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2017年8月

2017年8月30日 (水)

銀魂

銀魂
銀魂
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:福田雄一
原作:空知英秋「銀魂」
製作:松橋真三、稗田晋
製作総指揮:小岩井宏悦
音楽:瀬川英史
主題歌:UVERworld「DECIDED」
出演:小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、吉沢亮、早見あかり、安田顕、ムロツヨシ、長澤まさみ、岡田将生、山田孝之(エリザベスの声)、高橋美佳子
(定春の声)古畑星夏、山寺宏一(吉田松陽の声)、一ノ瀬ワタル、佐藤二朗、菜々緒、新井浩文、中村勘九郎、堂本剛 他


  〈実写だろうが何だろうが、これは何でもアリで正解!〉


 週刊少年ジャンプで人気の空知英秋の同名コミックを小栗旬主演で実写映画化したSF時代劇。「HK 変態仮面」シリーズなど脱力系の作品を得意とする福田雄一が監督・脚本を務める。


 街には高層ビルが立ち並び、空には無数の宇宙船が飛び交う江戸時代末期。宇宙からやってきた“天人(あまんと)”の台頭と廃刀令により、かつて隆盛を極めた侍は衰退の一途をたどっていた。そんな時代に侍魂を堅持する少々変わった男・坂田銀時(小栗旬)は、ひょんなことから志村新八(菅田将暉)と神楽(橋本環奈)に出会い、万事屋を営むことに。そんななか、新八の姉・妙(長澤まさみ)や攘夷志士の生き残り・桂小太郎(岡田将生)、真選組の近藤勲(中村勘九郎)、土方十四郎(柳楽優弥)、沖田総悟(吉沢亮)らを巻き込みながら、様々な事件や騒動が起こり始め…。


 これはもう、良くも悪くも福田監督ワールド全開の映画(笑)! 冒頭のTVドラマ版「花より男子」からあのジブリアニメまで、こんなことやっていいのかと思う程のパロディ尽くしである。出版社や配給会社をハチャメチャにクロスオーバーさせているので、恐らく権利関係はギリギリのところなのだろう。上映期間中は良くても、DVD化の時に問題にならないか、こっちの方が心配になる(笑)。


 話のベースになっているのは原作の「紅桜編」なのだが、そこはさすが福田監督、自由にアレンジしまくっている。なので原作知らなくても笑えるし、多分原作ファンも十分に楽しめる要素はあると思う。劇中で「一回こっきりの実写」って言ってるけど、続編作ってほしい。


私の評価…☆☆☆☆

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2017年8月27日 (日)

〈午前十時の映画祭8〉 セント・オブ・ウーマン 夢の香り(1992年)

〈午前十時の映画祭8〉 セント・オブ・ウーマン 夢の香り(1992年)
〈午前十時の映画祭8〉 セント・オブ・ウーマン 夢の香り(1992年)
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・製作:マーティン・ブレスト
脚本:ボー・ゴールドマン
原作:ジョヴァンニ・アルビーノ「闇と蜂蜜」
音楽:トーマス・ニューマン
出演:アル・パチーノ、クリス・オドネル、ジェームズ・レブホーン、ガブリエル・アンウォー、フィリップ・シーモア・ホフマン、ニコラス・サドラー、サリー・マーフィ、ブラッドリー・ウィットフォード、リチャード・ヴェンチャー、ジーン・キャンフィールド、ロン・エルダード、フランセス・コンロイ 他


  〈生きることって、素晴らしい!〉


 盲目の退役軍人と、その道案内役の青年が共に旅をするうちに心を通わせていく姿を描く物語。1974年のイタリア映画「女の香り」のハリウッドリメイク。


 11月の第4月曜日。ボストンの全寮制名門ハイスクール「ベアード高校」の生徒たちは、感謝祭の休みに旅行に出かける話で持ち切りだった。でも奨学生のチャーリー・シムズ(クリス・オドネル)はアルバイト探しに余念がない。裕福な家庭のクラスメート、ジョージ・ウィリス(フィリップ・シーモア・ホフマン)は親友の3人組とスイスにスキーに行くらしい。そんなチャーリーは、木曜から始まる感謝祭の休暇に向けて「あるバイト」を見つける。雇い主はカレン・ロッシ(サリー・マーフィ)という主婦で、感謝祭の連休に一家4人で旅行に出かける間、残して行く盲目の叔父、フランク・スレード(アル・パチーノ)の世話をしてほしいというものだった。だが、元陸軍中佐のフランクは予想以上に気難しい人で、初対面でいきなり怒鳴られチャーリーは戸惑うばかりだった。


 火曜日の朝、学校で事件が起こった。車で登校してきたトラスク校長(ジェームズ・レブホーン)の頭上で風船が割れ、ジャガーの新車もろともミルクまみれになってしまったのだ。このジャガーは学校の理事会がトラスク校長に贈与したものだった。犯人はジョージの親友・ハリー(ニコラス・サドラー)とトレント、ジミーの3人組で、この3人は校長が高級車のジャガーに乗っているのが気に入らなかったのだ。全校生徒の面前で恥をかかされた校長は、チャーリーとジョージを校長室に呼びつけた。月曜の夜、2人は図書館からの帰りに、このイタズラを仕掛けた生徒たちを目撃していたのだ。校長はチャーリーとジョージに犯人は誰なのか詰問するが口を割らなかった。犯人を言わない2人に校長は、「週明けまでよく考えろ」と言い、月曜日に開く懲戒委員会で退学を申し渡すこともあると脅してジョージを帰らせた。そして校長は残ったチャーリーに、ハーバード大学の推薦入学を交換条件に出す。奨学金ももらえるチャーリーには良い条件だったが、彼は「言えません...」と言うだけだった。


 木曜日は感謝祭の初日。また、チャーリーにはバイトの初日でもあった。チャーリーは、カレンの家で彼女から旅行の連絡先や注意事項を聞き、フランクの離れの家におそるおそる入る。するとフランクはなぜか旅仕度をチャーリーにさせる。これから飛行機でニューヨークに行くのだと言う。そんな話しは聞いていないと言うと、「姪が言うのを忘れたのだろう」と一蹴した。夕方2人はニューヨークに着いた。迎えの車は貸し切りのリムジンで、ホテルは一流の「ウォルドルフ=アストリア」のスィート・ルーム、夕食はプラザ・ホテルの「オーク・ルームレストラン」という高級づくし。フランクは食事中、この豪華な旅の最後に「頭を銃で撃つ」と平然と語った。そして、チャーリーから学校での一件を聞くと、ジョージに裏切られる前に、友を売って自分を救えと教えるのだ。


 翌日金曜日、フランクは郊外の兄・ウィリー(リチャード・ヴェンチャー)の家へとリムジンを走らせる。やはり彼の突然の訪問は歓迎されていなかった。夕食のひととき、フランクは甥のランディ(ブラッドリー・ウィットフォード)と激しい口論を始める。そこでチャーリーは、フランクの陸軍時代の将軍昇進への失敗、酒癖が悪く以前から自殺へきがあったこと、そのために失明した事などを知ることになる。


 土曜日、ホテル「ザ・ピエール」のラウンジでのこと。フランクの嗅覚が、そばにいた女性を察知した。その女性ドナ(ガブリエル・アンウォー)に近づき、ダンスを申し込むフランク。フロアーに進み出た彼は、いつもの激しい気性からは想像もつかないほど優しくドナをエスコートし、優雅にタンゴを披露した。その夜、フランクは最高の美女を抱きにあるホテルに向かったのだった。


 日曜日、フランクは昼まで寝ていた。チャーリーが起こしに行くが、今日は気持ちが「うつ」になっているようだった。ついに、その日がやってきたのか。チャーリーは良い天気だから外出するよう勧める。フランクがフェラーリの車が好きだと聞かされていたチャーリーは、フェラーリの店に行き、新車に試乗する。フランクはたまらず自分も運転すると言いハンドルを握る。陽気にはしゃいでいたフランクだったが、ホテルに帰るとまたふさぎ込んでしまうのだ。フランクはチャーリーに頭痛薬のアスピリンと葉巻の買い物を頼んだ。チャーリーは一旦は出かけたが、胸騒ぎがして部屋に帰ると、フランクは軍服を着て「45オート」の拳銃で自殺するところだった。


感謝祭が終わりチャーリーには憂うつな月曜日が始まった。学校では全校生徒が一堂に会して懲戒委員会が開かれようとしていたのだ…。


  まだ1か月前の映画鑑賞による感想書いています(笑)。早く追いつきたい!


 本作は公開当時、自分は映像関係の専門学校に通っており、観たくても時間が取れず観られなかった映画。日本ではアカデミー賞受賞後の1993年GWに公開されたが、映画通向けの地味な作品だけに、大ヒットには至らなかったように思う。


 本作は、これまで何度もノミネートされながら受賞することができなかったアル・パチーノに、初のアカデミー主演男優賞をもたらした。盲目の役なので、全く瞳を動かさない演技が特に素晴らしく、自分の人生を見つめ直した上でのラストのスピーチは、感動と爽やかな余韻が残る。


 まぁ、アル・パチーノよりも当時好きな女優の一人だったガブリエル・アンウォーが観たかっただけなのだが。出番は少ないが、競馬用語から由来が来ているタンゴの名曲“ポル・ウナ・カベサ(首の差で)”をアル・パチーノと踊る場面が、とっても印象的。「トゥルー・ライズ」(1994年・アメリカ映画)でシュワちゃんも踊っていたこの曲は、元々1935年の映画「タンゴ・バー」の挿入歌として作曲されたものだが、本作の印象的な場面で使われた事によって、以降「シンドラーのリスト」(1993年・アメリカ映画)などの映画やCM(日本では「生茶」など)でも度々使われるようになる。ちなみに、ガブリエル・アンウォーはこのところ「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」(2007~2012年)など、TVドラマ出演が多くなり、なかなかスクリーンでお目にかかれない。たまに映画出演はあっても、日本ではDVDスルーばかり。約20年前は日本のTVCM(日本リーバ)にも出演するほど美しかったのだが…。もう一度スクリーンでお目にかかりたいところだ。


私の評価…☆☆☆☆★

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2017年8月26日 (土)

メアリと魔女の花

メアリと魔女の花
メアリと魔女の花
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:米林宏昌
脚本:坂口理子、米林宏昌
原作:メアリー・スチュアート「The Little Broomstick」
製作:市川南 他
製作プロデューサー:門屋大輔
製作総指揮:西村義明
音楽:村松崇継
主題歌:SEKAI NO OWARI「RAIN」
声の出演:メアリ・スミス…杉咲花、ピーター…神木隆之介、マダム・マンブルチューク…天海祐希、ドクター・デイ…小日向文世、フラナガン…佐藤二朗、シャーロット…大竹しのぶ、バンクス…渡辺えり、ゼベディ…遠藤憲一、ティブ…大谷育江、ギブ…Lynn、赤毛の魔女…満島ひかり 他


 〈大人のジブリファンには物足りない〉


 「思い出のマーニー」の米林宏昌監督ら、スタジオジブリ出身のスタッフによって誕生したスタジオポノックの長編作となるアニメーション作品。「思い出のマーニー」で赤い眼鏡がトレードマークの11歳の少女=彩香の声を演じていた杉咲花がヒロインを演じる。


 明朗で快活、天真爛漫だが、不器用で毎日に不満を抱えている赤毛にそばかすの少女メアリ。ある日、赤い館村に引っ越してきたメアリは、森で7年に一度しか咲かない不思議な花“夜間飛行”を見つける。それはかつて、魔女の国から盗み出された禁断の魔女の花だった。一夜限りの不思議な力を手に入れたメアリは、雲海にそびえ立つ魔法世界の最高学=エンドア大学への入学を許可される。しかし、メアリがついたたったひとつの嘘が、やがて大切な人を巻き込んだ大事件を引き起こしていく…。メアリは、魔女の国から逃れるため「呪文の神髄」を手に入れ、すべての魔法を終わらせようとするが、そのときメアリはすべての力を失ってしまうのだった。次第に明らかになる魔女の花の正体。メアリに残されたのは、一本のホウキと小さな約束。魔法渦巻く世の中で、ひとりの無力な人間・メアリが、暗闇の先に見出した希望とは何だったのか…。


 スタジオジブリが制作部門を閉鎖して3年。本作はその旧ジブリのスタッフが中心となって設立された新会社によって製作されたということもあってか、いたるところにジブリのカラーが色濃くあり、新会社が作っているのに既視感たっぷりの映画である。観ていて安心感や安定感があるという意味では、悪くはないのだが、従来のジブリアニメよりも子供向けにシフトした分、大人のジブリファンにはどこか物足りないような気もする。


 勿論、哲学的な解釈が不要になった分、ストーリーが分かりやすくなり、それなりに楽しめるのだが。今回は旧ジブリファンも取り込んで、興行的には成功しているが、それはまだ宮崎駿作品の呪縛から解き放たれていない証拠でもあり、本家も引退宣言を撤回した今、次の作品でどういった軸を出してくるのか、継承しつつ新しい面を見せてくるのか気になるところではある。


私の評価…☆☆☆

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2017年8月24日 (木)

忍びの国

忍びの国
忍びの国
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:中村義洋
脚本:和田竜
原作:和田竜「忍びの国」
製作:原藤一輝 他
製作総指揮:藤島ジュリーK.
音楽:高見優
主題歌:嵐「つなぐ」
出演:大野智、石原さとみ、鈴木亮平、伊勢谷友介、知念侑李、平祐奈、マキタスポーツ、立川談春、國村隼、でんでん、満島真之介、きたろう、山﨑努(ナレーション) 他


  〈時代劇っぽくない時代劇〉


 天正伊賀の乱を題材とした小説で、2009年に第30回吉川英治文学新人賞候補となった和田竜のベストセラーを、嵐の大野智主演で映画化した痛快アクション。


 天下統一に向け諸国を次々と攻め落としていく織田信長でさえ攻め入ることができない唯一の国、伊賀。そこには、超人的能力を持ち人を人とも思わない人でなしの忍者衆が暮らしていた。その中でも無門(大野智)は、どんな堅牢な門も彼の前では意味をなさないと言われるほどの凄腕だが、普段はこの上ないほど怠け者で、女房・お国(石原さとみ)の尻に敷かれ通しだった。天正七年九月、信長の次男・織田信雄(知念侑李)が父の命に背いて伊賀討伐に乗り出し、圧倒的な戦力を誇る織田の大軍が伊賀に迫る。様々な思惑が交錯する中、無門率いる忍びの軍団は想像を絶する秘策で織田軍に抗戦する…。


 時代劇としては結構楽しめるのだが、いかんせん軽い(笑)。CGを多用しているので、武侠映画っぽくなるのかなと思いきや、そうでもないし。軽いタッチで描いたその分、話の展開はスムーズでテンポ良くポンポンと進む。主人公が忍者ということもあって、アクションも小気味良く、展開にマッチしている。


 ただ、クライマックスだけは無理矢理な感が強く、ご都合主義と言われても仕方ないだろう。コミカルになりすぎても、時代劇っぽさを失ってしまうのだ。若い人に観てもらうためには、仕方ないのかもしれないが、あそこはもう少し抑えてほしかった。


私の評価…☆☆☆

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2017年8月16日 (水)

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ
脚本:ジェフ・ナサンソン
原案:ジェフ・ナサンソン、テリー・ロッシオ
製作:ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:マイク・ステンソン 他
音楽:ジェフ・ザネリ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ジョニー・デップ(平田広明)、ブレントン・スウェイツ(中川大志)、カヤ・スコデラリオ(栗山千明)、ハビエル・バルデム(大塚明夫)、ジェフリー・ラッシュ(壤晴彦)、ケヴィン・マクナリー(青森伸)、ゴルシフテ・ファラハニ(浅野真澄)、デヴィッド・ウェナム(小原雅人)スティーヴン・グレアム(加瀬康之)、ジャイルズ・ニュー(後藤敦)、オーランド・ブルーム(平川大輔)、キーラ・ナイトレイ、ポール・マッカートニー(内田直哉) 他


  〈最後の… ではなく振り出しに戻る〉


 海賊ジャック・スパロウの冒険を描く、ジョニー・デップ主演の人気アクションシリーズの第5弾。そして新三部作の第1章。


 嘗て、ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)と共に冒険を繰り広げたウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)は、幽霊船フライング・ダッチマンの船長として呪われた運命を生きていた。そんな父を救おうとする息子ヘンリー(ブレントン・スウェイツ)は、呪いを解くカギが伝説の秘宝“ポセイドンの槍”にある事を突き止める。だがある日の航海中、ヘンリーの乗った船が、海の死神サラザール(ハビエル・バルデム)の襲撃を受けてしまう。サラザールは、魔の三角地帯の呪いから自らを解き放つため、ジャック・スパロウが持つ“北を指さないコンパス”を求めていた。そのため、ジャックへの伝言を託して、ヘンリーを解き放つ。やがて、セント・マーティン島に漂着したヘンリーは、女性天文学者カリーナ(カヤ・スコデラリオ)と出会う。彼女は、幼い頃に生き別れた父が残した“ガリレオ・ガリレイの日記”の謎に挑み続けていた。その謎こそ、“ポセイドンの槍”に辿り着くための方法だった。だがカリーナは、英国軍に捕まって投獄されてしまう。その頃、肝心のジャック・スパロウ本人は、セント・マーティン島での銀行強盗に失敗。仲間からも愛想を尽かされて一文無しになり、酒場でラム酒と交換に“北を指さないコンパス”を手放してしまう。その瞬間、魔の三角地帯から解き放たれるサラザール。その胸には、ジャックへの復讐の炎が燃え盛っていた。サラザールの復讐を阻止できるのは、“ポセイドンの槍”のみ。やがてヘンリーは、投獄されていたジャックとカリーナを救出。こうして、それぞれの事情から“ポセイドンの槍”を追い求めるヘンリー、カリーナ、ジャックの3人は、大海原へと繰り出してゆく。同じ頃、“アン王女の復讐号”の船長バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)も、“ポセイドンの槍”を狙っていた。サラザールの脅威が迫る中“ポセイドンの槍”を手に入れるのは、果たして誰なのか…?


 ミュージカルが得意の監督で不評だった前作の失敗を踏まえてか、今回は海洋アドベンチャーを得意とする「コン・ティキ」(2012年・ノルウェー)の監督コンビで作っている。このため、海の場面の演出は見事で、特にクライマックスのシークエンスは3Dで観るとトンでもない大迫力で迫ってくる。


 ドラマパートも前作に比べ出来が良く、今回は久々登場のウィルとヘンリー、そしてある人物と新ヒロイン=カリーナという2組の親子のドラマが描かれるが、特に後者のエピソードが秀逸で、クライマックスで描かれるドラマチックな展開に感動した。


 ただ、1~3作のゴア・ヴァービンスキー監督版と見比べると、あまりにも安全パイに走りすぎている。ヴァービンスキー版には、ストーリー破綻寸前の際どい面白さがあったのだが、本作はそこまでには至っていない。それでも設定上は、1作目とは少し違う形だが振り出しに戻った訳で、さて、次回への伏線となりうるエンドロール後のおまけ場面での、恐らくディーヴィー・ジョーンズとみられるキャラクターの復活はあるのか? また、クライマックスで海の藻屑と沈んでいった、あのシリーズ皆勤賞キャラの復活はあるのか? そして展開はガラッと変えてくるのかそれとも保守かと、非常に気になるところである。当然、次回作の発表はまだまだだが、楽しみに待ちたい。


私の評価…☆☆☆★

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2017年8月10日 (木)

いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ)

いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ)
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:深川栄洋
脚本:山本むつみ
原作:芦村朋子「いつまた、君と」
製作:村田嘉邦 他
音楽:平井真美子
主題歌:高畑充希「何日君再来」
出演:尾野真千子、向井理、岸本加世子、イッセー尾形、駿河太郎、成田偉心、野際陽子、片桐はいり 他


  〈散々使い倒された反戦映画ネタ〉


 向井理の祖母である芦村朋子さんの半生記を、向井自身が企画に携わり映画化。尾野真千子が主人公となる朋子役を演じ、向井が夫の吾郎役を務めて主演を果たした。


 慣れない手つきでパソコンに向かう芦村朋子(野際陽子)。彼女は、亡くなった夫・吾郎(向井理)との思い出を綴っていた。しかし朋子が突如倒れてしまい、孫の理(成田偉心)は祖母に代わって手記をまとめることにする。そこには理が知らなかった、戦中~戦後の厳しい時代を生きぬいた朋子と吾郎の歴史、そして50年におよぶ家族の愛の物語が記されていた…。


 悪く言うつもりはないが、この手の話はこれまでにもこういった反戦映画等で散々描かれているので、何を今更な感がありありである。ここに描かれている夫婦の場合、特別な才能があるわけでもなく、偉業を成し遂げたのでもないため、話としては非常に小さく、全く盛り上がらないので、わざわざ映画にする必要があったのだろうかとさえ、思ってしまう。


 因みに、本作での理役は本来なら高畑裕太が演じていたらしいが、例の事件で干されてしまったため、代役=成田偉心で撮り直したようである。この事自体はあまり話題になっていないが、余計な費用がかかった上に、興行成績もあまり良くないみたいで、正に踏んだり蹴ったりなものになってしまった。


 救いといえば、決して暗く描こうとせず、努めて明るい内容にしていることくらいで、物語に起伏があるわけでもなく、深みもない薄っぺらい凡作。ラストに流れる、高畑充希が歌う1937年の映画「三星伴月」の挿入歌「何日君再来」(当時中国の人気歌手だった周璇<しゅう・せん>が歌うオリジナル版は劇中で流れる)が、何だか空しく聞こえた。


私の評価…☆☆

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2017年8月 6日 (日)

おとなの恋の測り方

おとなの恋の測り方
劇場:MOVIX京都
監督・脚本:ローラン・ティラール
共同脚本:グレゴワール・ビニュロン
原作:コラゾン・ド・レオン
音楽:エリック・ヌヴー
出演:ジャン・デュジャルダン、ヴィルジニー・エフィラ、セドリック・カーン、ステファニー・パパニアン、セザール・ドンボワ、エドモンド・フランキ、マノエル・ガイヤール、ブルーノ・ゴミラ 他


  〈トレンディドラマ風ロマコメ〉


 敏腕女性弁護士と背の低い建築家が繰り広げる恋の騒動を描く、フランス発のラブ・コメディ。


 腕利きの弁護士ディアーヌ(ヴィルジニー・エフィラ)は、女癖の悪い夫と離婚して3年が経つものの、まだ新しい恋とは出会えていない。元夫は仕事のパートナーでもあり口論が絶えず、いらいらが募っていた。そんな中、彼女がレストランに忘れた携帯を拾ったアレクサンドル(ジャン・デュジャルダン)という男性から連絡が入る。知的でユーモラスな口調にほのかにときめディアーヌ。翌日会うことになり、胸を躍らせ待ち合わせ場所に向かったところ、やってきたのは自分よりもずっと身長の低い男性だった。期待が外れ早々に引き上げようとしていたが、リッチで才能あふれる建築家のアレクサンドルの話にいつの間にか魅了される。アレクサンドルはディアーヌが経験したことのないようなエキサイティングな体験をプレゼントしたいと申し出、二人はデートすることになるが…。


 一応、ロマンチック・コメディなんだろうけど、筋立てがアバウト過ぎるのか、ツッコミどころがたくさんあるのが気になった。


 今作のヒロインは、半ば強引に素敵な低身長の男性に想いを寄せられるのだが、彼に足りないのは身長だけ。そこさえ除けば、ほぼ完璧な彼との恋愛に踏み切れない。だが、彼の方はそのハンデをものともせずに、人生を楽しんでいる。勿論、彼も本当は自分の外見に悩んではいるのだが、とことんポジティブなのだ。周りからの好奇な目に打ち勝ち、殻に閉じ籠った自分自身を解放させて、二人は幸せになれるのか、というストーリーなのだが、ヒロインの秘書や母親といった、本来なら味方になるはずの人物が、それらしい働きを殆ど見せておらず、母親に至っては、娘の一番の理解者でなければいけないはずなのに、差別表現を連発する始末。昔のトレンディドラマみたいなノリなので、40代以上の世代にはウケるのかも知れないが、少なくとも共感はし難いだろうなあ。


私の評価…☆☆★

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