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2016年4月

2016年4月29日 (金)

アーロと少年

アーロと少年
アーロと少年
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ピーター・ソーン
脚本:メグ・レフォーヴ
原案:ピーター・ソーン 他
製作:デニス・リーム
製作総指揮:ジョン・ラセター
音楽:マイケル・ダナ、ジェフ・ダナ
日本公開版主題歌:kiroro「Best Friend」
声の出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):アーロ…レイモンド・オチョア(石川樹)、アーロ〈幼少期〉…ジャック・マックグロウ(古賀瑠)、ブッチ…サム・エリオット(松重豊)、ラムジー…アンナ・パキン(片桐はいり)、ナッシュ…A.J.バックリー(八嶋智人)、ヘンリー…ジェフリー・ライト(山野井仁)、イダ…フランシス・マクドーマンド(安田成美)、イナズマドカン…スティーヴ・ザーン(落合弘治)、アール…ジョン・ラッツェンバーガー(立木文彦) 他

〈同時上映〉短編映画「ぼくのスーパーチーム」


 《吹き替え版より字幕で観たい》


 去年、アメリカではピクサー・アニメーション・スタジオ製作のアニメが、史上初めて年間2作品公開されたのだが、これはその1本(もう1本は「インサイド・ヘッド」)。日本では年が明けて3月の公開となった。


 恐竜が絶滅を免れた世界。恐竜のアーロは、兄弟と比べて身体が小さく、怖がりで父親に甘えてばかりだった。ある日激しい嵐が遅いかかり、父を亡くし、アーロも濁流に流されてしまう。見知らぬ土地に流れ着き、独りぼっちになったアーロを助けたのは、人間の子スポットだった。言葉は通じないものの、小さな身体で懸命にアーロを守ろうとする勇敢なスポットに、アーロは少しずつ心を開いていく。ふたりはアーロの家族のもとへ向け出発。大自然の脅威や敵が待ち受けていても、アーロとスポットは力を合わせて乗り越え、やがて心と心が結び付いた友達になっていくが…。


 アメリカでの評価が今一つ良くなく、製作費が当初の予定よりかなり膨れ上がってしまったため、ピクサー作品にしては初の赤字になってしまった映画なのだが、いざ観てみると、何故そんな評価になったのか疑問に思うくらい、良い映画だ。


 確かに映画としては、ストーリーがシンプル過ぎて、やや単調にみえる点があるが、ファミリー向けで特に子供にわかりやすいように作るには、これでも十分なのではないかと思う。


 映像も最新で最高レベルのCG技術が使われており、さまざまな川の流れの表現や草原に輝く蛍の光などは、まるで実写と見紛うほどリアルで美しい。


 ただ、友情がテーマというわりには、アーロとスポットの立場が、最終的に対等にならないのは不満。でも、そうしてしまうとあの切ないラストシーンは無かっただろうな、と考えると少し複雑な気持ちになる。また、日本では吹き替え版しか公開されず、この点も字幕派にとっては残念なところで、「明日に向かって撃て」のオマージュ的な形で出ているサム・エリオットや、アンナ・パキン(何で吹き替えが片桐はいりなんだよ!)の声で聴きたかったのだが、アーロたちに本当の強さと優しさを指南するTレックス一家の吹き替え3人が最高で、ここのところは原語版と聴き比べたいなと思った。


私の評価…☆☆☆★

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2016年4月28日 (木)

偉大なるマルグリット

偉大なるマルグリット
劇場:シネ・リーブル梅田
監督・脚本・脚色:グザヴィエ・ジャノリ
脚本協力:マルシア・ロマーノ
製作:オリヴィエ・デルボスク
音楽:ローナン・マイヤール
出演:カトリーヌ・フロ、アンドレ・マルコン、ミシェル・フォー、クリスタ・テレ、デニス・ムプンガ、シルヴァン・デュエード、オベール・フェノワ、ソフィア・ルブット、テオ・チョルビ 他


 《喝采(?)に包まれた騒音の歌姫》


 実在した“音痴の歌姫”に着想を得たフランス映画。


 1920年、フランス郊外。マルグリット・デュモン男爵夫人(カトリーヌ・フロ)の邸宅では、サロン音楽会が開かれていた。貴族たちが大勢招待され、辛口新聞記者ボーモン(シルヴァン・デュエード)も紛れ込んでいた。主役のマルグリットが招待客たちの前に登場し、「夜の女王のアリア」を歌いだしたところ、ボーモンはその歌声に唖然とする。彼女は絶句するほどの音痴だった。それでも貴族たちは礼儀に則り拍手喝采。わざと遅れて帰宅した夫の姿もその中にあった。翌朝、心をわし掴みにする声と絶賛するボーモンの評を読んだマルグリットは感激し、お礼を言おうとパリに急ぐ。ボーモンは夫人に近づく魂胆から評を書いたが、無邪気さと大胆さに惹かれたのも事実だった。マルグリットを理解できない夫ジョルジュ(アンドレ・マルコン)は、妻の友人と浮気中。マルグリットは、歌とともにこよなく愛する、オペラのヒロインになりきった撮影に夢中になる。ある日、ボーモンはパリで開かれる音楽会への出演をマルグリットに打診。出演をなんとか阻止しようとするジ
ョルジュだったが、執事のマデルボス(デニス・ムプンガ)に止められてしまう。音楽会は大失敗。しかしマルグリットは招待客ではなく聴衆の前で歌う喜びに目覚める。そしてパリでリサイタルを開こうと、オペラ歌手ペッジーニ(ミシェル・フォー)から本格的なボイストレーニングを受け始めるが…。


 今を遡ること約100年前、アメリカに実在したソプラノ歌手のフローレンス・フォスター・ジェンキンス。彼女は、音楽的な才能が全く欠如していた事で有名だそうで、“騒音の歌姫”とも呼ばれている。なぜかこのところショービジネス界では人気で、この人を題材にした作品が、いくつか作られているのだが、本作はその1本。


 これを観ていると、歌うことの本質って、やっぱり歌唱力なんか関係なく、歌うことそのものなんだよな、ということに気付かされる。実際のフローレンスも下手な歌よりもパフォーマンスで人気があったらしいのだが、本作のマルグリットも歌っている時の楽しそうな表情が、実に可愛い。一応、パフォーマンスに関しては旦那さんの気を引くためだったという設定になっているが、お金持ち(この場合は貴族の端くれ)というのは、どこか寂しい一面があるのかなとも思った。ラストがかなりブラックなオチなのには驚いたが、この部分も実話に近い(実際にはフローレンスが亡くなったのは病院ではなくホテル)らしく、あっけない幕切れだった。


 ところで、前述のようにこの人物はなぜか今、ショービズ界にブームが来ているようで、舞台版では「スーベニア 〜騒音の歌姫〜」となり、その日本人キャスト版では三田佳子が演じた。そして今年12月に日本公開予定のイギリス映画「フローレンス・フォスター・ジェンキンス(原題)」では、メリル・ストリープがこの歌姫を、彼女に振り回される夫をヒュー・グラント(適役!)が演じる。まぁ、ストーリーはほぼ同じだろうから、演出の違いを見比べてみるのも、面白いかも。


私の評価…☆☆☆★

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2016年4月24日 (日)

セーラー服と機関銃 ―卒業―

セーラー服と機関銃 ―卒業―
セーラー服と機関銃 ―卒業―
劇場:T・ジョイ京都
監督:前田弘二
脚本:高田亮
原作:赤川次郎「卒業-セーラー服と機関銃・その後」
製作:堀内大示 他
音楽:きだしゅんすけ
主題歌:橋本環奈「セーラー服と機関銃」
出演:橋本環奈、長谷川博己、安藤政信、大野拓朗、宇野祥平、古舘寛治、鶴見辰吾、榎木孝明、伊武雅刀、武田鉄矢 他


 《時代錯誤の青春ノスタルジー》


 35年前に薬師丸ひろ子主演で映画化され、社会現象となった赤川次郎原作「セーラー服と機関銃」の続編を、アイドルグループ「Rev. from DVL」の橋本環奈をヒロインに迎えて映画化。角川映画の40周年記念作品であり、原作者の赤川次郎も2016年に作家生活40年を迎える。


 18歳の高校三年生・星泉(橋本環奈)には、組員僅か4人の弱小ヤクザ「目高組」の組長だったという驚きの過去があった。伯父(榎木孝明)を殺したヤクザを機関銃で襲撃する大事件を起こした後、組は解散し、今はシャッター商店街の中で「メダカカフェ」を経営し、店長として活躍している。卒業を間近に控え、普通の女子高生としての日常を取り戻していた泉だったが、ある日、偽モデル詐欺に巻き込まれた友達の相談から、泉の周辺に再び危ない影が忍び寄ってきて…。


 一応続編とのことだが、オリジナルの相米慎二監督版とはキャラ設定も時代も違うので、パラレルワールドと捉えた方が妥当かもしれない。いきなり冒頭から前作のオマージュで始まり、長回しでなかなか本題に入らないためイライラさせられるが、この映画全体が、過去の角川映画のオマージュといった形でもあるためか、そのオマージュの詰め込みが過多で、かなり雑なものに仕上がってしまった。


 時代設定も現代になっていて、敵方のヤクザはなるほどヤクザというよりは実業家ふうで、いかにもな感じなのだが、目高組の方は義理と人情で突っ走るという昭和のヤクザ。現代なのになぜか懐かしい匂いがプンプンする。だから、僕のような昭和世代のオッさんらは観に行くんだろうけど、若者狙いのキャスティングとしては完全に失敗の映画。


 ただし、主演に橋本環奈を据えたのは間違っていない。35年前の薬師丸ひろ子に匹敵するとは言えないものの、今のアイドルで似たような雰囲気を醸し出せるのは、彼女の他にそうはいないだろう。小柄で美しい顔にちょっぴりハスキーな声というのも魅力的である。実際演技もそこそこ出来るし、これをきっかけに、女優としても色々な役に挑戦してほしいと思う。


私の評価…☆☆★

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2016年4月23日 (土)

シェル・コレクター

シェル・コレクター
シェル・コレクター
劇場:京都シネマ
監督・脚本:坪田義史
共同脚本:澤井香織
原作:アンソニー・ドーワ「シェル・コレクター」
製作:大日方教史
音楽:ビリー・マーティン
出演:リリー・フランキー、寺島しのぶ、池松壮亮、橋本愛、普久原明、新垣正弘、ジム・スターク 他


 《超難解で、意味不明》


 アメリカの作家=アンソニー・ドーアがオー・ヘンリー賞を受賞した短編小説を、沖縄の離島に舞台を移し替え、日米合作で撮影された映画。リリー・フランキーが「盲獣vs一寸法師」(2001年製作→一般公開は2004年)以来15年ぶりに単独主演。


 貝の美しさと謎に取りつかれ貝類学の分野ではその名を馳せる盲目の学者(リリー・フランキー)は、今では家族と離れひとり沖縄の孤島で貝を兎集する静かな日々を過ごしていた。ある日、いづみという女(寺島しのぶ)が島に流れ着き学者と一緒に暮らし始める。偶然にも彼女が患う奇病を貝の毒を用いて治したことから、息子の光(池松壮亮)やいづみと同じ病の我が子・嶌子(橋本愛)を助けようとする地元の有力者・弓場をはじめ多くの人が治療法を求めて島に押し寄せてくる…。


 これは万人ウケするような映画では絶対にない。盲目の主人公の“視点”でストーリーが展開するため、ストーリーを目で観て追うのではなく、感覚を研ぎすまして観なければならない。勿論、映像だけでは全てを補完できないのだが、ナレーションが無くセリフも少ないため、作者や監督の言いたいこと、伝えたいことの大部分を頭の中で想像しながら観なければならず、意味不明な場面もあるため、観た後非常に疲れる(笑)。昔のアングラ映画が好きな人は、最後まで話についていけるだろうが、40歳代未満の人で、ATG作品なんかも観たことの無い人は、恐らく途中で挫折してしまうだろう。


私の評価…☆☆

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2016年4月21日 (木)

ザ・ブリザード

ザ・ブリザード
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:クレイグ・ギレスピー
脚本:スコット・シルヴァー
原作:ケイシー・シャーマン、マイケル・J・トーギアス「The Finest Hours:The True Story of the U.S. Coast Guard's Most Daring Sea Rescue」
製作:ジム・ウィテカー 他
音楽:ハビエル・アギーレサロベ
出演:クリス・パイン、エリック・バナ、ケイシー・アフレック、ベン・フォスター、ホリデイ・グレインジャー、ジョン・オーティス、ジョシュ・スチュワート、グレアム・マクタヴィッシュ、カイル・ガルナー、マイケル・レイモンド=ジェームズ、アブラハム・ベンルービ 他


 《本当にあった奇跡の救出》


 1952年に起きた事故で、アメリカ沿岸警備隊の隊員たちが過酷な気象状況下で巨大なタンカーの乗組員の救出に挑んだ、「SSペンドルトン号の救出劇」と呼ばれる実話を基に描き、2010年に発表され話題を呼んだノンフィクション小説を映画化。


 1952年2月18日未明、超大型ブリザードが大西洋沖を航行中の大型タンカー、ペンドルトン号を襲った。雪が混ざった強風と大きくうねる波に晒されて、前月に船体を補修したばかりの継ぎ目が裂け浸水。真っ二つに裂かれてしまう。タンカーの構造に精通する一等機関士レイモンド・シーバート(ケイシー・アフレック)の指揮のもと、船員たちは沈没を食い止めようと懸命の作業にあたる。


 一方、沿岸警備隊チャタム支局にペンドルトン号遭難の知らせが入り、新任の司令官クラフ(エリック・バナ)は木製の小型救助艇で生存者救出に向かうよう一等水兵のバーニー・ウェバー(クリス・パイン)に命じる。1年前に似たような状況で8人の命を救えなかったバーニーは、今度こそ誰も死なせないと心に決め、仲間のリヴシー(ベン・フォスター)やフィッツ(カイル・ガルナー)、マスキーと共に救出に向かう。しかしタンカーの生存者は32人であるものの、小型救助艇の定員は12人。また、コンパスが壊れてしまい、視界が無いにも拘らず、方角も分からなくなってしまう。雨と雪が混じった風速40mを超える強風と20m超の高波が襲う中、刻一刻とタイムリミットが迫るペンドルトン号のもとへバーニーらは命懸けで向かう。


 強烈な嵐で船体が裂け、船長を失った上で漂流し沈みゆくタンカーを救助するため、たった一隻の小型救助艇(しかもボロ船)で助けに向かうという、ウソのようなホントの話。タンカー乗組員の葛藤と、困難な状況の中救出に向かう沿岸警備隊の両方のドラマを同時進行で描いていく。


 警備隊員役クリス・パインの方が主役なのに、警備隊側のドラマがやや物足りないのが残念だが、その分タンカー内でのドラマが面白い。船を真っ二つに裂かれた上、船長まで失う中、どちらかというと仲間からは好かれていない一等機関士を頼りに、奇策で船を沈ませずに浅瀬まで船を引こうとするのだが、仲の悪い派閥との一悶着あり、自然を相手に危機の連続ありと、目が離せないのだ。


 ヒロインがあまり魅力的ではないためか、日本では今一つ興収成績が芳しくないが、スペクタクル映画としては一級品。観て損は無い。


私の評価…☆☆☆★

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2016年4月19日 (火)

キャロル

キャロル
キャロル
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:トッド・ヘインズ
脚本:フィリス・ナジー
原作:パトリシア・ハイスミス「The Price of Salt」
製作:エリザベス・カールセン 他
製作総指揮:テッサ・ロス
音楽:カーター・バーウェル
出演:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、サラ・ポールソン、カイル・チャンドラー、ジェイク・レイシー、コーリー・マイケル・スミス、ジョン・マガロ、キャリー・ブラウンスタイン 他


 《男にゃ分からん女同士の愛の世界》


 「太陽がいっぱい」で知られる作家パトリシア・ハイスミスが別名義で発表した小説を、「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督で映画化。


 1952年、ニューヨーク。ジャーナリストになるためにマンハッタンに出て来たテレーズ(ルーニー・マーラ)は、高級百貨店の玩具売り場でクリスマスシーズンの臨時アルバイトをしている。テレーズには、なかなか結婚には踏み切れないでいるリチャード(ジェイク・レイシー)という恋人がいた。そんなある日、テレーズの前に、娘へのクリスマスプレゼントに人形を探している女性キャロル(ケイト・ブランシェット)が現れる。エレガントで洗練された美しさを持ち、裕福そうなのにどこかミステリアスな雰囲気を醸す彼女に、テレーズはたちまち心を奪われる。送り先伝票からキャロルの住所を知ったテレーズがダメ元でクリスマスカードを書くと、すぐにキャロルから連絡が届く。


 2人は会うようになり、キャロルは離婚訴訟真っ最中の人妻で、娘の親権を巡って泥沼の争いをしていることを知る。婚約者からの求婚のプレッシャーや、これからのキャリアに対する不安からストレスを感じているテレーズは、クリスマス休暇に別居中の夫ハージ(カイル・チャンドラー)に娘を取られて孤独なキャロルから車での小旅行に誘われる。テレーズは生まれて初めて本物の恋をしていると実感し、キャロルとの愛の逃避行に出発するが、この旅がきっかけで2人の運命が思いがけない方向に向かうとは、まだどちらも気付いていなかった…。


 今年に入って同性愛をテーマにした映画が何本か公開されているが、本作は原作者の実体験(但しそれは玩具売り場で出会うまで)を基に創作された話である。


 この映画の時代設定となる1950年代は、まだこの同性愛というものに対して寛容ではなく、病気とみなされていた時代である。だが、この映画はそんな差別的な目では一切捉えられていない。それどころか「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督によって、艶やかな美しいラブストーリーに仕上がっている。


 そして、何より主演2人の演技が素晴らしい。アカデミー賞Wノミネートも納得である。恐らく票が割れたのだろう、結果的に受賞は逃してしまったが、保守的な時代に、周りの重圧に負けずに生きた女性の逞しさや気高さを的確に表現していた。


 ただ、男性目線からすると、男では到底分かり得ない女性心理というものも色濃く、この点では男性には不向きな映画なのかなとも感じた。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年4月15日 (金)

劇場版 selector destructed WIXOSS

劇場版 selector destructed WIXOSS
劇場版 selector destructed WIXOSS
劇場:MOVIX京都
監督:佐藤卓哉
脚本:岡田麿里
原作:LRIG
音楽:井内舞子
主題歌:分島花音「Love your enemies」
声の出演:小湊るう子…加隈亜衣、イオナ…瀬戸麻沙美、植村一衣…茅野愛衣、浦添伊緒奈/ウリス…釘宮理恵、エルドラ…新井里美、紅林香月…小林裕介、小湊ハツ…久保田民絵、タマ…久野美咲、ユヅキ…佐倉綾音、蒼井晶…赤崎千夏、ちより…杜野まこ、紅林遊月(花代)…川澄綾子、小湊歩…石谷春貴、ミルルン…日高里菜、ふたせ文緒…櫻井浩美、アン…長妻樹里、繭…種田梨沙 他


 《TV版とは異なる見方の劇場版》


 タカラトミーより発売されている、トレーディングカードゲーム「WIXOSS(ウィクロス)」をモチーフにしたテレビアニメの劇場版。テレビ版第1期と第2期を再構成しエピローグを付け足した形となっている。


 中学生の小湊るう子は、友人もなくただ日々に不満もなく過ごしていた。そんなるう子を気遣う兄は、中高生の男女を中心に人気のトレーディングカード・WIXOSS(ウィクロス)を与える。るう子がカードゲームを開け、プレイヤーの分身であるルリグカードを見ると、カードの中に描かれた少女が動き出す。そのカードの中の少女=タマは、驚くるう子をよそにカードバトルを求めてくる。不思議な事態に困惑しているるう子の前に、同級生の紅林遊月が現れ、カードバトルを挑んでくる。遊月によると、タマのように“意志を持ったルリグカード”を手に入れた少女は“セレクター”と呼ばれ、そのセレクター少女同士のバトルを制した者は、最終的に自分の望んだ姿“夢限少女”になれるという。自分の望みを叶えるため、いつ終わるとも知れない危険な遊戯と知らず、少女たちは戦いの世界に足を踏み入れる…。


 最近劇場用アニメ映画で多いのが、TVの深夜アニメの劇場版なのだが、本作もその1つ。観ていない人も劇場に誘い込むためか、大抵の場合TV版の総集編に「+α」というパターンが多い。


 本作の場合は、元々のTV版が、同時に開発された(最終的には諸般の事情でゲームの開発が半年遅れ、アニメが先行する形になった)トレーディングカードゲームの販促目的で作られたため、多少アレンジされてはいるものの、ゲームのルールがアニメにも適用されている。勿論、TV版を知っていなくても観られるが、殆どTV版の総集編なので、TV版をある程度知っていないと、置いてきぼりを食らうことは間違いない。とりあえず僕はTV版を観ていたので、話にはついていけた。付け足された部分がある関係で、結末がTV版とは異なった見方になっているのも、これはこれで面白い。


 一応これで話としては完結した形となるので、恐らくTV版第3期は無いだろうが、2匹目のドジョウ狙いで、似たような物が出てくる可能性は、あるだろうなぁ。


私の評価…☆☆☆

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2016年4月13日 (水)

ドラゴン・ブレイド

ドラゴン・ブレイド
ドラゴン・ブレイド
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:李仁港
製作:成龍、曾錫欣
アクション監督:成龍
アクション指導:何鈞、成家班(ジャッキー・スタントチーム)
音楽:黎允文
主題歌:成龍
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):成龍(石丸博也)、ジョン・キューザック(家中宏)、エイドリアン・ブロディ(宮本充)、崔始源(浪川大輔)、林鵬(水樹奈々)、肖央(森川智之)、王太利(立木文彦)、王若心(井上喜久子)、ジョゼフ・リュウ・ウェイト(小林由美子)、ロリー・ペスター(櫻井智)、馮紹峰、劉承俊(石狩勇気)、洪天照(柳田淳一)、シャーニー・ヴィンソン 他


 《悪くはないが、ある意味ジャッキーらしくない映画》


 嘗て紀元前200年頃の前漢時代、シルクロードで中国侵略を狙うローマ帝国軍と、彼らに立ち向かう中国の部族たちが戦ったという史実を基に、製作日数7年、総製作費4億元(約70億円)という中国映画史上最高の巨費を投じ、空前のスケールとハリウッド屈指の名優たちとの共演で描くスペクタクル巨編。


 今から2000年前、前漢時代の中国。シルクロードでは、36の部族が抗争を繰り広げていた。西域警備隊としてシルクロードの平和を守る司令官フォ・アン(ジャッキー・チェン)は陰謀で反逆者の汚名を着せられ、西域辺境の関所・雁門関の街の外壁を修理するための奴隷労働者として、部下と共に追放される。


 一方、ローマ帝国の執政官の長男・ティベリウス(エイドリアン・ブロディ)から命を狙われている弟・プブリウス(ジョゼフ・リュウ・ウェイト)を守り、自らの軍勢を引き連れて西域に逃れてきた将軍ルシウス(ジョン・キューザック)は、雁門関でフォ・アンと出会い、国の違いを越えて友情を深め合う。ルシウスはローマの先進的な建築技術を用いて雁門関の修復工事を完成させるが、そこに中国侵略を目論むティベリウス率いるローマ帝国最強の大軍勢が攻め込んでくる。フォ・アンはローマと戦うため、抗争を続ける各部族に共闘を提案するが…。


 さすがにこれだけの製作費がかけられると、こういう映画ができるのか、と思えるくらいのスペクタクルに圧倒される。史実がモチーフの戦争ものということで、グロいシーンもあるのがジャッキー映画らしくないところではあるが、リアルに拘ればそうなってしまうのは、仕方ないところなのだろう。


 中国映画ということもあるのかもしれないが、西洋人キャストが外様感ハンパない感じで演技している気がする(笑)。そんな中でエイドリアン・ブロディが悪役ティベリウスを存在感たっぷりに怪演している。1人だけ浮いているんじゃないかと思うくらい異様だった。


私の評価…☆☆☆

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2016年4月12日 (火)

9つの窓

9つの窓
劇場:シネ・リーブル梅田
監督:名倉愛(「お電話ありがとうございます」「candy」)、曽根剛(「赤い糸」)、比呂啓(「回想電車」)、廣瀬陽(「さおり」「漁船の光」)、中村公彦(「Dark Lake」「レミューテック」)、小川和也(「先客あり」)
脚本:隈部雅則(「回想電車」「お電話ありがとうございます」)、吉原れい(「赤い糸」)、廣瀬陽(「さおり」)、奥西隼也(「漁船の光」)、山内晶(「candy」)、春名功武「レミューテック」)、掛川浩司(「先客あり」)、祁答院慎、平沼豊(以上「「Dark Lake」」)
原作:祁答院慎(「Dark Lake」)
主題歌:Thinking Dogs「ごめんね、キャサリン」
出演:北原里英、相島一之(以上「お電話ありがとうございます」)、茂木忍、谷内里早、菊地燎、瑠衣夏(以上「赤い糸」)、宮澤佐江、美山加恋、長谷川初範(以上「回想電車」)、中西智代梨、秦瑞穂、中村龍介(以上「さおり」)、横山由依、大野拓朗(以上「漁船の光」)、木崎ゆりあ、大沼遼平(以上「candy」)、江籠裕奈(「レミューテック」)、入山杏奈、松山優太、浪岡一喜(以上「先客あり」)、兒玉遥、中川真桜、和田清香(以上「Dark Lake」) 他


 《こんなダメ企画がよく通ったなぁ》


 『ショートショートフィルムフェスティバル&アジア』とAKB48のコラボレーション企画「AKB ShortShorts」第1弾。AKB48のメンバーが主演のバラエティ豊かな10分の短編9本を集めたオムニバス映画。


 あらすじは、1本1本書いていると非常に長くなるので、今回は割愛(笑)。


 さすがに10分で1つの話をまとめようとすると、かなり難しいのか、殆どどれも中途半端な話ばかりでつまらない。AKBのメンバーが主役なので、演技の面ではどうしようもない部分もあるのは仕方がないが、それでもストーリーがしっかり作り込まれていれば、なんとか観られるものになったはず。まぁ、多分に実験的な形として作ったのだろうが、素人が作ったものじゃあるまいし、あまりにもお粗末な映画である。


私の評価…☆

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2016年4月 6日 (水)

オデッセイ

オデッセイ
オデッセイ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:リドリー・スコット
脚本:ドリュー・ゴダード
原作:アンディ・ウィアー「火星の人」
製作:サイモン・キンバーグ 他
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):マット・デイモン(神奈延年)、ジェシカ・チャスティン(林真里花)、マイケル・ペーニャ(石上裕一)、ケイト・マーラ(白川万紗子)、セバスチャン・スタン(浜田賢二)、アクセル・ヘニー(志賀麻登佳)、クリステン・ウィグ(加藤有生子)、ジェフ・ダニエルズ(郷田ほづみ)、ショーン・ビーン(磯辺勉)、キウェテル・イジョフォー(志村知幸) 他


 《この監督には珍しく明るい映画》


 原作者のアンディ・ウィアーが自身のウェブサイトで2009年から連載し、2011年にkindleで出版されたウェブ小説を映画化。小説は発売3か月で3万5000ダウンロードを記録し、SF部門の売り上げトップ5に躍り出た。


 人類3度目の有人火星探査ミッション「アレス3」は、18日目に突然吹き荒れた猛烈な嵐によって、任務中止に追い込まれる。ところが、全6名のクルーのうち、マーク・ワトニー(マット・デイモン)は、突風でバラバラになった通信アンテナの直撃を受けてどこかへ吹き飛ばされ、行方不明になってしまう。タイムリミットが迫る中、必死の捜索を続ける指揮官のメリッサ・ルイス船長(ジェシカ・チャスティン)だったが、ワトニーは発見できず、やむなく離陸を決断。ルイス船長以下5人は宇宙船ヘルメス号で地球への帰途につく。


 ワトニーは死亡したと判断され、NASAのサンダース長官(ジェフ・ダニエルズ)が記者会見を実施した。しかし、ワトニーは生きていた。辛うじて砂漠から人工住居施設「ハブ」に帰還した彼は、この上なく絶望的な現実を思い知らされる。ハブに残された食料はほんのわずか。ところが、次の探査ミッション「アレス4」のクルーが火星にやってくるのは4年後だ。それまで生き抜くためには、酸素や水を作り出すところから始めなければならない。植物学者でメカニカル・エンジニアのワトニーは、ありったけの科学知識と持ち前のポジティブ思考によって、これらの途方も無いハードルを1つずつ乗り越えてゆく。しばらくして、NASAもワトニーの生存に気付く。火星の衛星画像を調べていた職員が、ワトニー生存の証拠を発見したのだ。ただちに食料を送るための補給機の準備を開始。再び記者会見を開いたサンダース長官がワトニーの生存を発表したことで、火星で孤独なサバイバルを続けるワトニーは一躍、全世界の「時の人」となった。ところが、時間との厳しい戦い
を強いられた救出プランはトラブルに見舞われ、ワトニーは再び絶体絶命の危機に陥ってしまう。やがてワトニーの命運は、宇宙を航行中のヘルメス号のクルーを巻き込み、誰も想定していなかった最終手段に託されることとなる…。


 これ、面白い! リドリー・スコットの映画って、暗くて湿っぽいものが多いのだが、この映画はその真逆。これほどポジティブ思考の映画は久しぶりなのではないか。主人公が植物学者という、ちょっとしたご都合主義はあるものの、普通なら絶望感たっぷりな状況を、持ち前の明るさで次々と乗り越えていく姿は、多分誰もが応援したくなるはずだ。


 後半唐突に中国の宇宙開発者が出てくるのは、今のハリウッドと中国の関係を如実に表していて、あまりいい気はしないのだが、際立った悪役がおらず、トラブルがおこれば皆がアイデアを出して解決に向け進んでいく姿は、いかにもアメリカ的で、観ていてすごく気持ちいい。


 リドリー・スコット監督が、弟を失った悲しみを払拭するために作ったとも言える痛快娯楽SF大作。多分SF嫌いな人も、この映画なら楽しめるだろう。


私の評価…☆☆☆☆★

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