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2017年11月

2017年11月30日 (木)

ブレードランナー2049

ブレードランナー2049
ブレードランナー2049
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン
原作:フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
製作:アンドリュー・A・コソーヴ 他
製作総指揮:リドリー・スコット 他
音楽:ハンス・ジマー、ベンジャミン・ウォルフィッシュ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ライアン・ゴズリング(加瀬康之)、ハリソン・フォード(磯部勉)、アナ・デ・アルマス(小林沙苗)、シルヴィア・フークス(志田有彩)、ロビン・ライト(深見梨加)、マッケンジー・デイヴィス(行成とあ)、カーラ・ジュリ(恒松あゆみ)、レニー・ジェームズ(辻親八)、デイヴ・バウティスタ(木村雅史)、ジャレッド・レト(桐本拓哉)、デヴィッド・ダストマルチャン(上田燿司)、バーカッド・アブディ、ヒアム・アッバス(藤生聖子)、ウッド・ハリス(白熊寛嗣)、トーマス・レマルキス(中村章吾)、ローレン・ペタ→レイチェルのベースモデル、ショーン・ヤング[アーカイバル・フッテージ映像](岡寛恵)、エドワード・ジェームズ・オルモス(佳月大人) 他


  〈人間の人間らしさとは、一体何か〉


 フィリップ・K・ディックの小説を元に、レプリカントと呼ばれる人造人間と彼らによる犯罪を追う捜査官の戦いを描いた傑作SFアクションの続編。


 2049年、カリフォルニアは貧困と病気が蔓延していた。労働力として人間と見分けのつかないレプリカントが製造され、人間社会と危うい共存関係にあった。しかし、人類への反乱を目論み社会に紛れ込んでいる違法な旧レプリカントは、ブレードランナーと呼ばれる捜査官が取り締まり、2つの社会の均衡と秩序を守っていた。LA市警のブレードランナー・K(ライアン・ゴズリング)はある事件の捜査中に、レプリカント開発に力を注ぐ科学者ウォレス(ジャレッド・レト)の巨大な陰謀を知ると共に、その闇を暴く鍵となる男、かつて優秀なブレードランナーとして活躍していたが、ある女性レプリカントと共に忽然と姿を消し、30年間行方不明になっていたデッガード(ハリソン・フォード)にたどり着く。デッガードが命を懸けて守り続けてきた秘密とは? 二つの社会の秩序を崩壊させ、人類の存亡に関わる真実が明かされる…。


 リドリー・スコットの代表作であり、SF映画の金字塔である「ブレードランナー」の35年ぶりの続編。ヴィルヌーヴ監督は、オリジナルにリスペクトを捧げつつ、独自の世界観を作り上げている。


 冒頭は瞳のクローズアップ。これは前作と同じなのだが、見つめているのは暗黒都市ではなく、どこまでも続く発電ファーム。30年の間に地球温暖化による環境破壊は進み、酸性雨にプラスしてロサンゼルスに雪が降る。ラスベガスは放棄され廃墟になった。こういった世界観の変化が、物語を新たな展開へと導いていく。


 前作が公開された時からあった、デッカードもレプリカントなのではないかという説は、本作でも答えが出されていないが、ブレードランナーがレプリカントという設定は、本作では最初から前提となっている。主人公の“K”はウォレス社によって作られたネクサス9型レプリカントであり、冒頭の“レプリカント狩り”で発見されたレプリカントの生殖の痕跡を巡り、“K”は葛藤を抱えながら、全ての電子的記録が消えた“大停電”以前の過去を探し始めるのだ。デッカードとレイチェルの消息を探す捜査が、“K”自身に関する新たな謎を呼ぶという展開は、30年前に消えた2人と、産み落とされた子供を探すプロセスを軸に綿密に構成され、先を読ませず2時間半を超える長さを全く感じさせないほど秀逸だ。


 前作でも描かれていた、レプリカントが心を持つという設定は、感情を持つ人工知能という形で既に現実化しているが、本作ではそこから一歩踏み込んで、レプリカントの心や記憶が人間よりも人間らしいものだとしたら、人間の人間らしさとはいったい何かという問いが描かれる。その答えは映画を観てほしいのでここでは明かさないが、前作にも劣らない圧倒的な映像美と、深いメッセージで魅せるこの映画。前作を観ている事は必須だが、是非観てほしい傑作である。AIのジョイちゃんは、現実にあったら絶対欲しいナ(´Д`)


私の評価…☆☆☆☆★

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2017年11月28日 (火)

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)
猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:マット・リーヴス
脚本:マーク・ボンバック、マット・リーヴス
原作:(キャラクター創造)リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー(原作小説)ピエール・ブール「猿の惑星」
製作:ピーター・チャーニン 他
製作総指揮:メアリー・マクラグレン
音楽:マイケル・ジアッチーノ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):アンディ・サーキス(小原雅人)、スティーヴ・ザーン(柳沢慎吾)、カリン・コノヴァル(斉藤次郎)、テリー・ノタリー、タイ・オルソン(白熊寛嗣)、マイケル・アダムスウェイト、トビー・ケベル(三宅健太)、ジュディ・グリア、サラ・カニング、マックス・ロイド=ジョーンズ、デヴィン・ダルトン、アレクス・ポーノヴィッチ、ウディ・ハレルソン(大川透)、アミア・ミラー、ガブリエル・チャバリア(阪口周平)、 他

日本語吹替版ナレーター …山野井仁


  〈これで、猿と人類の戦いが終わる…〉


 ピエール・ブールによる同名のSF小説を原作にした「猿の惑星シリーズ」を新しい解釈で描いた新シリーズの完結作。猿のリーダーであるシーザーが、その使命感と家族を奪われた復讐心の狭間で葛藤する物語が描かれる。


 高度な知能を得た猿と人類の全面戦争が勃発してから2年後。シーザー(アンディ・サーキス)率いる猿の群れは森の奥深くに身を潜めていたが、ある夜奇襲を受け、シーザーの妻と年長の息子が落命。敵の軍隊を統率する大佐(ウディ・ハレルソン)への憎しみから、シーザーは仲間たちを新たな隠れ場所に向かわせ、穏やかなオランウータンのモーリス(カリン・コノヴァル)やシーザーの片腕的な存在のロケット(テリー・ノタリー)らを伴い復讐の旅に出る。道中、口のきけない人間の少女ノバ(アミア・ミラー)や動物園出身の奇妙なチンパンジー、バッド・エイプ(スティーヴ・ザーン)を加え、大佐のアジトである巨大な要塞にたどり着いた一行。しかし復讐心に燃えいつもの冷静な判断力を失ったシーザーは、執拗に彼を狙う大佐に捕獲されてしまう。そこで新天地に向かったはずの仲間たちがこの刑務所のごとき施設に監禁され過酷な重労働を課せられていることを知り、責任を痛感したシーザーは大切な仲間を希望の地へと導くため、命がけの行動に出る…。


 本作は一連の前日譚シリーズの最終章。これまで伏線となっていた、なぜ猿が人間を支配する世界が出来上がったのか? 人間社会が滅亡に向かい猿社会が繁栄したのはなぜか? といった疑問にきっちり答えを出している。自らの家族の愛も人間の愛も知ったシーザーが、望まない戦いに身を投じなければならない運命や葛藤は切なく、悲しい。


 映画は後半からシーザーが仲間を引き連れて旅をするロードムービーとなっていくが、そこには過去の西部劇や戦争映画のオマージュがたっぷり。となれば当然ながら、人間が行った愚行も描かれ、それはSF映画の形をとりながらも現代社会を巧みに描いていく。シリーズを通してシーザーを演じたアンディ・サーキスが素晴らしく、彼には今度こそオスカーを獲得してほしいと思う。


私の評価…☆☆☆☆

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2017年11月21日 (火)

バリー・シール アメリカをはめた男

バリー・シール アメリカをはめた男
バリー・シール アメリカをはめた男
劇場:TOHOシネマズ梅田
監督:ダグ・リーマン
脚本:ゲイリー・スピネッリ
製作:ブライアン・グレイザー 他
製作総指揮:レイ・アンジェリク
音楽:クリストフ・ベック
出演:トム・クルーズ、サラ・ライト、ドーナル・グリーソン、アレハンドロ・エッダ、マウリシオ・メヒア、ジェイマ・メイズ、ジェシー・プレモンス、ローラ・カーク、ララ・グライス、フランク・リカリ、ジェド・リース、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、コナー・トリニア 他


  〈破天荒な男の成れの果て〉


 トム・クルーズが「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のダグ・リーマン監督と再びタッグを組んだ実話アクション。


 天才的な操縦技術を誇り、民間航空会社のパイロットとして何不自由ない暮らしを送っていたバリー・シール(トム・クルーズ)。ある日、CIAエージェントからスカウトされたバリーは、CIAの極秘作戦に偵察機パイロットとして加わることに。だがその過程で伝説的な麻薬王パブロ・エスコバルらと接触、麻薬の運び屋としても天才的な才能を見せ始める。ホワイトハウスやCIAの命令に従いながら、同時に麻薬密輸ビジネスで数十億円の荒稼ぎをするバリー。だがそんな彼の背後には、とんでもない危険が迫っていた…。


 この男、やっている事が本当にメチャクチャである。金と欲に目が眩んで何でも引き受けるが、そんなもの最初は上手くいっても何れは破綻するのが当たり前。都合が悪くなったら最終的にはCIAからも麻薬カルテルからもホワイトハウスからもあっさり捨てられる。“嵌めた”ではなく“嵌められた”男の話だ。


 開巻のユニバーサルやイマジンのジングルから面白いし、時代設定が1970年代末から80年代始め頃なので、ベン・アフレックの「アルゴ」みたいに、VHSで再生したかのような粗い質感の画もいい。BGMもまるでレコード音源のような図太い音だ。話のテンポもいいが、前半部分の編集がちょっと粗く、もしかするとそこでついていけずに置いてきぼりを食らう人もいるかも。CIAがこの時代にとっていた中南米での活動を、あらかじめ頭に入れておくと、より楽しめるかもしれない。


私の評価…☆☆☆★

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2017年11月19日 (日)

アトミック・ブロンド

アトミック・ブロンド
アトミック・ブロンド
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:デヴィッド・リーチ
脚本:カート・ジョンスタッド
原作:アンソニー・ジョンストン&サム・ハート「The Coldest City」
製作:シャーリーズ・セロン 他
音楽:タイラー・ベイツ
出演:シャーリーズ・セロン、ジェームズ・マカヴォイ、ジョン・グッドマン、ティル・シュヴァイガー、エディ・マーサン、ソフィア・ブテラ、トビー・ジョーンズ、ビル・スカルスガルド、ヨハネス・ヨハンソン、ダニエル・バーンハード、サム・ハーグレイブ、ジェームズ・フォークナー、ローランド・ムーラー 他


  〈音楽センスだけが光るスパイアクション〉


 シャーリーズ・セロンがスゴ腕の諜報員を演じるスタイリッシュなスパイアクション。


 1989年、東西冷戦末期のベルリン。世界情勢に多大な影響を及ぼす極秘情報が記載されたリストが奪われる。イギリス秘密情報部MI6は、凄腕の女性エージェント、ロレーン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)にその奪還を命じる。ベルリンに潜入中のエージェント、デヴィッド・パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)と共に任務を遂行するロレーン。だが彼女には、リスト紛失に関与したMI6内の二重スパイ“サッチェル”を見つけ出すというもうひとつのミッションがあった。リストを狙って、ベルリンに集結する世界各国のスパイ。誰が味方で誰が敵なのか。敵味方の区別がつかない状況の中、ロレーンと世界の運命は…?


 2012年に発表されたグラフィック・ノベルが原作なので、予告編で観たより以上にハードボイルドな感じである。スパイアクションものなので、主演のシャーリーズ・セロンが男性も顔負けのアクションを演じてカッコいいのだが、残念なのはそのアクションだけが目立ちすぎて、そのスパイたちが何を争っているのかがさっぱり分からず、ストーリーにも目新しさが無い。1980年代のヒットナンバーを効果的に使うなど、音楽センスが良いのは感じ取れるのだが、女性版007という宣伝文句にはかなりの違和感を感じた。


私の評価…☆☆☆

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2017年11月16日 (木)

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年・リバイバル上映)

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年・リバイバル上映)
劇場:MOVIX京都
監督:リドリー・スコット
脚本:ハンプトン・ファンチャー、デヴィッド・ピープルズ
原作:フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
製作:マイケル・ディーリー
音楽:ヴァンゲリス
出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、エドワード・ジェームズ・オルモス、M・エメット・ウォルシュ、ダリル・ハンナ、ウィリアム・サンダーソン、ブライオン・ジェームズ、ジョー・ターケル、ジョアンナ・キャシディ、ジェームズ・ホン、モーガン・ポール、ハイ・パイク、ロバート・オカザキ 他


  〈続編もとっくに観てるんだけどね(笑)順番、順番… 〉


 「ブレードランナー」(1982年)の公開25周年を記念し、リドリー・スコット自身の総指揮によって編集されたバージョンで、日本では2007年当時、東京と大阪の2館4スクリーンのみで、2KデジタルDLPで劇場公開されたものを、今回続編の公開を前にリバイバル上映したものである。


 2019年。この頃、地球人は宇宙へ進出し、残された人々は高層ビルの林立する都市に住んでいた。絶え間なく酸性雨が降っているロサンゼルスでは、東洋系を始めとして、さまざまな人々がうごめいていた。その1人デッカード(ハリソン・フォード)は、ガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)と名乗る男に本署へ連れてこられる。そこで彼は元上司のブライアント(M・エメット・ウォルシュ)に、レプリカント4名が地球に侵入し人間を殺して逃亡、解体処分が決定したので、彼らを見つけ出せと命じられる。レプリカントとは、遺伝子工学の新技術によって生産された人造人間で、宇宙探索や植民地惑星での危険な労働に従事するよう強靭な肉体と高い知能を併せ持ち、あらかじめ死期もセットされている。ブレードランナーとは、レプカリントの犯罪や叛逆にそなえ彼らを識別し抹殺する刑事のことで、デッカードは中でも一流だった。彼はレプカリント製造の最大手タイレル社に行き、そこでタイレル博士(ジョー・ターケル)と謎の美女レイチェル(ショーン・ヤング)に出会う。彼はレイチェルをテストし、彼女がレプカリントであることを知るが、彼女自身はそれを知らなかった。デッカードはスネーク・ダンスを踊っていたレプリカントの1人ゾラ(ジョアンナ・キャシディ)を射殺。レプリカントのレオン(ブライオン・ジェームス)に襲われるが、危ういところをレイチェルに救われた。その後、2人はアパートで結ばれる。レプリカントのリーダーであるバッティ(ルトガー・ハウアー)は、自分の死期を知ろうとしてタイレル社長と対面し、タイレルを惨殺。デッカードは、レプリカントのプリス(ダリル・ハンナ)を倒した。そして、デッカードとバッティが対決する…。


 これが無かったら、「ターミネーター」や「マトリックス」など生まれてもこなかったであろう、ディストピアなSFのエポックメイキング的な映画。パソコンなど無い時代に、その登場を予感させるような映像をちゃんと描いているのもいい。人間とレプリカントどちらが善か悪か、また、人間とレプリカントの恋愛はありなのか(←これも続編に向けて重要なテーマ)? という難解且つ奥深いテーマの映画である。


 現在公開中の続編「ブレードランナー2049」は、本作の30年後を描くもので、デッカードと女性レプリカントのレイチェルが姿を眩ます本作のラストが重要な意味を持っている。「~2049」が観たい人は、本作を観て予習・復習しておいた方がいいかも。


 その「ブレードランナー2049」、全米BOX Officeでは一応初登場1位だったが、客の入りが良かったのは前夜祭だけで、後は客足が伸びず、最終興行収入予想を下方修正せざるを得ない状況らしい。ま、さすがに赤字になることは無いと思うが。幸い日本では、オリジナル版からのファンにプラスして、「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングのファンが押し寄せているようで、大ヒットとまではいかないまでも、結構客の入りは良いようである。


 1982年に想像された2019年の世界は、ある意味かけ離れてはいるものの、近い部分も多い。今から僅か2年後に、酸性雨がずっと降り続く世界にはなってほしくないが、果たして実際32年後にはどんな世の中になっている事やら…。


私の評価…☆☆☆☆

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2017年11月14日 (火)

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~
劇場:MOVIX京都
総監督:石原立也
監督:小川太一
シリーズ構成・脚本:花田十輝
原作:武田綾乃「響け! ユーフォニアム2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏」、「響け! ユーフォニアム3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機」
製作:京都アニメーション 他
音楽:松田彬人
音楽制作協力:洗足学園音楽大学
演奏協力:フレッシュマン・ウインド・アンサンブル(洗足学園音楽大学の1年生で編成されたバンド)
主題歌:TRUE「サウンドスケープ」
声の出演:黄前久美子…黒沢ともよ、加藤葉月…朝井彩加、川島緑輝(さふぁいあ)…豊田萌絵、高坂麗奈…安済知佳、塚本秀一…石谷春貴、後藤卓也…津田健次郎、長瀬梨子…小堀幸、中川夏紀…藤村鼓乃美、吉川優子…山岡ゆり、田中あすか…寿美菜子、小笠原晴香…早見沙織、中世古香織…茅原実里、斎藤葵…日笠陽子、鎧塚みぞれ…種﨑敦美、傘木希美…東山奈央、滝昇…櫻井孝宏、松本美知恵…久川綾、橋本真博…中村悠一、新山聡美…桑島法子、黄前麻美子…沼倉愛美 他


 〈ドラマと演奏の描写、共にクオリティが高い〉


 吹奏楽で全国大会を目指す高校生たちの青春を描いたテレビアニメの第2期を、主人公の久美子と副部長で同じユーフォニアムパートの先輩であるあすかとの関係を軸に再構築した劇場版。


 吹奏楽コンクール全国大会出場を控えた北宇治高校吹奏楽部。秋の涼しげな気配が近づいた頃、3 年生の田中あすかの退部話が持ち上がる。皆が頼りにしているあすかの思いがけない話に、部員たちの間で動揺が広がる中、彼女と同じくユーフォニアムを担当する1年生の久美子はある行動に出る…。


 TVアニメ版第1期の総集編だった劇場版第1作同様、本作もTVアニメ版第2期を元に描いているので内容はその第2期と一緒だが、視点を変えてあすか先輩の側から描くことによって、あすかのキャラクターがより深く掘り下げられ、ストーリーにも深みが出ている。


 吹奏楽を好きになった境遇が似ているからこそ分かるお互いの気持ち、母親の強制で部を辞めさせられそうになるあすかの決断と、続けてほしいと願う久美子の葛藤。このあたりの展開はグイグイと引き込ませてくれる。全国大会が終わり、卒業式の後で久美子があすかに思いのたけをぶちかますシーンは思わずジーンときた。


 さて、このシリーズはここで終了? と思いきや、まだ続く。来年春には初のスピンオフ「リズと青い鳥」が公開。原作ファンなら知っているであろう、第2期時点で2年生組の鎧塚みぞれと傘木希美の“切っても切れない”(笑)関係を描いていく。そしてもう1本、主人公の久美子が進級する本編の「2年生編」が、劇場用として製作される。「ユーフォ」ファンは楽しみにしておこう。


私の評価…☆☆☆★

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2017年11月10日 (金)

阿修羅少女(アシュラガール) ~BLOOD-C異聞~

阿修羅少女(アシュラガール) ~BLOOD-C異聞~
劇場:T・ジョイ京都
監督:奥秀太郎
脚本:藤咲淳一
原作:Production I.G、CLAMP
プロデューサー:奥村千之介
音楽:中尾憲太郎
出演:青野楓、松村龍之介、宮原華音、古田新太、水野美紀、滝川英治、南圭介、手塚とおる、田中要次、八神蓮、銀粉蝶、坂井真紀、郷本直也、友常勇気、結城貴史、石渡真修、中山孟、時光陸、古波倉要、宮城紘大、吉川麻美、白柏寿大、石川界人(ナレーション) 他


  〈人気アニメの前日譚〉


 日本刀を携えた少女・小夜の戦いを活写した「BLOOD」シリーズから生まれ、アニメや舞台など多角展開する「BLOOD-C」シリーズの実写アクション。戦前の日本を舞台に、寒村で起こる惨劇をオリジナルストーリーで描く。


 戦争前夜の日本。山奥の寒村で特高警察の者が殺され、特高警察の部隊長・甘粕(古田新太)は村に捜査本部を設置。繰り返される横暴な捜査に限界を迎えようとする村人たちの中に、唇を噛みしめ屈辱に耐える蓮(松村龍之介)の姿があった。蓮は、外の世界にあこがれつつ血の病のため診療所で過ごす姉・蘭(青野楓)を大切に思い村にとどまっていた。ついに特高警察と村人とが衝突。逃げ出した蓮の前に日本刀を携えた制服姿の少女・小夜(宮原華音)が現れる。古きものを狩るためにここに来たと告げる小夜。特高警察と村人との衝突が激化し血で血を洗う事態に突き進もうとする中、目覚める蘭。因果の渦が巻く寒村に、小夜の刃が煌めく…。


 人気アニメ「BLOOD」シリーズでは、韓国人女優のチョン・ジヒョンがヒロイン=沙夜を演じた「ラスト・ブラッド」(2009年)以来、2度目の実写化。


 このシリーズは沙夜というヒロインの名前だけが共通している他は、作品毎にキャラクター設定やストーリー、そして演者が違うのだが、本作もメインキャストは舞台版とほぼ同じ役者が演じるものの、アニメ版の前日譚となる設定で、アニメ版では登場せず2015年の舞台版で登場したキャラクター=蘭の目線でストーリーが進行する。


 正直、アクション映画としてはショボいし、経験が少ないとはいえWヒロインの演技も拙い。何より、アニメではしっかりビジュアル化されていた“古きもの(妖怪)”が、予算の都合からか、取り憑かれたキャラクターの目をCGで光らせるだけでは迫力不足である。


 まぁ、そのWヒロイン青野楓と宮原華音のアクションは格好良くて目の保養になるのだが(笑)。特に青野楓はルックスが「スケバン刑事」時代の斉藤由貴にちょっと似ており、目力もあって身長も169cmのモデル体型。演技経験を積めば間違いなく舞台映えやスクリーン映えする女優になるだろう。空手の腕前が黒帯で、脚も長いのでアクションや特撮映画での活躍が期待できる。日本は本格的なアクションができる女優が少ないので、頑張ってほしい。


私の評価…☆☆

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2017年11月 9日 (木)

ドリーム

ドリーム
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本:セオドア・メルフィ
共同脚本:アリソン・シュローダー
原作:マーゴット・リー・シェタリー「Hidden Figures」
製作:セオドア・メルフィ 他
音楽:ファレル・ウィリアムス、ハンス・ジマー、ベンジャミン・ウォルフィッシュ
出演:タラジ・P・ヘンソン、ジャネール・モネイ、オクタヴィア・スペンサー、ケビン・コスナー、キルスティン・ダンスト、ジム・パーソンズ、グレン・パウエル、マハーシャラ・アリ、ドナ・ビスコー、ローダ・グリフィス、マリア・ハウエル、オルディス・ホッジ、ペイジ・ニコレット、
ゲイリー・ウィークス、サニーヤ・シドニー、キンバリー・クイン、オレク・クルパ 他


  〈激しい差別の中で彼女たちが成し遂げたこと〉


 アメリカと旧ソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた1960年代初頭、アメリカ初の有人周回飛行の成功に尽力したNASAに勤務する3人の黒人女性の実話を映画化した人間ドラマ。第89回アカデミー賞では3部門でノミネートされた。


 1961年、東西冷戦下のアメリカとソ連は熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた。ヴァージニア州ハンプトンのNASAラングレー研究所では、優秀な黒人女性たちが計算手として西計算グループで働いていた。リーダー格のドロシー(オクタヴィア・スペンサー)は管理職への昇進を希望するが、上司ミッチェル(キルステン・ダンスト)は「黒人グループには管理職を置かない」と却下する。メアリー(ジャネール・モネイ)は技術部への転属が決まり、エンジニアを志すが、黒人には無理だと諦めている。幼いころから数学の天才少女と呼ばれていたキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)は黒人女性として初のハリソン(ケビン・コスナー)率いる宇宙特別研究本部に配属されるが、白人男性ばかりの職場の雰囲気はとげとげしく、そのビルには有色人種用のトイレもなかった。それでも家庭を持つ3人は、国家の威信をかけたマーキュリー計画に貢献しようと奮闘した。1961年4月12日、ソ連はユーリ・ガガーリンを乗せたボストーク1号で史上初の有人宇宙飛行を成功させる。ソ連に先を越されたNASAへの猛烈なプレッシャーのなか、キャサリンはロケットの打ち上げに欠かせない複雑な計算や解析に取り組み、その実力をハリソンに認められ、宇宙特別研究本部で中心的な役割を任される。一方ドロシーは、新たに導入されたIBMのコンピュータを使ったデータ処理の担当に指名され、メアリーは裁判所への請願が実り、白人専用だった学校で技術者養成プログラムを受けるチャンスを得る。夫に先立たれ、3人の子供をひとりで育てていたキャサリンは、教会で出会ったジム・ジョンソン中佐(マハーシャラ・アリ)のプロポーズを受ける。1962年2月20日、宇宙飛行士ジョン・グレンがアメリカ初の地球周回軌道飛行に挑む日。打ち上げ直前に想定外のトラブルが発生し、すでに職務を終えて宇宙特別研究本部を離れていたキャサリンに、コンピュータには任せられない重大な計算が託される…。


 この映画、原題は「Hidden Figures」で、“隠された人達”=“知られざる人達”を意味する。セグリゲーションと呼ばれる、非白人と女性への差別が深刻だった時代、その差別が得に酷かったバージニア州にあるNASAで、映画「ライトスタッフ」でも描かれた“マーキュリー計画”を、影で支えた3人の黒人女性の奮闘を描く。


 映画用にかなり脚色はされているようだが、苦難にぶち当たりながらもその“壁”をぶっ壊していく3人が痛快で見事だ。本国では子供達が親や学校の先生に連れられて観に行くケースが多かったらしく、特に貧民街に住む黒人やラテン系、メキシコ系の人達がそうやって挙って観に行ったので、「ラ・ラ・ランド」をも凌ぐヒットとなったということも頷ける。


 ヒットメーカーであるハンス・ジマーによる劇伴も良いが、やはり劇中のヴォーカル曲ほぼ全てを担当したファレル・ウィリアムスによる60年代風のオリジナル曲が最高に気分を盛り上げる。特にエンディング・テーマはだれもが元気になれる曲だ。


 ところで、本作は日本公開に際し、当初は「~私たちのアポロ計画」という副題がついていた。これは、ラストシーンのセリフからの引用であり、宇宙計画をイメージしやすいものとして付けられたものだが、描いている事柄と違うのではないかという批判が高まり省かれたものである。これについては賛否両論があるのだが、結局は日本人にとって身近なテーマとはいえないものを、どうやって観てもらおうとするかと考えられた上での苦肉の策なのだ。本作はアカデミー賞候補になった作品であるにも関わらず、当初は日本公開の目処が立たず劇場未公開になる可能性もあったのである。確かに誤解を招くような表現はいけないが、映画を観ずに批判し炎上させた輩も悪い。昔は粋な邦題も多かったが… いろいろ難しくなっているのかなぁ。


私の評価…☆☆☆☆★

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2017年11月 7日 (火)

亜人

亜人
亜人
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:本広克行
脚本:瀬古浩司、山浦雅大
原作:桜井画門「亜人」
製作:市川南
製作総指揮:山内章弘
音楽:菅野祐悟
主題歌:THE ORAL CIGARETTES「BLACK MEMORY」
出演:佐藤健、綾野剛、玉山鉄二、城田優、千葉雄大、川栄李奈、浜辺美波、山田裕貴、品川祐、吉行和子、宮野真守(ナレーション/永井圭のIBMの声) 他


  〈アクションで魅せる映画〉


 絶対に死なない新人類“亜人”と人類との戦いを描き、テレビアニメや劇場映画化された桜井画門の人気コミックを佐藤健主演で実写映画化したSFアクション。


 2017年東京。病気の妹を救うため、日々勉学に励んでいた研修医の永井圭(佐藤健)はある日、交通事故で死んでしまう。しかしその直後、肉体が復活し、圭は生き返る。圭は絶対に死なない新人類・亜人だった。亜人であることが発覚した圭は、警察や懸賞金目当ての人間に追われ、亜人研究施設に監禁され、非人道的な実験のモルモットにされてしまう。そんな圭に手を差し伸べたのは、同じく亜人の佐藤(綾野剛)という謎の男だった。佐藤は亜人としてこの国で生きていくため、国家を転覆させるべく人類の大量虐殺を繰り返すテロリストだった。同じ亜人として佐藤の思い描く未来に共感できない圭に、佐藤は怒りの矛先を向ける。人間でいたい亜人と、亜人を救いたい亜人の終わらない戦いが始まる…。


 本作はアニメ版を製作していたProduction I.G.が製作協力をしている。このためか、アニメ版で永井圭を演じた宮野真守がナレーションと永井のIBMの声を担当し、同じくアニメ版で佐藤を演じていた大塚芳忠がTVCMでナレーションを担当。そして、アニメ版で曽我部を演じていた鈴村健一が、実弟がアクション監督を務めている縁もあって俳優としてアナウンサー・岩清水憲明役を演じている。本作での佐藤役=綾野剛が大塚芳忠の口調を完コピしてたりもして、極力アニメ版のイメージを崩さないように作られているので、恐らくアニメ版のファンにも納得のいく出来になっているのではないか。


 まぁ、劇場アニメ版三部作を無理矢理凝縮している形なので、かなり強引な展開もある。中でもアニメ版ではハッキリと描かれていた、亜人を敵視する人間・戸崎優と、戸崎の部下兼ボディーガードの亜人・下村泉の“持ちつ持たれつ”な関係が全く描かれないため、原作やアニメ版を知らない観客は戸惑うだろう。アクションを楽しむ映画と割りきれば、佐藤・綾野・川栄のアクションはキレッキレで、ビジュアルとしても十分見応えがあり、IBMとの四つ巴バトルシーンも見事な出来栄えである。


私の評価…☆☆☆★

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2017年11月 3日 (金)

僕のワンダフル・ライフ

僕のワンダフル・ライフ
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ラッセ・ハルストレム
脚本:W・ブルース・キャメロン、キャスリン・ミション、オードリー・ウェルズ、マヤ・フォーブス、ウォーリー・ウォロダースキー
原作:W・ブルース・キャメロン「野良犬トビーの愛すべき転生」
製作:ギャヴィン・ポローン
製作総指揮:アラン・C・ブロンクィスト 他
音楽:レイチェル・ポートマン
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ジョシュ・ギャッド[ベイリー/バディ/ティノ/エリーの声](高木渉)、デニス・クエイド(大塚明夫)、K・J・アパ(梅原裕一郎)、ブライス・ガイザー(寺崎裕香)、ペギー・リプトン(松岡洋子)、ブリット・ロバートソン(花澤香菜)、ジョン・オーティス(落合弘治)、カービー・ハウエル=バプティスト(小島幸子)、プーチ・ホール(勝杏里)、ジュリエット・ライランス(林真里花)、ルーク・カービー(星野貴紀)、マイケル・ボフシェヴァー(仲野裕)、ガブリエル・ローズ(寺内よりえ)、ローガン・ミラー(バトリ勝悟)、ニコール・ラプラカ(小若和郁那) 他


  〈転生を繰り返し、約50年も元の飼い主を追い続けた犬〉


 最愛の飼い主と再会するために、50年で3回も生まれ変わった犬と人間との深い関係を描くヒューマンドラマ。ベストセラー作家のW・ブルース・キャメロンが愛犬を亡くした試練を乗り越えようとしていた恋人のために書いた小説をラッセ・ハルストレム監督が映画化した。


 少年イーサン(ブライス・ガイザー)に命を救われたゴールデンレトリバーの子犬ベイリーは、イーサンを慕い、彼と固い絆を結んでいく。最愛の人との日々を過ごすベイリーだったが、人間よりも犬の寿命は短く、やがて別れの時がやってくる。しかしベイリーはイーサンに会いたい一心で生まれ変わり、3度の転生を経てついに再会。そして、自分の大切な使命に気付く。


 これは犬好きには堪らない映画。犬が転生を繰り返しながら人生ならぬ“犬生”について考えるという犬目線の映画だが、3回の生まれ変わりで4つのエピソードのうち、重要なのは最初と最後で、真ん中のシェパードとコーギーのエピソードは時間的な事もあってか、あっさり済まされている。最初の“犬生”を終える場面が結構泣ける(正直、自分も柴犬を“犬生”を終えるまで飼っていたのでこの部分は結構キツかった)が、ラストは少々出来過ぎ感が強いか。だがハリウッド版“忠犬ハチ公物語”「HACHI 約束の犬」(2009年)の監督らしい、動物愛に満ちた素敵な映画である。


私の評価…☆☆☆☆

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2017年11月 2日 (木)

プラネタリウム

プラネタリウム
劇場:梅田ブルク7
監督・脚本:レベッカ・ズロトヴスキ
共同脚本:ロバン・カンピヨ
音楽:ロブ
出演:ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップ、エマニュエル・サランジェ、アミラ・カサール、ピエール・サルヴァドーリ、ルイ・ガレル、ダーヴィット・ベネント、ダミアン・シャペル 他


  〈人の心を狂わせる美人姉妹〉


 ナタリー・ポートマンとリリー=ローズ・デップが、見えないものを見せようとする美人姉妹と、フランスの伝説の映画プロデューサーという共に実在した人物をモデルに、降霊術で人々を魅了する心霊術師の美人姉妹役で共演するミステリアスなドラマ。奇想天外な物語を作り出したのは「美しき棘」のレベッカ・ズロトヴスキ監督。


 1930年代。ローラ(ナタリー・ポートマン)とケイト(リリー=ローズ・デップ)のバロウズ姉妹は、各地で死者を呼び寄せる降霊術ショーを開き、話題の美人姉妹として活躍するアメリカ人心霊術師だった。ショーを仕切る野心家の姉ローラと、純粋で自分の世界に閉じこもりがちな妹ケイト。花の都パリへ向かった二人は、彼女たちの才能に魅せられた映画プロデユーサーのコルベン(エマニュエル・サランジェ)から、世界初となる心霊映画の撮影を持ちかけられる。映画制作に向け動き出す中、姉妹の運命が狂い始める…。


 こういうのって、感覚で観る映画なのかなぁ? 映画としてはストーリーがショボくてつまらん。この映画は実話ではないが、前述のように2人のヒロインと劇中の映画プロデューサーには実在のモデルがいる。アメリカでスピリチュアリズムの先駆者として知られたフォックス姉妹と、フランスの伝説の映画プロデューサー、ベルナール・ラタン。活躍した時代や場所は違うのだが、“見えないものを見せようとした”事や“詐欺師と呼ばれた”事実には共通点がある。このモチーフを接点としてどのように描くのかが見せ所なのだが、殆ど意外性もなく淡々と描いているだけ。ヒロイン2人はさすがに美しいので、ファンの人だけど~ぞ、という感じの映画であった。


私の評価…☆☆

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2017年11月 1日 (水)

ジュリーと恋と靴工場

ジュリーと恋と靴工場
ジュリーと恋と靴工場
劇場:MOVIX京都
監督・脚本:コスティア・テスチュ、ポール・カロリ
製作:グザヴィエ・デルマ
音楽:オリヴィエ・ダヴィオ
出演:ポーリーヌ・エチエンヌ、オリヴィエ・シャントロー、フランソワ・モレル、ロイック・コルベリー 他


  〈ジャック・ドゥミの映画っぽいが、何か物足りない〉


 ジャック・ドゥミを彷彿とさせるカラフルでポップなミュージカル・コメディ。監督のポール・カロリとコスティア・テスチュは、本作で長編デビュー。


 田舎町に住む25歳のジュリー(ポーリーヌ・エチエンヌ)は、就職難を乗り越え、何とか高級靴メーカーの工場で試験採用となる。ところがその工場は、近代化の煽りを受けて閉鎖の危機に直面していた。リストラを恐れた靴職人の女たちが、抗議のためにパリの本社に乗り込んだことから騒動に。この事件に巻き込まれたジュリーは危うくクビになりかける。その一方で、仄かな恋の予感も…。職人の意地とプライドをかけて戦う逞しい女たちとともに工場閉鎖の危機を乗り越え、ジュリーは本当の幸せを掴むことができるのか…?


 久々のフレンチ・ミュージカル。靴工場をリストラされる寸前の女性職人が奮闘する話。謂わば“ゲイが絡まない女性版「キンキーブーツ」(笑)”で、演出は確かにジャック・ドゥミっぽいのだが、やっぱりどこか物足りないんだよなぁ。ヒロインもあまり魅力的ではないし。


 演出がドゥミなら、オリヴィエ・ダヴィオ(「ゲンスブールと女たち」)の音楽は、やっぱりどことなくミシェル・ルグランっぽい。だから、「シェルブールの雨傘」や「ロシュフォールの恋人たち」を相当意識しているのだろうけど、比較にならないほど、こっちが下である。


私の評価…☆☆★

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