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2016年9月

2016年9月29日 (木)

X-MEN:アポカリプス

X-MEN:アポカリプス
X-MEN:アポカリプス
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ブライアン・シンガー
脚本:サイモン・キンバーグ
原案:ブライアン・シンガー 他
製作:ブライアン・シンガー 他
製作総指揮:スタン・リー 他
音楽:ジョン・オットマン
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ジェームズ・マカヴォイ(内田夕夜)、マイケル・ファスベンダー(三木眞一郎)、ジェニファー・ローレンス(牛田優子)、オスカー・アイザック(松平健)、ニコラス・ホルト(浅沼晋太郎)、ローズ・バーン(桑島法子)、エヴァン・ピーターズ(吉野裕行)、ソフィー・ターナー(能登麻美子)、タイ・シェリダン(木村良平)、ルーカス・ティル(鶴岡聡)、コディ・スミット=マクフィー(内山昂輝)、アレクサンドラ・シップ(志田有彩)、オリヴィア・マン(東條加那子)、ベン・ハーディ(濱野大輝)、ジョシュ・ヘルマン(高橋広樹)、ラナ・コンドル(下山田綾華)、トーマス・レマルキス(烏丸祐一)、 他

〈カメオ出演〉スタン・リー、ヒュー・ジャックマン


  〈新たな時間軸で第1作へと繋がる〉


 望まずして強大な力を手に入れてしまったミュータントたちの戦いを描くアクション「X-MEN」シリーズの第6作(スピンオフを含めると9作)。「ファースト・ジェネレーション」三部作の完結編であり、現時点ではブライアン・シンガーが関わるシリーズとしては最終作となる。ミュータントの始祖である最強キャラ、アポカリプスとX-MENたちとの戦いや、その結成秘話などがつづられる。


 すべての始まりは、紀元前3600年にさかのぼる。


 歴史上で最初のミュータント、「アポカリプス」は、堕落した文明を滅ぼす、「神」として君臨していた。ミュータントの力を吸収することで最強となるアポカリプス(オスカー・アイザック)だが、裏切り者の手によって古代エジプトのピラミッドの中に封印される。


 時は移り、1983年、その眠りは覚まされた。核兵器開発など人類の堕落を知ったアポカリプスは、マグニートー(マイケル・ファスベンダー)をはじめ4人のミュータント=「黙示録の四騎士」を招集し、世界を「浄化」しようとする。プロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)やミスティーク(ジェニファー・ローレンス)が率いる若きX-MENは、彼らとの戦いを強いられるが、強力なテレパシーを手に入れたアポカリプスが、プロフェッサーXまでも連れ去ってしまった…。


 第1作の「X-MEN」は1980年代が舞台だったが、この「ファースト・ジェネレーション」は時代を遡って1960年代からスタートした。そして、その3作目で時代が追い付き、「X-MEN」第1作へと繋がる(但し、前作で歴史が改変されたため直接的には繋がらない)形となる。X-MEN誕生の秘話が描かれるため、シリーズを見続けてきた人にとっては、興味深い映画となっている。マグニートの悲痛な過去、ジーンの覚醒のプロセスなどは、1作目から観ている人にとっては、特に重要なエピソードだし、プロフェッサーXがスキンヘッドの理由も明かされる。シリーズを彩ったキャラクター達も役者は違えど、ほぼ総出演となるため、最先端のVFXを使ったド迫力のビジュアルと共に、完結編に相応しい華やかな映画となっている。


 ところが、完結編といってもそれは、“「ファースト・ジェネレーション」としては完結”しただけなのである。


 実はシリーズはまだ少し続く。スピンオフの「ウルヴァリン3」が、来年3月全米公開予定であり、エンドロール後のおまけ映像で、このヴィランらしきキャラクターの登場がほのめかされるのだ。で、この映画で以てウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンと、老年期のプロフェッサーXを演じたパトリック・スチュワートが、それぞれの役からの卒業を表明しているため、一連のシリーズとしても、それがラストになるのではないか。


 尚、ウルヴァリンは原作上、一時は「アベンジャーズ」の一員でもあった。と、いうことは… 「スパイダーマン」(来年、リブート版公開予定)同様、「X-MEN」も、「アベンジャーズ」絡みでリブートされるかな? 楽しみは尽きない!


私の評価…☆☆☆★

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2016年9月28日 (水)

ターザン:REBORN

ターザン:REBORN
劇場:シネプレックス小倉
監督:デヴィッド・イェーツ
脚本: アダム・コザッド、クレイグ・ブリュワー
原作:エドガー・ライス・バローズ「ターザン」
製作: ジェリー・ワイントローブ 他
製作総指揮:スーザン・イーキンス 他
音楽:ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ
主題歌:ホージア「Better Love」
日本版テーマ曲:「Nawe, Nawe」(演奏:[Alexandros])
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):アレクサンダー・スカルスガルド(桐谷健太)、マーゴット・ロビー(井上麻里奈)、サミュエル・L・ジャクソン(手塚秀彰)、クリストフ・ヴァルツ(山路和弘)、ジャイモン・フンスー(竹田雅則)、ジム・ブロードベント(田原アルノ)、キャスパー・クランプ(飯島肇)、ハドリー・フレイザー(宮内敦士)、ジェネヴィーヴ・オライリー、サイモン・ラッセル・ビール(長克巳)、ユール・マシテン(牛山茂)、シドニー・ラリースェール(山崎健太郎)、オシ・イカイル(横山太一)、ベン・チャップリン(志村知幸) 他

日本語吹き替え版ナレーター…ゴブリン


  〈生まれ変わった古典的ヒーロー〉


 動物に育てられ、驚異的な身体能力でジャングルを縦横無尽に飛び回るターザン。エドガー・ライス・バローズによる人気小説の後日談。大人となり、英国貴族になったターザンが妻と故郷を取り戻すために戦う姿が描かれる。


 美しい妻・ジェーン(マーゴット・ロビー)と裕福な暮らしを送る英国貴族で実業家のジョン(アレクサンダー・スカルスガルド)は、「ターザン」という別の名を持っていた。生まれて間もなく国の反乱に巻き込まれた彼は、コンゴのジャングルで動物たちに育てられたのだ。スマートにしてワイルドというアンバランスな魅力を兼ね備えたターザンは、英国政府でも一目置かれていた。


 ある日ターザンは、政府の命を受け、貿易使役としてジェーンを連れて故郷のジャングルに戻る。しかしそれはターザンに仕向けられた罠で、故郷は侵略され、ジェーンはさらわれてしまう。愛する妻と故郷を救うため、ターザンはすべてをなげうち、ジャングルに戻ることを決意する。果たして彼は己の野生を呼び覚まし、失ったものを取り戻すことができるのか...。


 「ターザン」といえば、古くはジョニー・ワイズミュラー主演の活劇映画、最近ではディズニーアニメで有名だが、それらは原作をかなり改変したものである。唯一、原作にほぼ忠実な映画化作品として、アクションを抑え人間ドラマとして描いた「グレイストーク ターザンの伝説」(1983年/ヒュー・ハドソン監督/クリストファー・ランバート主演)があるが、本作はそれに近い映画。アカデミー賞にもノミネートされた「グレイストーク」程ではないが、ちゃんと作り込まれていて楽しめる。


 ジャングルの野生児ターザンの時代と、イギリスに帰ってから名乗るジョン(=グレイストーク卿)の時を並行して描き、且つターザンの時代の部分がどうしても比重が大きくなるため、帰国後の話がやや大味になっているが、ターザンとジェーンのキャスティングは適役といっていいのではないか。


 特にジェーンのキャラクターは、これまでのターザン映画とは大きく異なる。以前は単なるお飾りものというだけだったが、これでは当然、現代では通用しない。囚われの身にはなるものの、悪役に悪態をついたり、アクションもこなすなど、勝ち気で行動的なキャラとなり、ターザンのパートナーをきっちり務めている。


 そのジェーンを演じるのは、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で、ディカプリオ扮する主人公の妻を演じていたマーゴット・ロビー。彼女は女優になる前は、アイスホッケーの選手だったり、サーファーの経験もあるようで、今回のような役にはぴったりとハマっている。そんな彼女が次にやっているのが、現在公開中の悪役大集合映画「スーサイド・スクワッド」での、悪カワ女ハーレイクイン役… いやはや、同じ人が演じているとは、とても思えない。役者って、凄いなぁ。


私の評価…☆☆☆★

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2016年9月23日 (金)

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ
シン・ゴジラ
劇場:TOHOシネマズ二条
総監督:庵野秀明
監督・特技監督:樋口真嗣
脚本:庵野秀明
製作:市川南
音楽:鷺巣詩郎、伊福部昭
出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、大杉漣、柄本明、余貴美子、市川実日子、國村隼、平泉成、松尾諭、津田寛治、塚本晋也、高橋一生、岡本喜八(写真のみ)、野村萬斎(ゴジラのモーションキャプチャ) 他、総勢325名出演


  〈もし、現代日本に怪獣が現れたら、日本人はどう立ち向かうのか〉


 日本の怪獣映画史に名を残す“ゴジラ”が、「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明が総監督、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の樋口真嗣が監督を務め、シリーズ初のフルCGで復活。巨大怪獣の出現で未曽有の危機にさらされた人々の物語が描かれる。


 現代の日本に巨大怪獣ゴジラが出現。パニックに陥る者、立ち向かう者。大いなる脅威に直面した人々の行方は...。


 観る前は、あまり期待していなかったが、否、今年観た邦画のなかで、恐らくナンバーワンになるのでは、と思うくらい面白かった。過去のゴジラは、戦争における原爆をイメージして作られていたが、この「シン・ゴジラ」は、東日本大震災と原発をモチーフに描かれているのは明らかで、過去作とは当然、一線を画す。


 本作のゴジラはオタマジャクシのような第1形態から、巨大化して顔つきも変わる第4形態まである。第1形態が出てきた時の、ゴジラとはかけ離れた容姿を観た時は、かなりの不安がよぎったが(笑)、これは恐らく核分裂による自由な変化を表現するために、この設定にしたのだろう。恐ろしい姿になったこの怪物は、都市を破壊し、人々のかけがえのない生活まで奪っていく。本作のゴジラは人間に対し何の共感も持たない、大災害や恐怖の象徴だ。これはもう、怪獣映画という形を借りたシミュレーション劇であり、もしかすると、あの3・11後に日本人が取るべきだった行動を描いているのではないか、とさえ思ってしまう。


 庵野総監督は、この映画をドキュメンタリー調に仕上げたかったようで、感傷的なドラマや恋愛模様は一切描いていない。その代わり、作戦会議のシーンなどは、膨大な量の専門用語が凄まじい勢いで繰り出される会話劇となっており、緊迫感溢れる演出で、観客の目をくぎ付けにする。特に、今問題となっている安保法制を痛烈に皮肉っているあたりは、この映画が子供騙しの怪獣映画ではない事を物語っている。


 勿論、「ゴジラ対○○」シリーズを観てきた世代の(特に)若い人からすると、このゴジラは違和感アリアリだろうし、所々「エヴァ」かよ! とツッコめる場面もあるため、そこは賛否両論あるだろうが、やはり本来のゴジラは悪役なので、本作は1954年の初代ゴジラに原点回帰しつつ、内容的にも現代社会にきちんと即したものになっているのだ。


 因みに、この「シン・ゴジラ」、10月11日からは全米で、しかも英語字幕版で公開される(セリフ多いしニコ動みたいな画面になったりして 笑)。タイトルも当初は、ゴジラ復活を意味する「Godzilla: Resurgence」だったが、そのままの「SHIN GODZILLA」に正式決定した。残念ながら約400館で1週間の限定公開だが、特に前述の安保法制批判や、ゴジラとの戦いに、個人プレー(アメリカのヒーロー映画にはこのタイプが多い)ではなく、寄せ集めながらも集団で立ち向かう日本人の姿が、アメリカ人にどう写るのか、どのような反応が返ってくるのか、楽しみだ。


私の評価…☆☆☆☆★

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2016年9月18日 (日)

ロスト・バケーション

ロスト・バケーション
劇場:シネプレックス小倉
監督:ジャウマ・コレット=セラ
脚本:アンソニー・ジャスウィンスキー
製作:リン・ハリス、マティ・レシェム
製作総指揮:ダグ・メリフィールド、ジャウマ・コレット=セラ
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:ブレイク・ライブリー、オスカル・ハエナダ、ブレッド・カレン、ジャネール・ビリー


  〈86分の恐怖からの脱出〉


 周囲に誰もいない秘境の島で突然、人喰いサメに襲撃されたヒロインの必死のサバイバル劇を描く、ブレイク・ライブリー主演のアクション。


 サーファーで医学生のナンシー(ブレイク・ライブリー)は、休暇を利用して憧れの秘境ビーチを訪れる。そこは亡き母が教えてくれたサーファーにとって最高の楽園。目の前に広がるのは、大きな太陽に照らされて宝石のように輝く砂浜とほとんど人がいない真っ青な海。日が暮れるのも忘れてサーフィンに没頭していた彼女であったが、突然海中で何かにアタックされ脚を負傷。必死に近くの岩場までたどり着く。海岸はすぐ近くだったが、気付くと獰猛で危険なサメが岩の周囲を旋回していた。誰にも助けを求めることもできず、絶望的な状況に追い込まれたナンシー。さらに今は引潮で岩場は海面上にあるが、時間とともに潮が満ち海面が上昇、満潮になればそこは確実に沈む。岩場が沈むまで残された時間は100分。岩場から岸までは200メートル。タイムリミットは刻々と近づいていた...。


 「ゼロ・グラビティ」(2013年)や「フォーン・ブース」(2002年)など、最近はキャストを少数限定にした“シチュエーション・スリラー”というジャンルに傑作が多いが、そこに本作も加わったといえよう。


 大ヒットした「ジョーズ」以降、サメによる動物パニック映画はコンスタントに作られているが、こういった“シチュエーション・スリラー”的なものは初めてではないか。上映時間そのものは約86分と非常にコンパクトだが、序盤ですぐに小岩の上に取り残されると、あとはひたすらサバイバルの連続で、岩が沈んでしまうタイムリミットが迫り来る間に、チャンスが潰れては危機が襲うということが、何度も繰り返され、観客を飽きさせない。


 また、負傷してヒロインのそばを離れなくなった、癒し系動物=カモメとのやり取りを随所に挟み込むなど、ストーリーの緩急の付け方も絶妙だ。まぁ、クライマックスはどうしても「ジョーズ」っぽくなってしまうのは、仕方ないか。ほぼ独りで出ずっぱりのブレイク・ライブリーの素晴らしい演技力と、主人公が医学生という設定が抜群に効いた演出で、海洋サスペンスの傑作に仕上がった。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年9月17日 (土)

少女椿

少女椿
劇場:みなみ会館
監督・脚本:TORICO
原作:丸尾末広「少女椿」
製作:太代眞裕 他
音楽:黒石ひとみ
主題歌:チャラン・ポ・ランタン「あの子のジンタ」
出演:中村里砂、風間俊介森野美咲、武瑠(SuG)、佐伯大地、深水元基、中谷彰宏、鳥居みゆき、鳥肌実 他


  〈摩訶不思議エログロワールド〉


 丸尾末広の同名カルト漫画を、モデルの中村里砂主演で映画化。


 ある時代の東京。病気の母親(鳥居みゆき)と暮らす14歳のみどり(中村里砂)は、家を出て行った父親の代わりに花売りをして家計を助けている。ある日、みどりが家に帰ると母親はすでに息絶えていた。一人ぼっちになったみどりは、地方巡業に回る赤猫サーカス団の団長・嵐鯉治郎(中谷彰宏)に下働きとして拾われる。サーカス団には、怪力自慢の赤座(深水元基)、美少年のカナブン(武瑠)、蛇使いの紅悦(森野美咲)、足芸の鞭棄(佐伯大地)、異人の海鼠、蟻男といった個性的で怪しげな面々がいた。みどりは苛めにあいながらも健気に日々を送り、東京の我が家を懐かしんでいた。ある日、ワンダー正光(風間俊介)という超能力者がサーカス団に入る。苛められるみどりを見たワンダー正光は彼女を気にかけ、自らの超能力で不思議な光景を見せる。みどりは次第に彼の優しさに心を寄せるようになる。ワンダー正光の評判はあっという間に広がり、サーカス団は大盛況となる。彼の人気に嫉妬した団員たちはみどりを苛める。みどりのことを愛していたワンダー正光はそれに怒り、超能力で団員たちを従わせる。それに嫉妬した鞭棄は力ずくでみどりを振り向かせようとするが、激怒した正光の超能力によって殺される。その光景を見たみどりはワンダー正光を恐れ、避けようとするが…。


 こんな、意味不明でシュールな映画、久々に観たわい(笑)。


 実はこの映画、1992年に1度「地下幻燈劇画 少女椿」としてアニメ映画化されている。だが、そちらは人体欠損描写が多く、VHSがごく僅かに流通したのみで、DVD化はされていない(画質は劣悪だが現在YouTubeで観る事ができる)。この実写版は原作では両腕が無いはずの徳久利鞭棄にも腕はあり、奇形キャラもオリジナルなもの(それでもグロいが)に変えられているため、恐らくR指定でのソフト化は可能だろう。ただ、アニメ映画版ほどではないが、エログロ描写は満載なので、苦手な人は注意するべし。さすがに、仔犬の撲殺場面は直接的には描いていないが、まさか原作に描かれている目玉舐めを、実写でそのまま描くとは思わなかった!


 主演の中村里砂は中村雅俊&五十嵐淳子の娘で本来は雑誌モデルだが、本作で主演デビュー。まだまだ演技は粗削りだが、親譲りの大きい目で目力はあるから、経験を積んでいけば上手くなっていくだろう。今後が楽しみだ。


私の評価…☆☆★

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2016年9月14日 (水)

〈午前十時の映画祭7〉 ゲッタウェイ(1972年)

〈午前十時の映画祭7〉 ゲッタウェイ(1972年)
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:サム・ペキンパー
脚本:ウォルター・ヒル
原作:ジム・トンプソン「The Getaway」
製作:デヴィッド・フォスター、ミッチェル・ブロウアー
音楽:クインシー・ジョーンズ
出演:スティーブ・マックイーン、アリ・マッグロー、ベン・ジョンソン、サリー・ストラザース、アル・レッティエリ、スリム・ピケンズ、リチャード・ブライト、ジャック・ダドスン、ボー・ホプキンス、ダブ・テイラー 他


  〈'70年代アクションとマックイーンのカッコ良さ〉


 「ワイルドバンチ」「わらの犬」などでバイオレンスの真髄を鮮明に捕らえたサム・ペキンパーが、「ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦」に続いて再びスティーヴ・マックィーンとコンビを組み、組織に追われる男と女が必死で逃亡する姿を描く。


 テキサスのサンダースン刑務所からドク・マッコイ(スティーヴ・マックィーン)が出所した。銀行強盗の罪で10年の刑に服していたのだが、4年間服役したところで突然釈放になったのだ。この釈放はドクにとって1つの取引でもあった。彼は、地方政界の実力者ベニヨン(ベン・ジョンソン)を相手取り、出所と引き換えに町銀行を襲い、奪った金を山分けして保釈金代わりに払おうというのだ。ドクを、愛する妻キャロル(アリ・マックグロー)が待っていた。4年ぶりに味わう自由のうまさ!やがて銀行襲撃の綿密な計画が立てられ、用心深いベニヨンは2人の殺し屋、ルディ(アル・レッティエリ)とジャクソン(ボー・ホプキンズ)を送り込んできた。決行の朝、ドクはキャロルの運転する小型トラックに乗り込み、銀行前のマンホールの真上に停めると、地下にもぐり銀行に通じる電力源を切断した。ルディとジャクソンが拳銃を携えドクが金庫から札束をバッグにつめ込んでいく。襲撃計画は成功したかのように思えたとき、ジャクソンが守衛の1人を射殺してしまった。タイミングよく、ドクの仕掛けた時限爆弾が爆発し、混乱に乗じてドクとキャロル、ルディとジャクソンは別々に逃走した。その途中、ルディは足手まといのジャクソンを射殺し、車から放り出すと、落ち合いの場所に急行した。ドクは、ルディが金を1人じめしようとしていることを知り、一瞬早く彼の胸板をぶち抜いた。ドクはルディが動かなくなったのを見届けると、ベニヨンが待つ農場に向かった。その場でベニヨンは、自分のような政界のボスがたかだか一介の囚人の出所にわざわざ手を貸したのは、魅力的なキャロルがいたればこそ、といい、暗に彼女との情事をほのめかした。その時、車で待っていたはずのキャロルがいつの間にか近づき、やにわにベニヨンを射殺した。ダガ、ベニヨンの言葉がドクに与えたショックは大きかった。怒りと屈辱--しかしいまのドクにはここを立ち去るしかなかった。車から列車に乗りついだ2人は駅のロッカーに金の入ったバッグを預けたが、鍵をすりかえられ、盗まれるというよきせぬアクシデントが起き、ドクの必死の探索で取り戻したものの、この1件でドクは指名手配の身となってしまう…。


 1994年のリメイク版(ロジャー・ドナルドソン監督/アレック・ボールドウィン、キム・ベイシンガー共演)は観たことがあるが、このオリジナル版を観るのは、多分初めて。リメイク版も悪くはない出来だったが、やはりそれはオリジナル版自体が面白かったからだろう。


 勿論、アクションシーン等、話のテンポは今の映画と比べると派手さもスピード感もなく、それは仕方のないところだが、その分はカット割りなどのテクニックを使い、ドラマの見せ方で飽きさせない作り方でしっかりカバーしている。


 そして、何よりマックイーンがカッコいい。別にリメイク版のアレック・ボールドウィンが悪い訳ではないが、やっぱりマックイーンには敵わないのだ。ヒロインに関しては、オリジナル版とリメイク版では、時代と共に立場的にもかなり変わっているので、単純に比較できない。あの時代は「007」シリーズがそうであったように、ヒロインは主役の引き立て役になることも多かったので、今の時代からすると違和感があるかもしれないが、オリジナル版はあの描かれ方で良かったのかもしれない。尚、マックイーンとアリ・マッグローは公開後、実生活でも夫婦となるが、後に離婚。リメイク版のアレック・ボールドウィンとキム・ベイシンガーも夫婦だったが、映画公開後に離婚と、何だか因縁めいている。


 ロードムービー風なので、マックイーンの映画の中では、どちらかというと小品だが、今回の「午前十時の映画祭」では、見たかった映画の1つ。スケジュールによっては観られない可能性があったので、観られてよかった。


私の評価…☆☆☆★

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2016年9月11日 (日)

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
劇場:大阪ステーションシティシネマ
監督:ジェイ・ローチ
脚本:ジョン・マクナマラ
原作:ブルース・クック「Dalton Trumbo」
製作:ジョン・マクナマラ 他
音楽:セオドア・シャピロ
出演:ブライアン・クランストン、ダイアン・レイン、ヘレン・ミレン、ルイ・C・K、エル・ファニング、ジョン・グッドマン、マイケル・スタールバーグ、アラン・テュディック、アドウェール・アキノエ=アグバエ、ディーン・オゴーマン、スティーヴン・ルート、ロジャー・バート、デヴィッド・ジェームズ・エリオット、ピーター・マッケンジー、ジョン・ゲッツ、クリスチャン・ベルケル、ビリー・スローター、リチャード・ポートナウ 他


  〈名作を手掛けた脚本家の、知られざる秘話〉


『ローマの休日』『スパルタカス』などの名作を手がけた脚本家、ダルトン・トランボの実話を描く人間ドラマ。


 第二次世界大戦後、共産主義排斥活動“赤狩り”が猛威を振るうアメリカ。その理不尽な弾圧はハリウッドにも飛び火し、売れっ子脚本家ダルトン・トランボ(ブライアン・クランストン)は、議会での証言拒否を理由に投獄されてしまう。やがて出所し、最愛の家族の元に戻ったものの、すでにハリウッドでのキャリアを絶たれた彼には仕事がなかった。しかし、友人にこっそり脚本を託した「ローマの休日」に続き、偽名で書いた別の作品でもアカデミー賞に輝いたトランボは、再起への歩みを力強く踏み出す…。


 これは、映画ファンにとっては切なくも嬉しい映画である。名作『ローマの休日』(1953年)を生み出した脚本家ダルトン・トランボ。彼は1940年代〜1950年代に掛けて行われた“赤狩り”によってハリウッドを追われることとなる。所謂、“ハリウッド・テン”と呼ばれ、ブラックリストに載せられた10人の脚本家のうちの1人であるが、それでも生涯を映画人として生きた彼の真実の物語である。


 “赤狩り”といえば、どうしても東西冷戦が背景になってくるので、テーマとしては重くなるが、本作はコミカルな描写が多々あり、雰囲気は暗くない。


 それもそのはず、本作の監督ジェイ・ローチは、あのおバカ映画の傑作「オースティン・パワーズ」シリーズや、「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズの監督であり、どこまでが本当か分からないが、実際かなりの変人だったらしい天才脚本家の流転の半生を、とことんユーモラスに描いている。


 実話なので当然劇中には、実名でハリウッドスターや映画人が多く登場するが、中でもヒステリックな赤狩りの象徴的人物で、人気ゴシップ・コラムニストのヘッダ・ホッパーを、ヘレン・ミレンが怪演している。“ハリウッド・テン”に関しても、先に観たコーエン兄弟による「ヘイル・シーザー」では徹底的にパロディー化されていたが、こちらは真正面から向き合う。


 そして、主人公トランボを演じるブライアン・クランストンは、渡辺謙が出演した2014年のハリウッド版「GODZILLA」で、アーロン・テイラー=ジョンソン扮する主人公の父親を演じていた人だが、今回は特殊メイクにメガネ姿でトランボになりきり、燻し銀の演技を見せてくれた。


 ちなみに、“赤狩り”といえば、他にも有名な人物はいて、例えば下院非米活動委員会に仲間を売った(密告した)映画監督のエリア・ カザンなんかは、作品は称賛されても、本人自身は(自身を守るためだったとはいえ)晩年まで批判された。アカデミー名誉賞を授賞した時の、客席の反応が異様だったのを覚えている人も多いと思うが、“赤狩り”に抵抗するアプローチの仕方が違っただけで、どちらも被害者といえよう。


 エリア・カザンに関する映画は、これまで作られていないはずだし、アメリカではこれからも恐らく作られないだろうが、異なる意見や思いを弾圧する不寛容、裏切りや密告から生じる憎悪を、二度と許してはいけない。この映画はそんなメッセージを強烈に発しているのである。


私の評価…☆☆☆☆★

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2016年9月10日 (土)

コープスパーティー Book of Shadows

コープスパーティー Book of Shadows
劇場:シネ・リーブル梅田
監督:山田雅史
脚本:赤松義正
脚本監修:祁答院慎
原作: Team GrisGris/MAGES./5pb.
製作:余田光隆、小玉滋彦
音楽:濱本麻央
主題歌:今井麻美「砂漠の雨」
出演:生駒里奈(乃木坂46)、前田希美、池岡亮介、石川恋、水石亜飛夢、JUN (BEE SHUFFLE)、喜多陽子、松浦愛弓、内藤穂之香、石森虹花(欅坂46)、青木玄徳、市島琳香、井出和樹、野田仁美 他


  〈前作のテイストはそのままだが、特にそれ以上のものは無し〉


 人気ホラーアドベンチャーゲームを実写映画化した「コープスパーティー」の続編。怨霊の棲む異空間から生き延びた女子高生の直美。死亡した友人たちを取り戻そうと悲劇の舞台となった天神小学校へ舞い戻るが、さらなる残酷な運命の歯車が廻り出す。


 呪いのおまじない「しあわせのサチコさん」を行い、怨霊の棲む異空間へと飛ばされた女子高校生の直美(生駒里奈)は、幼なじみの哲志や親友の世以子(喜多陽子)など、多くの仲間たちを失った。


 あれから半年後。生き延びたあゆみ(前田希美)と直美は、亡くなった友人たちを取り戻そうと、悲劇の舞台となった天神小学校へ再び戻ってくる。


 同じおまじないで別の学校から囚われて来た刻命(青木玄徳)たちとも合流し、切なる想いで生還の道を模索するが、待っていたのは繰り返す「死の運命」に囚われた仲間たちとの再会だった。


 そして、繰り返される惨劇からあゆみを救うために姉・ひのえ(石森虹花)が天神小学校へ向かう。命と心を弄ぶ、残酷な運命の歯車は、やがてゆっくりと廻り始める...。


 昨年ミニシアターを中心に公開された、ホラー映画の続編。前作で、異空間に迷いこみ殺されてしまった仲間を、時間を戻して助けにいく設定なので、前作の復習は絶対に必要な映画。前作同様、低予算は丸わかりなのだが、特殊メイクや効果はきっちりと作り込まれており、ちゃんと観られるものに仕上がっていて、それはいいのだが、ストーリーがほぼ、前作の繰り返しといっていい出来なので、あまり恐怖感が湧かなかった。ラストのグロ描写も、ちょい昔のアメリカB級ホラー・テイストなので、肉は食えなくなるかもしれないが(笑)、新鮮味は無しである。


 実はコレ、自分は“舞台挨拶付き先行上映”で観ているのだが、主演の生駒ちゃんは多忙な中、ワークショップに通い演技のレッスンを受けていたらしい(本人・談)。そのかいあってか前作と比べれば、確かに上達しているように見える。だが、女優としてはまだまだで、場数を踏んで頑張ってほしいところである。姉妹グループの欅坂46から石森虹花が出演しているが、こちらは台詞の少なさが逆に功を奏し、ミステリアスな雰囲気が出ていた。


 「バイオハザード」のパターンと同じで、同名タイトルのゲーム版とこの映画版とは、ストーリーが異なるようだが、ゲーム版にはまだ続編があるようなので、映画も続編が作られれば、また観てみたい。


私の評価…☆☆☆

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2016年9月 8日 (木)

死霊館 エンフィールド事件

死霊館 エンフィールド事件
劇場:MOVIX京都
監督:ジェームズ・ワン
脚本・原案:チャド・ヘイズ 他
製作:ピーター・サフラン 他
音楽:ジョセフ・ビシャラ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ヴェラ・ファーミガ(小林さやか)、パトリック・ウィルソン(咲野俊介)、フランセス・オコナー、マディソン・ウルフ、フランカ・ポテンテ、ローレンス・エスポジート、パトリック・マコーリー、ベンジャミン・ヘイ、マリア・ドイル・ケネディ、サイモン・マクバーニー、ボニー・アーロンズ 他


  〈前作を遥かに凌駕する恐怖〉


 アメリカを中心に数々の心霊事件を解決に導いてきた実在の心霊研究家、ウォーレン夫妻。彼らが遭遇した事件を映画化した『死霊館』の続編。今回は、1970年代にロンドン北部の町=エンフィールドのとある家で起きた怪奇現象から家族を救うため、恐怖の元凶に立ち向かうウォーレン夫婦の姿を描く。


 1977年、イギリス・ロンドン北部の町エンフィールド。この町に住むシングルマザーと4人の子どもたち、特にジャネット(マディソン・ウルフ)の周辺で、出所のわからない謎の音や不穏な声、さらには人体が浮かぶといった不可解な現象が続いていた。彼女たちを助けるためにエンフィールドに向かったウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)は、心霊史最大の怪奇現象に直面する…。


 1作目も相当怖い映画だったが、この続編はそれ以上に怖い映画だ。


 今回描かれるのは、1977年にイギリス=エンフィールドのハーパー家で起こった、史上最長の期間に起こったポルターガイスト現象として知られる、世にも奇怪な事件である。母親と4人の子供たちが住む平凡な公営住宅に、ここは自分の家だと主張する老人の霊が現れ、11歳の次女・ジャネットに憑りつくと、暴力的なポルターガイスト現象を繰り返し起こし、家族を恐怖に陥れるのだ。


 物語の構成自体は前作を踏襲し、冒頭には映画「悪魔の棲む家」などで知られるアミティビル事件が簡潔に描かれ、その後本題へと移る。前半はエンフィールドの霊的現象が淡々と描かれていくのだが、次女ジャネットが老人の声で怒りだし、「私はビル・ウィルキンス、72歳だ」と名乗るあたりから、にわかに不穏な空気が漂い始める。心霊現象を信じない人々の懐疑の目や偏見と闘い、ウォーレン夫妻は次第に核心に近づくが、ジャネットに取りついた老人の霊と、ロレインが見、エドが絵に描いた不気味な悪霊とがリンクしたとき、終盤のどんでん返しと共に、事態は一気に収束へとなだれ込む。


 登場人物の心理描写も丁寧な分、人間ドラマとしても秀逸で、ただ怖がらせるだけのホラー映画とは、ひと味違うものになっている。エンドロールには映画のキャストの写真と、多くの画像素材が資料として残されているという、実際の事件の写真が並べて表示されており、あらためて実話であるという事を思い知らされ、恐怖感が倍増した。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年9月 7日 (水)

ファインディング・ドリー

ファインディング・ドリー
劇場:MOVIX京都
監督:アンドリュー・スタントン、アンガス・マクレーン
脚本:アンドリュー・スタントン
製作総指揮:ジョン・ラセター
音楽:トーマス・ニューマン
主題歌:(英語版)シーア「Unforgettable」(ナット・キング・コールの名曲のカヴァー) (日本語版)八代亜紀「アンフォーゲッタブル」(シーアのカヴァー)
声の出演(吹替版声優):ドリー…エレン・デジェネレス(室井滋)、マーリン…アルバート・ブルックス(木梨憲武)、ニモ…ヘイデン・ローレンス(菊池慶)、ハンク…エド・オニール(上川隆也)、デスティニー…ケイトリン・オルソン(中村アン)、ベイリー…タイ・バーレル(多田野曜平)、チャーリー…ユージン・レヴィ(牛山茂)、ジェニー…ダイアン・キートン(高島雅羅)、フルーク…イドリス・エルバ(玄田哲章)、ラダー…ドミニク・ウェスト(チョー)、館内放送の声…シガニー・ウィーバー(八代亜紀)、エイ先生…ボブ・ピーターソン(赤坂泰彦)、クラッシュ…アンドリュー・スタントン(小山力也)、マンボウ…字幕版では台詞なし(さかなクン)、ギル…ウィレム・デフォー(山路和弘)、ガーグル…オースティン・ペンドルトン(津田寛治) 他

≪同時上映≫短編映画「ひな鳥の冒険」


  〈ハンディキャップが何さ!〉


 カクレクマノミのニモと愉快な仲間たちによる冒険を描いた『ファインディング・ニモ』(2003年)の続編。なんでもすぐに忘れてしまうドリーが唯一忘れなかった大事な家族を捜すため、壮大な冒険の旅に出る。


 カクレクマノミのマーリンがナンヨウハギのドリーと共に、愛する息子ニモを人間の世界から救出した奇跡の冒険から1年。ニモのいちばんの親友ドリーは、何でもすぐに忘れてしまう忘れんぼうだったが、ただひとつ忘れなかったのは“家族の思い出”であった。だがどうしてその思い出だけを忘れなかったのか…。そして、ドリーの家族はいったいどこに…。そんな中、ドリーとニモ、ニモの父マーリンは、ドリーの幼少時の謎を解き明かそうと再び大海原に旅立つ。だがその秘密を解く鍵は、海の生き物にとっての禁断の場所=《人間の世界》に隠されていた…。


 大ヒットを記録した「ファインディング・ニモ」の13年ぶりの新作「ファインディング・ドリー」は、いつも楽天的で明るい性格のナンヨウハギのドリーが主人公。今回は、ドリーの家族探しの大冒険を描く海洋アドベンチャーで、人間たちがいる水族館が重要な舞台となる。このため、物語の起伏となるハプニングやピンチの連続で、ハラハラ、ドキドキ感が止まらない仕掛けとなっているのだが、その一方で、その冒険の中に秘められたテーマやメッセージも、しっかりと描き込まれているので、ここ数年のディズニー映画には共通することだが、ビジュアルで子供を楽しませつつ、大人も感動できる映画になっている。


 春に公開されたディズニーの「ズートピア」は人種などの反差別を描いていたが、本作のディズニー&ピクサーが描くのは、ハンディキャップとの共生と、親子の心の絆や尊さである。登場する殆どのキャラクターにハンディキャップがあるのだが、その一方でそれぞれが他とは違う特別な能力を持っている。中には知的障害を持つらしきキャラクターもいるのだが、決して差別的には描かれておらず、1つの個性と捉えて描かれている事には好感が持てる。


 一応、話の本筋はドリーが家族を探す事なのだが、その冒険は同時に自分自身を発見する旅でもある。個々の違いを尊重し、その違いを喜びあえるのは、現実社会でも同じこと。前向きな姿勢で発せられるメッセージは、常に力強い。勇気づけられる映画だ。


私の評価…☆☆☆☆★

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