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2017年10月

2017年10月25日 (水)

あさひなぐ

あさひなぐ
あさひなぐ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:英勉
原作:こざき亜衣「あさひなぐ」
製作:大田圭二 他
製作総指揮:古澤佳寛
音楽:未知瑠
主題歌:乃木坂46「いつかできるから今日できる」
出演:西野七瀬、桜井玲香、松村沙友理、白石麻衣、伊藤万理華、生田絵梨花、中田花奈、斉藤優里(以上、乃木坂46)、富田望生、松本妃代、岡野真也、江田友莉亜、紀咲凪、北原帆夏、樋口柚子、緒方もも、宮田祐奈、松田佳央理、中村倫也、森永悠希、角替和枝、江口のりこ、藤谷理子 他


  〈決してアイドル映画っぽくない青春映画〉


 小学館漫画賞受賞のこざき亜衣原作の同名コミックを人気アイドルグループ、乃木坂46のメンバーらの出演で実写映画化した青春スポ根ドラマ。スポーツに縁のなかった少女・旭が高校入学を機になぎなたに挑戦。様々な試練を乗り越えて成長していく姿を描く。


 二ツ坂高校一年、東島旭(西野七瀬)。中学まで美術部だった旭は「なぎなたは高校部活界のアメリカンドリーム!」といううたい文句に惹かれ、運動音痴ながらもなぎなた部に入部。圧倒的な強さを誇る憧れの先輩・宮路真春(白石麻衣)、同じ一年生で剣道経験者の八十村将子(桜井玲香)、長身が悩みの紺野さくら(松村沙友理)ら個性的な部の仲間たちとともに過酷な練習の日々を送る旭。目指すはインターハイ全国大会。旭は、ライバルの出現や様々な困難に立ち向かいながら、ひたむきになぎなたと向き合っていく…。


 本作は乃木坂46の人気メンバーが複数出演。春に、大阪では森ノ宮ピロティホールで上演された舞台版(こちらも映画とは異なる乃木坂46メンバーが出演)とのWプロジェクト。アイドル映画と思いきや、意外と真面目(失礼!)に作っている。冒頭の“リズム薙刀”には笑ったが、原作初期の部分をよくまとめてあるなという感じ。主演の西野七瀬の演技ははっきりいって拙いが、周りの芝居経験豊富な乃木坂46メンバー(元子役の伊藤万理華や舞台ミュージカルで注目の生田絵梨花など)が見事にカバーしている。一応、ラストで完結はしているが、原作は主人公が進級した後も続いている(後の方が話が盛り上がっているようだ)ので、ヒットすれば続編は有り得るかも。


私の評価…☆☆☆

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2017年10月24日 (火)

三度目の殺人

三度目の殺人
三度目の殺人
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本・原案・編集:是枝裕和
製作:小川晋一、原田知明、依田巽
音楽:ルドヴィコ・エイナウディ
出演:福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、松岡依都美、市川実日子、橋爪功 他


  〈司法へのアンチテーゼ〉


 「そして父になる」の監督・主演コンビが再びタッグを組んだサスペンス。裁判で勝つためなら真実は二の次と割り切っていた弁護士が、担当した殺人事件の闇にはまっていく姿を描く。


 勝利にこだわる弁護士・重盛(福山雅治)はやむを得ず、30年前にも殺人の前科がある三隅(役所広司)の弁護を担当することになる。解雇された工場の社長を殺し、死体に火をつけた容疑で起訴された三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。重盛は、どうにか無期懲役に持ち込もうと調査を開始する。三隅は会う度に供述を変え、動機が希薄なことに重盛は違和感を覚える。やがて重盛が三隅と被害者の娘・咲江(広瀬すず)の接点にたどりつくと、それまでと異なる事実が浮かび上がっていく…。


 この映画は、今までにあまりないタイプの心理サスペンスであると共に、これまでホームドラマが多かった是枝監督の新境地ともいえる映画なのではないか。


 福山演じる勝つことにこだわる弁護士は、2度目の殺人を犯した男の弁護を通じて、真実を追求しようと姿を変えていく。それに対し役所広司が扮する殺人犯・三隅は、接見のたびに供述が変わり動機もわからないまま。本当にも、嘘のにも見える役所広司の演技はやはり上手い。


 それと、さもしい司法へのアンチテーゼが示されている感じがする。要するに、法廷は真実を追究する場所なのか、否、利害の調整するところではないのかとか、人が人を裁くことは不完全なものではないかとか。しかし本作は最後まで明快な答えにたどり着くような展開はしない。むしろその逆で、最初に真実があるように見せかけて、見終わる頃に多くの謎や問いが残る。そう、これは人間の心の持つ深い闇や、社会の歪み、司法制度の問題を、最後まで観客に問いかける映画なのである。


 被害者の一人娘を演じる広瀬すずの、いつもとは違う抑えた演技がとても印象的。やっぱりこの娘は、最近の若手の中では演技が上手いなぁと思う。すずの母役の斉藤由貴が愛人関係を問われる場面は、奇しくも現実とリンクしていて、ちょっと笑えた。


私の評価…☆☆☆☆

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2017年10月19日 (木)

エイリアン:コヴェナント

エイリアン:コヴェナント
エイリアン:コヴェナント
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:リドリー・スコット
脚本:ジョン・ローガン、ダンテ・ハーパー
原案:ジャック・パグレン、マイケル・グリーン
原作・キャラクター創造:ダン・オバノン、ロナルド・シャセット、H・R・ギーガー(エイリアンオリジナルデザイン)
製作:デヴィッド・ガイラー 他
音楽:ジェド・カーゼル、ジェリー・ゴールドスミス(フッテージ使用)、マルク・ストライテンフェルト(フッテージ使用)
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):マイケル・ファスベンダー(宮本充)、キャサリン・ウォーターストン(坂本真綾)、ビリー・クラダップ(置鮎龍太郎)、ダニー・マクブライド(大川透)、デミアン・ビチル(丸山壮史)、カルメン・イジョゴ(志田有彩)、エイミー・サイメッツ(小林さやか)、ジャシー・スモレット(高橋英則)、キャリー・ヘルナンデス(下山田綾華)、ナサニエル・ディーン(岡井カツノリ)、アレクサンダー・イングランド(森田了介)、ベンジャミン・リグビー(中村章吾)、ウリ・ラトゥケフ(白熊寛嗣)、テス・ハウブリック(加藤有生子)、ローレライ・キング(田中敦子) 他

〔カメオ出演〕ジェームズ・フランコ(森川智之)、ガイ・ピアース(内田直哉)、ノオミ・ラパス[声のみ]、ローガン・マーシャル=グリーン[写真のみ] 他


  〈多少の不自然さや強引さはあるが、三部作の中間部分としてはまずまず〉


 2012年公開の映画「プロメテウス」の続編であり、1979年公開の「エイリアン」の前日談として製作された新シリーズの2作目である。人類移住計画により未知なる星にたどり着いた宇宙船コヴェナント号の乗組員たちを襲う謎の生物の恐怖を描く。


 人類初の大規模な宇宙への移住計画のため、滅びゆく地球を旅立った宇宙船コヴェナント号は、コールドスリープ中の2000人の入植者を乗せ、移住先の惑星オリエガ-6を目指していた。その航行中、大事故に見舞われ、さらに女性の歌声が混じった謎の電波をキャッチしたことから、発信元の惑星へ向かう。その神秘的な惑星は、女性乗組員ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)にとっても、人類の新たな希望の地に思えた。果たして、ダニエルズの前に現れた完全な知能を持つアンドロイド(マイケル・ファスベンダー)は敵か、それとも味方か。そして、エイリアン誕生を巡る驚愕の真実とは?コヴェナント号にエイリアンの脅威が迫る中、ダニエルズは哀しみを乗り越え、あまりにも過酷な運命に立ち向かっていく…。


 タイトルは「エイリアン」だが、前述のとおりこれはその前日譚「プロメテウス」の続編なので、「プロメテウス」と「エイリアン」1作目を観ておく事は鉄則。恐らく前後の関係性が分かっていないと、神話や哲学的なストーリーも入り交じるので、かなり難解な話となって、エイリアン=ゼノモーフではなく睡魔が自身を襲うことになる(笑)。


 尚且つ、ホラー要素が少なく不評だった前作の反省を生かし、今回はホラー要素がかなり多め。人間の黒焦げ死体や、ホルマリン漬けにされた人とエイリアンのミュータントなど、グロ描写も満載で、これ、要は一見さんお断りの「エイリアン」ファン向けなのである。因みに本作は「プロメテウス」3部作の中間部分ということで、監督の話では早ければ来年にも完結編の製作に取りかかりたいとのこと。構想は既にできていて、「エイリアン」に直接繋がるものになるらしい。


 因みに、当初この映画のタイトルは「~コヴェナント」ではなく「Alien: Paradise Lost」つまり“失楽園”という副題が付いていたようである。“コヴェナント”の意味も、聖書での“契約”を指す言葉であり、どちらにしろキリスト教から来ている言葉なので、この映画を本当に理解するためには、キリスト教に詳しくないといけないのかもしれないね。


私の評価…☆☆☆

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2017年10月15日 (日)

ダンケルク

ダンケルク
ダンケルク
ダンケルク
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
製作:エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン
製作総指揮:ジェイク・マイヤーズ、グレッグ・シルバーマン
音楽:ハンス・ジマー
出演:フィン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン、ハリー・スタイルズ、アナイリン・バーナード、ジェームズ・ダーシー、バリー・コーガン、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィー、マーク・ライランス、トム・ハーディー、マイケル・ケイン(声のみ、カメオ出演) 他


  〈細部はフィクションだが、これが戦争の恐怖〉


 第二次世界大戦中の1940年、フランス・ダンケルクの海岸でドイツ軍に包囲されたイギリス、フランス軍の兵士約40万人を860隻の船舶で救出した、史上最大の救出作戦を映画化したサスペンス。


 第二次世界大戦が本格化する1940年、フランス北端の海の町ダンケルク。フランス軍はイギリス軍とともにドイツ軍に圧倒され、英仏連合軍40万の兵士は、ドーバー海峡を望むこの地に追い詰められる。背後は海。陸海空からの敵襲。そんな逃げ場のない状況下でも、トミー(フィオン・ホワイトヘッド)やアレックス(ハリー・スタイルズ)ら若き兵士たちは生き抜くことを諦めなかった。一方、母国イギリスでは、海を隔てた対岸の仲間たちを助けようと軍艦だけでなく民間船までもが動員され“史上最大の救出作戦”が動き出そうとしていた。ドーバー海峡にいる全船舶が一斉にダンケルクへと向かう。民間船の船長ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)も、息子らとともに危険を顧みずダンケルクを目指していた。英空軍パイロット・ファリア(トム・ハーディー)も、数において形勢不利ながらも出撃。タイムリミットが迫るなか、若者たちは生きて帰ることができるのか…。


 この“ダイナモ作戦”と呼ばれる救出劇を、陸・海・空の3つの視点から群像劇形式で描く大作である。


 戦争そのものの臨場感や緊迫感を出したかったのか、いきなりから戦闘シーンになり、セリフも最小限に抑えられ、まるで自分がその戦場にいるような感覚に陥る。また、予告編でも流れていた時計の秒針音や心臓の鼓動音を取り入れた音楽が、より緊張感を高める。

その音楽を担当したのが、「ダークナイト」等ノーラン監督の映画には欠かせないヒットメーカー、ハンス・ジマー。彼は今回自身の代表作「パイレーツ・オブ・カリビアン」の新作を彼の弟子に譲り、こちらに入魂したということで、一番いい仕事したと言っても過言ではない、素晴らしいスコアになっている。


 因みにこの映画は、デジタル嫌いのノーラン監督が、IMAX専用の65㎜フィルムを用いて撮影したとのこと。と、なれば当然観るのに適しているのはIMAXのスクリーン。僕もIMAXのシアターがあるTOHOシネマズ二条で観たのだが、実はこの映画、アスペクト比の関係でIMAX以外の映画館では映像の上下が約40%もカットされるのだ。勿論、フルスペックで観たいなら、同じIMAXでも次世代デジタル方式の109シネマズ大阪エキスポシティで観るのが最適だったのだが、いかんせん遠い(笑)ので地元で観ることに。


 とにかく最後まで緊張感が抜けず、鑑賞後は“心地いい疲れ”が残った映画。そういう映画って、デミアン・チャゼル監督の「セッション」(2014年)以来だね。


私の評価…☆☆☆☆★

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2017年10月14日 (土)

新感染 ファイナル・エクスプレス

新感染 ファイナル・エクスプレス
新感染 ファイナル・エクスプレス
新感染 ファイナル・エクスプレス
劇場:MOVIX京都
監督:ヨン・サンホ
脚本:パク・ジュンソク
エグゼクティブ・プロデューサー:キム・ウテク
音楽:チャン・ヨンギュ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):コン・ユ(中村悠一)、キム・スアン(松藤百香)、チョン・ユミ(坂本真綾)、マ・ドンソク(小山力也)、チェ・ウシク(前野智昭)、アン・ソヒ(喜多村英梨)、キム・ウィソン(内田直哉)、パク・ミョンシン、イェ・スジョン、チェ・グイファ(宮内敦士)、シム・ウンギョン(川澄綾子)、チョン・ソギョン(飛田展男) 他


  〈ゾンビものだが、ラストはまさかの感動が〉


 韓国の高速鉄道KTXの車内で起きた感染爆発の恐怖を描くサバイバル・アクション。韓国アニメ界を代表するクリエイターであるヨン・サンホの実写初監督作となる。


 ソウルからプサンへ向かう高速鉄道KTXの車内で突如起こった感染爆発。未知のウィルスに侵された者たちは、時速300キロ超で疾走する密室の中で狂暴化し始める。感染すなわち、死。偶然乗り合わせたファンドマネージャーのソグ(コン・ユ)と幼い娘スアン(キム・スアン)、ワーキングクラスのサンファ(マ・ドンソク)と妊娠中の妻ソンギョン(チョン・ユミ)、高校生野球チームのジニ(アン・ソヒ)とマネージャーのヨングク(チェ・ユシク)たち…。安全な終着駅まで約2時間、彼らは生き残りをかけて決死の戦いに挑んでいく…。


 いや~、面白かった! まさにパニック映画のいいとこ取りを濃縮した感じ。大型トラックに轢かれ死んだ筈の鹿が、白目剥いて立ち上がる不気味な冒頭シーンから、片時も目が離せない。主要人物それぞれの人間ドラマも秀逸で、キャラも立っているから感情移入もでき(終始はた迷惑な悪役のおっさんには本当にムカついた)クライマックスで結構泣ける映画になっている。後で気付いたんだが最初に感染してKTXに乗り込んでくる女性って「妖しい彼女」のシム・ウンギョンだったのか。主演級のキャストをあんな役に使うなんて、なんて贅沢な映画なんだ(笑)。


 世界中でヒットしているから、多分どこかの国でリメイクもされるんだろうが、同様の映画で「アイ・アム・ア・ヒーロー」がある日本でもやってほしいな。まぁ、新幹線はJRが貸してくれないだろうけど(だったらまた台湾の新幹線で、って… オイオイヽ(´o`;)


私の評価…☆☆☆☆

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2017年10月13日 (金)

関ヶ原

関ヶ原
関ヶ原
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎「関ヶ原」
製作:市川南 他
製作総指揮:上田太地 他
音楽:富貴晴美
出演:岡田准一、有村架純、平岳大、東出昌大、役所広司、北村有起哉、伊藤歩、中嶋しゅう、音尾琢真、松角洋平、和田正人、キムラ緑子、滝藤賢一、大場泰正、中越典子、壇蜜、西岡徳馬、松山ケンイチ、木場勝己(ナレーション) 他


  〈原作端折り過ぎて難解になった悪しき例〉


 戦国史上最大の合戦である関ヶ原の戦いを描いた司馬遼太郎のベストセラー小説を岡田准一、役所広司ら実力派俳優の共演で映画化した時代劇。


 1600年10月21日、長く混迷を極めた戦国時代を終わらせ、その後の日本の支配者を決定づけた戦国史上最大の天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”は、たった6時間で決着した。石田三成(岡田准一)は豊臣家への忠義から立ち上がり、圧倒的に有利と言われた西軍を率いて合戦に挑んだ。しかし、権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康(役所広司)に敗北を喫する。そして、命懸けで三成を守り、愛し続けた忍び・初芽(有村架純)との許されない淡い恋の行方は…。


 これは退屈。原作端折り過ぎて難解なものになっちゃった。そりゃ、文庫版で3冊もある大ボリュームの原作を、2時間30分にまとめる事自体が無謀なのである。これ、2時間づつの前・後編にしたら、もう少しましなものができたように思う。おまけにセミ・ドキュメンタリー調だから、本来盛り上がるべき場面も淡々と進む。木場勝己の語り部(ナレーション)も滅茶苦茶重い。役者のセリフ回しも何故か皆、早口で何言ってるのかさっぱり分からん。島津家なんて方言丸出しだし…。あまりアクション女優のイメージが無い有村架純がアクションやってたのがちょっと物珍しかった。良かったのはそこだけである。


私の評価…☆☆

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2017年10月 8日 (日)

スキップ・トレース

スキップ・トレース
スキップ・トレース
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:レニー・ハーリン
脚本:ジェイ・ロンジーノ、ベンデビッド・グラビンスキー
原案:ジェイ・ロンジーノ
製作:成龍 他
製作総指揮:フランク・ボットマン
音楽:陳光栄
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):成龍(石丸博也)、ジョニー・ノックスビル(堀内賢雄)、范冰冰(恒松あゆみ)、曾志偉(塩屋浩三)、施诗(沢城みゆき)、郭品超(豊永利行)、ヨン・ジョンフン(川島得愛)、張藍心(清水はる香)、サラ・マリア・フォースバーグ(堀川千華)、ミハイル・ゴアヴォイ(ふくまつ進紗)、チャーリー・ローズ(木村雅史)、イヴ・トーレス(本田貴子)、王敏德(加藤亮夫)、呉耀漢(ふくまつ進紗)、趙文瑄(大塚芳忠) 他


  〈久々にジャッキーらしいコミカル・アクション〉


 ジャッキー・チェンが「ジャッカス」シリーズのジョニー・ノックスヴィルとコンビを組み、大逃走劇を繰り広げるコミカルなアクション。


 香港のベテラン刑事ベニー・チャン(ジャッキー・チェン)は9年間、香港の犯罪王ヴィクター・ウォンを、相棒ユンを殺した容疑で追っていた。しかし、捜査中に過度の追跡で付近の住宅に甚大な被害を与え、停職処分になってしまう。ベニーはユンから娘サマンサ(ファン・ビンビン)を託され、育ててきたが、彼女がヴィクターの犯罪に巻き込まれる。ベニーはサマンサを救うため、事件の鍵を握るアメリカ人詐欺師コナー・ワッツ(ジョニー・ノックスヴィル)を追ってロシアに向かう。ロシアン・マフィアに拘束されていたコナーを無事救出し、連れ戻そうとしたベニーだったが、なぜか二人とも追われる身になってしまい…。


 本作は撮影が一昨年。つまりジャッキーが“アクション引退宣言”をする前のもので、結構激しいアクションが観られる映画。さすがに昔ほどのキレは無いが、香港アクション映画ではお決まりの微速度撮影という方法(通常より遅いスピードでフィルム等を回し、再生時に通常のスピードに戻すことで人の動きが速く見える)を使っているので、それなりにキレがあるように見せている。


 監督があの「ダイ・ハード2」のレニー・ハーリンというのも驚くが、どこで香港映画の事を覚えたのか、或いは製作にジャッキーが携わる事でそのような仕上がりになったのか、先に公開された「レイルロード・タイガー」と違って、久しぶりに“ジャッキー・チェンらしい、ちょっと昔の香港映画”になっている。マトリョーシカを使ったアクションなど実に楽しく、やはりこの人にはこういったコメディタッチの映画がよく似合う。


 ファン・ビンビンも相変わらず美しく、目の保養になるのだが、多分自分が観た作品の中では「花都大戦 ツインズ・エフェクト2」(2004年)以来、久しぶりにアクションをやっており、ファンとしてはとりあえず満足のいく一本だ。


私の評価…☆☆☆

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2017年10月 7日 (土)

ワンダーウーマン

ワンダーウーマン
ワンダーウーマン
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:パティ・ジェンキンス
脚本:アラン・ハインバーグ
原案:ザック・スナイダー、アラン・ハインバーグ、ジェイソン・フュークス
原作:DCコミックス
製作:チャールズ・ローヴェン 他
製作総指揮:スティーヴン・ジョーンズ 他
音楽:ルパート・グレグソン=ウィリアムズ
日本版イメージソング:乃木坂46「女は一人じゃ眠れない」
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ガル・ガドット(甲斐田裕子)、クリス・パイン(小野大輔)、ロビン・ライト(深見梨加)、ダニー・ヒューストン(菅生隆之)、デヴィッド・シューリス(岩崎ひろし)、コニー・ニールセン(榊原良子)、エレナ・アナヤ(よのひかり)、ルーシー・デイヴィス(高橋里枝)、サイード・タグマウイ(多田野曜平)、ユエン・ブレムナー(佐々木睦)、ユージーン・ブレイブ・ロック(山岸治雄)、リーサ・ローヴェン・コングスリ(行成とあ) 他


 〈美しさとカッコよさを兼ね備えたヒロイン〉


 DCコミックの人気キャラクターで、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」で華々しいスクリーン・デビューを飾ったワンダーウーマン。彼女がひとりの戦士として成長していくさまを描くSFアクション。また、様々な「DCコミックス」の実写化映画作品を、同一の世界観のクロスオーバー作品群として扱う「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズとしては4作品目の映画でもある。


 女性だけが暮らすパラダイス島で、プリンセスとして生まれ育ったダイアナ(ガル・ガドット)は、好奇心旺盛だが外の世界を一切知らず、男性を見たことすらなかった。そんなある日、島に漂着したアメリカ人パイロットのスティーブ(クリス・パイン)を助けたことで、彼女の運命が大きく動き出す。外の世界で大きな戦争が起きていることを知った彼女は、自身の力で世界を救いたいと強く願い、二度と戻れないと知りながらスティーブが暮らすロンドンへ行くことを決意。やがて、ダイアナは、無敵のスーパーヒーロー“ワンダーウーマン”としてのパワーを開花させていく…。


 冒頭で現在のB・ウェイン(バットマン)とダイアナ(ワンダーウーマン)との関係が描かれるが、そこから時代が遡り、時系列としては前作「バットマンvsスーパーマン」よりも前の話(舞台は第1次大戦末期のドイツ ワンダーウーマンは闘神ゼウスが土から作り人間に育てさせた娘なので年を取らないのだ)になるので、前作の知識は必要無し。閉鎖的な島から都会に出るというカルチャーギャップも楽しいし、イスラエル出身で兵役経験がある(イスラエルではユダヤ教徒とイスラム教ドゥールズ派のみ女性にも兵役義務がある)ガル・ガドットのアクションも格好いい。“DCエクステンデット・ユニバース”は、ライバルの“マーベル・シネマティック・ユニバース”に比べ、いまいち評判が悪い出足だったが、ハーレイ・クイン(「スーサイド・スクワッド」)とこのワンダーウーマンという女性キャラの活躍で、ようやく軌道に乗ることができた感じである。この調子で、引き続きガル・ガドットが扮するワンダーウーマンも登場する、11月23日公開予定の「ジャスティス・リーグ」に勢いを繋げたいところだ。


 そして、本作の世界的ヒットを受けて、同じ監督&主演による続編「ワンダーウーマン2」の製作が発表された。現時点では、他のクロスオーバー作品とどう繋がるのか全く分からないが、全米公開日は2019年12月13日が予定されている。戦うための訓練しか知らなかったプリンセスが、ワンダーウーマンとして覚醒し、“人類は守るに値する存在なのか”と自問したうえで、本物の戦争と大きな喪失を経験した。その彼女の更なる成長が見られるのか、早くも待ち遠しい!


私の評価…☆☆☆☆★

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2017年10月 6日 (金)

打ち上げ花火 下から見るか? 横から見るか?

打ち上げ花火 下から見るか? 横から見るか?
打ち上げ花火 下から見るか? 横から見るか?
劇場:TOHOシネマズ二条
総監督:新房昭之
監督:武内宣之
脚本:大根仁
原作:岩井俊二「打ち上げ花火 下から見るか? 横から見るか?」
製作:市川南 他
企画・プロデュース:川村元気
音楽:神前暁
主題歌:DAOKO×米津玄師「打上花火」
声の出演:及川なずな…広瀬すず、島田典道…菅田将暉、安曇祐介…宮野真守、なずなの母…松たか子、純一…浅沼晋太郎、三浦先生…花澤香菜、和弘…豊永利行、稔…梶裕貴、なずなの母の再婚相手…三木眞一郎、光石先生…櫻井孝宏、典道の母…根谷美智子、典道の父…飛田展男、祐介の父…宮本充、看護師…斎藤千和、花火師…立木文彦 他


 〈実写ドラマをアニメ映画化したのは、日本映画史上初めてらしい〉


 岩井俊二が1993年に参加した連続テレビドラマの一篇を、「魔法少女まどか☆マギカ」の新房昭之が総監督、「モテキ」の大根仁が脚本を担当し、新たにアニメ映画化した青春ファンタジー。


 夏休み、とある海辺の町。花火大会を前に「打ち上げ花火は横からみたら丸いのか? 平べったいのか?」で盛り上がる少年たちは、その答えを求め、町の灯台から花火を見ようと計画していた。そんななか、島田典道が想いを寄せるクラスのアイドル的存在・及川なずなは母親の再婚が決まり、転校することになった。なずなは典道を誘い、「かけおち」して町から逃げ出そうとするが、典道の目の前で、抵抗しながらも母親に連れ戻されてしまう。それを見ているだけで助けられない典道。「もしも、あのとき俺が… 」そんなもどかしさからなずなが海で拾った不思議な玉を投げつけると、いつのまにか、なずなが連れ戻される前まで時間が巻き戻っていた。何度も繰り返される一日の果てになずなと典道がたどり着く運命は…。


 前述のようにこれ、元は1993年にフジテレビ系で放送された、一話完結形式による連続TVドラマ「if もしも」の一篇。主人公ら登場人物の設定は小学生で、この時の主役は、当時子役だった山崎裕太と、実年齢では中学生だったがそれでも超絶的美少女だった奥菜恵。今回は登場人物の設定を中学生に変更したためか、広瀬すずが演じるなずなの小悪魔的なところはそのままだが、男の子が皆、中学生にしてはガキっぽく見えてしまっている。


 ネットでは酷評の嵐だが、それは恐らくそのドラマ版を観ていない世代の人達が中心なのだろう。まぁ、観ていた自分も内容は殆ど覚えていない(笑)し、設定が変わっているということはストーリー展開も若干変わっているはずである。ただ、いくらパラレルワールドへのタイムリープものとはいえ時代設定が曖昧なのは致命的。スマホや携帯電話が登場しないのにテレビゲームが最新機種(PS4?)だったり、そのゲーム画面がどうみてもスーファミレベルのドット画だったりと、パラレルワールドという説明が画的にもセリフにも無いので、これじゃ観ている側が混乱するのは当たり前なのかも。大林宣彦監督版「時をかける少女」へのオマージュも、イマイチ分かりにくかった。


私の評価…☆☆☆

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2017年10月 4日 (水)

ウィッチ

ウィッチ
ウィッチ
劇場:シネ・リーブル梅田
監督・脚本:ロバート・エガース
製作:ジェイ・ボン・ホイ 他
音楽:マーク・コーヴェン
出演:アニヤ・テイラー=ジョイ、ラルフ・アイネソン、ケイト・ディッキー、ハーヴェイ・スクリムショウ、エリー・グレインジャー、ルーカス・ドーソン 他


  〈疑心暗鬼を生じた、その果ては… 〉


 「スプリット」のアニヤ・テイラー=ジョイ主演によるダークファンタジー・ホラー。


 1630年、アメリカ・ニューイングランド。街を追い出されたウィリアム(ラルフ・アイネソン)とキャサリン(ケイト・ディッキー)夫妻は、5人の子供たちと共に敬虔なキリスト教生活をおくるため、村はずれにある森の近くの荒れ地にやって来る。だが突如、赤子のサムが何者かに連れ去られ、行方不明になってしまう。連れ去ったのは森の魔女か、それとも狼か…。悲しみに暮れる家族だったが、ウィリアムは美しく成長した愛娘トマシン(アニヤ・テイラー=ジョイ)が、魔女ではないかと疑いはじめる。疑心暗鬼となった家族は、やがて狂気の淵に陥っていく…。


 “魔女”をテーマにしたホラーで、日本では先に公開された「スプリット」でヒロイン役を好演したアニヤ・テイラー=ジョイのデビュー作。ほぼ全編にわたる薄暗い映像と、弦楽器による不協和音の連続のような音楽が怖さを倍増させる。ただ、キリスト教や悪魔崇拝のことを知ってないと、この話を理解するのはちょっと苦しいかもしれない。思い込みと捉えることもできるが、その思い込みというものは、時に悲惨な結末を迎えてしまう事もあるのだ。「エクソシスト」なんかが好きな人は、この恐怖に耐えられるかも。


私の評価…☆☆☆

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