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2015年4月28日 (火)

幕が上がる

幕が上がる
劇場:梅田ブルク7
監督:本広克行
脚本:喜安浩平
原作:平田オリザ「幕が上がる」
製作:片山玲子、守屋圭一郎
音楽:管野祐悟
主題歌:ももいろクローバーZ「青春賦」
出演:ももいろクローバーZ(百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏)、黒木華、ムロツヨシ、志賀廣太郎、清水ミチコ 他


 《正直期待していなかったが》


 劇作家で演出家の平田オリザが2012年に発表した同名小説を「踊る大捜査線」シリーズの本広監督が映画化。人気アイドルグループ、ももいろクローバーZのメンバーが高校の演劇部員に扮し、新任の女性教師の赴任を機に全国大会を目指して奮闘する姿を描く青春ドラマ。


 地区予選敗退。最後の大会を終えた先輩たちに代わり、部長として富士ヶ丘高校の演劇部をまとめることになった高橋さおり(百田夏菜子)。「負けたらヤなの!」と部員の前で意気込むさおりだが、悩める日々が続く。どうやったら演技が上手くなれるの? 演目は何にすればいいの? 「わからないー!」


 そんな時、学校に新任の吉岡先生(黒木華)がやってきた。元学生演劇の女王だったらしい! 美人だけどちょっと変わったその先生は、地区大会すら勝ったことのない弱小演劇部の私たちに言った。

 「私は行きたいです。君たちと、全国に。行こうよ、全国!」

気迫に充ちたその一言で、彼女たちの人生は決まる。演目は「銀河鉄道の夜」、演出は部長のさおり。演じるのは、看板女優でお姫様キャラの「ユッコ(玉井詩織)」、黙っていれば可愛い「がるる(高城れに)」、一年後輩でしっかり者の「明美ちゃん(佐々木彩夏)」、そして演劇強豪校からのスーパー転校生「中西さん(有安杏果)」らの部員たち。吉岡先生と、頼りない顧問の溝口(ムロツヨシ)と共に、富士ヶ丘高校演劇部は、見たことも行ったこともない、無限の可能性に挑もうとしていた…。


 ももクロがメインの映画なので、アイドル映画のようなものを想定して観たのだが、いい意味で期待を裏切られた。今日の舞台演劇ではよく取り入れられる“メソッド演技”など、舞台での表現方法をそのまま使っているため、少々辛気臭さを感じる人もいるとは思うが、慣れてくると心地いい。


 同じ学生演劇を扱った映画に「櫻の園」(1990年、2008年〈リメイク版〉)という傑作があり、本作の他の評を見ても比較されていることが多い。まぁ、あの映画とは対極にあるような気もするのだが、青春映画として見れば、勝るとも劣らない感じに仕上がっていると思う。


 俳優の方に目を向ければ、正直ももクロのメンバーの演技は拙いが、3人の先生役俳優がカバーし、もり立てている。この3人、実は舞台経験が豊富なのだ。国語の先生役志賀廣太郎は平田オリザが主宰する劇団「青年団」の俳優だし、演劇部顧問のムロツヨシは本広監督作品の常連で、舞台出演だけでなく自ら出演する舞台の脚本や演出もてがける。


 そして、演劇部を手伝う吉岡先生役の黒木華は、元々学生演劇の経験者。今年のアカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞するなど、今一番ノリにノッている女優だが、本作でもメリハリの効いた演技が良く、この先生が登場すると一気にその場の雰囲気が変わり、物語が動きだすのは、見ていて非常に気持ち良かった。


 ちなみにエンドロールは、何かどこかで見たようなパターンだなと思っていたら、あの原田知世主演版「時をかける少女」のエンドロール部分へのオマージュなのだとか。あの映画とは少々意味合いが違うと思うのだが…。本広監督にとってのアイドル&青春映画は、やっぱりそれになるのかな?


私の評価…☆☆☆☆★

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