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2015年6月

2015年6月24日 (水)

ワイルド・スピード SKY MISSION

ワイルド・スピード SKY MISSION
ワイルド・スピード SKY MISSION
劇場:MOVIX京都
監督:ジェームズ・ワン
脚本:クリス・モーガン
原作・キャラクター創造:ゲイリー・スコット・トンプソン
製作:ヴィン・ディーゼル 他
音楽:ブライアン・タイガー
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ヴィン・ディーゼル(楠大典)、ポール・ウォーカー〔ボディ・ダブル…コディ・ウォーカー、カレブ・ウォーカー〕(高橋広樹)、ドウェイン・ジョンソン(小山力也)、ミシェル・ロドリゲス(甲斐田裕子)、ジョーダナ・ブリュースター(園崎未恵)、タイリース・ギブソン(松田健一郎)、クリス・“リュダクリス”ブリッジス(渡辺穣)、エルサー・パタキー(坂井恭子)、ジェイソン・ステイサム(山路和弘)、カート・ラッセル(大塚芳忠)、ナタリー・エマニュエル(坂本真綾)、ジャイモン・フンスー(立木文彦)、トニー・ジャー(浪川大輔)、ロンダ・ラウジー(佐古真弓)、アリ・ファザール、ジョン・ブラザートン、ロメオ・サントス(志村知幸)、ノエル・グーリーエミー(山田浩貴) 他


 《さらば、ブライアン》


 高級車ばかりを狙う男たちの活躍を描く、人気アクションシリーズ第7弾。しかし撮影途中でポール・ウォーカーが急死したため、シナリオが手直しされ、その時点で撮影されていなかった部分は彼の弟たちが代役として参加している。時系列としては前作と第3作「〜TOKYO DRIFT」との間を埋めるもので、これでシリーズ全作品が繋がることになる。尚、続編製作に関してシリーズ製作を兼ねるヴィン・ディーゼルは完結を明言しておらず、続編製作の可能性を否定していない。


 欧州全土で暗躍していたオーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンス)率いる国際犯罪組織を壊滅させ、レティ(ミシェル・ロドリゲス)を奪還したドミニク(ヴィン・ディーゼル)と仲間たち。ロサンゼルスで安息の日々を過ごしていた彼らのもとに、東京から1本の電話が入る。

 「お前たちの仲間を殺した。」

電話の主はデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)。オーウェンの兄であり、嘗てドミニクたちが対峙したどんな敵よりも恐ろしい男。弟の仇を討つため復讐に燃えるデッカード・ショウと仲間を失い怒りに燃えるドミニクたち。


 全てを賭けた最後の熱き戦いが始まる…。


 アクション映画のシリーズは、たいてい回を追う毎に、ツッコミどころが多くなり、プロットなんかも破綻しまくる。この映画もそんな映画なのだが、それを逆手にとって楽しむ映画でもある。


 今回は“空”が1つのテーマなので、車が上空から落下したり、崖を落ちたり、ビルからビルへと飛び移ったりという、とんでもないカーアクションの釣瓶うちで、全く息をつく暇もない。だが、前述のとおりポール・ウォーカーの死ということもあり、シリーズを一区切りつける意味もあってか、ストーリーが進むにつれ、どこか切ない気分になってくる。特にラストシーンは泣けてくるファンも多いだろう。


 本作は全世界で大ヒットしており、製作を兼ねているヴィン・ディーゼルも、シリーズ続行に否定的ではない発言をしているため、今後スピンオフも含め続編は製作されるだろう。ただ、ブライアンという最高の“相棒”を失った事でシリーズの流れがどう変わっていくのか、注目したい。


私の評価…☆☆☆★

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2015年6月20日 (土)

寄生獣完結編

寄生獣完結編
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:山崎貴
脚本:古沢良太、山崎貴
原作:岩明均「寄生獣」
音楽:佐藤直紀
主題歌:BUMP OF CHICKEN「コロニー」
出演:染谷将太、阿部サダヲ、深津絵里、橋本愛、大森南朋、北村一輝、ピエール瀧、新井浩文、國村隼、浅野忠信、岩井秀人、山中崇、豊原功補 他


 《原作を損なわない程度の脚色に成功した快作》


 斬新な発想で人気を博した岩明均の漫画を2部構成で実写映画化したSFアクションの完結編。


 右手に寄生生物ミギー(モーション・キャプチャー:阿部サダヲ)を宿す高校生・泉新一(染谷将太)は、要注意人物として人間からもパラサイトからもマークされていた。いまや、新一の住む東福山市は、市長・広川(北村一輝)を中心に組織化されたパラサイト達が、一大ネットワークを作り上げていた。一方、人間側も、寄生生物殲滅を目的とした対パラサイト特殊部隊を結成。アジトと化した東福山市庁舎に奇襲を仕掛けようとしていた。激化する戦い…。


 人間の子を産み、人間との共存を模索するパラサイト・田宮良子(深津絵里)は、新一とミギーの存在に可能性を見出したが、肝心の新一は、母親を殺された事件がきっかけで寄生生物への憎悪を募らせていた。そんな彼らの前に、最強パラサイト・後藤(浅野忠信)が、その姿を現した。生き残るのは人間かパラサイトか。そして「寄生獣」とはいったい何なのか。新一とミギー、最後の戦いがついに始まる…。


 これは原作付きのSF映画としては、日本映画史上、作品内容・満足度共に最も成功した映画になっていると思う。さすがに原作そのままを4時間で描くことはできないから、テーマを決めて、登場人物をかなり整理して描いているのだろうし、原作との相違点もかなりあるだろうが、原作のテイストを損なうものにはなっていないと思う。


 映画やドラマ等で環境問題を扱うと、かなりデリケートな題材故に、オブラートに包んだ表現方法をとる作品が多い中、本作はまだまだソフトタッチではあるものの、わりと一歩踏み込んだ形で描かれているのも好印象だ。寄生生物という異種の脅威に曝された人類が、その在り方を問いかけられていく様子は、考えさせられるものがある。とりわけ、広川の演説での台詞、

 「人間共こそ、地球を蝕む“寄生虫”そのものではないか!」

は、この映画のテーマから導きだされる一つの答えでもあり、胸に突き刺さる言葉だ。


 出演している俳優たちは皆素晴らしいが、特に深津絵里の存在感が抜群だ。深津扮する田宮良子はパラサイトながら子供を通して、自分が母であることに気付き、人間との共存を模索する。それは、広川がパラサイトでないにも拘らず人間を減らすために、それが転じて人間のために行動を起こしているという思いとは全く逆のものではあるが、これは立場は違えど両方とも次の世代を考えた行動であり、より希望がもてる田宮の行動を印象づける深津絵里の怪演が光っていた。


 ちなみに、エンドロールもこの種の日本映画としては特徴的で、インターネットでの一般の評価を見ても、結構斬新と捉えている人が多いが、通常とは逆の上から下へ流れるロールは、デヴィッド・フィンチャー監督なんかがよくやる手法なので、見慣れている僕には何の新鮮味も無かった(笑)。


私の評価…☆☆☆☆★

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2015年6月17日 (水)

〈新・午前十時の映画祭〉シェルブールの雨傘

〈新・午前十時の映画祭〉シェルブールの雨傘
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
製作:マグ・ボダール
音楽:ミシェル・ルグラン
出演(声、つまり歌は吹き替え):カトリーヌ・ドヌーヴ(歌:ダニエル・リカーリ)、ニーノ・カステルヌオーヴォ(歌:ジョゼ・バルテル)、アンヌ・ヴェルノン(歌:クリスチアーヌ・ルグラン)、ミレーユ・ペレ(歌:クレール・レクレール)、マルク・ミシェル(歌:ジョルジュ・ブランヌ)、エレン・ファルナー(歌:クローディヌ・ムニエル) 他


 《フレンチ・ミュージカルの傑作》


 1954年に勃発したアルジェリア戦争を背景に、徴兵によって引き裂かれていく若き男女の恋を描く、反戦映画の傑作。


 フランス北西部の港町シェルブールで幸せな恋愛関係を育んでいた傘屋の娘ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と自動車修理工のギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)のもとに、ギイへの召集令状が届く。出兵前夜に結ばれ、ギイとの愛の結晶もお腹に宿したジュヌヴィエーヴだが、ギイの不在は彼女にとって堪え難いものだった…。


 この映画は数年前にも京都駅でのイベント上映で、観たことがあり、このブログに書いているかな? と、思っていたら書いていなかったので、書いておきます。日本で3度目に舞台化された時のものは鑑賞して書いています(http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/652553/548736/61619156)。


 台詞が全部歌詞になっているミュージカル映画は、最近でこそ「エビータ」(1996年)や、「レ・ミゼラブル」(2012年)などがあるが、この映画の公開当時は珍しかったのではないかと思う。


 この映画の背景となっているアルジェリア戦争は、日本人にとっては馴染みの薄いものだが、戦争自体はそれほど色濃くは描かれておらず、徴兵によって引き裂かれる男女の恋を、とことん切なく描いている。ジュヌヴィエーヴとギイを中心にストーリーが進行するため、ギイが徴兵された後に恋人を奪う形となったカサールとの関係が今イチ希薄で(求婚シーンはかなり唐突)、物足りない部分もあるが、ミシェル・ルグランの曲のテンポの良さと、コンパクトにまとまった上映時間(約90分)を考えると、そのテンポをできるだけ崩さないようにするためには、仕方のない事だったのかもしれない。


 さて、また来年もこの企画があるのかどうかは分からないが、もしあるのだったら、この映画をやったのなら、やっぱり次は「ロシュフォールの恋人たち」(1967年 監督:ジャック・ドゥミ/出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジーン・ケリー、他)が観たいと思うのだが。やってくれないものだろうか?


私の評価…☆☆☆☆★

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〈新・午前十\時の映画祭〉シェルブールの雨傘

劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
製作:マグ・ボダール
音楽:ミシェル・ルグラン
出演(声、つまり歌は吹き替え):カトリーヌ・ドヌーヴ(歌:ダニエル・リカーリ)、ニーノ・カステルヌオーヴォ(歌:ジョゼ・バルテル)、アンヌ・ヴェルノン(歌:クリスチアーヌ・ルグラン)、ミレーユ・ペレ(歌:クレール・レクレール)、マルク・ミシェル(歌:ジョルジュ・ブランヌ)、エレン・ファルナー(歌:クローディヌ・ムニエル) 他


 《フレンチ・ミュージカルの傑作》


 1954年に勃発したアルジェリア戦争を背景に、徴兵によって引き裂かれていく若き男女の恋を描く、反戦映画の傑作。


 フランス北西部の港町シェルブールで幸せな恋愛関係を育んでいた傘屋の娘ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と自動車修理工のギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)のもとに、ギイへの召集令状が届く。出兵前夜に結ばれ、ギイとの愛の結晶もお腹に宿したジュヌヴィエーヴだが、ギイの不在は彼女にとって堪え難いものだった…。


 この映画は数年前にも京都駅でのイベント上映で、観たことがあり、このブログに書いているかな? と、思っていたら書いていなかったので、書いておきます。日本で3度目に舞台化された時のものは鑑賞して書いています(http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/652553/548736/61619156)。


 台詞が全部歌詞になっているミュージカル映画は、最近でこそ「エビータ」(1996年)や、「レ・ミゼラブル」(2012年)などがあるが、この映画の公開当時は珍しかったのではないかと思う。


 この映画の背景となっているアルジェリア戦争は、日本人にとっては馴染みの薄いものだが、戦争自体はそれほど色濃くは描かれておらず、徴兵によって引き裂かれる男女の恋を、とことん切なく描いている。ジュヌヴィエーヴとギイを中心にストーリーが進行するため、ギイが徴兵された後に恋人を奪う形となったカサールとの関係が今イチ希薄で(求婚シーンはかなり唐突)、物足りない部分もあるが、ミシェル・ルグランの曲のテンポの良さと、コンパクトにまとまった上映時間(約90分)を考えると、そのテンポをできるだけ崩さないようにするためには、仕方のない事だったのかもしれない。


 さて、また来年もこの企画があるのかどうかは分からないが、もしあるのだったら、この映画をやったのなら、やっぱり次は「ロシュフォールの恋人たち」(1967年 監督:ジャック・ドゥミ/出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジーン・ケリー、他)が観たいと思うのだが。やってくれないものだろうか?


私の評価…☆☆☆☆★

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2015年6月10日 (水)

セッション

セッション
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:デミアン・チャゼル
製作:ジェイソン・ブラム 他
音楽:ジャスティン・ヒューウィッツ
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、ポール・ライザー、メリッサ・ブノワ、オースティン・ストウェル、ジェイソン・ブレア、カヴィタ・パティル、コフィ・シリボー、スアンネ・スポーク、エイプリル・グレイス  他


 《ただの音楽映画ではない。音楽と“格闘”する映画。》


 監督と脚本を担当したデミアン・チャゼルの高校時代の体験を基に、名門音楽学校に入学したドラマーと伝説の鬼教師が繰り広げる狂気のレッスンとその顛末を描く。監督は新人ながらサンダンス映画祭でグランプリと観客賞に輝く快挙を達成、アカデミー賞にも5部門でノミネートされ、助演男優賞など3部門で受賞した。


 偉大なジャズ・ドラマーになるという野心を抱いて、名門校シェイファー音楽院に入学したニーマン(マイルズ・テラー)は、何とかしてフレッチャー教授(J・K・シモンズ)の目に留まりたいと考えていた。彼が指揮する“スタジオ・バンド”に所属すれば、成功は約束されたも同然だからだ。ある日、一人で練習するニーマンの前にフレッチャーが現れるが、ほんの数秒聴いただけで出ていってしまう。数日後、ニーマンのバンドのレッスンに顔を出したフレッチャーは、メンバー全員の音をチェックすると主奏者のライアン(オースティン・ストウェル)を差し置いて、ニーマンにだけ自分のバンドに移籍するよう命じる…。異様なまでの緊張感に包まれた教室でレッスンが始まった。フレッチャーが生徒たちを恐怖で支配する中、トロンボーン奏者が僅かな音程のズレを責められ、その場でクビとなる。1か所だけのテンポが違うと怒りで豹変したフレッチャーに椅子を投げつけられたニーマンは、ビンタでテンポを矯正され、悪魔のごとき形相で罵られる。泣いて帰ったニ
ーマンだが、翌日からその悔しさをバネに肉が裂け血の噴き出す手に絆創膏を貼ってひたすらドラムを叩き続けるのだった。


 ニーマンの母は彼が幼い頃に家を出ていった。音楽以外は何の興味もなく、友達もいないニーマンにとって今は別々に暮らす高校教師の父と映画館へ行く事が唯一の娯楽だった。その映画館の売店でバイトをしているニコル(メリッサ・ブノワ)との初デートに出かけるニーマン。フレッチャーにスカウトされた日、自分が無敵になった気がして秘かに想いを寄せていた彼女に声をかけたのだ。そんな中、スタジオ・バンドが出場したコンテストでのあるトラブルをきっかけに、フレッチャーは主奏者をニーマンに任命する。だがフレッチャーは、有頂天のニーマンを残酷なまでに奈落の底に突き落とす。ライアンを新たな主奏者候補として連れてきたのだ。ニーマンは怒りと焦りをニコルにぶつけ「偉大な音楽家になるには君が足手纏いだ」と別れを切り出す。ある夜、フレッチャーは3人の候補の中から主奏者を決めると宣言、手から血を流し、フラフラになりながらひたすら演奏を続ける候補者たち。やがて真夜中もとうに過ぎた頃、フレッチャーはニーマンを主奏者に決める。だが、高み
を目指すフレッチャーの狂気は更に加速、ニーマンをギリギリまで追い詰めていくのだった…。


 いやぁ、疲れた。観終わってこんなに疲れる映画は久しぶりだ。これはもう音楽映画の枠を超えている。ジャズに取り憑かれた2人の人間の壮絶なバトルだ。


 未来のチャーリー・パーカーを育てるため、自分の傲慢さで、生徒を追い込む鬼教師と、その鬼教師によるどんなイジメにも耐え、演奏しようとする主人公。この“大人のケンカ”がラストまで延々と続くのだから、観ているこっちは終始ハラハラドキドキが止まらない。2人共、それを突き詰めていった挙げ句、クライマックスにはとんでもない事が起こるのだが、それを乗り越えた結果、結実するあの約10分間の名曲「キャラバン」バディ・リッチ・バージョンの演奏シーンは、2人の間に奇妙な信頼感も生まれ、最高に見応えのあるものになった。ジャズの映画なのに、何だか「ロッキー」を観ているような気分になった(笑)。それにしても今年は、この映画の他「バードマン」や後で書く「ピッチ・パーフェクト」など、買いたいサントラが結構あるなぁ。買いたいものできれば全部買いたいんだけどねぇ…。


私の評価…☆☆☆☆☆

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2015年6月 5日 (金)

名探偵コナン 業火の向日葵

名探偵コナン 業火の向日葵
名探偵コナン 業火の向日葵
劇場:TOHOシネマズ二条

監督:静野孔文
脚本:桜井武晴
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
主題歌:ポルノグラフィティ「オー!リバル」
声の出演:江戸川コナン…高山みなみ、毛利蘭…山崎和佳奈、毛利小五郎…小山力也、工藤新一…山口勝平、鈴木園子…松井菜桜子、阿笠博士…緒方賢一、灰原哀…林原めぐみ、吉田歩美…岩居由希子、円谷光彦…大谷育江、小嶋元太…高木渉、目暮十三…茶風林、中森銀三…石塚運昇、鈴木次郎吉…富田耕生、ルパン…高木渉、後藤善悟…楠大典、寺井黄之助…陶山章央(青年時代)、怪盗キッド…山口勝平、ウメノ…沢田敏子(少女時代は皆口裕子)、東きよ助…大川透、原口秀夫…柴田秀勝 他

〈7人のサムライ(容疑者 但し7人目は毛利小五郎)〉宮台なつみ…榮倉奈々、東幸二…磯部弘、圭子アンダーソン…榊原良子、岸久美子…ゆかな、石嶺泰三…宝亀克寿、チャーリー…咲野俊介

その他ゲスト声優…知英(レイクロックの受付係)


 《今回は話が詰め込まれ過ぎ》


 人気TVアニメの劇場版シリーズ19作目。昨年1月に永井一郎が死去したため、本作から富田耕生が鈴木次郎吉を演じる。


 オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホが花瓶に生けた向日葵の花束をテーマに7枚描いた代表作「ひまわり」。その日本で焼失したとされているものがニューヨークのオークションにかけられ、3億ドルという史上最高額で落札される。落札したのは鈴木次郎吉。世界各所に散在する7枚の「ひまわり」を集め、日本の美術館・レイクロックで嘗てない規模の展覧会を開催しようとする彼のニュースはコナンや蘭たちをはじめ世界中から注目される。そして「ひまわり」を護衛するスペシャリスト「7人のサムライ」が呼ばれようとしたそのとき、巨大宝石しか狙わない筈の怪盗キッドが現れ、絵を奪うと宣戦布告していく。これに端を発した虚実入り乱れる混乱の中、コナンは謎に立ち向かっていく。


 いつも楽しませてくれるこのシリーズだが、さすがに19作ともなると、こちらの目が肥えてしまっているのか、今回は少し内容が詰め込み過ぎて、締まりのないものになってしまった感がある。


 絵画でキッドと絡ませたのはいいとしても、結局真犯人を別に設定したため、「ルパンvsコナン」のようにどっちも“善”として描かなければならず、結局対決にはならなかったし、その真犯人の動機もアバウト過ぎる。


 アクションは、アニメならではの演出で荒唐無稽ながらも迫力は満点だが、やり過ぎ感も満載(笑)。ミステリー重視なのか、コナン×キッドあるいは新一×蘭のストーリー重視なのか、そのバランスが悪いためストーリーの方向性がはっきりせず、消化不良で終わってしまったのは痛かった。


私の評価…☆☆☆

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2015年6月 3日 (水)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
脚本:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 他
製作:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 他
音楽:ホセ・アントニオ・サンチェス
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):マイケル・キートン(牛山茂)、エドワード・ノートン(宮本充)、エマ・ストーン(武田華)、ナオミ・ワッツ、ザック・ガリフィアナキス(丸山壮史)、アンドレア・ライズボロー、エイミー・ライアン、リンゼイ・ダンカン、メリット・ウェヴァー、ジェレミー・シャーモス、フランク・リドリー、ダミアン・ヤング、ナタリー・ゴールド、キーナン・シミズ 他


 《現実と虚構の狭間で追いつめられていく元ヒーロー役者》


 嘗てヒーロー映画で人気を博した俳優が、再起をかけてブロードウェイの舞台に挑む姿を描くブラック・コメディ。ほぼワンカットの映像で見せるエマニュエル・ルベツキ(「ゼロ・グラビティ」)のカメラワークが見事だ。


 映画シリーズ終了から20年、今も世界中で愛されているスーパーヒーロー「バードマン」…。


 俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、嘗て「バードマン」というスーパーヒーローを演じ一世を風靡したものの、シリーズ終了から20年経った今ではすっかり落ち目となってしまった。彼はレイモンド・カーヴァーの小説「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色・演出・主演を手がけ舞台化、ブロードウェイで上演し、再び喝采を浴びようとする。しかし起用した実力派俳優のマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)ばかりが注目される上に、娘・サム(エマ・ストーン)との溝も深まる一方。リーガンは精神的に追い込まれていく…。


 現時点で、上半期に鑑賞した映画のなかで洋画としてはベスト3に入る1本。一見難解な映画にも思えるが、ストーリーは至って単純。スーパーヒーローを演じた過去の栄光から抜け出せず、その“亡霊”に苦しめられていた主人公が、困難に打ち拉がれながらも、全てを解放し別の世界に飛び込んでいく様が、実にスタイリッシュに描かれていく。


 それを表現していくのが、あの「ゼロ・グラビティ」で宇宙の虚無感を見事に表現して見せた、エマニュエル・ルベツキのカメラである。今回は全編ほぼワンショット風の斬新なカメラワークとなるのだが、実はこの技法は以前にもヒッチコック監督が「ロープ」(1948年 日本公開は1962年)で試しており、技法自体は新しいものではない。恐らく今回の映画の中で、主人公のことを語るためには、この手法が最適と考えられたのだろうが、劇中流れるジャズのリズムと共に、実にテンポよく描かれていく。


 ただ、この手法の欠点は、人間の目には目蓋があるように、映像にも瞬きは必要で、じっと見続けていると、極端に眼が疲れてくる事である。だがこの映画は、マイケル・キートンやエマ・ストーンの演技が、なぜアカデミー賞を獲れなかったのか不思議でならないほど素晴らしく、そんな眼の疲れなど忘れさせてくれた。


 ちなみに関西では、この映画のPR映像として、劇場ロビー等で、Mr.オクレによるパロディ映像(あのパンツ一丁で街中を歩く場面!)が流れていて、そっちの方も面白かった(笑)。現在はYouTubeで観ることができるので、観たい方は是非どうぞ。


私の評価…☆☆☆☆★

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