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2015年5月

2015年5月28日 (木)

ワンダフルワールドエンド

ワンダフルワールドエンド
劇場:立誠シネマプロジェクト
監督・脚本:松居大悟
音楽・劇中歌・主題歌:大森靖子「呪いは水色」(主題歌)
出演:橋本愛、蒼波純、稲葉友、利重剛、町田マリー、大森靖子 他


 《こういうものは、どう評価していいのやら… 》


 2013年12月に発表された大森靖子の楽曲「ミッドナイト清純異性交遊」「君と映画」のMVを再構築した作品。このMVの撮影と同時に制作され、追加エピソードなどを加えて長編映画とした。


 17歳の早野詩織(橋本愛)はモデルとして活動するも、なかなか売れないでいた。そして、13歳の木下亜弓(蒼波純)は、そんな詩織の追っかけファンをしている。可愛くも過酷な世界に放り出された2人は…。


 これは一般的な商業映画とは違うため、ここに書いて評価するものではないかもしれないが、一応書いておくと、映画としては退屈なものである。


 ただ、普段はどこか影のある暗い役どころが多い橋本愛が、ここではかなり明るい女子高生モデルを演じており、いつもとは違う橋本愛が観られるので、これは橋本愛ファン向けの映画といっていいだろう。


 自分は橋本愛は結構好きな女優なので、なんとか最後までガンバって観ることができたのだが、それ以外の人にとっては何の盛り上がりもなく淡々としたストーリー展開なので、途中で眠たくなること間違いナシの映画である。


私の評価…☆☆

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2015年5月27日 (水)

映画 暗殺教室

映画 暗殺教室
映画 暗殺教室
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:羽住英一郎
脚本:金沢達也
原作:松井優征「暗殺教室」
音楽:佐藤直紀
主題歌:せんせーションズ「殺せんせーションズ」
出演:山田涼介、菅田将暉、山本舞香、橋本環奈、優希美青、竹富聖花、高嶋政伸、椎名桔平、知英、加藤清史郎、上原実矩、武田玲奈、二宮和也(殺せんせーの声) 他


 《わざわざ実写映画にするほどのものではない》


 週刊少年ジャンプで連載中の松井優征による人気コミックを実写映画化。2016年には、続編となる「卒業編」の公開が予定されている。


 有名進学校として名高い「椚ヶ丘(くぬぎがおか)中学」の中でも落ちこぼれとされている3年E組に、どう見ても人間ではないタコ型の謎の生物が、突然、担任教師として現れた。その生物は月の7割を破壊し、1年後の3月には、地球破壊をも予告しているという。


 多くの暗殺者や軍隊が暗殺を試みるものの、逆に「お手入れ」される始末。地球破滅へのタイムリミットが近づく中、謎の生物自ら、なぜか椚ヶ丘中学3年E組の担任となることを政府に提案したのであった。


 国家から謎の生物、通称・殺せんせー(声:二宮和也)の暗殺任務を秘密裏に託されたE組の生徒たち。なんと、成功報酬は100億円。潮田渚(山田涼介)たちE組の生徒たちは戸惑いながらも、あの手この手で暗殺を試みていくことに。


 ターゲットとなった「殺せんせー」と呼ばれるこの生物は、思わぬところで生徒思いである面を見せる。この生物の真の目的とは…?


 漫画原作の映画を観ると、いったい誰トクな映画なんだと思うものが多々あるが、この映画もその一つ(笑)。


 確かに原作未読でも分かりやすいし、役者もそこそこいい演技をしているから、見るに堪えないということはないが、どう考えても映画っぽくない。しかも、最後まで観ると、一部の伏線が回収されないまま、いかにも続編ありきで作っているような終わり方なのに、その続編予告がされないまま終わるという不親切設計なため(この批判があったためかは分からないが、4月下旬からは本編後に続編予告が付け足されている)、観た後にモヤモヤ感が残る。


 実写映画よりも一足先にTV放送されたアニメ版の評判は結構良い。ただ最近の(特に深夜)アニメは、評価の善し悪しは別に、1クール(3か月)分製作して、原作の途中であっても一旦話をまとめてから、間を置いて第2期を作るので、最終話で終わり方に気を付けて作れば、再開時ほぼ何も問題にならないが、やはり映画は違う。最初から続編ありきで作るなら、予告編の段階で2部作を明言するか、本編内あるいは終了後に何らかの告知を入れるべきだ。後になって正式に続編が発表されたが、それでは先に観た客に対して失礼であり、そんなサプライズなどいらない。


 まぁ、よほど話題性がない限り続編を観る気は、今のところ無いな。


私の評価…☆☆

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2015年5月17日 (日)

ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密

ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密
ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密
劇場:MOVIX京都
監督:ショーン・レヴィ
脚本:デヴィッド・ギヨン、マイケル・ハンデルマン
製作:クリス・コロンバス 他
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ベン・スティラー(堀内賢雄 ※一人二役でラーの声のみ小山力也)、スカイラー・ギソンド(千葉翔也)、リッキー・ジャーヴェイス(佐藤晴男)、レベル・ウィルソン(渡辺直美)、ディック・ヴァン・ダイク(中村正)、ミッキー・ルーニー(浦山迅)、ビル・コッブス(坂口芳貞)、ロビン・ウィリアムズ(岩崎ひろし)、オーウェン・ウィルソン(森川智之)、スティーヴ・クーガン(水野龍司)、ラミ・マレック(小森創介)、パトリック・ギャラガー(間宮康弘)、ミズオ・ペック(本田貴子)、ブラット・ギャレット(=モアイ像の声 玄田哲章)、ダン・スティーヴンス(徳井義美)、ベン・キングズレー(佐々木勝彦)、アンジャリ・ジェイ(山崎絋菜) 他

〔カメオ出演〕ヒュー・ジャックマン(山路和弘)、アリス・イヴ(御沓優子)


 《今回がいちばんつまらん》


 夜になると博物館の展示物が動き出し、トラブルを巻き起こす、ベン・スティラー主演のファンタジー第3弾。2人の名優、ロビン・ウィリアムズとミッキー・ルーニーはこれが遺作となった。


 1938年、エジプト。遺跡の発掘現場で、考古学者の息子が地下墓地に転落。そこで光輝くファラオの石板が発見される…。


 所変わって現代のニューヨーク。アメリカ自然史博物館の夜警・ラリー(ベン・スティラー)は、新設されたプラネタリウムの祝賀パーティの準備で大忙し。晩餐会では満天の星座を見せながら「テディ」ことセオドア・ルーズベルト(ロビン・ウィリアムズ)が心を動かすスピーチを行い、大成功… のはずだった。ところが、テディがいきなり乱心、展示物の仲間たちまで乱入して大混乱となる。しかもパーティの後、仲間たちは何も覚えておらず、アクメンラー(ラミ・マレック)が倒れこんでしまった。どうやら展示物たちを動かしている魔法の石板に異変が起こったらしく、もし石板が滅びれば仲間たちは動けなくなってしまう。ラリーは前任の老警備員3人組(ディック・ヴァン・ダイク、ミッキー・ルーニー、ビル・コッブス)を訪ね、その秘密を解く鍵が大英博物館にあると知る。高校生の息子・ニッキー(スカイラー・ギソンド)と仲間たちを連れてロンドンへ向かったラリーは、女性警備員のティリー(レベル・ウィルソン)を騙し、なんとか大英博物館へ潜入するが、突如
巨大なトリケラトプスの骨格標本に襲われる。そこに現れ彼らを助け出したのは、アーサー王伝説の騎士・ランスロット(ダン・スティーヴンス)だった。だがホッとしたのも束の間、今度はオクタヴィウス(スティーヴ・クーガン)とジェデダイア(オーウェン・ウィルソン)のミニチュア2人組が排気口に吸い込まれ、危険なジオラマへと迷い込む。一方、ソウリュウの攻撃から辛くも逃げ出したラリーたちは、アクメンラーの父ファラオ(ベン・キングズレー)から石板の魔法の秘密を聞き出す。だがその時、ランスロットがニッキーを人質に取り、石板を奪ってロンドンの街へ逃走。それを追うラリーたちにはさらなる危機が待ち受けていた…。


 主人公・ラリーの話としては、前作で完結しているはずなので、何でわざわざ作ったのか、よく分からない映画(笑)。それに、ヤル気の無さも全体的に目立つ。


 面白くない、というわけではないが、最初の頃のようなドキドキワクワク感も薄れ、平凡な出来になってしまったのは残念。


 それでもクライマックスのテディの台詞は、ロビン・ウィリアムズのその後を予見しているようで、なんかもう、この人を見られなくなるんだなぁと思うと、泣けてくる。ミッキー・ルーニーもこの撮影後に亡くなっているが、撮影時既にに体調が思わしくないのは丸わかりで、無理して出させたのではないのかなぁ、という気がした。


 皆が踊ってハッピーエンドというのも、前2作と全く同じパターンなのだが、今回は僕の好きな映画「ダーティ・ダンシング」(1987年)のラストシーンのパロディーで構成されており(BGMもビル・メドレー&ジェニファー・ウォーンズの「The Time of My Life」!)、この部分だけは嬉しかった。


私の評価…☆☆☆

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2015年5月13日 (水)

博士と彼女のセオリー

博士と彼女のセオリー
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ジェームズ・マーシュ
脚本:アンソニー・マッカーテン
原作:ジェーン・ホーキング「Travelling to Infinity: My Life with Stephen」
製作:ティム・ビーバン 他
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演:エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、マキシン・ピーク、チャーリー・コックス、エミリー・ワトソン、ガイ・オリヴァー=ワッツ、サイモン・マクバーニー、アビゲイル・クラッテン、シャーロット・ホープ、ルーシー・チャペル、デヴィッド・シューリス、エンゾ・シレンティ、ゲオルグ・ニコロフ、アリス・オル=エウィング、ハリー・ロイド 他


 《奇跡と切ない現実》


 「ブラックホールの特異点定理」等で有名なスティーヴン・ホーキング博士と、難病ALSと闘いながら研究に打ち込む彼を支え続けた元妻ジェーンとの関係を、そのジェーンの手記を基に描く伝記映画。


 天才物理学者として将来を嘱望されていたスティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)がケンブリッジ大学の大学院に在籍中、詩を学ぶジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)と出会い、二人は恋に落ちる。だが直後にスティーヴンは難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症、余命2年の宣告を受ける。そんな彼と共に生きると覚悟を決めたジェーンは、一緒に病気と闘う道を選択し、やがて二人は結婚、そして出産…。自分たちに与えられた時間がどれほど貴重なものかを知る二人は、歳月を重ねる毎に増す試練に強固な愛の力で立ち向かっていくが、時には壁に突き当たり、限界を感じ、自身の無力さに打ち拉がれるのだった。しかし、刻々と悪化するALSとの闘病生活の中、ホーキング博士は持ち前のユーモアで乗り越え、“車椅子の科学者”として最先端の研究を精力的に行い、講演活動や執筆活動へ意欲的に取り組んでいく…。


 映画自体は普遍的なラブストーリーだが、現在も存命している実在の人物を、単なる美談物語としては描かず、かなり赤裸々に描いている。


 基になっている原作がジェーンの回顧録だからか、ほぼジェーン目線で描かれる。二人のラブストーリーは、観ているのが恥ずかしくなるほどの甘ったるいものなのだが、ホーキング博士がALSにかかり、2年という余命を宣告されたものの、それが奇跡的に病状の進行が止まり、ほぼ“永遠”となった時から、2人の愛が少しずつ崩壊していく。


 彼女からしてみれば、最初は約2年間の辛抱のつもりだったのだろう。だがそれが変わってしまったがために、理想と現実の違いに直面することになり、介護や子育ての疲れがたまって、心身ともに崩壊していく。


 ホーキング博士の方も、ALSは知能障害が出る事はないため、思うように体を動かせない事と、介護してくれる妻に対する思いというものに悩む事になる。


 映画では、この二人の問題に、それぞれ第三者を介入させるという解決策が描かれるのだが、こういう四角関係な構図は、新たなる愛の形であると同時に、介護に対する問題の一つの方向性を示しているのではないかとも思えた。


 ちなみに、ALSという病気は今でも根本的な治療法は無く、発症すれば5年程で死に至るケースが多いのだが、人工呼吸器などの生命維持装置があれば、延命は可能である。iPS細胞で治療できる可能性が出てきているようだが、その微かな光を早く大きく照らすようにしてほしいものである。


私の評価…☆☆☆☆

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2015年5月12日 (火)

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:モルテン・ティルドム
脚本:グラハム・ムーア
原作:アンドリュー・ホッジス「Alan Turing: The Enigma」
製作:テディ・シュウォーツマン 他
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、アレックス・ローサー、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グッド、マーク・ストロング、チャールズ・ダンス、アレン・リーチ、マシュー・ビアード、ロリー・キニア、ジャック・バノン、ヴィクトリア・ウィックス、デイヴィッド・チャーカム、タペンス・ミドルトン、ジェームズ・ノースコート、スティーヴン・ワディントン 他


 《偉業を闇に伏せられてきた天才学者の悲劇》


 第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号エニグマを解き明かした天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描いた伝記ドラマ。


 1939年、イギリスがヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が勃発した。


 天才数学者アラン・チューリングは、英国政府の機密作戦に参加し、ドイツ軍の誇る暗号エニグマ解読に挑むことになる。エニグマが「世界最強」と言われる理由は、その組み合わせの数にあった。暗号のパターン数は、10人の人間が1日24時間働き続けても、全組み合わせを調べ終わるまでに2千万年かかるというのだ…。


 暗号解読のために集められたのは、チェスの英国チャンピオンや言語学者など6人の天才たち。MI-6のもと、チームは暗号文を分析するが、チューリングは1人勝手に奇妙なマシンを作り始める。子供の頃からずっと周囲から孤立してきたチューリングは、共同作業など、はなからするつもりもない。両者の溝が深まっていく中、チューリングを救ったのは、クロスワードパズルの天才ジョーンだった。彼女はチューリングの純粋さを守りながら、固く閉ざされた心の扉を開けていく。そして初めて仲間と心が通いあったチューリングは、遂にエニグマを解読する。


 しかし、本当の戦いはここからだった。解読した暗号を利用した極秘作戦が計画されるが、それはチューリングの人生は勿論、仲間との絆さえも危険に晒すものだったのだ。さらに自分に向けられるスパイ疑惑。そしてチューリングが心の奥に隠し続け、ジョーンにすら明かせなかった、もう1つの大きな悲しい秘密。あらゆる秘密と疑惑が幾重にも積み重なり、チューリングの人生は思わぬ方向へと突き進んでいく…。


 今年は何本かの似たようなタイプの映画か、全く正反対のようなタイプの映画がほぼ同時期に公開されるので、見比べて楽しむことができる。


 本作は、第二次世界大戦時に活躍しながら、最近になるまでそれを闇に伏せられてきた天才学者の悲劇が描かれるが、日本ではほぼ同じタイミングで「博士と彼女のセオリー」が公開される。こちらは描かれる時代が本作より一世代後の話にはなるが、難病を抱えながらも愛と栄光に包まれていくホーキング博士の話。本作の主演ベネディクト・カンバーバッチもホーキング博士をTVドラマで演じたことがあるらしく、その作品もレンタルビデオ等で観ることができれば、見比べてみるのも面白いかもしれない。


 この解読機の発明は戦争終結を2年早まらせたといわれ、後のスーパー・コンピューターやパソコンに繋がっていくわけだが、何せこの事自体が国家機密ゆえ、人々には知らされず、数年前にエリザベス女王が名誉回復のスピーチをするまでかなりの年月を要した。また、チューリング自身が当時のイギリスでは認められないどころか強烈な偏見があった同性愛であったために、悩み苦しみ迎えるラストはあまりにも切ない。有名なチューリング・テストの仕組みをチューリングと刑事の対話の中に組み込んだり、所々脚色された部分もあるらしく、どこまでが史実に忠実なのかは分からないが、兵器が出てこない、殺戮シーンがない戦争映画の傑作であることは、違いないだろう。


私の評価…☆☆☆☆

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2015年5月 6日 (水)

〈新・午前十時の映画祭〉小さな恋のメロディ

〈新・午前十時の映画祭〉小さな恋のメロディ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ワリス・フセイン
脚本:アラン・パーカー
製作:デヴィッド・パットナム、デヴィッド・ヘミングス
音楽:ビージーズ、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング
出演:マーク・レスター、トレーシー・ハイド、ジャック・ワイルド、シェイラー・スティーフェル、ケイト・ウィリアムス、ジェームズ・カズンス 他


 《少年時代の甘酸っぱい思い出》


 1971年のイギリス映画。イギリスとアメリカではコケたが、何故か日本では大ヒット。後にアメリカで監督として成功するアラン・パーカーの処女作である。


 少年軍の帰り、ダニエル(マーク・レスター)を迎えに来た母親(シェイラー・スティーフェル)の車に勝手に乗り込んだのがトム(ジャック・ワイルド)だった。二人は同級生。イギリス国教の頭の堅い神父が校長(ジェームズ・カズンス)の学校だが、生徒はのびのびとし、彼らの世界は生き生きとしていた。トムは中でもガキ大将である。ダニエルは気の弱い美少年だが、なぜか気の合う二人は学校の帰りバスに乗って繁華街に遊びに行き、街中駆け巡って楽しい時を過ごした。二人は互いに心の友を持ち合った気がした。夕方、遊びに夢中で遅くなったと気付いた時、ダニエルは料金が高いタクシーを呼び止めトムもやむなく乗った。金持ちの家に育ったダニエルに、トムは嫉妬を感じるが、ダニエルにはよく呑み込めない。ある日、学校で女子生徒がバレエの練習をしているのを覗き見して見つかるが、その中に素敵な女の子を発見し、ダニエルは魅せられてしまう。それ以来、ダニエルは勉強も手につかず、おまけに運動会では、彼女の顔を思い浮べ夢中に走って一等になってしまっ
たりの毎日が続いた。彼女の名はメロディ(トレーシー・ハイド)。ダニエルはいつもメロディの後からついて歩いていき、メロディも友達からダニエルの恋心を知らされ、次第にダニエルの優しさに惹かれていった。宿題を忘れたトムは放課後先生からお尻を強か殴られるが、泣き顔で先生の部屋から出てきたダニエルをメロディが待っていた。トムは嫉妬を感じて引き止めようとするがダニエルとメロディは駆け出して行った。墓地で語り合う二人は互いに愛を感じて楽しい時を持った。翌日、学校を休んで二人は海岸へ遊びに行き夏の太陽と潮風を思い切り浴びた。

 「結婚してくれるかい?」

 「いつかね。でもどうして大人は結婚するとダメになるのかしら?」

 「きっと、わかりすぎるからだ。」

 「全部わかっちゃうからね」

翌日、学校で校長にお説教されるが、そこで二人は宣言する。

 「僕達結婚します」

と…。


 いやぁ、これは「午前十時の映画祭」が始まった5年前から観たかった映画。一応、この映画は僕が中学生の頃、ホール上映という形で学校から観に行ったことがあって(1971年の映画だから僕は生まれてなくて、当然ロードショーではなく旧作としての上映)、それ以来のスクリーンでの鑑賞となる。


 少年少女の純粋な恋を描くと同時に、裏テーマである大人への反抗もしっかり描いた良作。親の価値観で子供を抑えつけると、子供にも不満が貯まり、反発する力を生んでしまうのだ。もっとも、現代ならこの映画よりもさらに大変な事態になるだろうけど。今回は「PG-12」指定で上映されているが、恐らく未成年者の喫煙シーンがあるからだろう。勿論、当時は規制が緩かったこともあるだろうが、今はこんなシーンが少し含まれているだけでも、世界中で規制の対象となる。何とも世知辛いねぇ。


 そして、やはり男性だったら可愛いヒロイン役を演じたトレーシー・ハイドに胸キュンとなった人も多いだろう。自分も初めて観たときに、

 「ああ、自分にもこんな純粋で可愛い彼女が、学校の中にいたらなぁ… 」

なんて思ったものだ。そういえば3年ほど前、BS-TBSでこの映画の放送があり、その関連番組の再放送で、50代となったトレーシーのインタビューが放送されているのを観たが、少女時代の面影が残っていて、いい年のとり方をされているなと思った。


 これで、あとこの映画祭の第1回開催前からリクエストが多くても上映されていないのは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(1984年)ぐらいかな? 評価の高い完全版は長尺がネックだろうが、自分が一番好きな女優のジェニファー・コネリー(公開当時14歳)のデビュー作なので、なんとか上映してほしいな。


私の評価…☆☆☆☆

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2015年5月 3日 (日)

ソロモンの偽証 後編・裁判

ソロモンの偽証 後編・裁判
劇場:MOVIX京都
監督:成島出
脚本:真辺克彦
原作:宮部みゆき「ソロモンの偽証」
製作総指揮:大角正
音楽:安川午朗
主題歌:U2「With or Without You」
出演:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基、望月歩、佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、黒木華、田畑智子、余貴美子、松重豊、小日向文世、尾野真千子、西畑澪花、若林時英、西村成忠、加藤幹夫、石川新太、池谷のぶえ、塚地武雄、田中壮太郎、市川実和子、安藤玉恵、木下ほうか、宮川一朗太、津川雅彦 他


 《良くも悪くも予定調和》


 転落死した同級生の死の謎を巡り、中学生たちが隠された真実を暴こうとする姿を描く、宮部みゆきの同名小説を映画化したサスペンス・ミステリーの完結編。


 男子中学生・柏木卓也(望月歩)の転落死以降、殺人を告発する目撃者からの手紙、過熱報道、連鎖していく事件により学校は混乱していたが、大人たちは保身に走る一方だった。生徒の1人・藤野涼子(藤野涼子)は自分たちで柏木卓也の死の真相を突き止めようと動き始め、学校内裁判が開廷される。人間の底知れぬエゴや欲望、悪意が渦巻く中、少女が学校内裁判の果てに見たものとは…。


 本編前に前編のダイジェストが流れる。このため前編を観ていなくても、ある程度話についていくことはできるだろう。でも、何で“映画泥棒”の前なの? 明らかに順番が逆だよなぁ。流れを断ち切らずに後編に繋ぐべきなのに、あれが流れをブッた斬っている。


 内容については、うーん、学校内裁判というものは所詮、本当の裁判ではないのだから、最終的には罪を罰せないだろうな、と思っていたら、ほぼその通りの結果になっちゃった(笑)。


 ただ、他の裁判映画同様、この映画も裁判のシーンは相当緊迫感がある。謎解きの要素は薄いものの、屈折した親子愛や子供たちの成長といった様々な人間ドラマが交錯し、結末へと向かう構成もいい。前編ではヘタレっぷりが目立っていた大人たちだが、後編ではちゃんと活躍させている。やはり子供を守るためなら親は何だってやるのだ。


 ちなみに、この映画は松竹映画120周年記念作品で、一応社運を賭けた映画。前・後編合わせて50億円の興行収入を目標にしているという、まことにアフォなことをブチ挙げられていたが、後編の公開が始まった時点で、前編の興行収入が約7億円…。製作費はあまりかかっていないだろうから大コケはしないだろうが、目標額には遠く及ばないだろうな。


 主演の藤野涼子は、一応芸能事務所所属ではあるが、エキストラ以外の演技経験がない新人同然の女優。久々に眼力のある女優が出てきたな、と思っているのだが、本作の後暫らくは学業に重点をおくとのこと。売れる売れないは別にしても、実に勿体ない話である。


私の評価…☆☆☆★

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