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2017年4月

2017年4月28日 (金)

キングコング 髑髏島の巨神

キングコング 髑髏島の巨神
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
脚本:ダン・ギルロイ、マックス・ボレンスタイン、デレク・コノリー
原案:ジョン・ゲイティンズ、ダン・ギルロイ
製作:トーマス・タル 他
製作総指揮: エリック・マクレオド、エドワード・チェン
音楽:ヘンリー・ジャックマン
ゴジラ / モスラ / キングギドラ / ラドン原案:東宝

出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):トム・ヒドルストン(GACKT)、サミュエル・L・ジャクソン(手塚秀彰)、ジョン・グッドマン(石住昭彦)、ブリー・ラーソン(佐々木希)、景甜(伊藤静)、トビー・ケベル(小松史法)、ジョン・オーティス(後藤敦)、コーリー・ホーキンズ(杉村憲司)、ジェイソン・ミッチェル(河本邦弘)、シェー・ウィガム(綱島郷太郎)、トーマス・マン(山崎健太郎)、テリー・ノタリー[コングのモーションキャプチャ]、ジョン・C・ライリー(石田圭祐)、ユージン・コルデロ(真壁刀義)、マーク・エヴァン・ジャクソン(伊藤和晃)、リチャード・ジェンキンス(仲野裕)、MIYAVI 他


  〈巨大怪獣 vs 狂人〉


 モンスター映画の人気キャラクター、キングコングと巨大生物が登場し、彼らに襲われた人間たちのサバイバル劇を描くアドベンチャー。歴代シリーズ最大級の体長31.6mというキングコングと対峙する調査隊員として、「マイティ・ソー」のロキ役で知られるトム・ヒドルストンや、「ルーム」のブリー・ラーソンが出演する。


 未知生命体の存在を確認しようと、学者やカメラマン、軍人からなる調査隊が太平洋の孤島「スカル・アイランド(髑髏島)」にやって来る。そこに突如現れた島の巨大なる「守護神」キングコング。島を破壊したことで、「彼」を怒らせてしまった人間たちは究極のサバイバルを強いられる。しかし脅威はこれだけではなかった。狂暴にしてデカすぎる怪獣たちが、そこに潜んでいた。


 この島では、人類は虫けらに過ぎない… そう悟った時は遅かった。なすすべもなく逃げ惑う人間たち。彼らがやがて知ることになる、島の驚くべき秘密とは?


 果たして調査隊は、島から脱出することができるのか…?


 これまでに三度、製作されている(続編や派生作品は除く)キングコング。今作はリメイクではなく新たな解釈で描く。既にアナウンスされている通り、同じレジェンダリー・ピクチャーズで製作された、2014年の「GODZILLA ゴジラ」(ギャレス・エドワーズ監督)と、世界観を同一にした映画である。


 謎の島を舞台に、侵入者である調査隊と、島の守護神コングとの戦いが描かれるのは、これまでと同じだが、前述の通りハリウッド版ゴジラシリーズへと繋がるそのビギニングとなるためか、ニューヨークには行かずにこの島だけでストーリーは進行する。


 また、日本版の美麗なポスター&チラシデザインからは気付かないが、この監督はこの「キングコング」を作るにあたって、ベトナム戦争映画の怪作「地獄の黙示録」を意識したものにした。というのも、海外版のポスタービジュアルでそれが如実に表れており、主人公の名前コンラッドは、「地獄の黙示録」の原作者の名前から、またジョン・C・ライリー扮する第二次大戦帰還兵の名前=マーロウは、「地獄の黙示録」の原作となった「闇の奥」の主人公の名前である。で、カーツ大佐に当たるのが、サミュエル・L・ジャクソン扮する狂人パッカード大佐(笑)。この人、最初からちょっと壊れ気味なのだが、コングによって部隊を壊滅させられ狂ってしまうのだ。最初にとった行動がコングの逆鱗に触れているのにも気付かずに。


 前半は戦争映画のテイストだが、パッカードが狂人と化した後半は一気に怪獣映画に。人間とコング、そして巨大生物との三つ巴の戦いは、手に汗握る展開となり、怪獣映画好きには堪らないものになる。だが、やはり最もボルテージが上がるのは、本編終了後のオマケシーンであろう。公開前に流れた情報から、ある程度推察はできたのだが、居るぞ… 居るゾ! 日本の怪獣ファンなら恐らく誰もが知る、四体の怪獣が! もしや、「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964年)みたいなものを作るのかな? 続編公開予定の2019年が非常に楽しみだ。その1年後には「Godzilla vs. Kong」が予定されている。日本版ゴジラの続編もどうなるのかな、と思うのだが、こりゃ当面楽しみは尽きないね!


私の評価…☆☆☆☆

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2017年4月26日 (水)

SING/シング

SING/シング
SING/シング
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:ガース・ジェニングス
製作:クリス・メレダンドリ、ジャネット・ヒーリー
音楽:ジョビィ・タルボット
主題歌:スティーヴィー・ワンダー feat. アリアナ・グランデ「Faith」
声の出演(吹替版声優):バスター・ムーン…マシュー・マコノヒー(内村光良<ウッチャンナンチャン>)、ミーナ…トリー・ケリー(MISIA)、アッシュ…スカーレット・ヨハンソン(長澤まさみ)、ジョニー…タロン・エガートン(大橋卓弥<スキマスイッチ>)、グンター…ニック・クロール(斎藤司<トレンディエンジェル>)、マイク…セス・マクファーレン(山寺宏一)、ロジータ…リース・ウィザースプーン(坂本真綾)、ミス・クローリー…ガース・ジェニングス(田中真弓)、エディ…ジョン・C・ライリー(宮野真守)、ナナ・ヌードルマン…ジェニファー・サンダース 〈歌〉ジェニファー・ハドソン(大地真央)、ランス…ベック・ベネット(谷山紀章)、ビッグ・ダディ…ピーター・セラフィノウィッツ(石塚運昇)、ベティ…タラ・ストロング(水樹奈々) 他


  〈老若男女問わず楽しめる映画は、そうなかなか無いのだが〉


 動物だけが暮らす、人間世界と似た世界を舞台に、取り壊し寸前の劇場が企てた世界最高の歌のオーディションに参加しようとする、ワケありな動物たちが繰り広げる騒動を描くアニメ。


 動物だけが暮らすどこか人間世界と似た世界。かつては栄えていたにも関わらず、今や客足は途絶え、取り壊し寸前の劇場支配人であるコアラのバスター・ムーン。そんな彼は根っからの楽天家で自分の劇場を何よりも愛し、劇場を守るためなら何でもしようと決心、最後のチャンスとして世界最高の歌のオーディションを開催する。当日、会場にやって来たのは個性溢れる動物たち。貪欲で高慢な自己チューのハツカネズミのマイク、ステージに上がることに恐怖心を持つ内気なティーンエイジャー、象のミーナ、25匹の子ブタたちの育児に追われる主婦のロジータ、ギャングファミリーを抜け出し歌手を夢見るゴリラのジョニー、横柄な彼氏を捨ててソロになるべきか葛藤するパンクロッカー、ヤマアラシのアッシュ、常にパーティー気分の陽気なブタ、グンター…。人生を変えるチャンスを掴むため、5名の候補枠をめぐり動物たちが熱唱、それぞれの歌を披露する…。


 これはもう、音楽映画好きには堪らない映画なのではないか。ストーリーはいたって単純。倒産寸前の劇場支配人でコアラのバスター・ムーンが、起死回生を図って開催する歌のコンテストに、これまたダメな自分を変えたいと願うワケありの動物たちが集い、ピンチを乗り越えて最高のパフォーマンスを披露する。


 この音楽が素晴らしく、懐かしい曲から最近のヒット・ナンバーまで、洋楽なんだけど誰もが聴いたことがある曲ばかり。これにきゃりーぱみゅぱみゅの曲や映画オリジナル曲も加えて約60曲ものナンバーが流れるので、日本人でも大人から子供まで老若男女問わず楽しめるという、ある意味稀有な映画である。


 登場キャラクターもバラエティーに富んでおり、必ず誰かに感情移入できる仕組みになっているし、前向きなストーリーなので、恐らく殆どの人が共感できる映画であろう。大いに笑ってちょっぴり泣ける感動作。今回、吹き替え版もかなり好評らしいが、ラストで公表された続編でも、同じキャストで演じてほしいところだ。


私の評価…☆☆☆☆★

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2017年4月23日 (日)

ホワイト・バレット

ホワイト・バレット
劇場:立誠シネマ
監督:杜琪峰
脚本:游乃海 他
音楽:ザヴィエル・ジャモー
出演:古天樂、趙薇、鍾漢良、林雪 他


  〈三つ巴の心理戦〉


 香港ノワールを代表するジョニー・トー(杜琪峰)監督が、ギャングと警部、医師の駆け引きを活写したサスペンス・アクション。


 警察との銃撃戦中に凶悪強盗団一味のチョン(鍾漢良=ウォレス・チョン)が頭に被弾し、救急病院に搬送されてくる。チャン警部(古天樂=ルイス・クー)らはチョンを厳重に見張り情報を聞き出そうとする。一方、医師トン(趙薇=ヴィッキー・チャオ)は手術の準備をするものの、チョンは人権を主張し、断固拒否。チョンからある電話番号を聞き出したチャン警部がその番号にかけると強盗団につながるが、新たなターゲットに押し入るところであり、警察は慌てて急行する。手術を受けさせようと説得するトンの言葉を受け入れるチョン。しかし彼はこの状況を利用し、仲間に連絡を取るチャンスを伺っていた。そして、チョンを奪還しようとする一味の魔の手が病院に迫る…。


 クライマックスに見られる銃撃戦など、ジョニー・トー監督らしい映画なのだが、プロットがかなり強引で、とっ散らかっている。メイン3人の誰もがまともな行動をとっていないなど、ツッコミどころだらけという映画も、ちょっと珍しい。


 邦題も意味不明。“白い銃弾”… なんじゃ? そりゃ(笑)。原題は“三人行”で、これは論語の“三人行へば、必ず我が師あり”からとられたもの。三人いれば必ず自分の師となる人がいて、それがいい場合はお手本に、悪い場合はその点を改めるように、という意味で、この映画ではその三人にあたる強盗、警察官、医師が心理戦を繰り広げる。確かに原題のままでは、日本人には意味が通りにくいだろうが、かといって内容に合っていない邦題を付けるのは、いかがなものか。ヴィッキー・チャオの声が何故か吹き替え(本人の声ってあんなに低かったっけ?)っぽかったのも、ちょっと残念。


私の評価…☆☆★

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2017年4月22日 (土)

パッセンジャー

パッセンジャー
パッセンジャー
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:モルテン・ティルドゥム
脚本:ジョン・スペイツ
製作:ニール・H・モリッツ 他
製作総指揮:デヴィッド・ハウスホルター 他
音楽:トーマス・ニューマン
日本語吹替版テーマソング:JUJU 「Because of You」
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ジェニファー・ローレンス(水樹奈々)、クリス・プラット(小松史法)、マイケル・シーン(村治学)、ローレンス・フィッシュバーン(玄田哲章)、アンディ・ガルシア 他


  〈アイデアは面白いが完成度はイマイチ〉


 宇宙船を舞台に男女の愛を描く、ジェニファー・ローレンス&クリス・プラット主演のSFラブストーリー。他の乗客より90年も早く冬眠から覚めてしまった男女が、窮地を乗り越えながら愛を深めていく姿がつづられる。


 20XX年。新たなる居住地を目指す“人類移住プロジェクト”として、5000人の乗客<パッセンジャー>を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が地球を出発。目的地の惑星到着まで120年、冬眠装置で眠る安全な旅であった。だが乗客の中で、なぜか二人の男女だけが90年も早く目覚めてしまう…。エンジニアのジム・プレストン(クリス・プラット)と作家のオーロラ・レーン(ジェニファー・ローレンス)は、絶望的状況の中でお互いに惹かれ合っていく。そんななか、彼らはなんとか生きる術を見つけようとするが、予期せぬ出来事が二人の運命を狂わせていくのだった…。


 某シネコン・チェーンでは“SF版「タイタニック」”というような宣伝を打っていたが、完成度は天と地程の差がある。


 到着までの120年間を冬眠装置で眠るはずが、エンジニアのジムと作家のオーロラだけが予定より90年早く目覚めてしまうというアイデア自体は悪くない。登場人物を極力絞って話を単純明快なものにしようとしているのもいいだろう。しかし、最初に目覚めたジムの、ある行為と秘密が重大なキーポイントになっているのだが、そこからサスペンスになっていくと思いきや、単なるラブストーリーになっていくのは、どうか。後半はご都合主義も多く見られ、全体的には単調な物語になってしまった。


 エンド・ロールに、「アンタッチャブル」の頃が懐かしいアンディ・ガルシアの名前が出ていたので、はて、何処に? と思っていたらラストシーンにチラッと出ていた。満面の白い髭面! 彼も還暦越えちゃったんだよなぁ…。


私の評価…☆☆★

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2017年4月18日 (火)

ラ・ラ・ランド

ラ・ラ・ランド
ラ・ラ・ランド
ラ・ラ・ランド
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:デミアン・チャゼル
製作:フレッド・バーガー
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド、ローズマリー・デウィット、フィン・ウィットロック、ジェシカ・ローゼンバーグ、ソノヤ・ミズノ、キャリー・ヘルナンデス、J・K・シモンズ、トム・エヴェレット・スコット、ミーガン・フェイ、デイモン・ガプトン、ジェイソン・ヒュークス、ジョシュ・ペンス 他


  〈納得いかないラスト以外は、全て良し〉


 アカデミー賞で3部門に輝くなど、数々の映画賞を受賞した「セッション」のデミアン・チャゼル監督が、ロサンゼルスを舞台に夢を追う男女の恋を描くミュージカル映画。


 アメリカ・ロサンゼルス。この街には、夢を追いかける人が各地から集まってくる。女優を目指すミア(エマ・ストーン)は映画スタジオのカフェで働きながらオーディションを受け続けているが、落ちてばかりだった。ある日、ふと立ち寄った場末のバーで、ピアノを弾いているセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出会う。彼の夢は、自分の店を持って思う存分本格的なジャズを演奏することだった。恋に落ち、互いに応援しあう二人。しかしセバスチャンが生活のために加入したバンドが売れ、二人の関係が変わってしまう。


 往年のハリウッド・ミュージカルへのオマージュをふんだんに取り入れているということもあってか、一見クラシックな映画に見えるのだが、そう思って観ると思わぬ落とし穴にはまってしまう。


 実に現代的といえば、そうなのかもしれないが、本来のミュージカルといえば、最後まで楽しい“夢物語”になるのが普通である。ところが、この映画はヒロインがパリに去った途端にそれまでの物語が破綻し、完全なハッピーエンドではないオチに。まぁ、フレッド・アステアやジーン・ケリーの時代の映画のテイストを表現したところで、今更ウケることは無いだろうが、さすがにエンドタイトルが出る前に、現実に引き戻すことはしてほしくなかったな。それ以外は、「セッション」の監督らしく音楽もいいし、エマ・ストーンもキュートな魅力全開で素晴らしい。


私の評価…☆☆☆☆★

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2017年4月11日 (火)

チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~

チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~
チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:河合勇人
脚本:林民夫
製作:辻本珠子、下田淳行
音楽:やまだ豊
主題歌:大原櫻子「ひらり」
出演:広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥、真剣佑、柳ゆり菜、健太郎、南乃彩希、大原櫻子、陽月華、木下隆行(TKO)、安藤玉恵、緋田康人、きたろう、天海祐希 他


  〈笑って泣ける、爽やかな青春映画〉


 2009年3月に女子高生チアリーダー部が、本場アメリカのチアダンス選手権大会で優勝を果たした、福井県立福井商業高等学校の実話を映画化。チアダンス初心者の女子高生たちが顧問の女教師のスパルタ指導のもと、次第にチームとしての絆を育み、前代未聞の快挙を成し遂げる。


 中学を卒業した友永ひかり(広瀬すず)は、県立福井中央高校に進学。中学からの同級生の孝介(真剣佑)がサッカー部に入部したことを知り、彼を応援したいためだけにチアダンス部へ入部する。しかしチアダンス部顧問の女教師・早乙女薫子(天海祐希)による「目標は全米大会制覇! おでこ出し絶対! 恋愛禁止!」という超厳しい指導にあたっていた。あまりのスパルタぶりに続々と退部者が出る中、ひかりはチームメイトの同級生・彩乃(中条あやみ)の存在もあり、部活を続けることを決意する。


 チアダンス部は「全米大会制覇」に向かって走り出す。フツーの女子高生たちの夢への挑戦が始まる…。


 これはまた爽やかな、涙あり笑いありの青春映画。勿論、スポ根でもあり仄かなラブシーンもある痛快な映画である。まぁ、実話をそのまま描いているわけではないだろう、多少のデフォルメはあれど、非常に観ていて気持ちのいい映画である。展開がやや強引なのが難点ではあるが、ダンス初心者で笑顔だけが取り柄の主人公を演じる広瀬すずは、文句なしに魅力的だし、他の生徒も皆、個性的でそれぞれに悩みや不安を抱えている。中には下手な仲間を見下す奴もいるが、そういう悪役も分かり易いので、展開が強引であってもドラマとして見やすい。


 もう少しダンスシーンをじっくり見せてほしかったという不満は残るが、ティーン向けの映画としては、上出来な部類に入るのではないか。


私の評価…☆☆☆

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2017年4月 4日 (火)

モアナと伝説の海

モアナと伝説の海
モアナと伝説の海
劇場:MOVIX京都
監督・脚本:ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー
共同脚本:タイカ・ワイティティ、ジャレド・ブッシュ
製作:オスナット・シューラー
音楽:オペタイア・フォアイ、マーク・マンシーナ、リン=マニュエル・ミランダ
主題歌:(英語版)アレッシア・カーラ「How Far I'll Go」 (日本語版)加藤ミリヤ「どこまでも~How Far I’ll Go〜」(アレッシア・カーラのカヴァー)
声の出演(吹替版声優):モアナ…アウリィ・クラヴァーリョ(屋比久知奈)、ベビー・モアナ…ルイーズ・ブッシュ(竹野谷咲)、マウイ…ドゥエイン・ジョンソン(尾上松也)、トゥイ…テムエラ・モリソン〔歌:クリストファー・ジャクソン〕(安崎求)、シナ…ニコール・シャージンガー(中村千絵)、タラ…レイチェル・ハウス(夏木マリ)、タマトア…ジェマイン・クレメント(ROLLY)、ヘイヘイ…アラン・テュディック(多田野曜平) 他

≪同時上映≫短編映画「Inner Workings」


  〈プリンセスであることを否定し恋もしない新たなディズニーのヒロイン〉


 南の島で育ち、“海に選ばれた少女”モアナの冒険を描く、スペクタクル・アドベンチャー映画。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが制作する56作目の映画である。


 数々の伝説が残る島で生まれ育った16歳の美しい少女・モアナは、幼いころのある体験がきっかけで海と運命的な絆で結ばれている。いつしか海に愛されるという特別な力を持つようになったモアナは、世界をひとつにつなぐ大海原へ、神秘に満ちた冒険の旅に出る…。


 南太平洋で語り継がれる神秘的な伝説をもとに、新たなストーリーを紡ぐ本作は、今までのディズニーアニメ同様、壮大な物語だが、本作のヒロインはディズニーアニメとしては珍しく恋に落ちない。ひたすら冒険に突き進む上に、プリンセスであることを自ら否定しているという、今までに無いヒロイン像である。


 だが、それと同時に多感な時期の少女故、将来への不安や悩みも持ち合わせている。途中で出会う半神半人のマウイとは、謂わば相棒のような関係となるのだが、もう1つ、彼女をサポートする役割を持つものがいる。それが何と“海”なのだ。


 勿論、この“キャラクター”は言葉を発することは無い。だが、この波の映像表現が見事というほかなく、最初の導入部から感情や意思が十分伝わってくる。なにやらこの波の表現は、何処かで観た事あるなと思ったら、やはりそうであった。学生の頃に観たジェームズ・キャメロン監督の映画で「アビス」(1989年/エド・ハリス主演)ってのがあったが、あれがモチーフになっている。勿論、あれは実写映画のCGだったのだが、こちらはアニメ。でも、実写と見間違えるほどリアルである。


 どうしても、「アナ雪」と比べられるのは仕方がないところで、やはりアレを超えるものは当面出ないのかなとも思うのだが、主題歌をはじめとするナンバー等、ミュージカルとしても見応えは十分で、また前述の「アビス」など、人気映画からインスパイアされた場面も多く(海賊たちが船で歌い踊る場面は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」!)、一見さんからディープな映画ファンまで、幅広い層に楽しんで戴ける映画である。


私の評価…☆☆☆☆★

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2017年4月 1日 (土)

楊貴妃 Lady Of The Dynasty

楊貴妃 Lady Of The Dynasty
劇場:シネ・リーブル梅田
監督:十慶、張芸謀、田壮壮
脚本:陳汗
製作:春秋鴻文化投資有限公司 他
出演:黎明、范冰冰、陳沖、吳剛、寧靜、吳尊 他


  〈楊貴妃と唐の運命を絢爛豪華に描く〉


 「妻への家路」のチャン・イーモウ(張芸謀)らが監督を務める歴史スペクタクル。尚、本作は2年前に製作された映画であり、日本ではもうすぐ5月にDVDが発売される予定である。日本からは、小栗旬が出演しているらしいのだが、何処に出ているんだか、さっぱり分からん(笑)!


 唐王朝隆盛期。時の皇帝・玄宗(レオン・ライ=黎明)は、戦死者弔いの儀で舞を披露する玉環〔楊貴妃の名 ※貴妃は皇妃としての順位を表す称号〕(ファン・ビンビン=范冰冰)に心を奪われる。その様子に気づいた皇后・武恵妃(ジョアン・チェン=陳沖)は、とっさに彼女は18番目の皇子・寿王(ウー・ズン=吳尊)の妃になる娘だと嘘をつく。後日、王宮に召し上げられた玉環は、その美貌と天真爛漫な性格により宮中で愛され、寿王の妃として優雅な日々を享受していた。そんななか、武恵妃の謀略で皇太子が死罪となり、次期候補に寿王の名が上がり始めると、強大な権力を誇る皇帝の座を巡り、王宮は憎悪と策略そして愛憎に血塗られていくのだった…。


 これは今年の「未体験ゾーンの映画たち」で、唯一観たかった映画。日本公開版チラシでは張芸謀と范冰冰が強調されていたが、監督は実質三人の共同監督で、范冰冰はタイトル・ロールを演じているが、主演は黎明である。


 張芸謀が絡んでいるだけあって、冒頭から壮大なスケールの映像が楽しめる。だが、そのわりにストーリーの方はいたって平凡。楊貴妃といえば、一般的には悪女として有名なのだが、本作では虚実混交で、ひたすら美しく儚く描くことに徹している。


 アクションシーンも張芸謀の映画にしては少なめ。玄宗との純愛を中心に描いているので仕方がない面もあるが、活劇といえる部分は裏切られてから国が滅んでいくクライマックス以降しかなく、そこに至るまで話も淡々と進むので、正直武侠映画のようなアクションを期待している人には不向きである。


 それにしても范冰冰にはこういう時代ものの映画がよく似合う。もう十年以上前になるが、「スター・ウォーズ」を武侠映画風にパロディー化した「花都大戦 ツインズ・エフェクト2」(2004年/香港/主演:蔡卓妍〈シャーリーン・チョイ〉、鍾欣潼〈ジリアン・チョン〉)で、初めて見た時に、アクションもできて凄くキレイな女優さんだなと思っていたが、まだまだ美しさは健在である。出来れば僕も、もうちょっとアクションが観たかったナ。


私の評価…☆☆★

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