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2015年2月 4日 (水)

バンクーバーの朝日

バンクーバーの朝日
バンクーバーの朝日
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:石井裕也
脚本:奥寺佐渡子
企画協力:テッド・Y・フルモト(「バンクーバー朝日 日本人野球チームの奇蹟」著者)
音楽:渡邊崇
出演:妻夫木聡、亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮、佐藤浩市、高畑充希、宮崎あおい、貫地谷しほり、石田えり、ユースケ・サンタマリア、鶴見辰吾、本上まなみ、光石研、田口トモロヲ、徳井優、大鷹明良、岩松了、大杉漣、田島令子、藤村周平、芹澤興人、阿部亮平、武子太郎、溜口佑太朗(ラブレターズ)、南好洋、鏑木海智 他


 《本当に見せなきゃいけないドラマ部分が描ききれていない》


 戦前のカナダに実在した日系人野球チーム「バンクーバー朝日」を、昨年5月公開の映画「ぼくたちの家族」と同じ監督・主演コンビで描く。


 2002年5月15日、カナダ・トロント。地元ブルージェイズごシアトル・マリナーズを迎え撃つ一戦で変わった始球式が行われた。イチローや佐々木、長谷川が見守る中、マウンドに現れたのは東洋人と思われる5人の老人たち。彼らがボールを放つと観客は一斉に湧き、球場はスタンディングオベーションで包まれた。


 彼らは、戦前のカナダ・バンクーバーに実在した日本人野球チーム「バンクーバー朝日」の選手たちだった…。


 1900年代初頭、多くの日本人が新天地を夢見て、遥か遠くカナダへと海を渡った。しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは、差別、過酷な肉体労働、貧困といった厳しい現実だった…。


 そんな中、日本人街に一つの野球チームが生まれる。日系二世が中心となりバンクーバーを拠点にした選手たち。チームの名は「バンクーバー朝日」。夢も希望も持てなかった激動の時代。やがてチームは人々にとって、一条の光となっていく。彼らは何を信じ、何を求めて走り続けたのか。歴史の波間に埋もれた「真実の物語」が今、ここに甦る…。


 このチームの存在やエピソードは、僕は前にTV番組で紹介されていたのを観たことがあるので知っていたが、大多数の人はこの映画でこのチームの存在や、当時の世相を知ることになる。どういった意図でこの映画が作られたのか、正確なことは分からないが、野球映画としても、また当時のカナダから見た日本人の立場を描く人間ドラマとしても描き足りないものがたくさんあるような気がして、残念な気分になった。


 野球経験のある亀梨と上地以外のキャストのヘタレさ加減は、今の野球のレベル自体が当時とは違うだろうから、大目にみてもいいだろう。ただ本作で描かなければならないのは野球シーンではなく、当時の日系人が受けた差別や貧しさのほうであり、そこをどう克服していったかという事をしっかり描かないと、この映画を作った意味が無いのではないか。そういう観点からすると、主人公らが仕事をしている場面が非常に少なく、野球シーンとのバランスが悪い。ラストシーンでベンチにたたずむ老人は、恐らくメンバーの1人の今の姿ということなのだろうが、ちゃんとした説明が映像表現やセリフで表現されていないので、意味不明である。


 唯一、心に残る場面は高畑充希が「私を野球につれてって」を歌う場面だろうか。男臭い映画の中で、ヒロインの一番の見せ所といっていい。大学進学の夢が散ってしまった彼女の悔しさなど、入り交じった様々なものが集約し、感情が爆発した素晴らしいシーンだった。


私の評価…☆☆☆★

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