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2016年12月

2016年12月31日 (土)

2016年 今年鑑賞した映画のマイ・ベスト

 結局、今年も書くペースが追いつかないまま、大晦日を迎えてしまった(笑)。まぁ、一時は2か月分ぐらい間隔が開いていたのが、今は3~4週間に縮まっているので、ひょっとすると3か月後くらいには追いついているかもしれないが。


 今年は昨日までに108本の映画を観ている。で、昨年と同じパターンで昨年12月下旬から今年の11月末迄に公開された映画で良かった映画を洋・邦3本挙げてみた。


 まず、邦画で良かった3本はやはり「シン・ゴジラ」、アニメの「映画 聲の形」、「君の名は。」だろう。やはり、今年の日本映画はこの3本に尽きるのではなかろうか? 3本とも夏~初秋に公開されて、未だにムーブオーバーされており、興行収入記録を伸ばしている。「~ゴジラ」と「君の名は。」を配給した東宝は、創業以来最高の収益を得て、松竹と東映との格差が益々広がった。この2作だけで興行収入は300億円近いのだから驚きである。


 続いて洋画では、「007 スペクター」、「ズートピア」、そして「オデッセイ」を、挙げておこう。「007」は、製作当時ダニエル・クレイグ=6代目ボンドのラスト作といわれていた。ヒロインと結ばれるラストはシリーズ初〔「女王陛下の007」(1969年)では結婚するもののラストでスペクターの残党に殺される〕で、素晴らしいと思うとともに、はて、次回作はどうするのかな? という期待を持たせたが、現時点の情報では、“就任”時に歴代で最も若かったこの6代目を、あと2作限定で続投させる案があるようで、公開されるであろう再来年まで楽しみである。「ズートピア」は、アニメに現在のアメリカ社会を投影させる、昨今のディズニーがよくやる手法を取り入れた快作だ。そして「オデッセイ」は、リドリー・スコット監督の映画にしては珍しく明るい映画で、トラブルがおこれば皆がアイデアを出して解決に向け進んでいく、いかにもアメリカ的な映画であった。


 さて、来年はまた今年以上にアメコミものの映画が多く公開されそうな感じである。直近ではヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを演じる最終作「ローガン」があるし、夏に公開される「ワンダーウーマン」も楽しみだ。名作のリメイクものも、「荒野の七人」のリメイク「マグニフィセント7」(1月公開)や、「ベン・ハー」(夏頃)がある。邦画は、実写版「鋼の錬金術師」かな。実写版「進撃の巨人」みたいなことにならなければいいけど… 原作やアニメで問題となった“ニーナと犬のキメラ”の描写はあるのかな? 期待したい。


 ブログも映画の感想を書くのが早く追い付けるよう頑張るので、来年もよろしくお願いします。

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2016年12月29日 (木)

古都

古都
古都
劇場:MOVIX京都
監督・脚本:Yuki Saito
共同脚本:眞武泰徳、梶本惠美
原作:川端康成「古都」
プロデュース:伊藤主税
音楽:堤裕介
主題歌:新山詩織「糸」(中島みゆきのカバー曲)
出演:松雪泰子(二役)、橋本愛、成海璃子、蒼れいな、蒼あんな、葉山奨之、栗塚旭、迫田孝也、伊原剛志、奥田瑛二 他


  〈移り行く時代の中で、受け継がれるものと変わり行くもの〉


 過去に山口百恵主演で映画化や、上戸彩主演でドラマ化された川端康成の同名長編小説を、舞台を現代に置き換え再映画化。松雪泰子が双子の二役を演じている。京都で代々続く呉服店を営む千重子と、北山杉の里で働く苗子。生き別れた双子の姉妹とその娘たちは、時代が大きく移ろう中、受け継いできた伝統の継承に葛藤する。


 京都室町で先祖代々続く佐田呉服店を営む佐田千重子(松雪泰子)は、20年前に店を継いで以来、同じ場所で同じ生活を続けてきた。店ではあるが、古くから付き合ってきた職人は次々に廃業。時代が変わっていく中で店をどうしていくか、また、大学生の娘・舞(橋本愛)にも同じ宿命を背負わせていいものか思いあぐねている。そして舞も、店を継ぐべきか、将来について迷っていた。


 一方、千重子の生き別れた双子の妹・中田苗子(松雪泰子=二役)は、京都のはずれにある北山杉の里で林業を営んでいる。家業は経営難に直面。苗子の娘・結衣(成海璃子)は北山杉を使った新しいものを作れないか模索しフランスに留学するが、他の学生たちとの力の差を感じ無力感に苛まれてしまう。苗子は結衣に会うためにパリに向かうことに。その頃、日本文化を紹介するイベントに参加するため、舞もパリを訪れていた。京都の伝統に生きる家族の人生が今、交差しようとしていた…。


 一応、川端康成の名作が原作ということにはなっているが、原作には描かれていない双子姉妹のその後を描く、謂わば続編的な映画となっている。


 京都は、日本の中でも特に古い伝統と格式を誇る町である。その伝統を、地元で生まれ育った者がどう繋げ、受け継いでいくのか。これは正に今の京都が抱えている問題なのだ。


 この映画は、京都の四季折々の美しい風景とそこに住む人々、そしてヒロイン2人のそれぞれの娘に引き継がれる人生、家族の絆がきれいに描かれている。特に女性たちが生き生きと描かれ、女性映画というに相応しいものになっている。勿論、男性も登場人物の誰かには感情移入して観ることができると思うのだが、僕の場合は親の後を継がず、別の仕事を選んだため、立場的に結衣に近く、自分が選んだ道を進もうとして留学はしたものの壁にぶち当たり、心配して追ってきた母・苗子に思いをぶちまける結衣を観て、思わず心が揺さぶられた。


 全体的にとても静かに時が流れる映画なので、下手をすると居眠りしかねないが、ヒロイン2人の少女時代を演じる双子の蒼姉妹の出演シーンも印象深いし、癒されたい人にはお薦めの映画である。


私の評価…☆☆☆★

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2016年12月22日 (木)

劇場版 艦これ

劇場版 艦これ
劇場版 艦これ
劇場:TOHOシネマズ梅田
監督:草川啓造
脚本:花田十輝、田中謙介
原作:「艦これ」運営鎮守府
音楽:亀岡夏海
主題歌:西沢幸奏「帰還」
声の出演:吹雪、蒼龍、飛龍…上坂すみれ 睦月、如月、弥生、望月、龍驤…日高里菜 夕立、白露、時雨、村雨…タニベユミ 赤城、時津風…藤田咲 加賀、利根、筑摩、天龍、龍田…井口裕香 長門、陸奥、川内、神通、那珂、球磨、多摩、島風…佐倉綾音 金剛、比叡、榛名、霧島、高雄、愛宕、鳥海、綾波、敷波…東山奈央 北上、大井、古鷹、加古…大坪由佳 暁、響、雷、電、最上、鳳翔、青葉…洲崎綾 翔鶴、瑞鶴…野水伊織 明石、妙高、那智、足柄、羽黒…種田梨沙 夕張、鈴谷、熊野…ブリドカットセーラ恵美 間宮…堀江由衣 大淀…川澄綾子 大鳳…能登麻美子 衣笠…中島愛 天津風…小倉唯 大和…竹達彩奈 ナレーション、飛行場姫、中間棲姫…榊原良子 他


  〈戦闘アクション娘ものとしては、映画化は遅きに失した感〉


 第2次世界大戦時に実在した日本軍などの艦艇を擬人化した“艦娘”を育成・強化して戦うシミュレーションゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」を基にしたテレビアニメの劇場版。主人公はテレビ版と同じく特型駆逐艦の吹雪。


 人類がその制海権を失ってしまった世界で、海を蹂躙する「深海棲艦」。その脅威に唯一対抗できるのは“艦娘”と呼ばれる在りし日の艦艇の魂を持つ娘たちだけであった。艦娘たちの拠点「鎮守府」の存亡をかけ双方が激突したMI作戦では特型駆逐艦「吹雪」の活躍もあり艦娘たちが勝利を収めたが、その激戦以降、彼女たちの戦いはますます熾烈なものとなっていく。MI作戦の成功を足がかりに、鎮守府の戦力は南方の海域に進出。敵泊地の攻略を続け、その戦域を少しずつ拡大していくなかで新たな前線基地に集結し、次の作戦に備える艦娘たち。戦いを経て成長、そして新たな戦力も加わり、作戦を成功させて意気上がる彼女たちだったが、目標とする海域に重大な異変が発生していることが判明する…。


 空の「ストライク・ウィッチーズ」、陸の「ガールズ&パンツァー」に続き、遂に海の「艦これ」も映画化。でもねぇ、はっきり言ってやっていることは「ストライク~」や「ガールズ~」と、殆ど変わらない(笑)。目的もなくただドンパチやっているだけな感じである。「ガールズ~」は擬人化ではなく戦車は本物を描写していたので、迫力抜群で面白かったのだが、本作は戦艦を擬人化しているので、描写にも限界があるのか、バトルは面白いが迫力は今一つ物足りない感じがした。


 声優も、極力同一の役者が被ることを避けた「ガールズ~」と違い、こちらは1人の声優が5役やっていたりする。昔の声優は、声色を極端に変えるなどして演じ分けるのが上手い人が多かったが、今は下手なのか、どれを聞いても声だけではほぼ同じキャラのように聞こえてしまうのだ。さすがにこれではいけないと思うのだが。少なくとも一人三役くらいに止めておいて、内容も「ストライク~」とは違う路線にした方が、よかったように思う。


私の評価…☆☆

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2016年12月21日 (水)

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:デヴィッド・イェーツ
脚本:J・K・ローリング
製作:J・K・ローリング 他
製作総指揮:ティム・ルイス 他
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):エディ・レッドメイン(宮野真守)、キャサリン・ウォーターストン(伊藤静)、ダン・フォグラー(間宮康弘)、アリソン・スドル(遠藤綾)、コリン・ファレル(津田健次郎)、カルメン・イジョゴ(深見梨加)、エズラ・ミラー(武藤正史)、サマンサ・モートン(佐々木優子)、ロン・パールマン(大友龍三郎)、ジョン・ヴォイト(堀勝之祐)、ジョシュ・カウダリー(土田大)、ローナン・ラフテリー(小林親弘)、フェイス・ウッド=ブラグローブ(宇山玲加)、ジェン・マーリー(川上彩)、ピーター・ブライトメイヤー(小島敏彦)、ダン・ヘダヤ(堀越富三郎)、ケヴィン・ガスリー(粟野志門)、エリー・ハディントン(杉浦慶子)、マーティン・オーエルベーマン(長谷川敦央)、ジェンマ・チャン(土井真理)、マシュー・ウィルソン(落合福嗣)、ゾーイ・クラヴィッツ、ジョニー・デップ(平田広明) 他


  〈「ハリー・ポッター」から世界観を引き継いだ、大人向けファンタジー〉


 「ハリー・ポッター」シリーズのJ.K.ローリングが原作・脚本を手がけるファンタジー。ホグワーツ魔法魔術学校で学び、魔法使いになった魔法動物好きの青年スキャマンダーが、NYで逃してしまった魔法動物を捜そうと大冒険を繰り広げる。


 ホグワーツ魔法魔術学校で学び、魔法の腕は超一級だけどおっちょこちょいな魔法使いニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、世界中を旅して魔法動物を集めては不思議なトランクに詰め込んでいる。


 ニューヨークに立ち寄ったニュートだったが、トランクが普通の人間のものと入れ替わり、危険な魔法動物たちがトランクから逃げ出してしまう。ニューヨークの街は大騒ぎ。ニュートは魔法省から追われ、さらには魔法省の壊滅を狙う謎の組織も現れ、思わぬ事態に。


 持てる魔法のすべてを使い、仲間と共にニュートは人間界と魔法界を救えるのか…?


 「ハリー・ポッター」シリーズと世界観を共有する新シリーズの第1作。共有するとはいえ、話の舞台は現代から1920年代へと時代を遡り、場所もイギリスからアメリカへと移った。


 本作の主人公は、世界中に生息する魔法動物について書かれた、ホグワーツ魔法学校の教科書「幻の動物とその生息地」の著者、魔法動物学者のニュート・スキャマンダーである。尚、この本は実際に出版されているが、映画は本を執筆する前の冒険を描く物語で、直接の原作ではない。実はまだ、この原作小説は存在していない。「ハリー・ポッター」の原作者ローリングが、映画「ハリー・ポッター」シリーズの脚本家の指導の元で執筆したオリジナル脚本である。恐らく、後々ノベライゼーションされていくのだろうが、やはり本職のライターの協力を得ているのならば、上手くない訳がない。


 元々「ハリー・ポッター」シリーズ自体、反差別などのテーマを含んでいたが、本作では舞台がニューヨークに変わったことで、死刑制度への皮肉など、今のアメリカにも通じる要素が加わっている。


 まぁ、あまりにもポケモンGOのような展開には、ちょっと狙っているのかな? と思えるところもあるのだが、主人公の周りである陰謀があり、魔法界を揺るがす大事件へと発展していく様は「ハリー・ポッター」と同じ。でも、最後に姿を見せる大スターは、「ハリー・ポッター」の時のヴォルデモート(=レイフ・ファインズ)と違って、今回全くアナウンスされておらず、ビックリした。


 ちなみに、本作は全5部作となる予定だとか。またまた、何年かかるのか先の長いシリーズになりそうだが、今後どういう展開になるかが楽しみである。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年12月18日 (日)

ガール・オン・ザ・トレイン

ガール・オン・ザ・トレイン
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:デイト・テイラー
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
原作:ポーラ・ホーキンズ「ガール・オン・ザ・トレイン」
製作:マーク・プラット
製作総指揮:セリア・コスタス、ジャレッド・ルボフ
音楽:ダニー・エルフマン
出演:エミリー・ブラント、レベッカ・フェルグソン、ヘイリー・ベネット、ジャスティン・セロー、ルーク・エヴァンス 他


  〈精神ズタボロなヒロインの頑張り〉


 世界45か国でベストセラーとなった小説を映画化したミステリー。夫と離婚し、傷心の女性の心の慰めていた毎朝通勤電車の窓から見る理想の夫婦の妻が、ある朝、不倫をしている現場を目撃することで、殺人事件に巻き込まれていく様子を描いたサスペンス。


 レイチェル(エミリー・ブラント)は愛する夫と離婚し、傷心の日々を送っていた。落ち込む彼女にとって、通勤電車の窓から見える“理想の夫婦”だけが慰めだった。その二人は、かつてレイチェルが夫のトム(ジャスティン・セロー)と暮していた家の近くに住んでいる。その家で今は、トムと妻のアナ(レベッカ・ファーガソン)が、生まれたばかりの娘と新しい生活を始めている。ある朝、レイチェルはいつもの車窓から、“理想の妻”が不倫している現場を目撃する。翌日、夫婦の様子が気になったレイチェルは、確認するため駅を降りる。しかし、彼らの家へ向かったところから記憶がなくなり、気がつくとレイチェルは自分の部屋で大けがをして倒れていた。そして間もなく、“理想の妻”の死体が発見される。レイチェルは、あの日の空白の時間のおかげで、周囲から疑惑の目を向けられる。レイチェルが記憶を取り戻そうとすると、関係者たちの思わぬ秘密が明らかになっていく…。


 これ、ここ最近のミステリー映画のなかではかなり上質な部類に入るのではないか。何より、重度のアルコール依存症で、虚言癖があり時に記憶障害になるという、ヒロインのキャラクター設定が抜群に効いている。


 そのヒロインが、ある事件に興味を抱き、真相を追及していくうちに、やがては自分が犯人なのではないかという疑念にぶち当たるのだ。それでさらに精神が不安定になったヒロインに、追い打ちをかけるように不倫やストーカー、果ては殺人と、たて続けに悲劇が襲いかかる。


 救いようの無い展開が終盤まで続く映画だが、そんなヒロインを『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年)のエミリー・ブラントが、終始虚ろな表情で怪演している。観ている側からすれば、途中で犯人が薄々分かってしまうという残念な部分もあるのだが、ラストの衝撃的なオチも秀逸で、これはもう見事なサスペンス・ミステリーと言わざるを得ない。


私の評価…☆☆☆☆★

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2016年12月17日 (土)

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:エドワード・ズウィック
脚本:リチャード・ウェンク 他
原作:リー・チャイルド「ネバー・ゴー・バック」
製作:トム・クルーズ 他
音楽:ヘンリー・ジャックマン
出演:トム・クルーズ、コビー・スマルダーズ、オルディス・ホッジ、ダニカ・ヤロシュ、パトリック・ヒューシンガー、ホルト・マッキャラニー、ロバート・ネッパー 他


  〈どこか懐かしい感じのアクション映画〉


 トム・クルーズが元米軍の秘密捜査官にして流れ者のジャック・リーチャーを演じた、『アウトロー』の続編となるサスペンスアクション。


 ケンカが発生したと通報が入り、保安官が現場まで駆けつける。そこには何人もの男たちが倒れていたが、これはある男がたった1人でやったことらしい。ジャック・リーチャー(トム・クルーズ)は手錠をかけられ、連行されそうになると突然、「90秒以内に2つのことが起きる」と予言をし始める。「まず電話が鳴る」「次にこの手錠はあんたの手に」というリーチャーの言葉を鼻で笑う保安官だったが、結局リーチャーの予言通りとなるのだ…。


 リーチャーは古巣である軍に立ち寄るため、現在の指揮官であるターナー少佐(コビー・スマルダーズ)を訪ねるが、スパイ容疑で逮捕されたと聞かされる。ターナー少佐は嵌められたのだと感じたリーチャーは、彼女を助けるため動き始めるが、彼を追う謎の影が現れる。しかし、リーチャーは軍で培った能力で次々と敵を倒していき、ターナー少佐を牢獄から脱出させる。何かの陰謀があると感じた二人は、真相を探り始める…。


 監督は、前作「アウトロー」のクリストファー・マッカリーが「ミッション・インポッシブル」シリーズ最新作に関わる事になったため、「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィックに交代。「アウトロー」では無差別殺人事件の真犯人を追うミステリー仕立てだったが、本作では軍事サスペンスと人間ドラマに比重が置かれている。主人公の娘を名乗る少女の登場で、家族愛のようなものが描かれるためか、前作のようなハードボイルド感は薄れた。だが、アクションは前作同様、70~80年代の映画を思わせる、どこかちょっと懐かしい感じに仕上がっている。リーチャーのキャラクターも、より人間臭いイメージに変化した。


 前作とは趣が変わったためか、本国では不評だったようだが、普通に面白い。これは多分、世代によって見方が違うためだと思うが、CGなどまだ無かった頃のアクション映画を観て育った世代は、楽しく観られるはずだ。若い世代には古めかしく感じるのだろう。敵役の演技も良く、最後まで飽きずに観られる映画である。


私の評価…☆☆☆

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2016年12月14日 (水)

湯を沸かすほどの熱い愛

湯を沸かすほどの熱い愛
湯を沸かすほどの熱い愛
劇場:T・ジョイ京都
監督・脚本:中野量太
製作:藤本款 他
音楽:渡邊崇
主題歌:きのこ帝国「愛のゆくえ」
出演:宮沢りえ、杉咲花、オダギリジョー、松坂桃李、伊東蒼、篠原ゆき子、駿河太郎 他


  〈宮沢りえより杉咲花の演技に、拍手。役者はいいのだけど…。〉


 がんで余命2か月を宣告されたヒロインが、残された時間で家族を成長させようと奮闘し、より強い絆で結ばれていくさまを描く家族ドラマ。


 銭湯・幸の湯を営む幸野家だったが、1年前、父・一浩(オダギリジョー)がふらっと出奔してから休業していた。母・双葉(宮沢りえ)は持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘・安澄(杉咲花)を育てている。ある日、双葉は余命わずかという宣告を受ける。それから双葉は、“絶対にやっておくべきこと”を決め、実行していく。それは、家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる、気が優しすぎる娘を独り立ちさせる、娘をある人に会わせる、というものだった。双葉の行動によって、家族の秘密はなくなり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母・双葉を送ることを決意する…。


 こういうのは、合う人と合わない人がいるような気がする。少なくとも自分には少し合っていない感じがした。


 余命宣告ものは、大体“お涙頂戴”前提で作っているものが多いのだが、本作は泣かせる要素はそれほど無く、余命2か月なのに元気なお母ちゃんを軸に、極力明るく見えるように描いている。


 キャストは皆、好演。宮沢りえは勿論なのだが、今回は杉咲花ちゃんに注目。普段明るい役が多い彼女にとっては珍しく影のある役で、泣きの演技など初めて見たのだが、これが素晴らしく、やはりこれは親子愛というより母と娘の絆を描いた、女性向きの映画なのだなと思った。


 タイトルの意味はラストシーンで分かるのだが、ここも賛否両論あって、僕はあまり好きではなかったのも減点要因である。「溺れるナイフ」の山戸結希監督もそうなのだが、この中野量太監督も、元々自主製作映画出身である。好みの問題もあるが、自分には合ってないのかなぁ? と思った。


私の評価…☆☆★

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2016年12月13日 (火)

溺れるナイフ

溺れるナイフ
溺れるナイフ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:山戸結希
脚本:井土紀州
原作:ジョージ朝倉「溺れるナイフ」
製作:依田巽、中西一雄
製作総指揮:朴木浩美
音楽:坂本秀一
主題歌:ドレスコーズ「コミック・ジェネレイション」
出演:小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅(ジャニーズWEST)、上白石萌音、志磨遼平(ドレスコーズ) 他


  〈溺れかけた映画〉


 青春漫画の傑作と言われるジョージ朝倉による同名作を、小松菜奈&菅田将暉主演で映画化した青春ラブストーリー。『5つ数えれば君の夢』や、乃木坂46のPVを担当し、映像派として注目を浴びる山戸結希が監督を務める。


 15歳の夏。東京から遠く離れた浮雲町に越してきた、人気モデルの望月夏芽(小松菜奈)。


 退屈でウンザリするようなこの町で、夏芽は体を貫くような「閃光」と出会ってしまう。それは、コウと呼ばれる少年・長谷川航一朗(菅田将暉)だった。


 傲慢なほどに激しく自由なコウに、反発しながらも、どうしようもなく惹かれてゆく夏芽。コウもまた、夏芽の美しさに対等な力を感じ、やがてふたりは付き合いはじめる。「一緒にいれば無敵!」という予感に満たされるふたり。しかし浮雲の夏祭りの夜、全てを変える事件が起きるのだった。


 失われた全能感、途切れてしまった絆。傷ついたふたりは、再び輝きを取り戻すことができるのか。未来への一歩を踏み出すために、いま、ふたりがくだす決断とは…?


 ビジュアルに拘り過ぎて、肝心のドラマ部分が疎かになるのは、アーティストのPV出身の監督によく有りがちなのだが、本作も残念ながらそれに当たる。


 前衛的な撮り方と言えば聞こえは良いが、事件や感情が抽象的に描かれていて分かり難く、誰にも感情移入し難い。加えて音楽もミスマッチ。せっかく「海街diary」のような美しい情景が写し出されているのに、ロック調のBGMは不釣り合いである。


 それに、主演の2人にどことなく覇気がない。後半部分なんか特にそう感じるのだが、調べてみるとこれにはちゃんとした理由があった。関係者の話では、この山戸監督の我が強すぎる、ある意味“完璧主義”な性格が災いし、一番の見どころでもある海中シーンで監督の指示が二転三転。結果、主役2人が本当に溺れかける事態になったらしい。ここから現場のムードが終始険悪となって、監督とキャストがまともにコミュニケーションの取れない状態になっていたようなのだ。


 映画そのものに監督の個性がでるのは当たり前だが、やはりキャストやスタッフとの間に齟齬ができては、決して良いものはできない。何とか公開されたものの、一時は公開自体が危ぶまれていたらしいのだ。山戸監督は若手女流監督の有望株らしく、本作がメジャーデビューとのことだが、関係者の話を聞く限りでは、このままでは前途多難である。


私の評価…☆☆★

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2016年12月11日 (日)

インターン!

インターン!
劇場:イオンシネマ京都桂川
監督:吉田秋生
脚本:太田善也
製作:丹羽多聞アンドリウ
音楽:遠藤浩二
出演:新木優子、岡本杏理、佐野岳、青木玄徳、栗原類、鈴木友菜、泉はる、もちろー、中村龍介、上野なつひ、小西キス、風間トオル、土平ドンペイ 他


  〈現代の大学生の就活事情・その2〉


 近年、会社で実際に取り入れられている大学生向けのビジネス実践型プログラムとして仕事を体験する「インターンシップ」制度をテーマに描くコメディー。そのインターンシップを広めた会社「ワークスアプリケーションズ」が全面協力している。


 大学三年生の川倉晴香(新木優子)は親友の浜崎真希(岡本杏理)に誘われ、ある企業のインターンシップ説明会に行く。晴香は代表取締役CEOの牧野正幸(風間トオル)の講演を聞くものの諦めようとするが、真希は無理やり晴香にエントリーシートを提出させる。その帰り道、晴香は車にはねられそうになるが、牧野がそれを助ける。牧野が目を覚ますと、病院の集中治療室で横たわっている自分自身がいた。そこに死神(佐野岳)と名乗る若い男が現れる。死神は、交通事故で死ぬ運命だった晴香を助けたことで、牧野が死ぬ運命に変わってしまったと告げる。また、二人とも助かるには、晴香の未来を変える必要があるという。牧野は、晴香がインターンで成績優秀者となって入社パスを手に入れられれば、未来を変えるこができると思いつく。すると牧野は真希に憑依し、晴香のインターンをサポートする。しかし、晴香は自力で課題に取り組むが、自信がなく、優柔不断な彼女はいい成績が取れない。晴香は無事、入社パスを手に入れることができるのか…?


 最初は正直、殆ど期待していなかったのだが、意外にも脚本が骨太で面白い。


 “七つの大罪”ならぬ“7つの大財”というキーワードを使って、優柔不断で冴えないヒロインを成功に導く様が微笑ましく楽しい。それに、毎日の出来事とか自分の振る舞いなどに対して、気づきを与えるエッセンスが満載で、勉強になる。


 それでその“七つの大財”とは、

①Myself:自分の運命は自分で切り開くしかない。
②Question:その理由、必要性につき、「何故か?」を熟考せよ。
③Wall:破れない壁はない。
④Mistake:失敗は成功の母。失敗することで、自分の長所、短所が分かる。
⑤Merit:自分と他人のメリットは何か?メリットが明確になれば人は動く。
⑥Chat:色んな人との雑談がヒントになる。
⑦Weakpoint:誰にも弱点(マイナス)があるが、それを武器(プラス)に変える手がある。

ということで映画では、これを順にインターンシップで実践していくことで、ヒロインが磨かれていく一種のシンデレラ・ストーリーになっており、それと同時にそのきっかけとなったCEOの霊魂が、ちゃんと元通りになって生き返る事ができるのかという、そういったサイドストーリーもしっかり描きこんでいて、非常に面白い。


 ちなみに、メインキャストの殆どは、ノンノのモデル経験者。これはどうもキャスティング中は気付かなくて偶然だったらしい(プロデューサー談 ホントかね?)。それ故、ミスキャストっぽいのも中にはいるし、それ「ちは○ふる」じゃね? というようなツッコミどころもあるにはあるが、全体的に暗かった「何者」よりは、僕はこっちの方が好き。これ、舞台挨拶の時に観ているんだが、登壇した岡本杏理ちゃんが可愛かったデス(しかしあんなに客のいない舞台挨拶も珍しいナ 泣)。


私の評価…☆☆☆★

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2016年12月10日 (土)

コロニア

コロニア
劇場:みなみ会館
監督・脚本:フローリアン・ガレンベルガー
共同脚本:トルステン・ヴェンツェル
製作:ベンジャミン・ハーマン
音楽:アンドレ・ジェジュク、フェルナンド・ベラスケス
出演:エマ・ワトソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・ニクヴィスト、リチェンダ・ケアリー、ヴィッキー・クリープス、ジーン・ワーナー、ジュリアン・オヴェンデン、アウグスト・ツィルナー、マルティン・ヴトケ 他


  〈闇に伏されてきた戦慄の歴史〉


 南米チリの独裁政権下で起きた史実を基に「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソン主演で映画化。


 1973年9月11日。ドイツのキャビンアテンダント・レナ(エマ・ワトソン)は、フライトでチリを訪れ、ジャーナリストの恋人ダニエル(ダニエル・ブリュール)と束の間の逢瀬を楽しんでいた。だが突如チリ軍部によるクーデターが発生。ダニエルは反体制勢力として連行されてしまう。レナは、彼が慈善団体施設“コロニア・ディグニダ”に送られたことをつきとめるが、そこは“教皇”と呼ばれる元ナチス党員パウル・シェーファー(ミカエル・ニクビスト)が独裁政権と結びつき、神の名の下に暴力で住人を支配する脱出不可能な場所だった。異国の地で誰の助けも得ることができないレナはダニエルを助け出すため、ひとりコロニアに潜入することを決意するが…。


 嘗て「尊厳のコロニー(=コロニア・ディグニダ)」と呼ばれ、現在も“ビジャ・バビエラ”と名を変えて現存するコロニーで起きていた出来事を描く。このコロニー、本来表向きは慈善目的の施設ということだったのだが、元ナチス党員パウル・シェーファー率いるドイツ人移民のグループが設立したという事等、最近になってこの集落での不穏な歴史に関する事実が明らかになっている。度々拷問や虐待、果ては兵器の隠匿や人体実験が行われていたらしい。本作はそれらの明るみになった事実を、フィクションを交えて描いている。


 まぁ、ナチスや独裁政治と聞くと大抵こういう忌まわしい歴史の事実を見る事になるのだが、南米チリでのこの話は、ごく最近出てきたというだけあって、知らなかったし、大使館も見て見ぬふりをしていたというのには驚いた。


 もっとも、教祖のパウル・シェーファーがヒトラー・ユーゲントの下っ端団員というだけで、施設自体ナチスはほぼ関係ないのだが、やはり思想などは似てくるものであり、団体の不穏さやいかがわしさが追われる様子等々、終始緊張感がありテンポも良くて面白い。ただ、クライマックスの旅客機による脱出劇は、映画「アルゴ」(2012年)みたいで少々やり過ぎかも。映画として盛り上げるためには、必要だったのかもしれないが、逆にリアル感が薄らいだ。


私の評価…☆☆☆☆

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2016年12月 8日 (木)

クハナ!

クハナ!
劇場:みなみ会館
監督・脚本・原作:秦建日子
製作:高木卓司 他
音楽:立石一海
出演:松本来夢、久志本眞子、加藤清史郎、磯山さやか、山村美智、山下千遥、横井琉衣、須藤理彩、宮本大誠、多岐川裕美、ウド鈴木、風間トオル、馬場ふみか、高垣彩陽 他


  〈演奏シーンは楽しげだが〉


 ドラマ『アンフェア』原作の秦建日子による初の劇場用映画監督作品。


 三重県桑名市に住む小学6年生の女の子・西田真珠(松本来夢)の通う小学校は、町の人口減少や少子化のせいで廃校が決まっている。そのせいか、毎日の生活にいまひとつ張り合いがない。真珠の親友・瑞希(久志本眞子)は、東京からの転勤組である同級生・海斗(加藤清史郎)に初恋真っ最中。しかし海斗の親は、真珠や瑞希などの地元密着型の親たちとはうまくいっていなかった。そんななか、元々はプロのジャズプレイヤーだったという先生が赴任してきて、真珠たちは小学校生活の最後にジャズのビッグバンドをやることになる。真珠たちのビッグバンドは、大人たちのゴタゴタや海斗の突然の転校などを乗り越え、県大会を勝ち、東海大会へ進出する快進撃を見せる。しかし、東海大会の本番直前、真珠のアルトサックスが壊れてしまう。真珠は壊れた楽器を抱えたまま満員の観客が見守るステージの上に出て、ある行動を取る…。


 昨今、よく作られている“町おこし”映画の1本。作品的には悪いように思わないが、映画としてみては、何か今一つ弾けるものがない。ネットのレビューをみると「スイングガールズ」(2004年)の小学生版、等と書かれているが、これは好意的にも揶揄ともとれる。


 その子役だが、松本来夢と加藤清史郎以外は、殆ど無名で、“本当はちゃんと選びたかったんだけど、予算の都合で公募で選びました”感がありありである。来夢ちゃんと清史郎クンの役が小学6年生というのも違和感がある。2人共もう中学生だし、来夢ちゃんはともかく清史郎クンは小柄で声質も高めとはいえ、変声期はとっくに来ていて、明らかに小学生の喋り声ではないのである。


 演出も、さすがに演奏シーンは楽しげでよくできていたが、主人公の家庭の話や海斗の話が消化不良で中途半端。もう少し脚本を練り上げれば、それなりに面白いものができていただろう。映画で地方の町おこしをするのはいい試みだが、予算など関係なしに、やはり完成度は高めないといけないのである。


私の評価…☆☆★

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2016年12月 7日 (水)

何者

何者
何者
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:三浦大輔
原作:朝井リョウ「何者」
製作:市川南 他
製作総指揮:山内章弘
音楽:中田ヤスタカ
主題歌:中田ヤスタカ「NANIMONO(feat. 米津玄師)」
出演:佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之、タイヘイ、オチ・ザ・ファンク(カラスは真っ白) 他


  〈現代の大学生の就活事情・その1〉


 『桐島、部活やめるってよ』で注目を浴びた、直木賞作家・朝井リョウのベストセラーを映画化した青春群像ドラマ。力を合わせて就職活動に挑む5人の男女の大学生たちが、自分が「何者」なのかを模索していく。


 就活の情報交換のため集まった5人の22歳。かつて演劇サークルで脚本を書いていて人を分析するのが得意な拓人(佐藤健)。拓人がずっと前から片思いをしていて実直な性格の瑞月(有村架純)。瑞月の元カレで、拓人とルームシェアをしている天真爛漫な光太郎(菅田将暉)。拓人たちの部屋の上に住んでいて、人一倍「意識高い系」でありながら、結果が出ず不安を募らせていく瑞月の友達の理香(二階堂ふみ)。就活はしないと宣言するが焦りを隠せない理香と同棲中の隆良(岡田将生)。


 彼らは、海外ボランティアの経験やサークル活動、手作り名刺、SNS、業界の人脈等、様々なツールを駆使して就職戦線を戦っていく。だが企業に入れば「何者」かになれるのか、自分は「何者」になりたいのか?そんな疑問を抱えながら就活を進める中、5人はそれぞれの思いや悩みをツイートするが、就活のやり方やスタンスに嫌悪感を覚えることもあり、次第に人間関係が変化していく。


 そんな折、拓人はサークルOBのサワ先輩(山田孝之)に相談するが、思うようにいかない現実に苛立ちを隠せなくなる。やがて内定者が現れたとき、抑えられていた妬みや本音が露になり、ようやく彼らは自分を見つめ直し始めるのだった…。


 自分が就職活動をした学生時代は、もうかれこれ20数年前なので、時代は変わったなぁと思うことしきり(笑)。


 先の見えない現代の就職活動に、Twitter等のSNSを駆使して挑んでいく学生たちの姿を描くのは、今までに無い視点だし、それは面白いのだが…。やはり内定をもらうためなら、たとえ自分が嫌いな会社でも受けに行くというのは、今はそこまでしないと職にありつけないのかと思いつつ、世代間のズレなのか、今一つ共感できなかった。


 SNSというツール自体は、人の使い方によって良い物にも悪い物にも、またその両面を持つ物にもなる。それを見事に表しているのがクライマックスのどんでん返しだが、それ以外に印象に残る場面は無し。


 実はほぼ同じ時期にもう1つの“就活”映画が公開されていて、観に行っているのだが、そちらの方が実在の会社をモデルに描いて、しかもコメディーに徹しており面白かった。後々、書いていきます。


私の評価…☆☆★

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2016年12月 4日 (日)

インフェルノ

インフェルノ
インフェルノ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ロン・ハワード
脚本:デヴィッド・コープ
原作:ダン・ブラウン「インフェルノ」
製作:ブライアン・グレイザー 他
製作総指揮:ダン・ブラウン 他
音楽:ハンス・ジマー
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):トム・ハンクス(江原正士)、フェリシティ・ジョーンズ(佐古真弓)、オマール・シー(乃村健次)、ベン・フォスター(花輪英司)、イルファーン・カーン(谷昌樹)、シセ・バベット・クヌッセン(深見梨加)、アナ・ウラル(浅野まゆみ)、アイダ・ダーヴィッシュ(加藤有生子)、ジョン・ドナヒュー、ポール・リッター(星野充昭)、フィリップ・アルディッティ(宮内敦士)、メフメット・エルゲン(天田益男)、ファウスト・マリア・シャラッパ(平修)、グザヴィエ・ローラン(今村一誌洋) 他


  〈サスペンスというよりはホラーだ〉


 大学教授ラングドンが世界を揺るがす陰謀に立ち向かう姿を描く、ダン・ブラウン原作による「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズ第3弾。


 ハーヴァード大学の宗教象徴学者、ロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)は、アメリカの大富豪で生化学者のバートランド・ゾブリスト(ベン・フォスター)から挑戦状を突き付けられる。それは、人口増加問題の過激な解決策として生み出したウィルスだった。伝染病を利用した人口淘汰をもくろむゾブリストは、詩人ダンテの叙事詩「神曲」地獄篇(インフェルノ)に暗号を隠す。ラングドンは、人類を滅亡に導く陰謀の謎に挑むのだが…。


 今回は、対処法のない新種の殺人ウィルスの拡散を阻むため、敵も味方もラングドン教授を追いかけるという、いわば典型的な“巻き込まれ型サスペンス”。しかもそのラングドンは、頭部を強打し負傷したことが原因で記憶が曖昧という設定が冒頭からあり、これによる彼の幻覚と、地獄絵図のようなイメージが重なる場面は不気味で、サスペンスというよりホラー映画のようだ。


 そして、今回は前作までよりも謎解きの要素が薄い。こういう映画は観客も一緒に頭の中で謎解きをしながら楽しむものなのに、展開が早すぎて、暴走気味のラングドン教授に付いていくだけでも結構シンドイのだ。終始、誰が敵で誰が味方か分からない展開は、緊迫感があっていいのだが、前2作と比べてヒントとなる記号等も分かり難く、見終わったらかなりの疲労感があった。


私の評価…☆☆★

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2016年12月 3日 (土)

スター・トレック BEYOND

スター・トレック BEYOND
スター・トレック BEYOND
劇場:TOHOシネマズ梅田
監督:ジャスティン・リン
脚本:サイモン・ペッグ 他
原作:ジーン・ロッデンベリー
製作:J・J・エイブラムス 他
音楽:マイケル・ジアッチーノ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):クリス・パイン(阪口周平)、ザカリー・クイント(喜山茂雄)、カール・アーバン(宮内敦士)、ゾーイ・サルダナ(東條加那子)、サイモン・ペッグ(根本泰彦)、ジョン・チョー(浪川大輔)、アントン・イェルチン(粟野志門)、イドリス・エルバ(斉藤次郎)、ジョー・タルシム、リディア・ウィルソン、ソフィア・ブテラ(川庄美雪)、グレッグ・グランバーグ、ショーレ・アグダシュルー、ディープ・ロイ、メリッサ・ロクスバーグ 他


  〈監督が代わったことで、前作までとは違った面白みが出た〉


 J・J・エイブラムスが製作を務める、人気SFシリーズの第3弾。宇宙船エンタープライズ号のキャプテン・カークとクルーたちが、宇宙の最果てにある未知の領域を探索し、自らや惑星連邦の存在意義の真価を問う新たな敵と遭遇する。監督は「ワイルド・スピード」シリーズのジャスティン・リン。なお、本作は映画「スタートレック」の第13作に当たり、「宇宙大作戦」のリブート作品群「ケルヴィン・タイムライン」シリーズの第3作でもある。


 未知の星に不時着した宇宙船救出ミッションに出発したエンタープライズ号。艦長のカーク(クリス・パイン)は、ある決意を胸に秘めてこのミッションに臨んでいた。しかし、目的地への到着直前、無数の飛行物体の急襲を受け、エンタープライズ号は撃破。仲間は散り散りになってしまう。


 果たして何が起こっているのか?その目的とは…? たった一人で見知らぬ土地に投げ出されたカークの限界を超えた戦いの幕が開く…。


 この映画、脚本の段階から相当“難産”だったようだ。前2作は展開自体がトレッキー寄りの構成になっていたため、ヒットはしたものの、新規ファンの獲得には失敗していた。今回は試行錯誤の末、トレッキーを意識しない作りにして、結果的には大成功だったのではないか。リブート版3作の中では、一番面白い。


 勿論、意識しないとはいっても、未知の惑星探索を展開していく冒険活劇ストーリーや、宇宙空間でのバトルといった、シリーズの定番はキッチリと描かれており、トレッキーを含めファンを裏切っていない。


 監督は、前2作で指揮を執ったエイブラムスが、「スター・ウォーズ」シリーズの撮影で忙しくなったため、製作のみの担当となり、代わって「ワイルド・スピード」シリーズのジャスティン・リンが執っている。この為かどうかは分からないが、仲間との絆や友情といった、「ワイスピ」にも共通するテーマが描かれている。アクションも派手で、まるでSF版「ワイルド・スピード」といっても過言ではない。まさか、SFでバイク・アクションが観られるとは、思ってもいなかったが。自分は3D上映の時間が合わず、2Dで観たのだが、恐らくあの映像なら3D効果も抜群だろう。あるスペースコロニーのような空間を、まるでクローンで撮ったかのような空撮ショットは、3Dで観たら酔っていたかも(笑)。ただ、アクションに重点を置いた分、前2作と比べると、ドラマとしては弱くなった。


 また、長年継続されているシリーズには付き物なのだが、本作の製作に入る直前に、Mr.スポック役で知られたレナード・ニモイ氏が亡くなった。これはもう、今回映画の中でも最大限のリスペクトがなされているのだが、まさか映画の完成直前に、チェコフ役のアントン・イェルチンが事故死する悲劇に見舞われるとは、誰しも思わなかっただろう。ラストシーンでのカークとボーンズが、チェコフの隠し持っていた酒を酌み交わす場面は、イェルチン亡き後に急遽追加撮影されたものなのだ。これを知って観ると、何だか熱いものが込み上げてくる。役と同様に、キャストとスタッフにも揺るぎない友情と絆があるのである。本作から、新たな仲間として女戦士ジェイラ(ソフィア・ブテラ)が加わり、第4作の製作も正式に発表された。単なるリブートにとどまらない、新たな局面を迎えたシリーズの、次なる展開がどうなるか、非常に楽しみである。


私の評価…☆☆☆☆★

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