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2016年5月

2016年5月30日 (月)

更年奇的な彼女

更年奇的な彼女
劇場:イオンシネマ京都桂川
監督・脚本:クァク・ジェヨン
主題歌:(オリジナル版)張[青見]穎「老地方」 (日本語吹替版)華原朋美「君がそばで」

出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):周迅(藤原紀香)、イ冬大為、張梓琳(あやぽんず*)、鐘漢良 他


 《何で吹き替え版だけなのか》


 韓国が舞台の「猟奇的な彼女」(2001年/チョン・ジヒョン主演)、日本が舞台の「僕の彼女はサイボーグ」(2008年/綾瀬はるか主演)に続く、クァク・ジェヨン監督の「アジアの彼女三部作」最終作。


 2009年。同棲中の恋人との結婚を夢見る女子大生、チー・ジア(周迅=ジョウ・シュン)は、卒業式にウェディングドレスで出席。サプライズでプロポーズを計画するが、恋人の返事は「結婚は考えられない…」。公衆の面前で放たれたその一言に、チー・ジアの自信とプライドは見事に崩れ去る。しかし、彼女は大学卒業後も北京へ就職した彼を忘れられないでいた。そんなトラウマを引きずりながら26歳になったチー・ジアは、医者から若年性更年期と診断されてしまう。


 ある日、チー・ジアがホームレスに絡まれていたとき、大学で「最も冴えない男」だったユアン・シャオオウ(イ冬大為=トン・ダーウェイ)に助けられる。「帰る場所がない」というユアン。親友の毒舌女、リン・シューアル(張梓琳=ジャン・ズーリン)の猛反対を押し切り、チー・ジアはこの冴えない男と奇妙な同居生活をスタートさせる。ユアンは懸命にチー・ジアの心から「最悪の経験」を忘れさせようと毎日奮闘するが空回り。そんななか、いつまでも彼を忘れられないチー・ジアに北京で働く彼から郵便が届く。それは結婚式への招待状だった。ユアンは反対するが、チー・ジアは北京の結婚式へ乗り込むことを決意。実は彼女は密かに結婚式で彼を略奪しようと画策していたのだ…。


 「猟奇的な彼女」と「僕の彼女はサイボーグ」は、ラブコメとしては秀逸な出来で面白かったのだが、本作は設定に無理があり過ぎて、誰にも感情移入できず、前2作よりも評価は落ちる。


 キャストに関しては悪くない。ジョウ・シュンは実年齢41歳なので、設定上はかなり若い役になるが、小柄で童顔ということもあってギャップを殆ど感じさせない。親友役のジャン・ズーリンが身長182cmもあるので、並んでのショットなど、カメラの構図には苦労しただろうが、年齢を感じさせない演技は、さすがに“中国四大名旦(中国四大人気女優)”の中でも一番定評のある女優である。問題は今回、日本での公開が日本語吹き替え版のみでの公開だったことだ。プロの声優だったら40歳を超えていてもボイストレーニングをやっているから、26歳の雰囲気は出せただろう。ところが藤原紀香だと、やっぱりもう20代の声ではない。恐らく事務所か何かのゴリ押しなんだろなとは思うが、あまりに酷すぎる。できれば字幕版でやってほしかった。


私の評価…☆☆

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2016年5月24日 (火)

あやしい彼女

あやしい彼女
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:水田伸生
脚本:吉澤智子
原作:映画「怪しい彼女」(2014年・韓国 ファン・ドンヒョク監督/シム・ウンギョン主演)
製作:中山良夫 他
音楽:三宅一徳
挿入歌プロデュース:小林武史
主題歌:anderlust「帰り道」
出演:多部未華子、倍賞美津子、小林聡美、北村匠海、志賀廣太郎、金井克子、要潤、野村周平(カメオ出演) 他


 《オリジナル版−社会問題=本作》


 2014年の韓国映画で、日本でも大ヒットした「怪しい彼女」を、中国版(2015年に日本でも公開された、ヤン・ズーシャン主演「20歳よ、もう一度」)に続き日本でも、映画「謝罪の王様」のスタッフでリメイク。


 東京の下町。毒舌で頑固でお節介、トラブルばかり引き起こす73歳のおばあちゃん、瀬山カツ(倍賞美津子)は、周囲から煙たがられてばかりの毎日。女手一つで娘・幸恵(小林聡美)を育て、望むような人生を生きることができなかった彼女はある日、幸恵と喧嘩し家を飛び出してしまう。ふと目にした写真館に吸い寄せられたカツは「私がこのカメラでお姫様にしてあげますよ」という店主(温水洋一)の言葉に喜び、写真を撮影。店を出るとそこにいたのは、なんと20歳の姿をしたカツ(多部未華子)だった。


 麗しい容姿を取り戻したカツは、まず髪型を変え、洋服を変え、そして名前を大鳥節子と変え、失われた青春を取り戻すために新しい生活をスタートさせる。そんな中、馴染みの商店街で開催されたのど自慢大会で、節子は得意の昭和歌謡を熱唱。その歌声は会場中を魅了し、歌手になるという夢が動き始める。新人を探していた音楽プロデューサー・小林拓人(要潤)にスカウトされた節子は、しがないバンドマンの翼(北村匠海)と組んでバンドデビューを果たすが、実は翼は節子の孫。長年カツに想いを寄せる幼馴染みの中田次郎(志賀廣太郎)も巻き込みながら、初めて思い通りの人生を歩み始める節子であったが、そんな奇跡のような日々は長く続くはずもなく…。


 やっぱり、多部ちゃんにはこういうコメディがよく合う。不思議な写真館が以前から存在していたり、幼馴染みが経営する店が銭湯だったりと、細かい設定変更はあるものの、ストーリーの大筋はオリジナル版と一緒だ。歌もオリジナル版同様、演者本人が歌っているのだが、多部ちゃんは、ミュージカル「アニー」に憧れて今の事務所に入ったらしく、かなり上手い。


 ただ、オリジナル版には南北問題や韓国の高齢化社会問題が、巧みに盛り込まれていたのに対し、日本版はコメディに偏った分、そういった問題提議が薄れてしまった。オリジナル版でヒロインが歌っていた「白い蝶」などの曲は、'70年代の後半に韓国で大ヒットした曲だが、'70年代後半といえば韓国では朴正煕大統領暗殺事件などがあった“激動の時代”であり、それを象徴するものとして選曲されたもので、中国版でもそこは踏襲された(テレサ・テンの名曲「つぐない(中国語版)」で、直接的には関係ないかもしれないが、やはり天安門事件を連想する人は少なくないはず)が、この日本版は坂本九の「見上げてごらん夜の星を」である。確かに名曲には違いないが、元々和製ミュージカルの中で歌われた曲なので、歴史的背景を映し出すというものとは少し違うような気がする。


 ちなみに、ラストもオリジナル版と同じなら志賀廣太郎は誰に変身するのかな? と思っていたら…(笑)。「ちはやふる」と同じ日テレ製作だから、続けて番宣できるように狙ったのかな(考えすぎか)?


私の評価…☆☆☆★

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2016年5月21日 (土)

蜜のあわれ

蜜のあわれ
劇場:T・ジョイ京都
監督:石井岳龍
脚本:港岳彦
原作:室生犀星「蜜のあわれ」
製作:小林千恵 他
音楽:森俊之、勝本道哲
出演:大杉漣、二階堂ふみ、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏、韓英恵、上田耕一、渋川清彦、高橋真唯 他


 《二階堂ふみの魅力に尽きる》


 大正から昭和にかけて活躍した詩人で、小説家でもある室生犀星が、晩年、自身をモデルに老作家と金魚の化身とのエロティックな日常を描いた小説を映画化したファンタジー。


 自分のことを「あたい」と呼び、まあるいお尻と愛敬のある顔が愛くるしい少女・赤子(二階堂ふみ)は、共に暮らす老作家(大杉漣)を「おじさま」と呼んで、かなり際どいエロティックな会話を繰り返し、夜は身体をぴったりとくっつけて一緒に眠る。しかし何やら様子がおかしい。赤子は普通の女とは何かが違う。普通の人間には彼女の正体がわからず、野良猫には正体がバレてしまう。そう、彼女はある時は女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる真っ赤な金魚だったのです。


 そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へと蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。老作家の友人・芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りの男(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて…。


 室生犀生といえば昭和の文豪であり、映画やドラマ化作品としては「神々のへど」(「兄いもうと」に改題後、映画化)が有名だが、晩年にこんな前衛的でファンタスティックな小説を書いているとは知らなかった。


 恐らくここに出てくる老作家というのは作者自身を現わしているのであろう。生い先短い老人の恋愛願望を、エロティック且つシュールに描いているのだが、このエロ可愛い金魚の化身に二階堂ふみがキャスティングされたことで、興行はともかく作品としては大成功といえるだろう。老作家を翻弄する小悪魔ぶりがハマっている。


 また、原作者自身が石川県金沢市出身ということで、この映画も金沢市を中心に加賀市や富山県でロケが行われたようだが、加賀百万石を彷彿とさせる雅な雰囲気が、作品の醸し出す幽玄な世界と相まって、凄く美しい。


 もっとも、作品自体は映画としては地味で、ラストも些か唐突な感は否めない。でも、そこを補って余りあるのはやはり二階堂ふみの持つ独特な魅力や存在感。ラストの珍妙なダンスも可愛くて、僕もメロメロになっちゃった!


私の評価…☆☆☆★

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2016年5月18日 (水)

仮面ライダー1号

仮面ライダー1号
仮面ライダー1号
劇場:MOVIX京都
監督:金田治
脚本:井上敏樹
原作:石ノ森章太郎
音楽:中川幸太郎、鳴瀬シュウヘイ、坂部剛
主題歌:RIDER CHIPS「レッツゴー!! ライダーキック - 2016 movie ver. - 」
エンディングテーマ:野口五郎&高柳明音(SKE48)「それぞれの時」

出演:藤岡弘、、西銘駿、岡本夏美、阿部力、長澤奈央、武田幸三、大沢ひかる、山本涼介、柳喬之、溝口琢矢、勧修寺玲旺、かもめんたる(岩崎う大、槙尾ユウスケ)、横光克彦、竹中直人、大杉漣 他

声の出演:謎の眼魔…石井康嗣、ユルセン…悠木碧、毒トカゲ男、ガニコウモル、シオマネキング…関智一、アレクサンダー眼魔…飯塚昭三


 《せっかくの記念作なのに、脚本が酷い》


 仮面ライダーシリーズ生誕45周年記念作品。今年はそのメモリアルイヤーと位置付けそのスペシャルプロジェクトの第1弾。藤岡主演による仮面ライダー劇場版は「仮面ライダー対じごく大使」(1972年)以来44年ぶり。


 今から45年前。悪の秘密結社ショッカーの手によって改造人間となった1人の男がいた。その日から、人間の自由を守るために戦い続けてきたその男の名は、本郷猛(藤岡弘、)。この世に誕生した最初の仮面ライダーである。長年に渡って海外で悪と戦ってきた猛は、1人の少女(岡本夏美)の危機を知り、急遽帰国。少女の存在が、嘗てのショッカー最高幹部・地獄大使(大杉漣)を復活させるために必要なのだ。猛は、仮面ライダーゴースト=天空寺タケル(西銘駿)や、その仲間たちと出会い、ショッカーが少女を狙う理由を探る。その一方で、あまりにも過酷な日々を過ごしてきた猛の肉体は、既に限界に近づいていた…。少女の危機、そして新たな組織ノバショッカーがもたらす日本最大の危機に、伝説の戦士・本郷猛が“変身”する。戦い続けてきた本郷猛を待つものは、安らぎか、それとも…。


 僕は同じ昭和ライダーでも少し後の世代なので、1号に関しては子供の頃、本放送ではなく再放送で観たクチなので、今回はちょっと当時を懐かしみながら観ようと思っていた。


 まず、御年70歳になる藤岡弘、さんが、老体に鞭打って… ではなく、まだまだ元気に動き回っているのが、何より嬉しい。さすがに変身後の動きはスーツアクターのものだろうが、この映画製作が決まってから、トレーニングし直したらしいそうで、貫禄はもとよりとても70代には見えない動きだった。


 ただ、この映画が良かったのはそこだけ。やはり1号だけでは子供の観客動員が見込めないので、現在放送中の平成ライダー=ゴーストとコラボしたのはいいが、話の内容や流れが子供向きとも親世代向きともいえない中途半端な出来になってしまったのは残念。特にゴーストと世界観を無理矢理繋げたがために、伝説のヒーローを一旦死なせてしまう展開には唖然とした。結局は“生き返らせる”ことになるけど、それ以前にこういうヒーローは不死身でなきゃならんでしょ。子供にも親にも通用する内容にするのは、確かに難しいが、最近のディズニーアニメがそれを巧くやっているように、出来ないことは無いはずである。構想を経て企画が始動したのは去年だったようだが、もう少し時間をかけて、ストーリーが練られれば、もう少しマシなものが仕上がったに違いない。企画段階から参加していた藤岡氏も「準備に3年くらいは欲しい」と言っていたそうだが、3年はさすがに長いかもしれないが、1年くらいは延ばしても良かっただろう。


 評価は本当は☆2くらいだが、あと数年は藤岡氏も「エクスペンダブルズ」のスタローンみたいに動けるだろうから、ひょっとしたらまた… という期待を込めてちょっとオマケです。


私の評価…☆☆★

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2016年5月17日 (火)

バットマンvs スーパーマン ジャスティスの誕生

バットマンvs<br />
 スーパーマン ジャスティスの誕生
バットマンvs<br />
 スーパーマン ジャスティスの誕生
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ザック・スナイダー
脚本:クリス・テリオ、デヴィッド・S・ゴイヤー
原案:ザック・スナイダー、デヴィッド・S・ゴイヤー
原作:DCコミックス
製作:チャールズ・ローヴェン、デボラ・スナイダー
音楽:ハンス・ジマー、ジャンキーXL
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ベン・アフレック(小原雅人)、ヘンリー・カヴィル(星野貴紀)、エイミー・アダムス(中村千絵)、ジェシー・アイゼンバーグ(神谷浩史)、ダイアン・レイン(塩田朋子)、ローレンス・フィッシュバーン(石塚運昇)、ジェレミー・アイアンズ(金尾哲夫)、ガル・ガドット(甲斐田裕子)、ジェイソン・モモア〔“アクアマン”としてカメオ出演〕、TAO(矢元亜美)、レイ・フィッシャー〔“サイボーグ”としてカメオ出演〕、ケビン・コスナー(内田直哉)、ホリー・ハンター(高島雅羅)、エズラ・ミラー〔“ザ・フラッシュ”としてカメオ出演〕(小林親弘)、カラン・マルヴェイ(さかき孝輔)、スクート・マクネイリー(白石充) 他


 《「ジャスティス・リーグ」への伏線》


 タイトルこそ「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」となっているが、実質「マン・オブ・スティール」の続編であり、様々なDCコミックスの実写映画化作品を同一の世界観の中でクロスオーバー作品として扱う「DCエクステンド・ユニバース」シリーズとしては第2弾となる映画。


 クリプトン星人の正体を隠し、昼は生真面目な新聞記者として生きる心優しいクラーク・ケント〔=スーパーマン〕(ヘンリー・カヴィル)。危険が迫った局面には、スーパーマンとして地球の平和のために戦い、幾度となく人類を救ってきた。しかし、その超人的なパワーは、皮肉にも人類の平和を守ると同時に街を破壊し、甚大な被害を出してしまっていた。やがて世の非難が集中し、「正義の味方」であったはずの彼の心は、やがて悪に染まってしまう。


 大富豪にして華やかなプレイボーイの側面を持ちながらも、闇夜で正義を果たしてきたブルース・ウェイン〔=バットマン〕(ベン・アフレック)。この事態を受け、バットマンはスーパーマンを倒すことができるかもしれない唯一の切り札として、人類の希望を背負いスーパーマンと戦うことになる。神に等しい力を持つスーパーマンに、「生身の人間」バットマンが勝てるのか? しかし天才的な頭脳と鍛え上げられた肉体、そして特殊な装備を武器に、想像もしえない戦術でバットマンはスーパーマンを追い込む…。


 DCコミックスの2大ヒーローが激突するこの映画。タイトルに“vs”が付くということは、形の上ではどちらかが悪役にならなきゃいけないわけで、そうなるとどう考えても、ダークなイメージがあるバットマンが悪役になると思われがちだが、そうではなくスーパーマンがダークサイドに落ちてしまう。


 マーベルコミックにはヒーローが大集結する「アベンジャーズ」があり、映画化もされ「マーベル・シネマティック・ユニバース」としてシリーズ化しているが、DCコミックも同様に「ジャスティス・リーグ」があり映画化していくことになる。


 ただ、「アベンジャーズ」に比べ、こちらのほうは世界観の統一にかなりの無理があり、本来の悪役であるはずのレックス・ルーサーも、目的が不明瞭で何のための敵役なのかがはっきりしない。シナリオや展開はかなり大味である。前作にあたる「マン・オブ・スティール」を観ていないと、分からない部分も多いため、前作の復習は必須であるため、一見さんにはちょっと難解な映画だが、それでもそこそこ楽しめる(笑)のが不思議なところだ。


 そして、タイトルの2人よりも一番カッコイイのが、終盤に満を持して登場するワンダーウーマンである。「ワイルド・スピード」シリーズにジゼル役で「〜MAX」から途中参戦している、イスラエル出身の美女ガル・ガドット扮するこのキャラクターは、日本では馴染みが薄いが、本国で1975年に実写ドラマ化されており、日本でも'77年に関東地区(フジテレビ)で放映されている(パイロット版のみテレビ朝日系列で全国放送)。「DCエクステンド・ユニバース」シリーズの次回作は今年8月5日(日本は9月10日)公開の悪役大集合映画「スーサイド・スクワッド」だが、その次に単体で主役を張る「ワンダー・ウーマン」(2017年公開予定)が控えている。勿論主演はガル・ガドットだが、このキャラクターは実写ドラマ版では不老の設定があり、これを踏襲したのか舞台は約100年前の第1次世界大戦まで遡る。そして、それが「ジャスティス・リーグ」に繋がっていく作品となるようなので、このキャラクターはすごく重要であり、今後の展開
が楽しみである。


私の評価…☆☆☆★

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2016年5月10日 (火)

ちはやふる - 上の句-

ちはやふる -<br />
 上の句-
ちはやふる -<br />
 上の句-
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:小泉徳宏
原作:末次由紀「ちはやふる」
製作:中山良夫 他
音楽:横山克
主題歌:Perfume「FLASH」
出演:広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也、坂口涼太郎、松岡茉優、松田美由紀、國村隼、広瀬アリス(上の句では雑誌の表紙写真のみ) 他


 《正統派の青春映画》


 テレビアニメにもなった末次由紀の人気コミックを2部作として映画化した青春ドラマの前編。競技かるたを通じて絆を深めていく高校生たちの熱い思いが描かれる。


 幼なじみの千早(広瀬すず)・太一(野村周平)・新(真剣佑)の3人は、いつも競技かるたで遊んでいたが、小学校卒業を境に離れ離れになってしまう。千早は1人になっても、競技かるたを教えてくれた新に「強くなったな」と言われたいという純粋な想いで、競技かるたを続けていた。千早は高校生になると、再会した太一とともに競技かるた部を作り、全国大会を目指す。全国大会に行けば新に会えるかもしれないという千早の気持ちを知りながらも、太一はかるた部の一員となる。3人と瑞沢高校かるた部の夏が始まる…。


 アニメ版は未見で、正直競技かるたという地味な世界を映画で描いて、果たしてうまくいくのか気になっていたが、ある種スポ根のような青春映画として、うまくまとまっていた。勿論、最初から二部作として作っているので、やや中途半端な感は否めないが、原作本が既に30巻を超えており、さらにまだ続いている事を考えると、映画も大長編になってしまうのは止むを得ないだろう。恐らく後編の見せ場の1つになるであろう、“かるたの女王”=若宮詩暢(松岡茉優)の前フリ的な登場のさせ方も巧いし、「下の句」は大いに期待したい。


 ただ、あまりたいした事ではないが、細かい部分で難がある。これはもしかすると映画館の音響システムによって感じ方が違うのかもしれないが、僕が観た映画館では、一部音声レベルが変に大きい部分があった。映画の序盤で千早が教室の扉を開閉する音と、かるたへの集中力が切れた後、千早が死んだように脱力する時の効果音が爆音のように聞こえるのだ。後者のSEはともかく前者は、余程の力ででも開閉しない限り大きな音にはならないはずだ。コメディ映画じゃないのだから、この点はもう少し注意してほしかった。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年5月 4日 (水)

リリーのすべて

リリーのすべて
リリーのすべて
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:トム・フーパー
脚本:ルシンダ・コクソン
原作:デヴィッド・エバーショフ「The Danish Girl(邦題:世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語)」
製作:トム・フーパー 他
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、ベン・ウィショー、アンバー・ハード、マティアス・スーナール、セバスチャン・コッホ、エメラルド・フェネル、エイドリアン・シラー 他


 《夫よりも妻目線》


 世界初の性別適合手術を受けた人物=リリー・エルベを題材とした、デヴィッド・エバーショフによる小説を映画化。ただし、エルベが女性として暮らすようになった時期や結末などは脚色されており、史実とは異なるものになっている。


 1930年。デンマークに住む風景画家アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、ある日、肖像画家である妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に頼まれ女性モデルの代役を務めることに。これをきっかけに、アイナーに内在していた女性性が目覚めていった。次第にリリーという名の女性として過ごすことが多くなっていき、心と身体との不一致に苦悩を深めていくアイナー。ゲルダもまた、アイナーが夫でなくなっていくことに困惑するものの、やがてリリーこそがアイナーの本来の姿であると理解し受け入れていく。そしてパリに移住し解決の道を探す2人の前に、ある婦人科医が現れる…。


 タイトルこそ「リリーのすべて」だが、物語の殆どは妻・ゲルダの目線で描かれており、観客が感情移入できるのも、恐らく彼女の方だろう。心と身体の性が一致せずに戸惑うリリーの葛藤も、描くのは勿論重要だし、演じるエディ・レッドメインもさすがの名演だ。しかし、ゲルダの葛藤はもっと複雑だ。妻としては男である夫アイナーを愛するが、画家としては自分にインスピレーションを与えて成功に導いた女性リリーを必要とするという、正反対の感情を抱えながら、人として手術を受け女性になろうとするアイナーを応援すると共に、自分の知る夫の姿が消えていく事を受け入れなければならないという。つまり、アイナーにとってゲルダの存在は、とてつもなく大きなものであり、そのゲルダの成長を、繊細かつ力強く演じ切ったアリシア・ヴィキャンデルが素晴らしい。アカデミー賞助演女優賞受賞も納得である。


 最終的には男女の関係ではなくなるが、2人の絆はより強いものになったと思うし、法律上の夫婦関係ではなくなっても、互いに一番の理解者となった2人の姿に感動した。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年5月 1日 (日)

僕だけがいない街

僕だけがいない街
僕だけがいない街
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:平川雄一朗
脚本:後藤法子
原作:三部けい「僕だけがいない街」
製作:春名慶 他
音楽:林ゆうき
主題歌:栞菜智世「Hear 〜信じあえた証〜」
出演:藤原竜也、有村架純、中村翼、鈴木梨央、林遣都、安藤玉恵、淵上泰史、高橋努、及川光博、福士誠治、森カンナ、杉本哲太、石田ゆり子 他


 《未完の原作を映像化する難しさ》


 「マンガ大賞」と「このマンガがすごい!」に2年連続でランクインした人気コミックの映画化。同時期にアニメ化もされ、深夜に放送されている。


 売れない漫画家の藤沼悟(藤原竜也)は、アルバイトのピザ屋での配達中に何度も同じ時間が巻き戻る〈リバイバル〉という現象が起きる。周囲の違和感を察知した悟は、交差点に暴走するトラックから小学生を助けるが、その代償として自分が撥ねられてしまう。病院に付き添ってくれたのはバイト仲間の片桐愛梨(有村架純)。他人に対して距離を置く悟に対し、なぜか気後れせずに接してくれる特別な存在だ。


 数日後、誘拐未遂を目撃した悟の母・佐知子(石田ゆり子)が何者かに殺害され、愛梨も命を狙われる。警察から容疑者として疑われた悟が逮捕される寸前、またしても〈リバイバル〉… 巻き戻った先は18年前、同級生の雛月加代(鈴木梨央)が被害者となった連続誘拐殺人事件の起こる直前だった。29歳の意識のまま、10歳の身体に〈リバイバル〉した悟は、雛月と母親を殺した犯人が同一人物だと確信する…。


 ストーリー自体はよくあるサスペンス・ミステリー。そこにタイムリープなどの設定を加えてSF仕立てにしている。原作がかなり長いようで、それを2時間にまとめているので、主人公がなぜそのような能力を持ったのかが殆ど描かれておらず、どうしても説明不足な感が否めない。それでもそういった欠点を、俳優の演技力がカバーして、途中まではなんとか観るに堪えられる映画になっている。


 だが、後半からはいきなり話が暴走していく。特に未解決事件の犯人がわかるあたりからの展開は雑で、過去と現在をあのまま繋げると、どうしても矛盾が生じることになり、どうしても整合性を欠く形になってしまう。


 これはなぜかというと、原作が未完だから。原作通りに描くとストーリー的に結論が出せないのだ。同時期に製作されたアニメ版も結末は原作とは違うオリジナルだが、TVアニメの場合は、最初から第2シリーズを視野に入れて作ることは可能であり、最終回で多少の余韻を残して終わらせる事ができる。これが実写映画となると、製作費が格段に高くなるため、よほどの収益が見込めない限り、続編製作には慎重にならざるを得ないのだ。勿論、「るろうに剣心」のように、原作のエピソード自体が「○○編」「△△編」という形で区切られる事ができれば、内容をそれほど変えずに映像化はできる。こちらの原作は未読だが、恐らくそういう区切りは無いのだろう。そこで、続編製作の可否が不明確ならば、1本の映画として一応の結末を作らねばならず、あのラストになったのだろう。確かに、あのラストはタイトルそのものを表しているが、原作ファンは果たしてあれに満足しただろうか?


私の評価…☆☆★

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