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2016年6月

2016年6月29日 (水)

テラフォーマーズ

テラフォーマーズ
テラフォーマーズ
テラフォーマーズ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:三池崇史
脚本:中島かずき
原作:貴家悠、橘賢一「テラフォーマーズ」
音楽:遠藤浩二
主題歌:三代目J Soul Brothers from EXAIL TRIBE「BREAK OF DAWN」
出演:伊藤英明、武井咲、山下智久、山田孝之、ケイン・コスギ、菊地凛子、加藤雅也、小池栄子、篠田麻里子、滝藤賢一、太田莉菜、福島リラ、小栗旬 他


  〈今年上半期最高のクソ映画〉


 週刊ヤングジャンプに連載の人気コミックを、アニメ化に続き鬼才・三池崇史監督が映画化したSFアクション。


 21世紀、人口爆発を迎えた人類が選択した火星移住計画。人類はコケと「ある生物」を送ることで火星を地球化させようとした。


 それから500年後、計画の仕上げとして、その生物を駆除するために15人の隊員を火星に送り込む。メンバーたちは簡単な仕事の上、高額のギャラに参加を決めていたが、小町小吉(伊藤英明)だけは、勝手に志願した幼馴染の奈々緒(武井咲)に付き合い火星行きを決意していた。しかし火星に着くと「ある生物」は人型に異常進化した驚くべき姿となっており、その凶暴性で隊員たちに襲い掛かる。絶体絶命な状況だったが、彼らの身体には、彼らも知らされていないある秘策が仕込まれていた。


 それは昆虫のDNAによって虫の姿に「変異」し、超人的なパワーを発揮できるというものだった…。


 三池崇史監督は、作品によって面白いものから酷いものまで、非常に触れ幅の広い人だが、本作は間違いなくこっ酷い方である。


 一応、原作の第1部を映像化しているということで、大まかなストーリーは一緒なのだが、当然映画の尺度に合うように改変せざるをえない部分があり、その改変部分がほぼ全て改悪になってしまっているのだ。勿論、外国人キャラの日本人化はやむを得ないのだが、つまらないご都合主義やお約束の無視、果ては終盤の展開に於けるデウス・エクス・マキナ(八方塞がりになったストーリーを、神などの“絶対的な存在”を登場させて強引に解決させる シナリオ技法の1つだが邪道とされる)など、プロの映画人としてはやっちゃいけない事ばかり。


 そんな事は三池監督や脚本の中島かずき氏なら分かっているはずだろうが、恐らく超人気監督と脚本家故に、本作に取り付く時間が殆ど無かったのではないか。そうでなければ、ここまで酷い映画にはならなかったはずだ。褒められるところが珍しく殆ど無い映画であった。


私の評価…☆

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2016年6月28日 (火)

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:アンソニー&ジョー・ルッソ
脚本:クリストファー・マルクス、スティーヴン・マクフィーリー
原案:マーク・ミラー、スティーブ・マクニーブン「シビル・ウォー」
原作:ジャック・カービー、ジョー・サイモン
製作:ケヴィン・ファイギ
音楽:ヘンリー・ジャックマン
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):クリス・エヴァンス(中村悠一)、セバスチャン・スタン(白石充)、アンソニー・マッキー(溝端淳平)、ジェレミー・レナー(宮迫博之)、エリザベス・オルセン(行成とあ)、ポール・ラッド(木内秀信)、ロバート・ダウニー・Jr.(藤原啓治)、スカーレット・ヨハンソン(米倉涼子)、ドン・チードル(目黒光佑)、チャドウィック・ボーズマン(田村真)、ポール・ベタニー(加瀬康之)、トム・ホランド(榎木淳弥) 他


  〈マーベル2大ヒーローの対立構図〉


 2011年の『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』と、2014年の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の続編となるシリーズ第3作。また、様々な「マーベル・コミック」の実写映画を、同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズとしては第13作目となる映画である。


 平和を守る「アベンジャーズ」の戦いは、アメリカ国内のみならず全世界に広がり、多くの人々を救ってきた。だがその反面、国境を軽々と飛び越える戦いがもたらす被害も甚大になってゆく。やがて、世界中で巻き起こるアベンジャーズを危険視する声。ついに彼らは、国際的な政府組織の管理下に置かれ、無許可での活動を禁止される。アイアンマンとして数多くの人々を救いながらも、一般市民を危険に晒したという罪の意識を持つトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)は、これに賛成。しかし、自由を重んじるキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)は、そんなトニーに失望する。両者の対立がエスカレートする中、事態は大きく動く。ウィーンの政府組織の本拠地でテロ事件が発生。その犯人としてキャプテン・アメリカのかつての親友、ウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)が指名手配されたのだ。アイアンマンと彼を支持するブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)は、政府組織の指示を受けてウィンター・ソルジャーの捜索を開始。その頃、キャプテン・アメリカは、過去を共にした親友バッキーか、それとも未来を共にするアイアンマンたちか、二つの友情の間で葛藤していた。そんな彼に味方するのは、ファルコン(アンソニー・マッキー)、ホークアイ(ジェレミー・レナー)、スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)たち。アイアンマンの傍にも、ウォーマシンこと長年の友人・ローズ(ドン・チードル)、その戦いを支え続けた人工知能ジャーヴィスが進化したヴィジョン(ポール・ベタニー)がいた。さらに、復讐のためにウィンター・ソルジャーを追うブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)もこれに加わる。こうして、アイアンマンとキャプテン・アメリカを中心に、アベンジャーズを二分する壮絶な戦いが始まる…。


 アベンジャースのメンバーが対立し分裂するという非常事態を描くアクション大作「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」。“シビル・ウォー”とは内戦を意味する。


 この対立を加速させるのは、キャプテンの戦友であり、行方不明となっていたウィンター・ソルジャーである。キャプテンと同等の戦闘力を持つ、ウィンター・ソルジャーとは敵か、さそれとも味方なのか。彼らの対立は熾烈を極め、さらにキャプテン・アメリカは、旧友への友情というしがらみもあり、ついにチームはアイアンマン側とキャプテン・アメリカ側の2つに内部分裂してしまう。ヒーロー同士が考え方の違いから対立する構図は、DCコミックのコラボ企画映画「バットマンvsスーパーマン」でも描かれていたが、あちらは話が進むにつれ、その構図自体があやふやになった。それに対し本作はかなり深いところまできっちり描いている。


 本作は、出てくるキャラクターの多さから「アベンジャーズ」っぽくもあるのだが、あくまでもこれは「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の続編である。同時にアイアンマンの葛藤に関しては「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」から引き継いでいる部分が多い。話もやや複雑になってきているため、本作を観る前にその2作を観て補完しておくことは必須。そうしないと、話についていけないだけでなく、シリーズ全体のイメージが変わってしまうかもしれない。いわばシリーズの1つの分岐点になる映画なのかもしれない。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年6月25日 (土)

ズートピア

ズートピア
劇場:MOVIX京都
監督・原案:リッチ・ムーア、バイロン・ハワード
脚本:ジャレッド・ブッシュ、フィル・ジョンストン
音楽:マイケル・ジアッチーノ
主題歌:(英語版)シャキーラ「Try Everything」 (日本語版)Dream Ami「トライ・エヴリシング」(シャキーラのカヴァー)
声の出演(吹替版声優):ジュディ…ジニファー・グッドウィン(上戸彩)、ニック…ジェイソン・ベイトマン(森川智之)、ボゴ署長…イドリス・エルバ(三宅健太)、ドーン…ジェニー・スレイト(竹内順子)、ベンジャミン…ネイト・トレンス(高橋茂雄<サバンナ>)、ボニー…ボニー・ハント(佐々木優子)、スチュー…ドン・レイク(大川透)、ヤックス…トミー・チョン(丸山壮史)、レオドラ…J.K.シモンズ(玄田哲章)、オッタートン夫人…オクタヴィア・スペンサー(根本圭子)、デューク…アラン・デュディック(多田野曜平)、ガゼル…シャキーラ(Dream Ami) 他


  〈大人向きのテーマをうまく盛り込んだ快作〉


 動物たちが人間のように暮らす文明社会“ズートピア”を舞台に、警察官になりたいと願うウサギのヒロイン、ジュディとキツネの詐欺師ニックが出会い、巻き起こす騒動を描くディズニー・アニメーション作品。


 高度な文明が発達した動物たちの楽園ズートピア。そこは、誰もが夢を叶えられるところだった。田舎町バニーバロウで育ったウサギのジュディは、幼い頃から、世界をより良くするために警察官になりたいと思い描いていた。サイやカバといった大型動物だけが警察官になっているものの、ジュディは警察学校を首席で卒業。ウサギとして初めて警察官になり、ズートピアに赴任する。しかし、動物たちの連続行方不明事件が発生し、捜査に向かうのはサイやゾウといった大型の同僚たちばかり。スイギュウの署長ボゴはジュディの能力を認めようとせず、駐車違反の取締りを命じる。そんな中、街で困った様子のキツネの親子を助けたところ、彼らは詐欺師だった。だまされショックを受けるジュディに、詐欺師のニックは、何にでもなれると思っていても無理だと言い放つ。落ち込むジュディだったが、諦めずに、未捜査のままになっているカワウソのオッタートンが行方不明になっている事件の捜査に名乗り出る。ジュディを応援するヒツジのベルウェザー副市長の後押しもあり、ボゴは期間は2日間のみであること、失敗したらクビにすることをを条件に、やむなく捜査を任せる。チャンスを掴んだものの、手がかりは皆無だった。そこでジュディは、街に精通しているニックに協力を依頼。秘密を握られているニックは、渋々彼女の捜査に付き合うことにする。ニックの情報網を駆使し聞き込みを続けるうちに、ついにツンドラ・ラウンでオッタートンの痕跡が残る車を見つける。しかしその車はツンドラ・タウンの闇のボス、ミスター・ビッグのものであり、ジュディとニックは捕まってしまう…。


 最近のディズニーアニメは、子供向けのコンテンツとして作られる一方で、大人の鑑賞にも堪えうるようなテーマも持って製作されていて、本作のテーマは「差別」である。


 ウサギとしては初の警官になったジュディは、小さいからだとか、女の子だからという理由で性差別を受ける。キツネのニックも、外見や悪賢いという先入観でいじめや中傷をうけてきた、いわれなき人種差別ともとれる被害者だ。ここに格差差別もしっかり組み込まれる徹底ぶりである。さらに、「ゴッドファーザー」や「アナ雪」など名作映画のオマージュやパロディなど、映画ファン向けのサービスも怠っていない。


 お互い幼少時に“心の傷”を持った2人(匹)が、時に反目し合いながらも、1つの事案に取り組むうちに、奇妙な友情が芽生えていくところが感動的で見事。子供には分かりにくい点もあるにはあるだろうが、これは大人も子供も取り込もうとすると、絶対に生じるものなので、しょうがないだろう。むしろ、一緒に観て会話が広がることが大事。家族向けにはピッタリの映画である。


私の評価…☆☆☆☆★

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2016年6月23日 (木)

アイアムアヒーロー

アイアムアヒーロー
劇場:TOHOシネマズ梅田
監督:佐藤信介
脚本:野木亜紀子
原作:花沢健吾「アイアムアヒーロー」
音楽:ニマ・ファクララ
出演:大泉洋、有村架純、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、片桐仁、マキタスポーツ、塚地武雅、徳井優、村松利史、長澤まさみ、風間トオル、カズレーザー(メイプル超合金)、安藤なつ(メイプル超合金) 他


  〈邦画のゾンビ映画史上、最高傑作!〉


 花沢健吾の人気コミックを、『GANTZ』シリーズの佐藤信介監督が、大泉洋を主演に迎えて映画化したサバイバル・ホラー。


 鈴木英雄(大泉洋)・35歳。職業:漫画家アシスタント。彼女(片瀬那奈)とは破局寸前。そんな平凡な毎日が、ある日突然、終わりを告げる…。


 徹夜仕事を終えアパートに戻った英雄の目に映ったのは、彼女の「異形」の姿。一瞬にして世界は崩壊し、姿を変えて行く。謎の感染によって人々が変貌を遂げた生命体『ZQN(ゾキュン)』で街は溢れ、日本中は感染パニックに陥る。標高の高い場所では感染しないという情報を頼りに富士山に向かう英雄。その道中で出会った女子高生・比呂美(有村架純)と元看護師・藪(長澤まさみ)と共に生き残りを賭けた極限のサバイバルが始まった…。


 果たして彼らは、この変わり果てた日本で生き延びることが出来るのか。そして、英雄は、ただの英雄(ひでお)から本当の英雄(ヒーロー)になれるのか…?


 2000年代に入ってから、日本でも“ゾンビ映画”が多く作られるようになってきたが、その殆どが超低予算のビデオ映画である。本作は、一応ハリウッドの映画会社が配給しているとはいえ、ここまで本気度満点で作られた和製ゾンビ映画は初めてといっていいだろう。


 正直、原作との相違点もけっこうあり、ツッコミどころもあるのだが、ヘタレな主人公が、崩壊した世界の中で、少しずつ逞しく成長していく姿に、爽快感を得た。後半、半人半ZQNとなった比呂美のキャラを活かしきれていないのは残念だが、全般的にシリアスな展開のなかで、時折挟み込まれるギャグシーンが絶妙に効いている。


 そして、最近自分が観るホラー映画はPG12指定で、残酷描写が甘ったるいものばかりだったのだが、本作は久々のR15指定で当然グロ描写満載(笑)。もう、のっけからそのノリで、後半の舞台となるショッピングモールでそれがさらに加速するのだが、実はこの場面、撮影されたのは韓国である。恐らく国内だったら、法律や規制でがんじ搦めとなり、満足な画は撮れなかっただろう。あちらの国とは、最近あまり関係が良くないのだが、文化の面に於いては、こういう形で良好な関係を続けていってほしいものだ。勿論、本作はR指定にも関わらず国内で大ヒットしたので、日本映画に於ける韓国ロケというものも、かなり有効な手段になったのではないかと思った。さすがに、あの終わり方では続編を作る気はないのだろうが、原作はまだ続いている。面白いものが出来るのなら、作ってほしい。


私の評価…☆☆☆☆★

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2016年6月22日 (水)

名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)

名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)
名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)
名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:静野孔文
脚本:櫻井武晴
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
声の出演:江戸川コナン…高山みなみ、毛利蘭…山崎和佳奈、毛利小五郎…小山力也、工藤新一…山口勝平、鈴木園子…松井菜桜子、阿笠博士…緒方賢一、灰原哀…林原めぐみ、吉田歩美岩居由希子、円谷光彦…大谷育江、小嶋元太/高木渉…高木渉、目暮十三…茶風林、佐藤美和子…湯屋敦子、千葉和伸…千葉一伸、赤井秀一…池田秀一、安室透(降谷零)…古谷徹、ジョディ・スターリング…一城みゆ希、ジェイムズ・ブラック…土師孝也、アンドレ・キャメル…梁田清之、水無怜奈(本堂瑛海)…三石琴乃、ベルモット…小山茉美、ウォッカ…立木文彦、ジン…堀之紀、キュラソー…天海祐希 他


  〈因縁の対決に一歩踏み込んだ記念作〉


 少年探偵・江戸川コナンの活躍を描いた劇場版アニメシリーズ第20作。原作でも謎の部分が多い、黒ずくめの組織の内部が明らかになる。


 ある漆黒の夜、日本警察にスパイが侵入。イギリスのMI6、ドイツのBDN、アメリカのCIAなど各国の諜報機関、さらにはFBIの機密データを持ち出そうとするが、間一髪のところで安室透率いる公安が駆けつける。スパイは車を奪って逃走。高速道路で安室とのデッドヒートを繰り広げ、他の車も巻き込む大惨事になろうとしたその瞬間、スパイの車はFBI赤井秀一のライフル弾に撃ち抜かれ、道路の遥か下へ転落していった…。


 その翌日、コナンたちは、リニューアルしたばかりで大盛況の東都水族館へ遊びにきていた。その目玉となっている巨大観覧車の下で、コナンはケガをして独り佇む容姿端麗な女性を発見する。彼女は、左右の瞳の虹彩色が異なる通称“オッドアイ”の持ち主であった。しかし、自分の名前もわからないほどの記憶喪失状態で、所持していた携帯電話は壊れてしまっている。その記憶が戻るように手助けをすることを約束したコナンたちは、そのまま彼女と一緒に過ごすことに。だがその一部始終を、多くの未解決事件に関わる世界的規模の犯罪組織“黒ずくめの組織”のベルモットが陰で監視していた。やがてその場を後にしながら装着していたインカムで、コナンに毒薬を飲ませその体を小さくさせた冷酷な男・ジンと連絡を取りあうのであった…。


 今回は20周年だけあって、シリーズの核心に迫る“黒の組織”との対決が、全面に出ている、ファンにとっては堪らない映画。いつになくダークな展開で、公開前には劇場版としては今回で一旦終了するのではないかという噂があったりしたが、ちゃんと本編終了後に次回予告が付いている。


 今回はどちらかというと、謎解きよりもアクションや、重厚な人間ドラマが中心。だが、ストーリーはスピード感があり、アクションも見ごたえがあって、あっという間に終わりまで飽きずに見ることができる。まぁ、核心に迫るとはいっも、今までの関係からすると、一歩踏み込んだまでなので、あまり進展は見られないのだが(笑)。それでも行く末はどうなっていくのか、少しダレていたファン心理を掻き立てるのには充分だ。


 ゲスト声優も、今回の天海祐希はバッチリはまっている。同じ俳優でも舞台俳優は演技が少しオーバーになることがあるが、これはアニメ声優においても同じ事がいえるので、今回の場合悪役ではないものの、こういう重要な役どころでの起用は、まさにうってつけである。今までにないパターンの結末には驚いたが、シリーズを存続させるためには、ああいうバッドエンドも必要なのだろう。


 さて次回は、あのナレーションでは服部平次のスピンオフみたいなものになるのかな? 楽しみだ。


私の評価…☆☆☆☆★

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2016年6月17日 (金)

フィフス・ウェイブ

フィフス・ウェイブ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:J・ブレイクソン
脚本:アキヴァ・ゴールズマン 他
原作:リック・ヤンシー「フィフス・ウェイブ」
製作:リン・ハリス 他
音楽:ヘンリー・ジャックマン
出演:クロエ・グレース・モレッツ、ニック・ロビンソン、ロン・リビングストン、マギー・シフ、アレックス・ロー、マリア・ベロ
マイカ・モンロー、リーヴ・シュレイバー 他


  〈クロエたんのムッチムチ肢体に釘付け(笑)〉


 謎の生命体“アザーズ”の襲来で壊滅的状況となった地球で、人類滅亡の危機に立ち向かう人々の姿をひとりの女子高生の目を通して描くSFミステリー。原作は2013年に発刊されたベストセラー小説。


 第1の波「暗黒」、第2の波「崩壊」、第3の波「感染」、第4の波「侵略」…。


 圧倒的知能を持つ生命体「アザーズ」により4度にわたる攻撃を受け、人類の99%が死滅。地球はほぼ壊滅状態となっていた。そんな中、生き残った女子高生・キャシーは(クロエ・グレース・モレッツ)、離ればなれになってしまった弟を救うため、子供たちが拉致された基地へと向かう。だが「アザーズ」は人間に紛れ込み、誰が敵なのか味方なのか分からない。そんな末期的な状況の中、旅の途中でキャシーはベン(ニック・ロビンソン)に命を助けられる。キャシーは彼に惹かれながらも心から信頼できないまま、ともに基地を目指すのだった。人類滅亡を意味する第5の波≪フィフス・ウェイブ≫が来る前に、人類は「アザーズ」を見抜き、彼らの目的を阻止できるのか…。


 何だか、ご都合主義だらけでツッコミどころもかなり多い映画。確かに、余計な話が殆ど無く、ストーリー自体はサクサク進んでいくのだが、30年近く前の傑作SF「ゼイリブ」もどきで新鮮味の無いストーリーといい、“第1波”から“第4波”ときて、何故か最後の“第5波”が一番ショボくなる展開といい、たとえ原作ありきだとしても映画としての出来はあまり良くない。


 ただ、クロエたんのファンとしては、彼女のムッチムチ肢体を充分拝められる(笑)し、それだけでも満足である。でもねー、あんまりこれ以上太らないで欲しいなぁ。昔のインタビューなんかでは「体型はあまり気にしない」みたいな事を確か言っていたけど、さすがに気になっているのか、ボクシングジムにエクササイズに通っているところをパパラッチされているんだよね。ベッカムJr.君との交際で、幸せ太りなのかな?


私の評価…☆☆☆

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2016年6月15日 (水)

スポットライト 世紀のスクープ

スポットライト 世紀のスクープ
スポットライト 世紀のスクープ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:トム・マッカーシー
共同脚本:ジョシュ・シンガー
製作:マイケル・シュガー 他
音楽:ハワード・ショア
出演:マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバー、ジョン・スラッテリー、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、スタンリー・トゥッチ 他


  〈正義感溢れるブン屋達が起こした奇跡〉


 2002年1月にアメリカの新聞ボストン・グローブ紙が報じ、世界中に衝撃を与えた、カトリック教会の神父による児童への性的虐待と、それを隠蔽してきた組織への追及。この衝撃の実話を映画化した社会派ドラマ。


 2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)が着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄「スポットライト」を手がける4人の記者たち。デスクのウォルター・「ロビー」ロビンソン(マイケル・キートン)をリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった…。


 以前、韓国映画で「トガニ 幼き瞳の告発」(2011年)という映画があった。聾学校の生徒たちに対して校長や教員達から性的虐待や暴力が日常的に行なわれていた話だったが、実話であり戦慄を覚えたものだった。韓国では映画の公開後、あまりにも軽すぎる裁判結果に疑問が生まれ、再審の機運が高まり、結果極刑へと繋がっていく。こういう話はどこにでもある話なのか。このアメリカでの話は、加害者が聖職者であると同時に長い間隠蔽されていたという、よりこっ酷い話だ。


 これを暴いていくのが新聞記者なのだが、当然ながら隠蔽の当事者であるカトリック教会からの横やりも入るし、巨大な敵に立ち向かうのは並大抵のことではない。当然、記事が世の中に出るまでの道は決して平坦ではなく、紆余曲折があるのだが、恐らくそれらをいちいち描いていたら、とてもじゃないが映画としては収まり切れなかっただろう。たぶん、情報量は膨大なものだっただろうが、それを極力分かりやすくコンパクトにまとめた、新聞社が舞台の映画らしい映画だった。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年6月11日 (土)

ロシュフォールの恋人たち〈午前十時の映画祭〉

ロシュフォールの恋人たち〈午前十時の映画祭〉
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワーズ・ドルレアック、ジョージ・チャキリス、ジーン・ケリー、ジャック・ペラン、ダニエル・ダリュー、ミシェル・ピッコリ、グローバー・デール 他


  〈華やかなフレンチ・ミュージカル〉


 「シェルブールの雨傘」のジャック・ドゥミが脚本・監督したミュージカル。撮影はギスラン・クロケ、作詞は監督のジャック・ドゥミ、作曲は「シェルブールの雨傘」のミシェル・ルグランが担当した。


 フランス西南部の海辺の街ロシュフォールは、年に一度の海の祭を二日後にひかえて、陽気に浮き立っていた。青く澄んだ空、緑の樹々、白い壁、こんな街では誰もが恋をし、生きる歓びにひたっていても不思議ではなかった。美しい双児の姉妹のソランジュ(フランソワーズ・ドルレアック)とデルフィーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)は希望に燃え、自分の道を歩んでいた。ソランジュは音楽家を、デルフィーヌはバレリーナを志していたが、彼女たちにはもう一つの夢があった。それはいつの日にか、素晴らしい恋人にめぐり逢うことだった。また姉妹の母親イボンヌ(ダニエル・ダリュー)はカフェーの女主人で、彼女の気さくな人柄は大勢の客をすぐ馴染ませてしまうのだった。常連の中には、祭の見本市でオートバイの曲乗りを見せるというエチアンヌ(ジョージ・チャキリス)とビルの二人組や、絵の好きな水兵のマクザンス(ジャック・ペラン)がいた。お祭の日がやってきた。広場にはたくさんの舞台が組立てられ、趣向をこらしたショウが次々にくりひろげられた。ソランジュとデルフィーヌの姉妹も、エチアンヌ、ビルの二人組と一緒に舞台に立ち、オートバイの曲乗りのあとで、歌と踊りを披露した。エチアンヌとビルは、これからも一緒に仕事をして歩けばパリにも行かれると、姉妹を誘った。彼女らはパリへ行って大芸術家になろう。また恋人にめぐりあえるかもしれないと心を決めた…。


 確か昨年のこの映画祭で「シェルブールの雨傘」がかかったと思うが、それとこの映画は同じ監督・ヒロイン繋がりということもあり、2つセットで語られることも多い。僕も「シェルブール~」を観た後、この映画も観たくなったので、楽しみにしていたのだが、
う~ん、どうだろう。僕は「シェルブール~」の方が好きかな。


 確かに、雰囲気でいえば反戦映画の側面を持つ「シェルブール~」よりも、この映画の方が明るいし、ハリウッドのミュージカル映画スターも呼び寄せて、華やかさもある、とっても楽しい映画なのだが、ストーリーがちょっと伝わりづらいかなぁ、という感じだった。


 それに、ハリウッドのミュージカル映画スター2人の共演といっても、フランス語の声は吹き替えで全く似ておらず違和感があるし、ジョージ・チャキリスのダンスはどう見ても「ウエストサイド物語」で、ジーン・ケリーのダンスは「巴里のアメリカ人」を、殆どそのまま流用しているだけにしか見えず、この辺りはもうちょい工夫してほしかった。


 ただ、ミシェル・ルグランの音楽だけは、こっちの方が好きかな。特に「キャラバンの到着」なんかは、TVCMでもよく使われている(最近では某自動車のCM)し、音楽がかかっている時は、画面の隅々つまり目立たないところまで人が踊っているという、ドゥミ監督の細やかな演出も冴えわたっている。


 でも、フレンチ・ミュージカルの代表作と呼べるのが、これを含めても数少ないのが寂しい。もう少し映画作家が育っていれば、いい映画も多く作られた筈なのにね。


私の評価…☆☆☆

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2016年6月10日 (金)

劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~

劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~
劇場:MOVIX京都
監督:石原立也
脚本:花田十輝
原作:武田綾乃「響け!ユーフォニアム」
音楽:松田彬人
演奏協力:フレッシュマン・ウィンド・アンサンブル

声の出演:黄前久美子…黒沢ともよ、加藤葉月…朝井彩加、川島緑輝…豊田萌絵、高坂麗奈…安済知佳、田中あすか…寿美菜子、小笠原晴香…早見沙織、中世古香織…茅原実里、塚本秀一…石谷春貴、滝昇…櫻井孝宏他


  〈ノーカットで描かれるクライマックスの演奏シーンは圧巻!〉


 吹奏楽で全国大会を目指す高校生たちの青春を描いたテレビアニメの総集編となる劇場版。高校に進学した主人公と中学時代の仲間との友情、吹奏楽にかける思いがつづられる。


 黄前久美子は、中学3年の吹奏楽コンクールで目にした高坂麗奈の涙を忘れられないままでいた。北宇治高校に進学した彼女は、加藤葉月や川島緑輝から誘われて吹奏楽部に入部する。ところが、肝心の部員たちの演奏の方は、お世辞にも上手とは言えない有様。そこへ、新しい顧問の教師・滝昇が現れたことで状況は一変。滝のスパルタ指導に反発しつつも、部員たちは少しずつ上達する様子に自信を深めてゆく。一方、久美子も少しずつではあるものの、麗奈との距離を縮めていった。サンライズフェスティバル、そしてコンクールメンバーを決めるオーディション…。数々の試練を乗り越えた吹奏楽部は、吹奏楽コンクール京都府大会に臨む…。


 形としてはTV版の総集編なので、TV版を観ていた人は、この秋から始まる第2シーズンに向けての復習のつもりで観ることができるし、初めての人には導入編として、そこからTV版第1シーズンをDVD等で観るもよし、第2シーズンを迎えるもよし、といった感じに仕上がっている。登場人物がそれぞれ個性豊かでキャラ立ちしているので、どのキャラクターにも感情移入ができるが、特に久美子と麗奈を軸に話が展開していくので、この2人を追っていけば(特に冒頭の「悔しくって死にそう」というセリフが印象的)、話としても分かりやすいし、高校時代に吹奏楽部だった人は、思わず昔の思い出が甦ってくるのではないか。


 そして、青春ドラマをたっぷり堪能した後にくるクライマックスのコンクールの場面は、劇場版ならではの迫力が存分に味わえる。特に課題曲として演奏されるオリジナル曲の「三日月の舞」は、部分的にカットされていたTV版とは違い、約12分に及ぶフルバージョンで、映画館のサウンド効果も手伝って、まるで本当にコンクールの会場にいて演奏を聴いているような臨場感がある。


 そしてそのクライマックスが素晴らしかったこともあってか、見終わった後は昨年のヒット作「セッション」を観た後と似たような、実に心地いい脱力感を味わえた。さすが「京都アニメーション」、今秋から始まる第2シーズンも期待したい。


私の評価…☆☆☆☆★

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2016年6月 5日 (日)

獣は月夜に夢を見る

獣は月夜に夢を見る
獣は月夜に夢を見る
劇場:シネ・リーブル梅田
監督・脚本・原案:ヨナス・アレクサンダー・アーンビー
出演:ソニア・ズー、ラース・ミケルセン、ソニア・リクター、ヤコブ・オフテブロ 他


  〈あの北欧映画と比べるのもどうか〉


 ラース・フォン・トリアー監督作品に美術アシスタントとして参加したヨナス・アレクサンダー・アーンビーによるホラー。北欧の小さな村に住む少女の体に奇妙な変化が現れ始め、やがて制御できなくなっていく。彼女の哀しい秘密とは…。第67回カンヌ国際映画祭批評家週間正式出品作品。


 海にほど近い小さな村で、少女マリー(ソニア・ズー)は両親と暮らしていた。母(ソニア・リクター)は病気を抱えているが、父(ラース・ミケルセン)はそのことについて何も教えてくれない。村の住人たちはなぜか車椅子に乗る母を恐れており、マリーに対しても訝しむような目で見てくる。ある日マリーは職場でダニエル(ヤーコブ・オフテブロ)と出会い、孤独な二人は惹かれ合っていった。その頃、マリーの身体に異変が起こり始める。奇妙な感覚が強まっていき、やがてそれを抑えきれなくなってしまった。マリーの身体に起きた異変や彼女の母の病気には、秘密が隠されていた。抗えない運命を知ったとき、マリーとダニエルはある決断をする。


 監督がラース・フォン・トリアー監督作品の美術アシスタントだっただけあって、ビジュアルはかなり美しいし、ストーリーもさほど難解ではないが、他のこの映画の評価サイトでよく比較されている「ぼくのエリ 200歳の少女」と比べると、ホラーとしてもファンタジーとしても些か中途半端。舞台がデンマークということもあって、その暗い情景が作品にも独特の雰囲気を与えているが、ラース監督の映画を見慣れていないと、恐らく話についていくのはシンドイのではないか。クセが強い分、万人受けする映画ではないと思う。


私の評価…☆☆

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2016年6月 4日 (土)

ルーム

ルーム
ルーム
劇場:MOVIX京都
監督:レニー・エイブラハムソン
原作・脚本:エマ・ドナヒュー「部屋」
製作:デヴィッド・グロス 他
音楽:スティーヴン・レニックス
出演:ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョアン・アレン、ウィリアム・H・メイシー、ショーン・ブリジャース、トム・マッカムス、ミーガン・パーク、キャス・アンヴァー、アマンダ・ブルジェル、ジョー・ピングー 他


  〈子供よりも大人の方が深刻〉


 ある日、拉致監禁され、一児の母親となった女性が絶望的な状況からの脱出に挑む姿を描く人間ドラマ。『ショート・ターム』で注目を浴びたブリー・ラーソンが、息子と共に生き延びようとする母親を演じる。


 ママとジャックが二人で暮らす狭い部屋に、今日も新しい朝が来た。ジャックは、電気スタンドや洗面台、トイレにまで「おはよう」と挨拶し、「僕、5歳だよ」と宣言する。今日はジャックの誕生日、ママがケーキを焼いてくれると聞いて、喜ぶジャック。歯磨き、ストレッチ、壁から壁への駆けっこ… ジャックは毎朝のルーティンを、ゲームのように楽しくこなす。けれど出来上がったケーキにローソクがないのを見たジャックは、すねて怒り出す。ママはそんなジャックを抱きしめるしかない。そう、この部屋にはロウソクだけでなく、いろんな物がない。窓さえも天窓が一つあるだけだ…。


 夜になると、二人がオールド・ニックと呼ぶ男がやってきて、服や食料を置いていく。ジャックはママの言いつけで洋服ダンスの中にいる。ママは「息子にもっと栄養を」と抗議するが、半年前から失業して金がないとオールド・ニックは逆ギレする。さらに真夜中にジャックがタンスから出てきたことで、ママとオールド・ニックは争う。


 翌朝、部屋の電気が切られ寒さに震えるなか、生まれてから一歩も外へ出たことがないジャックに、ママは真実を語る。ママの名前はジョイで、この納屋に7年も閉じ込められていた。さらに外には広い世界があると聞いたジャックは混乱する。


 電気が回復した部屋で考えを巡らせたジャックは、オールド・ニックをやっつけようとママに持ち掛ける。しかし、ドアのカギの暗証番号はオールド・ニックしか知らない。ママは『モンテ・クリスト伯』からヒントを得て、死んだフリをして運び出させることを思いつく。ママはジャックをカーペットにくるんで段取りを練習させるが、恐怖からかんしゃくを起こすジャック。ママは、「ハンモックのある家と、ばあばとじいじがいる世界」をきっと気に入ると励ます。しかし、「ママは?」と尋ねられると、2度と息子に会えないかもしれないと知り、言葉に詰まる。そして、オールド・ニックがやってくる。脱出劇は失敗しかけるが、ジャックの記憶力と出会った人たちの機転で、思わぬ展開を迎える。


 翌朝、ママとジャックは病院で目覚める。ママの父親と母親が駆けつけるが、二人が離婚したことを知ってママはショックを受ける。数日の入院後、二人はばあばと新しいパートナーのレオが暮らす家へ行く。しかし意外な出来事が次々とママに襲い掛かる。一方、新しい世界を楽しみ始めたジャックは、傷ついたママのためにあることを決意する…。


 原作小説は一応フィクションではあるが、実際にあった複数の事件をモデルに構成されているようであり、日本でも最近似たような事件があったためか、妙にリアリティーのある映画になった。


 事件を描くだけの映画ならこれまでにもいろいろあったが、この映画はむしろその後に焦点を当てている。被害者の母と子が元の世界に戻った後、どうやって立ち直っていくか、子は被害者の子であると同時に加害者の子でもあるため、母の両親がどのように接していくのか、複雑な感情が入り乱れていくのだが、演じる4人が素晴らしいアンサンブルを見せてくれる。


 観ていて率直に感じるのは、環境に適応能力のある子供よりも、大人の方が立ち直るのにより手間と時間がかかるということだ。映画では最終的にこの子供が原動力となって、親の方も徐々に元の世界に順応していこうとするという前向きな結末を迎えるが、子どもというのは未来への希望だと改めて感じた。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年6月 3日 (金)

ドクムシ

ドクムシ
劇場:MOVIX京都
監督:朝倉加葉子
脚本:黒木久勝
原作:合田蛍冬、八頭道尾「ドクムシ」
音楽:ゲイリー芦屋
出演:村井良大、武田梨奈、秋山真太郎、水上京香、宇治清高、野口真緒、駒木根隆介


  〈もう、出尽くしたと思っていたネタなのに〉


 ネット小説や電子コミックとして人気になったホラーを、『クソすばらしいこの世界』で注目を浴びた女性監督・朝倉加葉子が映画化。何者かに建物に監禁され、最後の1人になるまで殺し合う恐ろしいゲームを強いられ、狂気に駆られていく7人の男女を描く。


 大学生のレイジ(村井良大)が目を覚ますと、そこは学校の教室のような薄暗い室内だった。何もわからぬまま扉を開けると、派手なシャツを着たトシオ(宇治清高)と女子大生のユミ(水上京香)が姿を現す。やがてその建物には、キャバ嬢のアカネ(武田梨奈)、新聞記者を名乗るスーツ姿のユキトシ(秋山真太郎)、オタクのタイチ(駒木根隆介)、寡黙な少女ミチカ(野口真緒)を合わせて7人の男女が閉じ込められていることが明らかになる。いつ、どうやってここに連れてこられたのかは、誰も覚えていない。7人は、手掛かりとなる情報を集めようと建物中を捜索するが、出口になりそうなところは全て塞がれ、あらゆる場所に監視カメラが設置されていた。トイレの水道から水は出たものの、食料になりそうなものは見当たらない。最後に辿り着いた部屋で7人が目にしたものは、大きな寸胴鍋と鎖に繋がれた肉切り包丁…。そして壁では、7日間分の時間を示すカウントダウン計の赤い数字が静かに時を刻んでいた。自分たちが置かれた状況を話し合ううち、ユキトシの口からネットの都市伝説である“蠱毒”というデスゲームの存在が明かされる。そのルールは“毒虫”となる7人を特定の場所に7日間監禁して殺し合わせること。助かるのは、生き残った1人だけ。互いを食い合わせて最強の毒虫を生み出す古来の呪術を人間で再現しようとしているのではないか?ユキトシのこの発言で、7人の間にお互いに対する疑惑が生まれる。高まる不安と疑いに怯え、空腹とストレスに追い詰められてゆく7人。やがて、後戻りできない事件が遂に発生する…。


 今まで使ってきたガラケーに代わって今回からスマホ(or PC)で文章を作成しています。慣れてないうちは誤植などが多いと思いますが、ご勘弁ください。


 去年、似たようなデスゲームもので「コープスパーティー」という映画があったが、そういったものはもうそれで出し尽くされた感があった。でもまだこんなものがあったとは(笑)! 確かにお金もかかってそうにないし、グロ描写も多いけど、「コープス~」に比べると、話も単調でいまいち面白くない。


 ところで、この映画実は舞台挨拶の時に観に行ったのだが、司会者の、

 「この役は、どういうふうに演じようと思ったの?」

という質問に対して、ヒロインでホステス役の武田梨奈ちゃんは、

 「最近、別の作品で似たような役をやったので、それを思い出しながらやった」

みたいなことを言っていたが、これ、役柄なんて殆ど関係ないやん!


私の評価…☆☆

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