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2015年9月

2015年9月30日 (水)

チャイルド44  森に消えた子供たち

チャイルド44<br />
  森に消えた子供たち
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:リチャード・プライス
原作:トム・ロブ・スミス「チャイルド44」
製作:リドリー・スコット 他
音楽:ヨン・エクストランド
出演:トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ノオミ・ラパス、ジョエル・キナマン、ヴァン・サン・カッセル、パディ・コンシダイン、ファレス・ファレス 他


 《社会主義国家の闇》


 2009年の「このミステリーがすごい!」海外編で第1位に輝いたトム・ロブ・スミス原作のミステリー小説を映画化。1950年代、犯罪なき理想国家を掲げるスターリン体制下のソ連で起きた、子供ばかりを狙った連続殺人事件と、その行方を追う捜査官の姿が描かれる。本作はアメリカ映画だが、ロシアでは、第二次世界大戦直後のソ連の暗部が描かれているとして、上映が禁止されている。


 1953年、スターリン独裁政権下にあったソビエト連邦で、9歳から14歳の子供たちの変死体が次々に見つかった。死体は一様に全裸で胃が摘出されており、さらに山間部であるのに溺死しているなど不審な点が多かったものの、理想国家を掲げる体制のもと犯罪は存在しないとされていたため、事故として扱われた。親友の息子が死に、秘密警察MGBの捜査官レオ(トム・ハーディ)は真相を追い始めるが、国家の妨害に遭い妻(ノオミ・ラパス)には不当にスパイの嫌疑がかけられる…。


 旧ソ連に実在した“赤い切り裂き魔”アンドレイ・チカチーロ。彼による連続殺人事件をモデルに描くサスペンスである。チカチーロに関しては、僕も本で読んだことがある程度だが、実際には性的不能者で、それをからかわれたことがきっかけとなり異常者となってしまった人物であり、この映画で描かれているようなフツーっぽいオッサンとは全く違う。やはり、そのまま描いてしまうと相当アブない小説になりかねないので、キャラクター設定は相当いじったのだろう。当時の社会主義国で罷り通っていた、「連続殺人は資本主義による弊害で、この種の犯罪は存在しない」という、とんでもない誤信が、事件解決を難しくさせていく展開が恐ろしいが、東欧の湿った空気と、あの時代独特の陰鬱さがその怖さを倍増させる。


 ただ、出演している俳優が、ロシア訛りの英語を喋っているのはどうなのか? 勿論、舞台がソ連だからなのだろうが、この映画はアメリカ映画であり、ロシアとの合作ではない。メインキャスト全員がロシア系の俳優であったり、アメリカが舞台でロシア系の配役というのならそうする必要もあるだろうが、かなり違和感があった。


私の評価…☆☆☆

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2015年9月27日 (日)

アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン

アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:ジョス・ウェドン
原作:スタン・リー、ジャック・カービー
製作:ケヴィン・ファイギー 他
音楽:ダニー・エルフマン、ブライアン・タイラー
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ロバート・ダウニー・Jr.(藤原啓治)、クリス・ヘムズワース(三宅健太)、マーク・ラファロ(宮内敦士)、クリス・エヴァンス(中村悠一)、スカーレット・ヨハンソン(米倉涼子)、ジェレミー・レナー(宮迫博之)、サミュエル・L・ジャクソン(竹中直人)、ドン・チードル(目黒光祐)、アーロン・テイラー=ジョンソン(小松史法)、エリザベス・オルセン(行成とあ)、ポール・ベタニー(加瀬康之)、コビー・スマルダーズ(本田貴子)、アンソニー・マッキー(溝端淳平)、ステラン・スカルスガルド(金子由之)、ジェームズ・スペイダー(木下浩之)、ジョシュ・ブローリン(銀河万丈)、スタン・リー(高桑満) 他


 《アクションだけは大迫力!》


 2012年に公開された「アベンジャーズ」の続編であり、様々なマーベル・コミックの実写映画を同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの第11作目。「マーベル・シネマティック・ユニバース」としては第2フェーズのクライマックスにあたり、9月公開の「アントマン」に繋がっていく。また、「アベンジャーズ」シリーズとしては2018年公開予定の「アベンジャーズ インフィニティ・ウォーpart1」へと繋がっていく。


 それは、人類の平和を守るために作られたシステムのはずだった…。


 アイアンマンとして人類の危機を何度も救ってきた実業家で発明家のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)は、アベンジャーズの限界を誰よりも知っていた。もし自分たちの手に負えない敵が現れた時、誰が愛する人を守るのか…?


 そんな恐れを抱えていた彼だからこそ、禁断の平和維持システム、人工知能「ウルトロン(ジェームズ・スペイダー)」を起動させてしまう。だがそのウルトロンが選択する究極の平和とは、平和を脅かす唯一の存在=人類の抹消を意味するものであった…。


 愛ゆえに犯した過ちを、命をかけて償おうとするトニー。人類滅亡の危機にアベンジャーズが再び結集。しかし、人知を超えたウルトロンを相手に彼らは為す術もなく、苦しい戦いを強いられる。ヒーローではない等身大の〈人〉として、絶体絶命の彼らに残された最後の武器は、「愛する人を守りたい」という熱い思いだけだった…。


 アクションは前作以上にハチャメチャなのだが、展開が雑すぎ(笑)。まぁ、前作が良かったので、比べられるのは仕方がないが、壮大な連作の中には、こういう一旦ちょっと評価を落とすようなことも必要なのかもしれない。そうしないと「アベンジャーズ」シリーズの合間の単発作品が、生きてこないから。


 今回から「X-MEN」の姉弟キャラ、スカーレット・ウィッチとクイック・シルバーが参戦(権利関係の違いから20世紀FOXの実写映画とは別キャスト)。あまりキャストが増えすぎても、ストーリーがさらに雑になったりする可能性がありあまり良くないし、今回ストーリー上で仲間との関係に亀裂が入ったりしているので、次回作ではもしかするとメンバー構成が変わるかもしれない。「X-MEN」シリーズのウルヴァリン役ヒュー・ジャックマンが、どうやら「X-MEN」の次回作で契約が切れるらしく、その後こちらに参入するという噂もあり、目が離せないところだ。


 エンドロールには「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のスーパーヴィラン=サノスが「いよいよ次はワシの出番じゃ」とばかりに登場! 9月公開の「アントマン」も、「マーベル・シネマティック・ユニバース」ということは、アントマンも「アベンジャーズ」の仲間となるのか…? 「アベンジャーズ」シリーズ続編、次は2018年に2部作で公開予定… 果たして、どこまで続くのか!?


私の評価…☆☆☆★

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2015年9月24日 (木)

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN  エンド オブ ワールド

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN<br />
  エンド オブ ワールド
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:樋口真嗣
脚本:渡辺雄介、町山智浩
原作:諫山創「進撃の巨人」
音楽:鷺巣詩郎
主題歌:SEKAI NO OWARI「SOS」
挿入歌:Skeeter Davis「The End of the World」

出演:三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多、三浦貴大、桜庭ななみ、松尾諭、渡部秀、水崎綾女、武田梨奈、石原さとみ、ピエール瀧、國村隼、神尾佑、KREVA、草なぎ剛、緒川たまき、猪鼻ちひろ、八木さおり、犬童一心、上野耕路 他


 《こんなの初めてがまたキタ━(゜∀゜)━!》


 巨人が人間を食べるという衝撃的なテーマが話題を呼び、アニメ化もされた諫山創の人気コミックの実写映画版2部作の後編。


 超大型巨人によって破壊された壁の穴を修復するため、保護地域から外壁修復作戦に出発したエレン(三浦春馬)たちであったが、巨人の急襲に遭い窮地に陥る。


 調査兵団を率いる「人類最強の男」シキシマ(長谷川博己)によってその危機を免れるが、巨人は侵攻の手を緩めない。そんな中、手負いとなったエレンは、仲間のアルミン(本郷奏多)を庇い巨人に飲み込まれてしまう…。


 誰もが絶望しかけた時、謎の黒髪の巨人が出現し、他の巨人たちを駆逐し始めたのだ。

 「この作戦に失敗したら、それで人類は終わる」

巨人は何故現れたのか。人類は何故戦うのか…。


 今、人類最後の反撃が始まる…。


 不可解だった前編の設定に理由付けがされて、いくつかの不満点は解消したが、やはり違和感は完全には払拭できない。相変わらず無駄なシーンも多い。元々1本で作る予定を、諸般の事情で無理矢理前後編に分けているため、2本合わせても上映時間は約3時間程度なのだが、こんなに無駄な場面が多いのなら、それらを全てカットして、2時間半の長編1本で公開したほうがよかったのではないか。まさかとは思うが、本作で得た利益で来年の「シン・ゴジラ」を作るというような、最近の深夜アニメの続編製作方法と同じことを考えていたのではあるまいな。


 尚、原作の方はまだ続いていて、まだ謎になっている部分も当然ながら多い。まぁ、これは仕方がないのだが、映画にする場合は一旦結論づけて話を終わらせなければならないため、原作ではまだ触れられていない、巨人の誕生の秘密についてある仮説がたてられているのだが、これがたまたま公開初日に地上波のNHKで放送されていた、人類の進化の秘密を探るドキュメンタリー番組で、現代まで生き抜いている私達ホモ・サピエンスの進化の仮説と同じことが語られていたのには驚いた。なんてタイミングのいい放送だったのだろう(笑)。


 ただ、せっかく気持ち良く終わったのに、エンドロール後の意味不明なオチは全く不必要。映画全体の印象を悪くした。


 役者の方は、相変わらずハンジを演じる石原さとみが絶好調! この映画、実はセリフなど音は全部アフレコだったようで、特にハンジは恐らく撮影中は殆ど言っていないであろう、アドリブらしいセリフがポンポン出ていて楽しい。石原さとみ自身、シリアスな演技よりもコメディエンヌっぷりが似合っているし、暗い話の中では食いしん坊サシャ役の桜庭ななみとともに、一服の清涼剤である。この2人は非常に良かった。


私の評価…☆☆☆

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2015年9月22日 (火)

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:樋口真嗣
脚本:渡辺雄介、町山智浩
原作:諫山創「進撃の巨人」
音楽:鷺巣詩郎
主題歌:SEKAI NO OWARI「ANTI-HERO」
出演:三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多、三浦貴大、桜庭ななみ、松尾諭、渡部秀、水崎綾女、武田梨奈、石原さとみ、ピエール瀧、國村隼、神尾佑、KREVA、高橋みなみ(AKB48)、諏訪太朗、橋本じゅん、仁科貴、原知佐子、長島☆自演乙☆雄一郎、村木よし子 他


 《面白くないワケではないが、無駄なシーンが多すぎる》


 巨人が人間を食べるという衝撃的なテーマが話題を呼んだ、諫山創の人気コミックをベースにしたオリジナル・ストーリーで実写映画化。


 その日、人類は思い出した…。


 百年以上前、突如現れた巨人たちに、人類の大半は喰われ、文明は崩壊した…。


 この巨人大戦を生き残った者たちは巨人の侵攻を防ぐため、巨大な壁を三重に築き、内側で生活圏を確保して平和を保っていた。だが百年、壁が壊されなかったといって、今日、壊されない保証はどこにもない…。


 まだ見ぬ壁外の世界を夢見るエレン(三浦春馬)は、壁に守られ安穏と暮らす人々に日々苛立ちを募らせていた。しかし、そんな日常はある日、音をたてて崩れ去る…。想定外の超大型巨人によって壁は破壊され、崩された穴から無数の巨人が壁の中へと侵入してきたのだ。無残に喰われていく人々。響きわたる断末魔。長年にわたる平和の代償は、惨劇によって支払われることとなった…。


 それから、二年。活動領域の後退を余儀なくされた人類は、対巨人兵器、立体機動装置によって武装した調査団を結成。奪われた土地を巨人から取り戻すべく、外壁の修復作戦に踏み切る。決死の行軍の最中、巨人の急襲を受け手負いとなったエレンは、仲間のアルミン(本郷奏多)を庇い、巨人に飲み込まれてしまう…。


 公開直前に、某辛口映画評論家M氏による酷評が話題を“よんでしまった”映画(笑)。確かに、原作やアニメとはストーリーが大幅に変わっているため、地上波の表現規制に挑みつつ、なるべく原作に忠実に映像化したアニメ版の印象が強いとかなり戸惑う。


 キャラクター設定にしても、原作通りなら幼なじみ以上の関係ではない主人公エレンとミカサが、恋人同士になっていたりといった意味不明な設定変更や、巨人との戦闘中に、あなたと“合体”したいと迫る輩がいたりとか、本筋とは関係ない無駄なシーンも多い。恐らく、殆どの観客がこんな「進撃」は観たくないだろう。


 主人公の母も幼い頃に既に死んでいる(巨人に食われた説明は無し)らしいので、アニメ版の衝撃的なあのシーンもない。アニメ版は、大事な第1話のラストシーンで、あのめちゃくちゃインパクトがあるシーンを持ってきたことによって、一発で視聴者が食い付き、深夜アニメながら広く人気が浸透したのである。巨人の顔も巨大化したゾンビみたいで怖すぎる。登場時の「ポー〜」というジャイアント馬場みたいなおたけびは何なのだ? ゾンビを意識したのかジョージ・A・ロメロの映画のパロディみたいなシーンもあるけど、そんなものはこの映画に必要なのか?


 残念ながら役者さんの方も、一部を除いて殆ど印象に残らないが、唯一ハンジ役の石原さとみだけが、アニメ版の同役を完全コピーしていて好演。実は、撮影前に事務所の後輩で友人である声優を介して、アニメ版のハンジを演じた声優の朴ろ美さんと知り合い、レクチャーを受けたらしく、原作の中では変人キャラで、いちばん合っていないと思われたキャスティングが、実は意外にもいちばんハマっていた。


 この映画、前述の評論家の酷評と、それにツイッター等で反論して逆にファンから外方を向かれたというスタッフの対応の不味さが災いして、興行収入は未だ目標の半分ほどしか挙げられていないらしいが、実写版「るろうに剣心」京都編のように、前編の酷評をある程度挽回できる可能性が後編には十分あると思うので、一応、後編の方も観てみたい。


私の評価…☆☆★

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2015年9月18日 (金)

劇場版進撃の巨人後編自由の翼

劇場版進撃の巨人後編自由の翼
劇場版進撃の巨人後編自由の翼
劇場:T・ジョイ京都
監督:荒木哲郎
シリーズ構成:小林靖子
脚本:小林靖子、瀬古浩司、高木登
原作:諫山創「進撃の巨人」
音楽:澤野弘之
主題歌:Linked Horizon「自由の代償」
エンディングテーマ:mpi 「theDOGS」
声の出演:エレン・イェーガー…梶裕貴、ミカサ・アッカーマン…石川由衣、アルミン・アルレルト…井上麻里奈、ライナー・ブラウン…細谷佳正、ベルトルト・フーバー…橋詰知久、アニ・レオンハート…嶋村侑、ジャン・キルシュタイン…谷山紀章、マルコ・ボット…逢坂良太、コニ・スプリンガー…下野紘、サシャ・ブラウス…小林ゆう、クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス…三上枝織、ユミル…藤田咲、エルヴィン・スミス…小野大輔、リヴァイ・アッカーマン…神谷浩史、ハンジ・ゾエ…朴ロ美、ミケ・ザカリアス…三宅健太 他


 《来年放送予定の続編が非常に楽しみ》


 おととし放送されたTVアニメ版総集編の後編。


 巨人が全てを支配する世界。壁を越える超大型巨人の出現により、人々の平穏な毎日が崩されていく中、エレンは突如として巨人化してしまう。自分は何者なのかと葛藤するエレンだったが、人類を救済するためその能力を駆使。ある者は彼を破滅に導く“悪魔”と恐れ、ある者は希望へと導く“救世主”と讃えるようになっていく。やがて彼らの前に、他の巨人とは明らかに違う知性を持った女型の巨人が現れる。彼女は一体何者なのか、そしてエレンに秘められた能力の謎は…。


 書くのが大分遅くなってしまったが、やはり実写版の感想をまとめる前に、書いておかなければなるまい。2クールあったTVアニメ版第1期の後半1クール分を再編集したものである。自由を得るための戦いにはハラハラさせられるし、謎の力を手にした主人公の葛藤や切なさといった人間ドラマも巧みに描かれていて、後で書くけど実写版の前編とはシナリオの出来としても雲泥の差がある。勿論原作漫画がまだ続いており、完結しないまま終わるが、既に発表されているとおり、この秋から第2期の製作に入る(来年放送予定)ということで、前編が残念な展開だった実写版よりは、このアニメ版の方が、地上波のフォーマットにあわせるために一部展開が変わっているとしても、原作のテイストを失っていないし、第2期にも大いに期待が持てるのである。


私の評価…☆☆☆☆

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2015年9月17日 (木)

グローリー 明日への行進

グローリー 明日への行進
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:エイヴァ・デュヴァーネイ
脚本:ポール・ウェブ、エイヴァ・デュヴァーネイ(ノン・クレジット)
製作:クリスチャン・コルソン、オプラ・ウィンフリー 他
音楽:ジェイソン・モラン
主題歌:ジョン・レジェンド&コモン「Glory」
出演:デヴィッド・オイェロウォ、トム・ウィルキンソン、キューバ・グッディング・ジュニア、アレッサンドロ・ニヴォラ、カルメン・イジョゴ、ロレイン・トゥーサント、ティム・ロス、オプラ・ウィンフリー、テッサ・トンプソン、ジョヴァンニ・リビシ、オマール・ドーシー、ヘンリー・G・サンダース、アンドレ・ホランド、ディラン・ベイカー、キース・スタンフィールド、コルマン・ドミンゴ 他


 《公民権運動関連映画の真打ち登場》


 本年度米アカデミー賞主題歌賞受賞。アメリカ公民権運動が盛り上がる中、アラバマ州で起きた血の日曜日事件を題材に描く感動作だ。


 1965年3月7日、前年にノーベル平和賞を受賞したマーティン・ルーサー・キングJr.牧師(デヴィッド・オイェロウォ)の指導のもと、差別により黒人の有権者登録が妨害されていることに抗議する600名ものデモ隊がアラバマ州セルマを出発。しかしこれを白人知事を筆頭に警官隊が暴力を振るい鎮圧。彼らが進んだ距離は僅か6ブロックだった。この事件のショッキングな模様は「血の日曜日」として全米で報じられ、公民権運動への賛同者を集めていく。抗議デモには日に日に参加者が増え、遂に2万5000人にまで到達。やがて彼らの声は大統領や世界を動かし、歴史を変えていく…。


 アメリカの黒人差別をテーマに描いた映画は、これまでにも「マルコムX」など、秀作が数多くあるが、マーティン・ルーサー・キングJr.の活動を描いた本作で遂にその真打ちが登場した感がある。アカデミー主題歌賞候補になったエンディングテーマ曲がカッコイイ。良作だが、やはり公民権運動のことを少しでも理解していないと、話についていくのは厳しいかも。


私の評価…☆☆☆

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2015年9月13日 (日)

マッドマックス 怒りのデス・ロード

マッドマックス 怒りのデス・ロード
マッドマックス 怒りのデス・ロード
劇場:MOVIX京都
監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジョージ・ミラー、ブレンダン・マッカーシー、ニコ・ラサウリス
製作:ジョージ・ミラー 他
音楽:ジャンキーXL
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):トム・ハーディ(AKIRA[EXILE])、シャーリーズ・セロン(本田貴子)、ニコラス・ホルト(中村悠一)、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー(たかはし智秋)、ゾーイ・クラヴィッツ(田村睦心)、ライリー・キーオ(植竹香菜)、アビー・リー・カーショウ(大津愛理)、コートニー・イートン(潘めぐみ)、ヒュー・キース・バーン(竹内力)、ネイサン・ジョーンズ(真壁刀義)、クエンティン・ケニハン(斎藤志郎)、ジョシュ・ヘルマ(奈良徹)、ジョン・イルズ、iOTA、ジェニファー・ヘイガン(沢田敏子)、アンガス・サンプソン(飯島肇)、クリス・パッテン、リチャード・ノートン、リチャード・カーター(千葉繁)、ジョン・ハワード(後藤哲夫)、ミーガン・ゲイル(加藤有生子)、メリッサ・ジャファー(巴菁子)、スティーブン・ダンリービー(野川雅史) 他


 《CG一切無しのカースタントを“体感”せよ!》


 人気漫画「北斗の拳」の元ネタの1つである大ヒット・アクション「マッドマックス」シリーズ。その前作「マッドマックス/サンダードーム」から約27年ぶりの新作。


 石油も水も尽きかけた世界。元警官のマックス(トム・ハーディ)は、愛する者を奪われ、本能だけで生き長らえていた。資源を独占し、恐怖と暴力で民衆を支配するジョー(ヒュー・キース・バーン)の軍団に捕えられた彼は、ジョーに囚われた女たち「ワイブズ」を率いて反逆を企てるジョーの右腕・フュリオサ(シャーリーズ・セロン)、全身白塗りの男・ニュークス(ニコラス・ホルト)と共に、自由への逃走を開始する。凄まじい追跡、炸裂するバトル…。


 絶体絶命のピンチを迎えた時、マックスと仲間たちの決死の反撃が始まる!


 元々は15年前に旧シリーズと同じメル・ギブソン主演で企画されていたもの。カーチェイスシーンでスタントマンが事故死するなどトラブルが相次ぎ、撮影が延期になるなどしたため、嫌気がさしたのか製作途中でメルが降板したことでお蔵入りになっていた。旧シリーズとはストーリー上の繋がりがないので、シリーズ未見でも楽しめるが、当然マックスのキャラ設定は引き継がれているため、何故、妻子の悪夢や亡霊が出てくるのか知りたければ、シリーズ1作目の復讐いや“復習”は必須。通常トラブル続きで難産だった映画は大抵、評判悪くてコケるものが殆どだが、この映画はそんなジンクスなんぞ吹き飛ばすくらい評論家ウケがよく、大ヒットしている快作だ。問題のカースタント場面も、あれでCGが一切無しとは驚きである。ちなみに、今回の悪役=イモータン・ジョーを演じているヒュー・キース・バーンは、1作目の悪役トーカッターを演じていた人。気付いた人、いる?


私の評価…☆☆☆☆★

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2015年9月11日 (金)

20歳よ、もう一度

20歳よ、もう一度
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:陳正道
脚本:林小革、レン・パン
オリジナル脚本:シン・ドンイク
原作:「怪しい彼女」(2014年・韓国映画)
出演:楊子[女冊]、歸亞蕾、陳柏霖、ルハン 他


 《オリジナル版とは少し趣が違う中国版リメイク》


 日本でも公開され大ヒットした韓国映画「怪しい彼女」を中国でリメイクした映画。


 頑固なお婆ちゃんモンジュン(歸亞蕾)はプロのバンドを目指す孫・チェンチン(ルハン)と大学教授の息子に甘いが、他の家族から疎まれるほど口煩い。やがて、ストレスで息子の嫁が入院すると、老人ホームへ入れられる話が持ち上がる。ショックを受けたモンジュンは目にした写真館に惹きつけられる。

「一番綺麗だった頃を思って」

と写真を撮ると、なんと20歳の麗しき姿の自分がいた。最初は戸惑いを隠せないモンジュンだったが、名前をテレサ(楊子[女冊])と変え、嘗てはかなえられなかった夢を実現するため新たな生活を始める。


 ある日、馴染みの老人カフェでカラオケを熱唱すると、偶然居合わせた、音楽プロデューサーのズーミン(陳柏霖)や孫のチェンチンたちの心を魅了するのだった。


 そして、チェンチンの「前進バンド」に誘われたテレサはボーカルとして参加し、ズーミンのプロデュースでデビューを目指すことになるのだが…?


 確かに、オリジナル版の「怪しい彼女」を製作した韓国の映画会社CJ Entertainmentが参加しているので、当初はガチで中国版リメイクとなるはずだったが、大まかな内容は変わらないものの、中国文化などの要素も取り入れた結果、オリジナル版とは細かい部分で少し違う展開を見せる映画となった。


 まぁ、いい意味でオリジナル版を換骨奪胎したとも言えるが、オリジナル版エピソードから、ある部分が省かれた事で、ラストのオチが変わってしまい、オリジナル版よりもコメディ性は薄れてしまった。韓国版ヒロインのシム・ウンギョンとデビュー当時(TVドラマ「環珠姫」の小燕子役)の若くて可愛いヴィッキー・チャオが友情(?)出演しているので、ファンの人は探してみてください。


私の評価…☆☆☆★

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2015年9月 9日 (水)

ザ・トライヴ

ザ・トライヴ
劇場:京都シネマ
監督・脚本:ミロスラヴ・スラボシュピッキー
製作:ヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ 他
出演:グレゴリー・フェセンコ、ヤナ・ノヴィコァヴァ、ロザ・バビィ、オレクサンダー・ドジャデヴィチ、ヤロスラヴ・ビレツキー、イワン・ティシコ、オレクサンダー・オサドッチイ、オレクサンダー・シデリニコフ、サシャ・ルサコフ、デニス・グルバ、ダニア・ブコビイ、レニア・ピサネンコ、オレクサンダー・パニヴァン、キリル・コシク、マリナ・パニヴァン、タティアナ・ラドチェンコ、リュドミラ・ルデンコ 他


 《確かに斬新な映画だが、僕には退屈なもの》


 長編映画初監督となるスラボシュピツキーが、全ての出演者にプロの俳優ではない聾唖者を起用し、全編セリフと音楽無しで作り上げたドラマ。カンヌ国際映画祭など世界中で数多くの賞を受賞。聾唖者専門の寄宿学校を舞台に、悪の道に染まった若者の葛藤を描く。


 セルゲイ(グレゴリー・フェセンコ)は、聾唖者専門の寄宿学校に入学する。その学校では公式祝賀会が開かれ、一見、民主的な雰囲気に包まれているが、裏では犯罪や売春などを行う悪の組織「族(=トライブ)」によるヒエラルキーが形成されていた。入学早々、セルゲイも手荒い歓迎を受ける。リーダーを中心とした集団が観戦する中、数人の学生を相手に殴り合いを強要されたセルゲイは、意外な強さを示したことから、組織の一員として認められる。当初は下っぱだったセルゲイも、恐喝や凶悪な暴力行為に加点していくうち、次第に実力者となっていく。組織の主要な財源は売春。セルゲイは先輩に付き添って、毎晩のようにリーダーの愛人・アナ(ヤナ・ノヴィコァヴァ)と同室の女、2人を車に乗せて、長距離トラックが駐車しているエリアまで送り届けていた。


 組織の中で徐々に頭角を現していったセルゲイは、イタリア行きのために売春でお金を貯めているリーダーの愛人・アナを好きになってしまう。アナと関係を持つうちにアナを自分だけのものにしたくなったセルゲイは、組織のタブーを破り、押さえきれない激しい感情の波に流されていくのだった…。


 う〜ん、今イチ好みではなかったなぁ。結局、台詞も字幕もなしとなると、コメディじゃなければ一番描き易いのはSEXと暴力なのだろう。手話が分からなくても、演者は皆感情表現が豊かなので、何が言いたいのかや大まかな内容は把握できるのだが、結構過激な映像が多いのと、仕切りの無い、しゃがんでも前が丸見えの女子トイレにビックリであった(笑)。


私の評価…☆☆

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2015年9月 6日 (日)

海街diary

海街diary
海街diary
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:是枝裕和
原作:吉田秋生「海街diary」
音楽:菅野よう子
出演:綾瀬はるか、夏帆、長澤まさみ、広瀬すず、大竹しのぶ、堤真一、加瀬亮、風吹ジュン、リリー・フランキー、前田旺志郎、鈴木亮平、池田貴史、坂口健太郎、キムラ緑子、樹木希林、中村優子 他


 《静かな家族のドラマ》


 「月刊フラワーズ」(小学館)に2006年より不定期連載されている、吉田秋生原作の同名マンガを実写映画化。


 長女=幸(綾瀬はるか)、次女=佳乃(夏帆)、三女=千佳(長澤まさみ)は、鎌倉で三人一緒に住んでいた。そんな彼女等のもとに、ある夏の朝、15年前に家を出て疎遠になっていた父の訃報が届く。父は家族を捨て、その後、母(大竹しのぶ)も再婚して家を去っていた。三人は父の葬儀が行われる山形に向かい、母親違いの妹=すず(広瀬すず)と初めて対面する。三姉妹の父を奪ったすずの母は既に他界し、頼りない義母(中村優子)を支え気丈に振る舞う中学生のすずに、長女の幸は思わず声をかける。

 「鎌倉で一緒に暮らさない?」

こうして、すずを入れた四姉妹の暮らしが始まった。

 しっかり者の幸と自由奔放な次女の佳乃は何かとぶつかり合い、三女の千佳はマイペース、そんな三姉妹の生活に、すずが加わったのだ。季節の食卓を囲み、それぞれの悩みや喜びを分かち合っていく四姉妹。しかし、祖母の七回忌に音信不通だった母が現れたことで、一見穏やかだった四姉妹の日常に、秘められていた心の朿が見え始める…。


 吉田秋生原作漫画の映画化というと、2度映画化された「櫻の園」があり、僕も2つとも観ているが、小津安次郎作品をインスパイアしているせいなのか、「櫻の園」同様、静かで落ち着いて観られる映画である。


 何といっても4姉妹のアンサンブルがいい。4姉妹ものの秀作といえば「細雪」があるが、これはその現代版のようでもある。このバランスが崩れてしまうと、映画としても成り立たなくなるのだが、これがピタッとハマっている。美しい鎌倉の四季折々の風景とともに、久々に邦画らしい邦画を観たような気がした。


私の評価…☆☆☆☆

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2015年9月 4日 (金)

ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス

ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:フランシス・ローレンス
脚本:ダニー・ストロング、ピーター・クレイグ
原作:スーザン・コリンズ「ハンガー・ゲーム3 マネシカケスの少女」
製作:ニーナ・ジェイコブソン 他
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ジェニファー・ローレンス(水樹奈々)、ジョシュ・ハッチャーソン(神谷浩史)、リアム・ヘムズワース(中村悠一)、ウディ・ハレルソン(山寺宏一)、エリザベス・バンクス(坪井木の実)、フィリップ・シーモア・ホフマン(石住昭彦)、ジュリアン・ムーア(日野由利加)、ドナルド・サザーランド(稲垣隆史)、スタンリー・トゥッチ(岩崎ひろし)、ジェフリー・ライト(ふくまつ進紗)、サム・クラフリン(前野智昭)、ナタリー・ドーマー(東條加那子)、マハーシャラ・アリ(楠大典)、ウィロウ・シールズ(釘宮理恵)、ポーラ・マルコムソン(金野恵子)、ジェナ・マローン(生天目仁美)、ステフ・ドーソン(合田絵利)、パティーナ・ミラー(林りんこ)、エヴァン・ロス(水越健)、ウェス・チャサム、エルデン・ヘンソン、ロバート・ネッパー(野川雅史)、サリタ・チョウドリー(佐竹海莉) 他


 《盛り上がり過ぎたものが、一旦落ち着く》


 スーザン・コリンズの小説「ハンガー・ゲーム」シリーズ三部作の完結編を2部構成で描く、その前編。打倒・独裁国家パネムのシンボルとして立ち上がった主人公カットニスの想像を絶する運命を描く。


 ハンガー・ゲーム記念大会の競技場から危機一髪で救出されたカットニス(ジェニファー・ローレンス)は、滅亡したとされていた第13地区の地下にある、反乱軍の秘密基地に収容される。コイン首相(ジュリアン・ムーア)率いる反乱軍は、スノー大統領(ドナルド・サザーランド)が君臨する独裁国家パネムを倒し、自由で平等な新国家を建設するための戦いの準備を進めていた。政府軍に故郷を破壊され心を痛めたカットニスは、革命のシンボルとなり、反乱軍のリーダーとして独裁国家に立ち向かうことを決意する。しかし狡猾な大統領は反乱を未然に抑え込もうと、人質にしたピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)をテレビ番組に担ぎ出す。プロパガンダに利用され、やつれ果てたピータの姿を目の当たりにしたカットニスは胸を引き裂かれる。やがて、両陣営の緊張が高まるなか、反乱軍はピータ救出作戦を実行する。しかしその先には、カットニスを襲う更なる過酷な運命が待っていた…。


 人気シリーズの完結編なのだが、じっくり描きたかったのか、はたまた昨今のシリーズものの風潮なのか、前・後編と分けて公開されることになった。このためか、今迄でいちばんハンガー・ゲームらしくなく、ほぼ心理戦で派手なアクションは皆無。前2作と比べるとややつまらない映画となった。


 ただ、主人公を徹底的に傷つけ、痛めつけることで、ただでさえドナルド・サザーランドが演じることで、強烈なインパクトがあるスノー大統領を、さらに憎々しく見せることには成功しており、同時にヒロインの凛々しさも際立たせている。後編でどう立ち向かっていくか、非常に楽しみだ。


 今回は、あくまで次回最終作への繋ぎ。その後編は、11月20日に全世界同時公開となる。本作が実質遺作になってしまった、フィリップ・シーモア・ホフマン扮するプルタークの扱われ方はどうなるのか、ちょっと気にはなるが、本作で一旦クールダウンしたテンションを再び上げてくれるに違いない。期待しよう。


私の評価…☆☆☆

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2015年9月 3日 (木)

〈新・午前十時の映画祭〉王様と私(1956 年)

〈新・午前十時の映画祭〉王様と私(1956<br />
 年)
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ウォルター・ラング
脚本:アーネスト・レーマン
原作:マーガレット・ランドン「Anna and the King of Siam」
製作:チャールズ・ブラケット
音楽:リチャード・ロジャース、オスカー・ハマースタイン2世、アルフレッド・ニューマン
出演:ユル・ブリンナー、デボラ・カー(歌の吹き替え:マーニー・ニクソン)、リタ・モレノ、レックス・トンプソン、マーティン・ベンソン、カルロス・リヴァス、パトリック・アディアート、ユリコ、アラン・モウブレイ、ジェフリー・トゥーン、テリー・サンダース、ミチコ・イセリ、ステファニー・ポンド・スミス 他


 《1956年度アカデミー賞5部門受賞の名作》


 この映画は、マーガレット・ランドンが1944年に発表した小説を基に、1951年に初演された舞台ミュージカルを映画化したもので、1946年に製作された映画「アンナとシャム王」(ジョン・クロムウェル監督/出演アイリーン・ダン、レックス・ハリソン)のミュージカル・リメイクである。


 1862年、アンナ夫人(デボラ・カー)は息子ルイズ(レックス・トンプソン)を連れてシャム王(ユル・ブリンナー)の王子や王女らの教師としてイギリスからシャムに渡る。バンコクでは首相のクララホーム(マーティン・ベンソン)の出迎え。アンナは王が宿舎提供の約束を忘れていることを知り、直談判しようとする。王はビルマ大公の貢ぎ物、美しい姫タプティム(リタ・モレノ)を受け取ったところ。早々アンナを後宮へ伴い正妃ティアンを始め数多くの王子、王女らを引き合わせる。アンナは王の子女の教育についてティアン妃の援助を受けることになり、タプティムは妃達に英語を教えることになる。アンナはタプティムの恋人がビルマから彼女を連れてきた使者ラン・タと知り、何とか心遣いをしてやった。アンナは王子、王女らの教育で“家”という言葉を教え、宿舎の提供を怠った王の耳に入れようとする。次代の王、チュラロンコーン王子は、シャムは円い地球上の小国と言いだし、驚いた王は授業参観に赴くが、却ってタプティムの朗読する“トムおじの小屋”に
感激。だが首相は王の頭を混乱させるとアンナを非難する。ある日、自分がイギリス人から野蛮人と考えられていると知った王は、保護国の資格を失うと考え、近く国情調査にくるイギリス特使の遇しをアンナに一任。特使ジョン・ヘイ卿の歓迎晩餐会は、ヨーロッパ風の豪華なものだった。宴は成功したが、タプティムは恋人と駈落ちする…。


 この映画はDVDも持っていて何度も観ているし、昔、東宝ミュージカルで高嶋政宏と一路真輝がやっていたのを観に行った事がある。つい最近でも日本では松平健が、ブロードウェイでは渡辺謙がシャム王を演じ話題になった。ユル・ブリンナーはこのシャム王役のイメージが定着し、以降殆どの映画でスキンヘッド姿である。そして、当時美人女優の代表格だったデボラ・カーは、歌声こそ名手マーニー・ニクソンの吹き替えだが、やはりこの映画でもエレガントで美しい。


 同じ題材の映画(こちらはアンナの手記を原作としているためリメイクではない)にジョディ・フォスターとチョウ・ユンファ共演の「アンナと王様」(1999年・米)があって、僕もリアルタイムで観ているが、やはりミュージカル版の方が格が上。ジョディ・フォスターも確かに名優だが、デボラ・カーには適わなかった。


私の評価…☆☆☆☆

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