く叙事詩的映画。


 紀元前1300年、多くのヘブライ人が暮らす古代エジプト。増えすぎたヘブライ人の男児を殺すようファラオ(エジプト王)が命じたため、赤ん坊だったモーゼも川に流される。しかし、エジプトの王女に拾われ、王子のラムセスと兄弟同然に育てられる。時は経ち、成長したモーゼ(クリスチャン・ベール)は、ラムセス(ジョエル・エドガートン)と共に兵を率いてヒッタイト帝国との戦いで敵を撃破するなど、王国での地位を確立しつつあった。


 しかし、ヘブライ人の長老・ヌン(ベン・キングズレー)から、自分がヘブライ人であることを知らされる。モーゼは、ヘブライ人を鞭打ちにしていたエジプト人を殺害し、国を追放される。やがて、エジプト人による虐待から救うため、40万のヘブライ人を「約束の地(現在のパレスチナ)」へ導くため、モーゼはエジプトに戻る。ファラオとなっていたラムセスにヘブライ人の退去を提案するが、拒否される。すると、エジプトにとって災いとなる〈10の奇跡〉が起こり、ラムセスはヘブライ人の退去を認める。モーゼたちはエジプトを脱出するが、ラムセス率いるエジプト軍の襲撃を受ける。モーゼたちは紅海に追い詰められ、誰もが絶体絶命だと覚悟するのだが…。


 旧約聖書の出エジプト記を基にした、モーゼとラムセスの話といえば、セシル・B・デミル監督の「十誡」(1923年)と、その監督がチャールトン・ヘストン主演でセルフ・リメイクした「十戒」(1956年)が有名で、本作はそのリメイクと思われがちだが、実はそうではない。全く違う視点からアプローチされている。


 勿論、昔のものと今のものとでは宗教的な解釈も違うだろうから、紅海もきれいには割れてくれないし、神にたいして普通に接するモーゼというのも、現代的な解釈なのかなとは思うのだが、前述のように「十戒」のリメイクだと思って観に行ってしまうと、とんでもない違和感を覚える羽目になる。


 今作の監督はリドリー・スコットなので、エジプトを襲う十の災いの場面の特殊効果は格調高く、迫力も十分で見応えがある。ラストがいまいち消化不良気味なのが残念ではあるが、とにかく映像美だけでも3Dで観る価値はある。しかし義理とはいえ兄弟の諍いを描くだけに、ラストのテロップには、ちょっと複雑な思いである。


私の評価…☆☆☆

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2015年2月23日 (月)

第87回米アカデミー賞結果発表!

第87回アカデミー賞結果速報!
主な受賞結果です。

☆作品賞
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

☆主演男優賞
エディ・レッドメイン(「博士と彼女のセオリー」)

☆主演女優賞
ジュリアン・ムーア(「アリスのままで」)

☆助演男優賞
J・K・シモンズ(「セッション」)

☆助演女優賞
パトリシア・アークエット(「6才のボクが、大人になるまで」)

☆監督賞
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」)

☆長編アニメ賞
「ベイマックス」(ディズニー)

☆外国語映画賞
「イーダ」(ポーランド)

☆脚本賞
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 他(「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」)

☆脚色賞
グレアム・ムーア(「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」)

☆美術賞
「グランド・ブタペスト・ホテル」

☆撮影賞
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

☆衣裳デザイン賞
「グランド・ブタペスト・ホテル」

☆編集賞
「セッション」

☆メイク・ヘアスタイリング賞
「グランド・ブタペスト・ホテル」

☆オリジナル作曲賞
アレクサンドル・デスプラ(「グランド・ブタペスト・ホテル」)

☆オリジナル歌曲賞
ジョン・レジェンド、コモン“Glory”「セルマ」

☆音響編集賞
「アメリカン・スナイパー」

☆録音賞
「セッション」

☆視覚効果賞
「インターステラー」

☆ドキュメンタリー賞
「CitizenFour」(原題)

☆ドキュメンタリー短編賞
「Crisis Hotline: Veterans Press 1」(原題)

☆実写短編賞
「一本の電話」

☆アニメ短編賞
「愛犬とごちそう」(ディズニー)


 今回は結構予想がバラついていたが、主要6部門に関しては、雑誌「スクリーン」の予想で3勝3敗。主演女優と助演賞は当たっているが、作品賞と監督賞は現地のマスコミが予想していた「バードマン」(「スクリーン」では「6才のボクが〜」を予想)が受賞した。主演男優賞は「バードマン」のマイケル・キートンが本命視されていたが、大逆転でエディ・レッドメインに。


 日本絡みでは長編アニメーション賞候補の「かぐや姫の物語」と、短編アニメーション賞候補の「ダム・キーパー」(米国在住の日本人が共同監督)がいずれもディズニー作品に敗れ受賞ならず。やはりディズニーの壁は厚いのか。


 今回は日本でまだ公開がこれからという作品が多いため、じっくり見比べる事ができる。なかなか全部は観られないだろうが、できるだけ多くの映画を楽しみたい。

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2015年2月18日 (水)

スパイ・レジェンド

スパイ・レジェンド
劇場:ユナイテッド・シネマ大津
監督:ロジャー・ドナルドソン
脚本:マイケル・フィンチ、カール・ガイジュセク
原作:ビル・グレンジャー『NOVEMBER MAN「There are No Spies」』
製作:スリラム・ダス 他
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:ピアース・ブロスナン、ルーク・ブレイシー、オルガ・キュリレンコ、ビル・スミトロビッチ、ラザル・リストフスキー、エリザ・テイラー、カテリーナ・スコーソン、アキー・コタベ、ウィル・パットン、パトリック・ケネディ 他


 《ブロスナンの新たな当たり役になるか》


 「007」シリーズで、5代目ジェームス・ボンドを演じていたピアース・ブロスナンが、「ダイ・アナザー・デイ」以来13年ぶりにスパイ役を演じる。共演は、これまた007シリーズの「慰めの報酬」でボンド・ガールだったオルガ・キュリレンコ。


 嘗ては「ノベンバー・マン」というコードネームを持ち、高度な訓練を受けて活躍していた元CIAエージェント、ピーター・デヴェロー(ピアース・ブロスナン)。今はスイス・ローザンヌで静かな隠遁生活を送っていた彼は、モスクワで嘗ての同僚で愛していた女性、ナタリア・ウラノヴァを“回収”に向う。それは元同僚たちが次々と殺されているのを知ったからだ。しかし、彼女は彼の目の前で何者かに殺されてしまう。


 それは、彼が手塩にかけて教育したCIAの元弟子のスパイ、メイソン(ルーク・ブレイシー)の仕業だった。ロシアの大統領選の次期大統領と目される候補者アルカディア・フェデロフ(ラザル・リストフスキー)のスキャンダルを追っていたナタリアは、10年前から行方不明になっているミラ・フィリポヴァという女性の名前を告げる。セルビアの首都ベオグラードに、フィリポヴァと最後に交流があった女性ソーシャルワーカーのアリス(オルガ・キュリレンコ)がいた。やがて彼女はロシアの殺し屋からも、CIAからも追われる身になる。そこには、ロシアの大統領選をめぐる国際的陰謀が隠されていたのだ…。


 デヴェローは、アリスを助け出し、事件の黒幕を暴こうとするのだが、CIA側にロシア側に通じている二重スパイがいることが発覚する。果たして、事件の黒幕は誰なのか? デヴェローが信頼できる仲間もいない中、過去を清算する孤高のミッション〈リベンジ〉に立ち向かう…。


 原作はシリーズ化もされている人気小説ということだが、この映画では原作の設定を大幅に変更して、実際にあったリトビネンコ事件を意識した作りになっている。リトビネンコ事件は日本でも大きく報道されたので、知っている人もいるかと思うが、約9年前にロシアのスパイ組織FSB(旧KGB)の中佐が、何者かによって放射性物質を飲まされ、暗殺された事件である。事件自体が少々古いためか、新鮮味は薄れているが、最近の007シリーズとは全く違う、古典的な雰囲気を出す事には成功しており、新しくもどこか懐かしいようなアクション映画になっている。


 主演のブロスナンはボンド役を降板して以降、似合わないミュージカル映画に出たり、イメチェンするにしても、どこか変な方向に行っていたのだが、元英国首相役を演じた「ゴーストライター」(2010年)ぐらいから、渋さと貫禄が戻ってきた。スパイ役と聞くと007の二番煎じっぽく聞こえてしまうが、007とは全くタイプの違う冷徹なキャラクターで、ヒロインとのラブシーンは無い。御年61歳だが、映画を観る限りまだまだ十分体が動いており、還暦超えを感じさせない。あと3〜4年は同じような役を演じることができるだろう。本作はシリーズ化が既に決定しており、ブロスナンの新たな当たり役になるのは間違いない。


 ヒロインのキュリレンコも相変わらず美しい。トム・クルーズと共演した「オブリビオン」(2013年)以外、出演作はアート系の劇場での公開が多いので、なかなか全国チェーンで見かける機会が少ないのが残念だが、今回は謎の多いヒロインを好演。殆どノーメイク(!)ということで、きれいだったナァ。


私の評価…☆☆☆☆

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2015年2月17日 (火)

シン・シティ 復讐の女神

シン・シティ 復讐の女神
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス
脚本:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス、ウィリアム・モナハン
原作:フランク・ミラー「A Dame to Kill For」
製作:セルゲイ・ベスパロブ 他
音楽:ロバート・ロドリゲス
出演:ジェシカ・アルバ、パワーズ・ブース、ジョシュ・ブローリン、ジェイミー・チャン、マートン・チョーカシュ、ロザリオ・ドーソン、ジュリア・ガードナー、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、エヴァ・グリーン、デニス・ヘイスバート、ステイシー・キーチ、ジェイミー・キング、レイ・リオッタ、クリストファー・メローニ、クリスタル・マッケイヒー、ジェレミー・ピヴェン、ミッキー・ローク、ジュノー・テンプル、ブルース・ウィリス 他


 《脱ぎっぷりのいいエヴァ姐さんの悪女役がハマり過ぎ!》


 フランク・ミラー原作のグラフィック・ノベルを実写映画化した「シン・シティ」。本作はその約9年ぶりの続編。原作の人気エピソード2編と映画オリジナル・エピソード2編を組み合わせた構成となっている。


 太陽も朽ち果て、闇に抱かれたこの街「シン・シティ」に、男たちの荒んだ心を照らす1人の女神がいる。場末のストリップバー「ケイディ」のダンサー、ナンシー(ジェシカ・アルバ)だ。だが、彼女の中にも闇がある。愛するハーティガン刑事(ブルース・ウィリス)を死に追いやった街の支配者、ロアーク上院議員(パワーズ・ブース)を必ず殺すという誓いだ。心優しき野獣・マーヴ(ミッキー・ローク)は、そんなナンシーを見守り続けていた。ロアークは非道な手で、果てしない欲望を叶え、街は加速度的に腐敗。さらに、全ての男翻弄する稀代の悪女・エヴァ(エヴァ・グリーン)の台頭など、虫螻のようにアウトサイダーたちは踏み潰されていく。そんなある日、隆盛を誇るロアークに挑戦者が現れる。若く傲慢なギャンブラー、ジョニー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)だ。彼はポーカーで大勝するが、仕返しに黄金の指を叩き潰される。一方、エヴァは、嘗て恋人だった私立探偵のドワイト(ジョシュ・ブローリン)を大富豪の夫殺しに利用しようとしていた。だが遂に
、ならず者たちの怒りが頂点に達した。一匹狼として生き抜いてきた彼らが、燃えたぎる憎しみで共鳴した時、激烈な復讐が始まるのだった…。


 前作公開直後から続編の話が立っては消えるということを繰り返していたのだが、ようやく公開にこぎつけた。9年も経ってしまった事でファンも皆、前の話を忘れているだろうからと、ご丁寧にも日本公開版には本編前に、声優・立木冬彦氏によるナレーションで“前作のおさらい”が上映される。


 最近は出演している女優で映画を観る事が多いのだが、このシリーズも前作は、当時ちょっと好きだった“ハリウッドのブリちゃん”こと故ブリタニー・マーフィ(享年32歳)が出ていたので観に行っていた。だが約5年前に急逝し、今回は注目すべき女優がいるのかなぁ… と、思って観たら、いましたよエヴァ姐さんが(笑)。


 どうもこの人、「ダーク・シャドウ」あたりから、超個性的な悪女役が多くなっているような気がするのだが、今回もまた強烈な悪役で、おまけに脱ぎっぷりもよくなっており、本来のヒロインであるジェシカ・アルバの存在が霞んでしまうほどインパクト抜群だ。


 対照的にそのジェシカ・アルバは、ストリッパー役なのに全然脱がない。でも、この人も9年前と容姿が殆ど変わっていないのは驚異的といえる。


 前作の世界観を踏襲することで、新鮮味は薄れたが、ノリが変わらないためか、前作でハマった人なら今回も楽しめる。大活躍の女優陣と比べミッキー・ロークとジョシュ・ブローリン以外の男優陣に元気がないのが気になるが、今年観た中では面白かった部類に入る1本だ。


私の評価…☆☆☆☆

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2015年2月15日 (日)

96時間/レクイエム

96時間/レクイエム
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:オリヴィエ・メガトン
脚本:リュック・ベッソン 他
製作:リュック・ベッソン
音楽:ナサニエル・メカリー
出演:リーアム・ニーソン、フォレスト・ウィテカー、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン、ダグレイ・スコット、サム・スプルエル、リーランド・オーサー、ジョン・グリース、デヴィッド・ウォーショフスキー、ドン・ハーベイ、ディラン・ブルーノ、アンドリュー・ハワード、ジョニー・ウェストン 他


 《もはや1作目とは何の関係もないシロモノ》


 家族のために単独で悪に挑む元CIA捜査官であり、最強の父親の活躍を描いたシリーズ第3弾。


 ヨーロッパの犯罪組織を壊滅させた元CIA捜査官ブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)は、娘・キム(マギー・グレイス)と元妻・レノーア(ファムケ・ヤンセン)との絆も取り戻したかにみえた。だがレノーアとの未来を思い描いていた矢先、彼女は何者かによって殺害され、ブライアンに殺人容疑がかかる。CIA、FBI、さらには警察からも追跡されるブライアン。真犯人を突き止め独自の正義を下すため、そして今や彼にとって唯一の大切な存在となったキムを守るために彼は「特殊スキル」を駆使しながら黒幕に迫っていく。しかし、そこには衝撃の真実が待ち受けていた…。


 リュック・ベッソンが絡む映画は、他のフランス映画とは違って少しハリウッド被れしているところがあり、ちょっと変わったフランス映画の娯楽作として楽しめる、この映画も3作共通して描かれるのは、家族を守る父親の強さで、娘や妻を助けるためならなりふりかまわない主人公のハチャメチャぶりが楽しめるのだが、今回はストーリーが粗く、展開が雑過ぎる。


 現代の“Taken”ならともかく邦題の“96時間”はすでに意味が繋がらなくなっているし、主人公も敵も雑な行動だらけでツッコミどころ満載。おまけに事の発端が準ヒロインであるはずの元妻の惨殺では、最初から真のハッピーエンドにはならないよと言っているようなもので、観ていてちっとも気分が良くならない。


 しかし、ファムケは途中で死ぬ役多いな。まぁ、「X-MEN」のジーンは原作でも神出鬼没キャラなので映画でもちょくちょく出演しているのだが、007でもボンドを“カニばさみ”した挙げ句に殺されていたし(笑)、もうちょっとマシな役がまわってこないのかな?


私の評価…☆☆★

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2015年2月14日 (土)

あと1センチの恋

あと1センチの恋
劇場:MOVIX京都
監督:クリスチャン・ディッター
脚本:ジュリエット・トウィディ
原作:セシリア・アハーン「愛と虹の向こうに」
製作:サイモン・ブルック 他
音楽:ラルフ・ヴェンゲンマイアー
出演:サム・クラフリン、リリー・コリンズ、クリスチャン・クック、スキーニ・ウォーターハウス、アート・パーキンソン、ノーマ・シーハン、ジェイク・マンリー、ニック・リー、ジェイミー・ビーミッシュ、ジェマ・カラン 他


 《友達以上、恋人未満》


 世界的ベストセラーで、映画化もされた「P.S.アイラヴユー」の作者セシリア・アハーンの2作目「愛と虹の向こうに」を映画化。互いを思いながらも、愛を打ち明けられないまますれ違いを続ける幼なじみの男女の恋の行方を描く。


 ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳からの幼なじみで、ずっと一緒に青春を過ごしてきた友達以上、恋人未満の間柄。くだらない話も夢の話も恋の話も、ねんでも2人は共有してきた。そして2人の夢は、この小さなイギリスの田舎町を離れ、アメリカのボストンにある大学へ一緒に進学すること。ところが、ある日ロージーがクラスで人気の男の子と一夜を共にし、妊娠してしまう。2人は再会を誓い、ロージーは地元に残り、アレックスをボストンの大学へと送り出す。お互いを想いながら言葉にできないままに…。


 初めて別々の人生を歩むことになる2人。記憶の掛け違い、誤解、恋のライバル、読まれることのなかったラブレター、運命のいたずらに翻弄され、12年間も2人は近づいては離れていくが…。


 こういう“友達以上、恋人未満”の男女の恋愛や友情を描いた映画は、「恋人たちの予感」という傑作映画を例に出すまでもなく、昔からよく描かれてきたが、本作はその「恋人たちの予感」よりすれ違いが多く、早いテンポで話が進む。


 こういう話は主人公カップルに手枷足枷なるべく多く着けさせて、恋愛成就させにくくした方が確かに面白いのだが、この映画は少々やり過ぎな感がある。ラストまでの紆余曲折は観ている分には面白いのだが、さすがに12年は長すぎ(笑)。


 だからなのかもしれないが、主演のリリー・コリンズは、「白雪姫と鏡の女王」や「シャドウハンター」といったファンタジー映画のイメージがあって、こういったちょっと現実離れしているような映画にはピッタリだ。あまり共感できない部分が無いわけでもなく、やや予定調和なところもあるので、点数は高くないが、そこそこに楽しめる映画ではあった。


私の評価…☆☆☆★

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2015年2月13日 (金)

〈シネパス〉巴里のアメリカ人(1951年)

〈シネパス〉巴里のアメリカ人(1<br />
 951年)
劇場:イオンシネマ茨木(旧・ワーナーマイカルシネマズ茨木)
監督:ヴィンセント・ミネリ
脚本:アラン・ジェイ・ラーナー
製作:アーサー・フリード
音楽:ジョージ・ガーシュウィン
音楽監督:ソウル・チャップリン、ジョニー・グリーン
振付:ジーン・ケリー
出演:ジーン・ケリー、レスリー・キャロン、オスカー・レヴァント、ニナ・フォック、ジョルジュ・ゲタリ 他


 《ジーン・ケリーの魅力が詰まった傑作ミュージカル》


 1951年度のアカデミー賞で作品賞や作曲賞など主要8部門を受賞。当時初めてのミュージカル作品の受賞となった。


 パリにすむアメリカ人ジェリー(ジーン・ケリー)は、気儘な感じやすい青年。パリに留まって一人前の絵描きになることが宿望だが、絵の勉強は一向に進まない。だが友達はたくさんいる。米国人ピアニスト、アダム(オスカー・レヴァント)やフランス人歌手アンリ(ジョルジュ・ゲタリ)たちだ。ジェリーの絵はさっぱりパリジャンにうけなかったが、モンマルトルで開いた個展を訪れた金持ちの米国婦人ミロ(ニナ・フォック)は、彼の才能を認め保証人になってくれた。どうやらミロは絵よりもジェリーに興味があるようだ。ミロと一緒にキャバレーにいったジェリーは、そこで愛くるしく清楚なパリ娘リズ(レスリー・キャロン)を見初めて一目惚れ、強引に彼女の電話番号を聞き出した。明くる日から、ジェリーとリズは逢引きを重ね、お互いに愛し合う仲となった。だがリズはアンリと内々に婚約している事をジェリーに隠していた。リズは戦争中両親を亡くしてからというもの、アンリの献身的な世話を受けてきたので、彼を愛してはいなかったが深く恩義を感じて婚約したの
だった。やがてアンリはアメリカへ演奏旅行に出発することになり、彼はリズに結婚を申し出た。リズはこれを承諾し、ジェリーに全てを打ち明けた。ジェリーが落胆した事は勿論だが、ミロは却って喜んだ。そのミロを連れて美術学生の舞踏会に出かけたジェリーは、そこでリズとアンリに会った。人影無いバルコニーで、ジェリーとリズは最後の別れを惜しむのだった…。


 本当はコレ、できれば「午前十時の映画祭」でやってくれれば、そっちの方で観たかったのだが、なにはともあれスクリーンで観る機会ができてよかった! この「シネパス」は全国のイオンシネマ(開催期間中に開館した所を除く)で昨年3月から1年間にわたって催されてきた旧作映画の上映会だが、一部の劇場を除いて土・日曜は上映が無く、ラインナップが発表されてから楽しみにはしていたものの、観られるかどうかは直前まで分からずヤキモキしていたが、幸い自分の仕事は土・日曜よりも平日に休みが入ることが多い(不定だが)ため、なんとか観ることができた。


 ジーン・ケリーの恋の鞘当て物語で、音楽は全般的にアイラとジョージのガーシュイン兄弟の楽曲が使われており、主人公とフランス娘の恋にフランス人歌手と主人公のパトロンが絡むという四角関係が描かれる。ミュージカルなので基本的には明るく楽しい映画だが、時折切なく感じるのは、舞台となるパリの雰囲気がそうさせるからなのかもしれない。


 ジーン・ケリーのダンスは相変わらずダイナミックで、それにちゃんとついていくレスリー・キャロンも凄くいい。振付けにバレエの動きがかなり取り入れられているが、彼女は元々フランスのバレリーナで、当時まだ17歳。実は当初、この役は「雨に唄えば」に出演していたシド・チャリシーが演じる予定だったが、妊娠が発覚したために交代せざるをえなくなり、探していたところ、レスリーがバレエの巡業中にジーン・ケリーの目に留まり、この映画でデビューした。


 圧巻なのは、なんといってもクライマックス18分に及ぶバレエ・シーン。長すぎるという意見もあるようだが、やはり最大の見せ場であることは間違いなく、名画を思わせる舞台美術と2人のダンスがマッチしていて、何度でも観たくなる名場面になった。


私の評価…☆☆☆☆★

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2015年2月10日 (火)

ベイマックス

ベイマックス
ベイマックス
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
脚本:ジョーダン・ロバーツ、ドン・ホール
原作:スティーヴン・T・シーグル、ダンカン・ルーロー「Big Hero 6」
製作:ロイ・コンリ
製作総指揮:ジョン・ラセター
音楽:ヘンリー・ジャックマン
挿入歌:Fall Out Boy「Immortals」
日本公開版主題歌:AI「Story (English Version)」
声の出演(カッコ内は日本語吹き替え版の声優):ベイマックス…スコット・アツィット(川島得愛)、ヒロ・ハマダ…ライアン・ポッター(本城雄太郎)、タダシ・ハマダ…ダニエル・ヘニー(小泉孝太郎)、フレッド…T・J・ミラー(新田英人)、ゴー・ゴー…ジェイミー・チャン(浅野真澄)、ワサビ…デイモン・ウェイアンズ・jr.(武田幸史)、ハニー・レモン…ジェネシス・ロドリゲス(山根舞)、ロバート・キャラハン教授…ジェームズ・クロムウェル(金田明夫)、アリステア・クレイ…アラン・テュディック(森田順平)、キャス…マーヤ・ルドルフ(菅野美穂)、将軍…エイブラハム・ベンルービ(中田譲治)、アビゲイル・キャラハン…ケイティ・ロウズ(植竹香菜)、ニュースキャスター…ビリー・ブッシュ(あべそういち)、警察官…ダニエル・ガーソン(坂口候一)、Mr.ヤマ…ポール・ブリッグス(立木文彦)、女ボス…シャーロット・グレイジアン(甲斐田裕子)、ヒースクリフ…デイビット・ショーネシー(こねり翔)、フレッドの父…スタン・リー〔カメオ出演〕(大木民夫) 他

※日本語吹替版には、コンピューターの音声で、感情認識ロボット「pepper」が出演。


〈同時上映〉短編映画「愛犬とごちそう」(3D作品)


 《映画ファンはエンド・ロール後のお楽しみもチェック!》


 近未来の架空の都市を舞台に、心を閉ざした少年と癒し系ロボットとの心の交流を描く、ディズニーの長編アニメ第54作。


 技術分野最先端の頭脳が集まる都市サンフランソーキョーに住む14歳の少年ヒロは、たった一人の身内である兄タダシを謎の事故で失う。心を閉ざし悲しみに暮れるヒロの前に、突如ベイマックスというロボットが現れる。空気で大きく膨らみゆったりと動くベイマックスは、タダシが開発した、人の身や心の健康を守るケア・ロボットだった。ベイマックスの優しさに触れ、次第にヒロの孤独な心は癒され元気を取り戻していく。そんなタダシの死に疑問を持ち調べていくうちに、恐るべき陰謀に気付く。ヒロはこれに立ち向かおうとするが、唯一の味方であるベイマックスはケア・ロボットであるため戦う意欲すらない。実はベイマックスは、タダシからある使命を託されていた…。


 もう、何度も書いている事だが、ディズニーとピクサーが手を組んで作ると、何でこんなにいい映画ができるのだろう? 「アナ雪」では姉妹の絆が描かれたが、今回は兄弟の絆、それもある事件が原因で死に別れた兄と、その兄が弟に残したケア・ロボットを通しての絆や仲間との友情を描く感動作だ。


 原作の「Big Hero 6」は、ディズニー傘下となったマーベルコミックのヒーロー。だが、キャラクターの基本設定以外はかなり変更されているので、もしかすると原作を知っている人からすれば、かなりの違和感を感じるかもしれない。ただ、この「Big Hero 6」自体がマーベルコミックの中でも小品で馴染みが薄いという事もあるためか、ディズニーにとってはアレンジしやすかったのだろう。少女向けと少年向けの違いはあるが、名作童話の「雪の女王」をディズニー流に改変した「アナ雪」同様、本作も見事なディズニー流アレンジが成されている。どちらかというと少年向けアニメは不得意な感があるディズニーだが、本作である程度の方向性はついたのかもしれない。自社とは毛色の違う会社を傘下に入れる事で、自社が作る映画の色合いを変えていく。ディズニーは一時、自社作品の作風のマンネリ打破に苦慮していたが、この点についても解消されたといっていいだろう。


 ところで、前述のように本作はマーベルコミックものである。と、いうことは実写ならあの“出たがりおじさん”がいるはずだが… と思っていたら、エンドロール後にああいう形で出てくるとは思わなかった(笑)。“お約束”を知らない人もかなりいたので、あまりウケてはいなかったが、映画ファンならニンマリできるだろう。


私の評価…☆☆☆☆☆

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2015年2月 4日 (水)

バンクーバーの朝日

バンクーバーの朝日
バンクーバーの朝日
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:石井裕也
脚本:奥寺佐渡子
企画協力:テッド・Y・フルモト(「バンクーバー朝日 日本人野球チームの奇蹟」著者)
音楽:渡邊崇
出演:妻夫木聡、亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮、佐藤浩市、高畑充希、宮崎あおい、貫地谷しほり、石田えり、ユースケ・サンタマリア、鶴見辰吾、本上まなみ、光石研、田口トモロヲ、徳井優、大鷹明良、岩松了、大杉漣、田島令子、藤村周平、芹澤興人、阿部亮平、武子太郎、溜口佑太朗(ラブレターズ)、南好洋、鏑木海智 他


 《本当に見せなきゃいけないドラマ部分が描ききれていない》


 戦前のカナダに実在した日系人野球チーム「バンクーバー朝日」を、昨年5月公開の映画「ぼくたちの家族」と同じ監督・主演コンビで描く。


 2002年5月15日、カナダ・トロント。地元ブルージェイズごシアトル・マリナーズを迎え撃つ一戦で変わった始球式が行われた。イチローや佐々木、長谷川が見守る中、マウンドに現れたのは東洋人と思われる5人の老人たち。彼らがボールを放つと観客は一斉に湧き、球場はスタンディングオベーションで包まれた。


 彼らは、戦前のカナダ・バンクーバーに実在した日本人野球チーム「バンクーバー朝日」の選手たちだった…。


 1900年代初頭、多くの日本人が新天地を夢見て、遥か遠くカナダへと海を渡った。しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは、差別、過酷な肉体労働、貧困といった厳しい現実だった…。


 そんな中、日本人街に一つの野球チームが生まれる。日系二世が中心となりバンクーバーを拠点にした選手たち。チームの名は「バンクーバー朝日」。夢も希望も持てなかった激動の時代。やがてチームは人々にとって、一条の光となっていく。彼らは何を信じ、何を求めて走り続けたのか。歴史の波間に埋もれた「真実の物語」が今、ここに甦る…。


 このチームの存在やエピソードは、僕は前にTV番組で紹介されていたのを観たことがあるので知っていたが、大多数の人はこの映画でこのチームの存在や、当時の世相を知ることになる。どういった意図でこの映画が作られたのか、正確なことは分からないが、野球映画としても、また当時のカナダから見た日本人の立場を描く人間ドラマとしても描き足りないものがたくさんあるような気がして、残念な気分になった。


 野球経験のある亀梨と上地以外のキャストのヘタレさ加減は、今の野球のレベル自体が当時とは違うだろうから、大目にみてもいいだろう。ただ本作で描かなければならないのは野球シーンではなく、当時の日系人が受けた差別や貧しさのほうであり、そこをどう克服していったかという事をしっかり描かないと、この映画を作った意味が無いのではないか。そういう観点からすると、主人公らが仕事をしている場面が非常に少なく、野球シーンとのバランスが悪い。ラストシーンでベンチにたたずむ老人は、恐らくメンバーの1人の今の姿ということなのだろうが、ちゃんとした説明が映像表現やセリフで表現されていないので、意味不明である。


 唯一、心に残る場面は高畑充希が「私を野球につれてって」を歌う場面だろうか。男臭い映画の中で、ヒロインの一番の見せ所といっていい。大学進学の夢が散ってしまった彼女の悔しさなど、入り交じった様々なものが集約し、感情が爆発した素晴らしいシーンだった。


私の評価…☆☆☆★

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ゴーン・ガール

ゴーン・ガール
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:デヴィッド・フィンチャー
原作・脚本:ギリアン・フリン「ゴーン・ガール」
製作:レスリー・ディクソン、リース・ウィザースプーン 他
音楽:トレント・レズナー、アッティカス・ロス
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ベン・アフレック(森川智之)、ロザムンド・パイク(加藤有生子)、ニール・パトリック・ハリス、タイラー・ペリー、キャリー・クーン、キム・ディケンズ、パトリック・フュジット、ケイシー・ウィルソン、ミッシー・パイル、セーラ・ウォード、エミリー・ラタイコウスキー、キャスリーン・ローズ・パーキンス、リサ・バネス、デヴィッド・マクネイリー、ボイド・ホルブルック、ローラ・カーク、シド・ストリットマター、レオナルド・ケリー=ヤング 他


 《R・パイクの悪女っぷりが凄まじい》


 2012年に発表された同名小説を基に製作されたスリラー映画。一見幸せそうに見える夫婦の実情を暴きだす。


 アメリカ・ミズーリ州。幸せに満ちた理想的な結婚生活を送るニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)だったが、結婚5周年を迎えたその記念日にエイミーの姿が忽然と消える。家のリビングには争った形跡があり、さらにキッチンからエイミーの大量の血痕が発見される。警察は他殺と失踪の両面から捜査を進めるが、アリバイが曖昧なニックへ疑いの目を向けていく。美しい若妻が失踪したこの事件によって、ミズーリ州の田舎町に全米の注目が集まり、報道は過熱していく。その後、カップルの隠された素性が暴かれ、事件は思いもよらない展開を見せていく。完璧な妻・エイミーにいったい何が起きたのか…。


 デヴィッド・フィンチャーの映画は構成やカメラワークに凝ったものが多く、それが観客を楽しませる要因になっているのだが、本作もその1つといえよう。


 この映画には、かなりリアルな“仮面夫婦”の実態が描かれている。それ故、既婚者と未婚の者とでは見方や感じ方が違ってくると思うのだが、仮面夫婦の“表と裏”という事で考えれば、この映画はサスペンスの形を借りたブラック・コメディだ。


 とにかく若妻役・ロザムンド・パイクの怪演が凄まじい。アカデミー賞ノミネートも納得だ。彼女は「007/ダイ・アナザー・デイ」でも悪役ボンド・アクトレスを好演していたが、こういうどこかミステリアスな雰囲気を醸す美人女優が悪女を演じると、本当に怖い。


 この映画は予告編を観てからカップルで観に行ってもよいが、お互いが疑心暗鬼を生ずる事間違いなしである。それでも勇気ある人は観に行きましょう。


私の評価…☆☆☆☆★

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2015年2月 2日 (月)

ホビット 決戦のゆくえ 3D

ホビット 決戦のゆくえ
ホビット 決戦のゆくえ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ、フリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン、ギレルモ・デル・トロ
製作:キャロリン・カニンガム 他
音楽:ハワード・ショア
主題歌:ビリー・ボイド「The Last Goodbye」
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):マーティン・フリーマン(森川智之)、イアン・ホルム(山野史人)、イアン・マッケラン(羽佐間道夫)、リチャード・アーミティッジ(東地宏樹)、ベネディクト・カンバーバッチ(大友龍三郎)、オーランド・ブルーム(平川大輔)、エヴァンジェリン・リリー(甲斐田裕子)、ルーク・エヴァンズ(山路和弘)、リー・ペイス(森田順平)、グレアム・マクタヴィッシュ(玄田哲章)、ケン・ストット(稲垣隆史)、エイダン・ターナー(土田大)、ディーン・オゴーマン(落合弘治)、マーク・ハドロウ(茶風林)、ジェド・ブロフィー(佐藤せつじ)、アダム・ブラウン(小島敏彦)、ピーター・ハンブルトン(稲葉実)、ジェームズ・ネスビット(平田広明)、ケイト・ブランシェット(塩田朋子)、ヒューゴ・ウィーヴィング(菅生隆之)、クリストファー・リー(大木民夫)、シルヴェスター・マッコイ(野島昭生)、ビリー・コノリー(石塚運昇)、スティーブン・フライ(銀河万丈)、ライアン・ゲイジ(河本邦弘)、ジョン
・ベル(三宅貴大)、サイモン・ドン(岡井克升) 他


 《長い旅が、遂に終わる。そして… 》


 J.R.R.トールキンによる、「指輪物語」の前日譚3部作完結編。


 臆病で平凡なホビット族のビルボ(マーティン・フリーマン)は、竜(声=ベネディクト・カンバーバッチ)に奪われたドワーフの国と財宝を取り戻すべく冒険の旅に出た。旅の仲間は13人のドワーフと、魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)。やがて、森のエルフたちも加勢して、いよいよ竜と対峙する。火炎を吐く竜の凄まじい襲撃、財宝の奪還によって生じた仲間たちの対立、その裏側に忍び寄るさらに巨大な敵の存在… 遂に明らかにされる冥王サウロン(声=ベネディクト・カンバーバッチ 二役)の邪悪な企み。押し寄せる敵の大群に、破滅の足音が近づいてくる。団結か、全滅か。大地を二分する壮大な戦いの火蓋が切って落とされる…。


 2001年に製作された「ロード・オブ・ザ・リング」から約13年。今回は最初に作られた「ロード・オブ・ザ・リング」に繋がる前日譚のクライマックスということで、のっけから戦いの嵐で迫力満点だ。原題は「五軍の戦」で、あらゆる種族が戦いに巻き込まれていく。


 戦いばかりでは単調になってしまうので、随所に映画オリジナルのストーリーを盛り込むのも、この監督の特色。いつもはそれを盛り過ぎて、3時間近い超大作になってしまうのが欠点でもあるのだが、今作は原作のボリュームが「指輪物語」と比べて遥かに少ない故、オリジナル部分を足しても2時間半と、観ていて比較的疲れない尺度に収まった。


 作品の構成も先に作った「ロード〜」シリーズを意識したものになっていて、「ロード・オブ・ザ・リング」1作目への伏線をきっちり描いている。このため、全6作を通して観るとループするような作りになっているのが面白い。


 ラストシーンを観ると、やっとこれで終わるという安堵感とともに、もうこのキャラクターたちにスクリーンで会えないのだという一抹の寂しさを感じてしまう。ほぼ、同時期に作られて先に完結した「ハリーポッター」シリーズが、最近になって複数のスピン・オフ企画が持ち上がっているように、本シリーズも何か作ってほしいなぁと思うのは、僕だけかな?


私の評価…☆☆☆☆★

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