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2017年6月

2017年6月29日 (木)

20センチュリー・ウーマン

20センチュリー・ウーマン
20センチュリー・ウーマン
20センチュリー・ウーマン
劇場:MOVIX京都
監督・脚本:マイク・ミルズ
製作:アン・ケアリー 他
音楽:ロジャー・ネイル
出演:アネット・ベニング、グレタ・ガーウィグ、エル・ファニング、ルーカス・ジェイド・ズマン、ビリー・クラダップ、アリア・ショウカット、ダレル・ブリット=ギブソン、テア・ギル、ローラ・ウィギンス、ナタリー・ラヴ、ワリード・ズエイター、アリソン・エリオット 他


  〈女性3人が何といっても魅力的〉


 自身のゲイの父親をモデルにした「人生はビギナーズ」で世界中から注目を浴びたマイク・ミルズ監督による人間ドラマ。今度は自身の母親をテーマに、少年と母親との絆が描かれる。


 1979年、カリフォルニア州南部にある町サンタバーバラ。一人で息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)を育てるドロシア(アネット・ベニング)は、15歳になり思春期を迎える彼をどう教育したらいいか頭を悩ませていた。そこで、ルームシェアするパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)とジェイミーの幼馴染で友達以上恋人未満の関係にあるジュリー(エル・ファニング)に、彼の成長を手助けしてほしいと願い出る。時代の転換期を生きる彼女たちとジェイミーの特別な夏がはじまる…。


 これはまた、1970年代に青春を謳歌していた世代には、ノスタルジーが感じられる映画なのではないか。監督の半自伝的な映画なので、彼が影響を受けたカルチャーや時代背景が描かれ、ちょっぴりビターな青春映画になっている。


 特に、思春期男子の人格形成に絡む、過去・現在・未来を表す各世代の3人の女性像が鮮やかである。その中でもちょっと変わった母親を演じるアネット・ベニングが良い。彼女が演じるシングルマザーのドロシアは、40歳の時という、当時としては超高齢出産で産んだ15歳の息子ジェイミーの教育に迷い、20代の貸借人アビーと、息子の幼馴染みジュリーに助けを求めるのだが、この3人に同居人のウィリアムおじさんを加えた上でのジェイミーとの関係を通して、ウーマンリブ等のフェミニズムに代表される1970年代から軽薄な80年代へと移り変わるその間の時代を切り取っていく。ジェイミー目線で見れば、10代特有の不安や性に対する悩みなどを、この3人の女性たちは時に失敗しながらも、ちゃんとした方向に導いていく。当時を代表する音楽も効果的に使われていて、これは監督の少年時代を描く青春映画であると共に、フェミニズムの時代を生きる3世代の女性を描く女性映画であった。


私の評価…☆☆☆☆

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2017年6月25日 (日)

〈午前十時の映画祭8〉 アンタッチャブル(1987年)

〈午前十時の映画祭8〉 アンタッチャブル(1987年)
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:デヴィッド・マメット
原作:オスカー・フレイリー
製作:アート・リンソン
音楽:エンニオ・モリコーネ
衣装:ジョルジオ・アルマーニ
出演:ケヴィン・コスナー、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、チャールズ・マーティン・スミス、ロバート・デ・ニーロ、ビリー・ドラゴ、リチャード・ブラッドフォード、ジャック・キーホー、ブラッド・サリヴァン、パトリシア・クラークソン 他


  〈男たちが皆、カッコいい〉


 1930年代のシカゴを舞台に、アメリカ支配を企む暗黒街の男アル・カポネと、彼に立ち向かう若き財務官の戦いを描く。


 1930年。エリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)が、財務省から、ここシカゴに特別調査官として派遣されてきた。禁酒法下のシカゴでは、ギャングたちの縄張り争いが次第にエスカレートし、マシンガンや手榴弾が市民の生活を脅やかしていた。中でもアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)のやり方はすさまじく、シカゴのボスとして君臨していた。カポネ逮捕の使命感に燃えるネスは、警察の上層部にも通じているカポネがそう簡単には手に落ちないことを実感する。彼には部下が必要だった。そんな彼に、初老の警官ジミー・マローン(ショーン・コネリー)が協力することになる。多くの修羅場をくぐってきたマローンから、ネスは多くのことを学んだ。家族を愛するネスにとって、独身の仲間は好ましかった。家族を危険にさらされるのはネスには耐えられないことだ。やがて、警察学校からの優秀な若者ジョージ・ストーン(アンディ・ガルシア)がスカウトされてやってくる。さらに本省からは、ネスの部下としてオスカー・ウォレス(チャールズ・マーティン・スミス)が派遣されてくる。巨大なシンジケートをかかえるカポネと、ネスら4人との対決が始まった。最初の摘発は郵便局だ。彼ら4人が散弾銃を片手に摘発し、翌日の新聞では、初めての大量逮捕を大きく取り上げ、彼らは“アンタッチャブル”(手出しのできぬ奴ら)という異名を馳せる。だが、そのことは、カポネの怒りを買い、カポネの右腕と呼ばれる殺し屋フランク・ニティ(ビリー・ドラゴ)がネスの身辺に現われる。妻キャサリン(パトリシア・クラークソン)と愛娘の安全を苦慮したネスは家族を直ちに脱出させた。アンタッチャブルの捜査は続き、ネスは、シンジケートの帳簿を手に入れる。それこそカポネに致命的なダメージを与える証拠となるものだった。しかし肝心の部分は判読出来ない暗号になっていた。彼らの執拗な捜査に怒るカポネはアンタッチャブルを抹殺することを命令する。告訴の準備が行なわれている間、エレベーターの中でウォレスと証人が殺された。やがて帳簿係をマローンがつきとめるが、その直後、マローンが殺された。深夜の駅。ついに証人が現われた。しかしその直後、激しい銃撃戦が展開され、彼は死んだ。シカゴ最大の贈賄事件に発展したこの裁判の判決の日。カポネはなぜか余裕たっぷりだ。賠審員全員がカポネに買収されていたのだ。愕然とするネス。しかし、最後まで彼は諦めない。ジョージはネスに殺し屋のニティがマローンを殺したのだと告げ、彼の持ち物からその証拠を見つける。裁判所のらせん階段の上に逃げるニティ。ついにニティを倒したネスは、さらに裁判長に、買収されている賠審員たちを全員変えることを希望する…。


 今回の「午前十時の映画祭」で一番観たかったのがコレ。既にTV等では何度も観ていたのだが、スクリーンでは初めてなのだ。それもそのはず、この映画が公開されたのは1987年だから、もう30年も前なのである。当時中学生だったので、既に映画鑑賞は年間50本弱は観ていたはずだが、何故か本作はスクリーンでは観ていなかった。今回のこういう形で観られたのは嬉しい。


 とにかく出ている男たち皆がカッコいい。1930年代という時代の雰囲気にもよるのだろうが、“キザ”でも“ダサく”もなく、実にお洒落なのである。


 中でもマローン役のショーン・コネリーと、アル・カポネを演じたロバート・デ・ニーロは、主役のケビン・コスナーを差し置いて、圧倒的な存在感がある。オペラ「道化師」のアリアを聴きながら涙を流し、部下からマローンの死の報に会心の笑みを浮かべる表情は鬼気迫るものがあり、映画の名場面である。


 この映画の名場面といえばもうひとつ、それはやはりシカゴ・ユニオン駅でのカポネ一派との銃撃戦であろう。当初この場面は用意されておらず、列車に乗ってから車内での格闘が予定されていたらしい。ところが予算オーバーとなったことで急遽、駅構内での撮影となったようである。もしも当初の計画通りに撮影されていたら、本作は名作となり得ていただろうか。この場面があったからこそ、コッポラの「ゴッドファーザー」やセルジオ・レオーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」と並ぶ、クライムムービーの名作となったのだと思う。


私の評価…☆☆☆☆★

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2017年6月24日 (土)

夜に生きる

夜に生きる
劇場:MOVIX京都
監督・脚本:ベン・アフレック
原作:デニス・ルヘイン「夜に生きる」
製作:レオナルド・ディカプリオ 他
製作総指揮:クリス・ブリガム 他
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:ベン・アフレック、エル・ファニング、ブレンダン・グリーソン、クリス・メッシーナ、シエナ・ミラー、ゾーイ・サルダナ、クリス・クーパー、ロバート・グレニスター、タイタス・ウェリヴァー、クリス・サリヴァン、ミゲル、デレク・ミアーズ、アンソニー・マイケル・ホール、マックス・カセラ、クラーク・グレッグ、クリスチャン・クレメンソン 他


  〈展開はやや雑だが、実力派俳優達の演技に助けられた〉


 「ミスティック・リバー」など数々の映画化作で知られるデニス・ルヘインが、2012年に発表しその年度のエドガー賞で長編賞を授賞した犯罪小説を、ベン・アフレックが監督&主演を務めて映画化したクライム・サスペンス。


 1920~30年代の禁酒法時代のアメリカ・ボストン。ボストン警察の幹部を父親に持ち、厳格な家庭に育ったジョー(ベン・アフレック)は、父に反発して仲間と強盗を繰り返していた。街ではギャングの2大勢力が対立していたが、誰にも支配されたくないジョーは組織に入る気などなかった。しかし、一方のボスの愛人エマ(シエナ・ミラー)と出会い、恋に落ちる。欲しいものをすべて手に入れるには、ギャングとしてのし上がるしかない。こうしてジョーの人生は激変するのだった…。


 ベン・アフレック監督作といえば、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」(2007年・日本では劇場未公開)、「ザ・タウン」(2010年)、「アルゴ」(2012年)の3作があり、どれも高評価なのだが、これはいたって普通の映画。


 実は原作小説は歴史大作「運命の日」の続編という位置付けで、三部作の第二部となっており、第三部「過ぎ去りし世界」へと繋がっていく。「運命の日」が映像化されていないため、原作エピソードの取捨選択がし難かったのだろうか、展開が早いのはいいのだが、ナレーションで飛ばしていることが多く、詰め込みすぎで逆に描き足りない感じがする。


 ただ、そういった欠点を差し引いても、本作が重厚なサスペンスに仕上がっているのは、実力派俳優達による演技に尽きる。中でも、ハリウッドでの映画女優を夢見るものの、闇の魔の手に引っ掛かりポルノ産業へと堕ちてしまう美少女ロレッタを演じたエル・ファニングは、彼女自身としても今までのキャリアの中でも最大の難役に挑んだのではないか。騙されて傷つけられ、自分の受けた悲劇を試練とし、それを武器に理論武装して民衆を煽動するという、美しくも脆い女性を熱演している。さすがにヌードまでは見せなかったものの、既に姉ダコタのキャリアを超えているような雰囲気を携えていて、ここからどういうふうに、大人の役へと脱皮していくのか、非常に楽しみである。


私の評価…☆☆☆★

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2017年6月22日 (木)

破裏拳ポリマー

破裏拳ポリマー
破裏拳ポリマー
劇場:梅田ブルク7
監督:坂本浩一
脚本:大西信介
原作:タツノコプロ
製作:堀内大示 他
音楽:坂部剛
主題歌:グッドモーニングアメリカ「悲しみ無き世界へ」
挿入歌:流田Project「戦え!ポリマー」
出演:溝端淳平、柳ゆり菜、原幹恵、山田裕貴、佃井皆美、出合正幸、中村浩二、神保悟志、長谷川初範 他


  〈この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!〉


 1974年にNET日本教育テレビ(現・テレビ朝日)で放送され、人気となったタツノコプロによる格闘アクションヒーロー「破裏拳ポリマー」を、溝端淳平主演で実写映画化。探偵で破裏拳流という拳法を操る主人公・鎧武士が正義のために戦う姿を描く。


 過激化し増え続ける組織犯罪に対抗するため、警視庁と防衛省は極秘裏に提携し、重火器の無効化、組織に対する単体での攻撃力、機動力を兼ね備えた特殊装甲スーツ“ポリマースーツ”を開発した。しかし当時の警視総監は、軍隊をも破壊できる絶大な力を手にすることを危険視し、開発の中止を命令、すでに完成していたポリマースーツはその力を封印された。数年後、新たに就任した警視総監(神保悟志)の指示で、ポリマースーツの開発が再開される。だが、テスト版ポリマースーツのうち3体が盗まれ、その強大な力を使った犯罪が多発する。悪用されるポリマースーツを取り戻すには、完全版である封印されたオリジナルの紅きポリマースーツを使うしかない。しかし、その封印を解き、最強のポリマースーツを起動させられるのは、世界でただ一人の人物の持つ特定の声によるダイアローグコードだけだった。刑事部長の土岐田(長谷川初範)は、最強拳法・破裏拳の唯一の継承者でありながら元ストリートファイターで、今は探偵をしている鎧武士(溝端淳平)に捜査の協力を求める。実は彼こそ、ポリマースーツを起動させることができる声の持ち主だった。武士は大の警察嫌いだったが、ポリマースーツの研究者・稗田玲(原幹恵)の魅力に惹かれ、協力を承諾する。相棒は心優しき新米刑事の来間譲一(山田裕貴)、助手は事務所の大家であり自称・探偵助手の南波テル(柳ゆり菜)だ。そんななか、事件が起こる。なぜ自分の声がダイアローグコードなのか分からないままポリマースーツを起動させる武士だったが、その力を目の当たりにする。ポリマースーツが破裏拳の破壊力を増大させ、無敵のヒーローになったのだ。捜査を進めるにつれ裏切りと過去の秘密が明らかになっていき、世界をも転覆させる巨大な陰謀が暴かれていく。そして、紅きポリマースーツに隠された謎とは…?


 アニメ版とは違って“アメホン国”設定が無いオリジナル・ストーリー。実写となると、少しは現実感を出さないと合わないので、この設定変更は吉。なかなか面白い。


 アニメ版はコミカルだったような気がするが、この実写版のテーマや内容はかなりハードなもので、奪われたテスト版ポリマースーツを巡る騒動を通して、過去からの因縁と真の正義とは何かを描く。


 監督がスタントマン出身の坂本浩一なので、アクションシーンがかなり多い代わりにドラマ部分が薄いのが残念ではあるが、最近の戦隊モノ映画のように、話の流れが単調になっておらず、失敗作の多いヒーローアニメの実写版のなかでは、これはかなり良い出来なのではないか。自分が観に行った時、館内はガラガラで、興行的には残念ながら失敗しているっぽいが、アニメ版を知る大人にも、それを知らない今の子供にも楽しめる要素は十分にあると思う。


私の評価…☆☆☆

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バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート

バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート
劇場:シネ・リーブル梅田
監督:パコ・カベサス
脚本:マックス・ランディス
製作:マイケル・A・ヘルファント 他
製作総指揮:ウィリアム・C・ギャロ 他
音楽:アーロン・ジグマン
出演:アナ・ケンドリック、サム・ロックウェル、ティム・ロス、ジェームズ・ランソン、アンソン・マウント、マイケル・エクランド、RZA 他


  〈アナの猫耳姿はもっと観たかった〉


 「ピッチ・パーフェクト」シリーズのアナ・ケンドリックがアクションに挑戦した活劇ラブコメディ。理想的な男性フランシスと恋に落ちたマーサ。しかし彼の正体は方々から命を狙われるヒットマンで、付き合ううちにマーサは殺し屋としての才能に目覚めていく。アナ・ケンドリックがダメ男ばかりに引っかかるマーサに扮するほか、依頼人を殺してしまう伝説のヒットマン=フランシスをサム・ロックウェルが演じる。


 ダメ男と付き合っては失恋してばかりいる一風変わった女の子マーサ(アナ・ケンドリック)は、ある日、まさに理想の男性像そのもののフランシス(サム・ロックウェル)と出会う。たちまち恋に落ちる二人。しかしフランシスの正体はヒットマンだった。人殺しが許せず依頼人を殺してしまう風変わりな彼は世界中の殺し屋から狙われており、そんな彼と一緒にいるうちにマーサは自分でも気づいていなかった最強の殺し屋としての天賦の才を開花させていく…。


 同じイタい女を観るんなら、「スウィート17モンスター」なんかより、ひたすら明るいこちらの方がお薦めである。如何にもB級っぽい邦題から、あまり期待しないで観たのだが、これは思わぬ拾い物。


 話は何処にでもいる、でもちょっと風変わりな女の子が敏腕の殺し屋として覚醒するという、有り得ないドタバタ劇だが、結構これが笑えるコメディになっている。サム・ロックウェルのダンスのようなアクションもなかなか面白いのだが、猫耳姿のアナ・ケンドリックが可愛い過ぎて堪らない。実にくだらない話なのだが、たまには頭ン中カラッポにして映画を観るのも良かろう。


私の評価…☆☆☆

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2017年6月16日 (金)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:ジェームズ・ガン
製作:ケヴィン・ファイギ
製作総指揮:ルイス・デスポジート、スタン・リー 他
音楽:タイラー・ベイツ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):クリス・プラット(山寺宏一)、ゾーイ・サルダナ(朴璐美)、デビッド・バウティスタ〔ドラックス・ザ・デストロイヤーの声〕(楠見尚己)、ヴィン・ディーゼル〔グルートの声〕(遠藤憲一)、ブラッドレイ・クーパー〔ロケットの声〕(加藤浩次)、マイケル・ルーカー〔ヨンドゥ・ウドンタの声〕(立木文彦)、カレン・ギラン(森夏姫)、ポム・クレメンティエフ(秋元才加)、エリザベス・デビッキ(魏涼子)、クリス・サリヴァン(廣田行生)、ショーン・ガン(土田大)シルヴェスター・スタローン(ささきいさお)、カート・ラッセル(金尾哲夫)、トミー・フラナガン(隈本吉成)、ローラ・ハドック(宮島依里) 他

〔カメオ出演〕セス・グリーン(ハワード・ザ・ダックの声)(伊丸岡篤)、マイケル・ローゼンバウム(椙本滋)、ヴィング・レイムス(藤井隼)、ミシェル・ヨー(きそひろこ)、マイリー・サイラス、ジェフ・ゴールドブラム(11月公開予定の「マイティー・ソー バトルロイヤル」のキャラ=グランドマスターとして登場)、デビッド・ハッセルホフ(ささきいさお)、スタン・リー(高桑満)


  〈ファミリーの“絆” 意外なキャラが感動を誘う〉


 マーベルのキャラクターの中でも最もユニークなヒーロー・チーム、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの活躍を描く、人気シリーズの第2弾。「マーベル・シネマティック・ユニバース」に属するシリーズとしては15作目の映画である。


 “スター・ロード”ことピーター・クイル(クリス・プラット)をリーダーに、凶暴なアライグマのロケット、マッチョな巨漢ドラックス(デイヴ・バウティスタ)、ツンデレ暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)など、偶然出会って勢いで結成された宇宙のはみ出し者チーム“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”。小遣い稼ぎに仕事を引き受けた彼らは、なぜか“黄金の惑星”の艦隊から総攻撃を受け、宇宙船ミラノ号は壊滅寸前に。間一髪、ガーディアンズを救ったのは、“ピーターの父親”を名乗る謎の男エゴ(カート・ラッセル)と、触れただけで感情を読み取れるマンティス(ポム・クレメンティエフ)だった。仲間からの忠告にも関わらず、次第にエゴに魅了されていくピーター。その姿を目にしたチームの間には、亀裂が生じてゆく。そこへ、ピーターの育ての親ヨンドゥ(マイケル・ルーカー)率いる宇宙海賊の襲撃が。さらに、銀河全体を脅かす恐るべき陰謀が交錯してゆく。果たして、ピーターの出生に隠された衝撃の真実とは? ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは、失われた絆を取り戻し、銀河を救うことが出来るのか? その運命の鍵を握るのは、チーム一小さくてキュートな、ガーディアンズの最終兵“木”グルートだった…。


 前作同様、単純に理屈抜きで楽しめる映画。スタッフ・キャストともほぼ続投で、ドラマとしても広がりを見せている。ただ、キャラクター紹介などはしないので、前作を観ていることは必須条件だ。


 今回はピーターの出自が幹になっていて、前作で生き延びた理由が明らかとなる。前作で主人公クィルの母親は、彼が幼少時に亡くなった地球人だが、父親の存在が謎となっていた。今回、カート・ラッセル扮するエゴというキャラクターが現れ、父親と名乗り出るのだがコイツが曲者で、自分自身の種を銀河中の惑星に植え、宇宙全体を自分と同化してしまおうとする。それで各惑星の生物と子供を作り、手伝わせようとするが、クィル以外は自分の力を受け継げなかったので、皆殺しにしてしまう。そして計画の邪魔になるからと、クィルの母を病気にして殺し、息子の回収をヨンドゥに依頼するが、裏切られてしまって今に至るというわけである。結果として、クィルは生みの親と育ての親ヨンドゥとの間で苦悩し葛藤する姿が描かれるのだが、あくまでもノリは軽いのだ。ヨンドゥは前作では単なる小悪党扱いだったので、こんなまさかの展開になるとは思っていなかった。


 そして、今回も「ナイトライダー」や「メリーポピンズ」など、若い者が知らなさそうな、おっサン向け映画ネタが豊富。スタン・リー爺さんも相変わらず元気(笑)。「アベンジャーズ」との直接的な繋がりはまだ薄いが、現時点で共通の敵の名が出てくる等、“マーベル・シネマティック・ユニバース”を追い続ける為には、やはり観ておかないといけない。しつこいくらいに流れるオマケ映像も必見である。


私の評価…☆☆☆★

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2017年6月10日 (土)

スプリット

スプリット
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本・製作:M・ナイト・シャマラン
共同製作:ジェイソン・ブラム、マルク・ビエンストク
音楽:ウェスト・ディラン・ソードソン
出演:ジェームズ・マカヴォイ、アニャ・テイラー=ジョイ、ジェシカ・スーラ、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ベティ・バックリー、M・ナイト・シャマラン、ブルース・ウィリス(カメオ出演) 他


  〈シャマランっぽさを極力抑えたら、久々に良作になった〉


 衝撃的なストーリー展開がウリのM.ナイト・シャマラン監督によるサスペンス・スリラー。23もの人格を持つ謎の男に誘拐・監禁された3人の女子高生たちの運命や如何に?


 女子高生ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)は、級友クレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン)のバースデー・パーティーに招かれ、その帰り、クレアの親友マルシア(ジェシカ・スーラ)と共に家まで車で送ってもらう。だが突如見知らぬ男(ジェームズ・マカヴォイ)が車に乗り込み、3人は眠らされ、拉致されてしまう…。


 目覚めるとそこは殺風景な密室。やがてドアを開けて入ってきた男は神経質な雰囲気を漂わせていた。このままでは命が危ない。どうすれば脱出できるのかと3人が頭をひねっていた矢先、扉の向こうからさっきの男と女性の声が聞こえる。「助けて!」と叫ぶ少女たち。しかし姿を現したのは、女性の洋服を着て、女性のような口調で話す男だった。「大丈夫、彼はあなたたちに手を出したりしないわ」絶句する少女たちに、今度は屈託なく「僕、9歳だよ」と男は話かける。実は彼は23もの人格を持っており、DID<解離性同一性障害>で精神医学を専門とする女医フレッチャー(ベティ・バックリー)のセラピーを受けていたのだった。密室で3人の女子高生 VS 23人の人格の熾烈な攻防が繰り広げられる中、男にもうひとり“24人目”の人格が生まれようとしていた…。


 このところ不振続きだったシャマラン監督、久々の快作である。23人の多重人格という設定は一見突拍子もないもののように思えるが、24人の人格を持ったビリー・ミリガンが実在したのを考えると、決して絵空事ではない。残念ながら時間的な都合からか、8人の人格しか出てこないのは拍子抜けしたが、その8人をほぼ特殊メイクなしで演じたジェームズ・マカヴォイの演技力には、終始圧倒されっぱなしであった。


 誘拐された3人の女子高生と、多重人格の犯人。監禁された部屋からどうやって脱出するのか、そしてクライマックスまで明かされない謎の24人目の人格とは何か。シャマランお得意(?)の超自然的な要素も、今回はやり過ぎずちょうど良い感じである。話の方もメインとなる話に、内向的なヒロイン=ケイシーが背負ってしまった過去のトラウマを絡め、男に対峙していく様はなかなかサスペンスフルだし、この2つの話の収束も上手くまとめてある。


 そしてクライマックス以降は“シャマラン節”が炸裂(笑)。その24人(?)目となる人格は、最早悪ノリに近く(いや、本当にあるのかも知れないが)、怖いやら可笑しいやら。ラストで唐突に出てくるアノ人の登場で、17年前の映画との繋がりが出てくるという仕掛けも楽しく、その映画と今作の世界観を統一させた次回作「Glass(原題)」(2019年1月全米公開予定)も今から楽しみである。


私の評価…☆☆☆★

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2017年6月 8日 (木)

ワイルド・スピード ICE BREAK

ワイルド・スピード ICE BREAK
ワイルド・スピード ICE BREAK
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:F・ゲイリー・グレイ
脚本:クリス・モーガン
製作:ニール・H・モリッツ 他
製作総指揮:アマンダ・ルイス  他
音楽:ブライアン・タイラー
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ヴィン・ディーゼル(楠大典)、ドウェイン・ジョンソン(小山力也)、ジェイソン・ステイサム(山路和弘)、ミシェル・ロドリゲス(甲斐田裕子)、タイリース・ギブソン(松田健一郎)、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス(渡辺穣)、ナタリー・エマニュエル(坂本真綾)、エルサ・パタキー(坂井恭子)、カート・ラッセル(大塚芳忠)、シャーリーズ・セロン(田中敦子)、スコット・イーストウッド(小野大輔)、クリストファー・ヒヴュ(高木渉)、ジャンマルコ・サンティアゴ(福山潤)、パトリック・セント・エスプリト(岡井カツノリ)、ルーク・ホークス(こばたけまさふみ)、エデン・エストレヤ(宇山玲加)、セレスティーノ・コニーエル(俊藤光利)、オレク・クルパ、テゴ・カルデロン、ドン・オマール(吉村昌広)、ルーク・エヴァンズ(東地宏樹)、ヘレン・ミレン(沢田敏子)、リサンドラ・デルガド(瑛茉ジャスミン) 他


  〈完結編までこのまま突っ走ってほしい〉


 ド迫力のカーアクションがウリのヴィン・ディーゼル主演の人気アクションシリーズ第8弾。


 長い逃亡生活と史上最悪の敵との激しい戦いを終え、ドミニク(ヴィン・ディーゼル)、レティ(ミシェル・ロドリゲス)、ローマン(タイリース・ギブソン)ら、固い絆で結ばれた“ファミリー”は、束の間の日常を楽しんでいた。だが、その平穏を破ったのは、誰よりもファミリーを大切にしてきたはずのドミニクのまさかの裏切りだった。予想外の事態によって投獄されるホブス(ドウェイン・ジョンソン)。崩壊の危機に直面するファミリーだったが…。


 2021年公開予定の第10作で完結する事が発表されたため、シリーズ最終章三部作の一作目となる。ポール・ウォーカーの事故死という悲劇を乗り越えた前作は、実に見事な出来だったが、まさかそこからまだ続くとは思っていなかった。しかも更にハイテンションな仕上がりになっている。


 今回はドムがファミリーを裏切るという、まさかの展開。勿論、訳ありなのだが、仲間たちはドムを信じて彼を取り戻すために戦いつつ、天才ハッカーが仕掛ける最悪のテロに立ち向かう。はっきり言えば、設定はムチャクチャ、ストーリーはツッコミどころ満載なのだが、なぜかこのシリーズはそれが許せてしまう(笑)。


 また、ドムがブライアンの手法で窮地を脱したり、ラストのセリフ等にポール・ウォーカーへの哀悼が込められており、前作に続きブライアンへの“愛”が込められたものになっている。冒頭でストリート・レースをやったりと原点回帰しつつ、新たな着地点へと到達する本シリーズ。後2作のカウントダウンは些か寂しい気もするが、できればこのテンションを維持したまま作ってほしい。


私の評価…☆☆☆★

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2017年6月 1日 (木)

スウィート17モンスター

スウィート17モンスター
劇場:京都シネマ
監督・脚本:ケリー・フレモン・クレイグ
製作:ジェームズ・L・ブルックス 他
音楽:アトリ・エルヴァーソン
出演:ヘイリー・スタインフェルド、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ブレイク・ジェンナー、ウディ・ハレルソン、キーラ・セジウィック、ヘイデン・ゼトー、エリック・キーンリーサイド、レイン・マクニール、ケイティ・スチュアート、アレクサンダー・カルヴァート、メレディス・モンロー 他


  〈こじらせ女子のイタイ日常〉


 「トゥルー・グリット」(2010年)でアカデミー賞にノミネートされたヘイリー・スタインフェルドが悩める少女を演じた青春コメディ。


 17歳の高校生ネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)は、まだキスもしたことなく、イケてない日々を過ごしている。恋に恋し、空まわりしては教師のブルーナー(ウディ・ハレルソン)や情緒不安定な母親(キーラ・セジウィック)を困らせていた。たった一人の親友クリスタ(ヘイリー・ル・リチャードソン)が心の拠り所だったが、優秀で人気者の兄ダリアン(ブレイク・ジェンナー)とクリスタが恋に落ち、一人取り残されたような気持ちに。そんな彼女は、あるとんでもない行動に出る…。


 一応コメディであることはわかるのだが、はっきり言えば、こじらせ女子のイタい話を約2時間観させられるわけで、多分男性が観ても殆ど面白くないのでは。女性だったら共感できる部分は幾らでもあるのだろうが、男性目線だと単なる“嫌な奴”にしか見えず、周りの男性全てが悪者扱いにされているような描かれ方には、不快感を覚えた。


 ヘイリー・スタインフェルドは「トゥルー・グリッド」(2010年)で、当時13歳ながら数々の映画賞を受賞し、アカデミー助演女優賞にノミネートされ、最近では「ピッチ・パーフェクト2」で歌唱力も認められ歌手デビューする実力の持ち主で、本作での演技も上手さを発揮。もしかすると、女性の共感を得るのは狙いだったのかもしれないが、観ている限り、完全な女性向きの映画というふうにはちょっと思えず、その辺のズレ感が、アメリカでは多くの批評家が賞賛したにも関わらず、興行的には大コケした(つまり批評家と一般大衆の感覚が全く違っていた)原因の1つなのだろう。こんなにしょーもない映画を観たのも久しぶりである。


私の評価…☆

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