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2015年4月30日 (木)

ソロモンの偽証 前編・事件

ソロモンの偽証 前編・事件
ソロモンの偽証 前編・事件
劇場:MOVIX京都
監督:成島出
脚本:真辺克彦
原作:宮部みゆき「ソロモンの偽証」
製作総指揮:大角正
音楽:安川午朗
主題歌:U2「With or Without You」
エンディング・テーマ:「ADAGIO PER ARCHI E ORGANO IN SOL MINORE」(インストゥルメンタル)
出演:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基、望月歩、佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、黒木華、田畑智子、余貴美子、松重豊、小日向文世、尾野真千子、西畑澪花、若林時英、西村成忠、加藤幹夫、石川新太、池谷のぶえ、塚地武雄、田中壮太郎、市川実和子、安藤玉恵、木下ほうか、宮川一朗太、津川雅彦 他


 《前編は、問題提起のみ》


 ベストセラー作家の宮部みゆきが、構想15年、執筆に9年をかけた現代ミステリー小説の最高傑作を、「八日目の蝉」のスタッフが映画化。原作は「事件」「決意」「法廷」の3部構成だが、映画では「決意」を前後に振り分け「事件」「裁判」の2部構成で製作された。このため、原作で描かれる一部の登場人物が整理され消されており、成人した後の主人公の職業が異なる等、若干の脚色がされている。


 記録的な大雪が降ったクリスマスの朝、ある中学校の校庭で2年生の男子生徒・柏木卓也(望月歩)が遺体となって発見される。転落死したと見られ学校と警察は自殺と断定するが、彼は殺されたという目撃者を名乗る者からの告発状が届き、波紋を呼ぶ。マスコミの報道が熱を帯び混乱が深まる中、犠牲者が1人、また1人と増えていった。生徒の1人・藤野涼子(藤野涼子)は保身ばかりを考える大人たちに見切りをつけ、死の真相を突き止めようと動き始める…。


 よくぞ、大ボリュームの原作を、ほぼ違和感なくまとめたなぁという感じである。最初、成人後のヒロインの職業が原作と違っているのを見た時は、この後どうなるのかなと思ったのだが、ストーリーを極力ナレーションで端折らずに進めるには、主人公を語り部にして、回想形式でやっていくより他になかったのかもしれない。原作では、国語の教師となって母校に赴任してくるのは、遺体の第一発見者である野田健一(映画では前田航基が演じている)だ。勿論この脚色は、地味なヒロインの主役としての位置付けを強調するのに成功しており、学生時代を演じる新人の藤野涼子(役名を芸名にしてデビュー!)のイメージ作りにも貢献しているといえよう。


 そして、後編に繋がる終わり方も絶妙だ。殆ど問題提起のみで、さあいよいよ校内裁判が始まるぞ! と、いう時に“後編に続く”となるのである。事件に振り回される人間たちのドラマが力強く描かれているので、長尺なわりには全く飽きがこない。期待感を煽り捲るエンドロール後の後編の予告編もよくできており、早く後編が観たい! という思いを掻き立てる映画であった。


私の評価…☆☆☆★

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