« 美しい星 | トップページ | 封神伝奇 -バトル・オブ・ゴッド- »

2017年7月15日 (土)

22年目の告白 -私が殺人犯です-

22年目の告白 -私が殺人犯です-
22年目の告白 -私が殺人犯です-
劇場:MOVIX京都
監督:入江悠
脚本:平田研也、入江悠
原案:韓国映画「殺人の告白」(2012年)より
製作:北島直明、小出真佐樹
製作総指揮:門屋大輔、安藤親広
音楽:横山克
主題歌:感覚ピエロ「疑問疑答」
出演:藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平、石橋杏奈、竜星涼、早乙女太一、平田満、岩松了、岩城滉一、仲村トオル 他


  〈この時期、このタイミングだからこそできたリメイク〉


 2012年の韓国映画「殺人の告白」の日本版リメイク。オリジナル版は、韓国史上最初の連続殺人として有名な“華城連続殺人事件”をモチーフにして製作された「殺人の追憶」(2003年)にインスピレーションを得て製作されている。


 かつて5人の命が奪われ、未解決のまま時効を迎えた凄惨な連続殺人事件。その犯人が、事件から22年後、突然自ら名乗り出てくる。盛大に開かれた記者会見場に現れたのは、自身の告白本を手に、不敵な笑みを浮かべる曾根崎雅人(藤原竜也)という男だった。素顔をカメラの前にさらし、肉声で殺人を告白する曾根崎の登場にネットは熱狂。賛否両論を巻き起こしつつ、その告白本はベストセラーとなる。曾根崎の派手な行動は、それだけでは終わらなかった。マスコミを伴った被害者遺族への謝罪、執念深く事件を追い続ける刑事・牧村(伊藤英明)への挑発、そしてサイン会まで…。彼の行動のすべてがあらゆるメディアを通じて発信され、SNSで拡散してゆく。だがそれは、日本中を巻き込んだ新たな事件の始まりだった…。日本中を釘付けにした告白の行方は? やがて事件は意外な展開を見せるが…。


 韓国映画の日本版リメイクというと、「怪しい彼女」(2016年)ぐらいしかヒットしていないような気がするが、久々に面白い映画が出てきた。ただ、基本的にオリジナル版を踏襲しているようだが、日本と韓国では当然刑法が違うため、日本の刑法や倫理に則した構成になっている。


 その中でもやはり一番の違いは、やはり2010年の刑法改正が盛り込まれていることだろう。それをきっかけに日本では、死刑に相当する殺人に関しては、時効が適用されなくなった。と、同時にその適用・不適用の境目となる1995年がどうしてもクローズアップされることとなる。この年は、年明け早々に“阪神淡路大震災”が起き、その約2か月後には“地下鉄サリン事件”が起こるなど、日本人にとって忘れることのできないことがいくつも起こった年である。映画はこの時代の澱んだ空気感をざらついた映像で巧みに写し出すことで、設定の改変もスムーズに話の中に落とし込んだ。


 それに、現実の日本ではその2年後に起きた“神戸連続児童殺傷事件”、世にいう“酒鬼薔薇事件”の犯人、通称・少年Aが本を出版したということもあり、冒頭で曾根崎が本の出版会見を行う場面の描き込みは、SNSでの拡散や、抗議デモなど現実に起こり得るパニックをかなり徹底して描きこんでいる。全体的に見ても、37回も改稿されたといわれる脚本は、練りに練り上げられており、ラストのどんでん返しに繋がる伏線の張り方も見事。そのラストが描き足りない感じがあるのが残念ではあるが、かなりよくまとまった映画になっている。


私の評価…☆☆☆☆

|

« 美しい星 | トップページ | 封神伝奇 -バトル・オブ・ゴッド- »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/548736/65538389

この記事へのトラックバック一覧です: 22年目の告白 -私が殺人犯です-:

« 美しい星 | トップページ | 封神伝奇 -バトル・オブ・ゴッド- »