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2018年5月

2018年5月31日 (木)

ミッドナイト・サン~タイヨウのうた~

ミッドナイト・サン~タイヨウのうた~
劇場:MOVIX京都
監督:スコット・スピアー
脚本:エリック・カーステン
製作:ジョン・リカード、ザック・シラー、ジャン・ガティアン
製作総指揮:スコット・スピアー 他
音楽:ネイト・ウォルコット
出演:ベラ・ソーン、パトリック・シュワルツェネッガー、ロブ・リグル、クイン・シェファード、ティエラ・スコビー、ポール・マクギリオン、ケン・トレンブレット 他


  〈難病ものにありがちな暗さがないのが良い〉


 YUI主演の映画「タイヨウのうた」をリメイク。病を抱えた少女と夢を諦めた青年の愛の物語。


 太陽の光に当たることができない病気“XP(色素性乾皮症)”に侵されている17歳のケイティ(ベラ・ソーン)は、幼い頃から昼間は家から出られず、父親と二人で時間が経つのを待つだけの日々を過ごしている。唯一の楽しみは、毎夜ギターを片手に駅前まで行き、通行人に向かって歌を歌うことだった。そんなある夜、彼女はチャーリー(パトリック・シュワルツェネッガー)と出会う。チャーリーに病気のことを隠したまま、二人は恋に落ちていく…。


 2006年にミュージシャンのYUI主演で映画が公開され、同年沢尻エリカ主演でTVドラマ化もされた「タイヨウのうた」のハリウッド・リメイク版。因みにオリジナル版も、元々は香港映画「つきせぬ想い」(1993年/アニタ・ユン主演)に着想を得て作られたものである。


 所々に原作からの変更点があったオリジナル版と比べ、より原作に忠実な設定になっていて、アメリカ映画らしく湿っぽさがない。勿論、オリジナル版とどっちが好きかで言うなら僕はオリジナル版の方が好きだが、本作も悪くはないと思う。ただ、ラストの船のシーンはオリジナル版には無かった筈で、あのシーンだけ未練がましくなっているので、無くてもよかったかな。


 ヒロインが奏でる曲は、カバーではなくオリジナルなのだが、不思議とどことなく“YUI for 雨音薫”っぽい。決してお涙頂戴ではないが、泣ける映画である。


私の評価…☆☆☆★

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2018年5月30日 (水)

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:クレイグ・ガレスピー
脚本:スティーヴン・ロジャース
製作:スティーヴン・ロジャース、マーゴット・ロビー 他
音楽:ジェフ・ルッソ
出演:マーゴット・ロビー、セバスチャン・スタン、アリソン・ジャニー、マッケナ・グレイス、ポール・ウォルター・ハウザー、ジュリアンヌ・ニコルソン、ケイトリン・カーヴァー、ボヤナ・ノヴァコヴィッチ、ボビー・カナヴェイル 他


  〈類は友を呼ぶ?〉


 1994年のリレハンメルオリンピックへの出場権を巡って、元夫らにライバル襲撃を命じたと疑われ、一躍時の人となったフィギュアスケート選手、トーニャ・ハーディング。彼女に多大な影響を与えたと言われる母親との関係や衝撃的な事件の経緯などを追った人間ドラマ。


 貧しい家庭に生まれたトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)は、幼少の頃から厳しく育てられた。幼くしてスケートを始めた彼女は、天賦の才と努力により、1991年に女子選手として伊藤みどりに続き史上2人目となるトリプルアクセルに成功。1992年のアルベールビルオリンピック代表選手に選出された。1994年1月6日、リレハンメルオリンピック選考会となる全米選手権を前に、練習を終えたナンシー・ケリガンが何者かに襲撃される事件が発生。膝を殴打され負傷したナンシーは全米選手権欠場を余儀なくされる。トーニャの元夫ジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の指示による犯行と判明し、トーニャ自身にも疑惑の目が向けられた。一度は栄光を掴みアメリカ中から愛された彼女のスケート人生は、この事件を境に一変し、転落していく…。


 ハーディング本人を含め、ハーディング側の関係者のみのインタビューを元に作られているため、“ナンシー・ケリガン襲撃事件”の真相など、本当にこれが真実なのかと思える部分も少なくない(ハーディング本人曰く、捻じ曲げない程度に映画用に脚色されている場面はあるらしい)が、とにかくハーディングの周りにいる人間が、専属コーチ以外はアホでクズばかり(笑)。もうちょっとマシな人たちに囲まれていれば、ちょっとはまともな人格に育ったのだろうと思うと、可哀想に思えてくる。特に母親が強烈で、人を愛することに不器用な人間だったから、生まれてきた娘は人から愛されることに不器用になったのだろう。


 このコントロール魔の毒母を演じたアリソン・ジャニーは、当然アカデミー賞ノミネートも納得の演技だったが、その他にも、フィギュアスケートを猛特訓でトリプルアクセルをちゃんと形として見せられるまで会得した主演のマーゴット・ロビーや、その幼少時代を演じた「gifted(ギフテッド)」の名子役マッケナ・グレイスも素晴らしかった。


私の評価…☆☆☆

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2018年5月26日 (土)

ラプラスの魔女

ラプラスの魔女
ラプラスの魔女
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:三池崇史
脚本:八津弘幸
原作:東野圭吾「ラプラスの魔女」
製作:坂美佐子、前田茂司
製作総指揮:山内章弘
音楽:遠藤浩二
主題歌:Alan Walker「FADED 」
出演:櫻井翔、広瀬すず、福士蒼汰、志田未来、佐藤江梨子、TAO、玉木宏、高嶋政伸、檀れい、リリー・フランキー、豊川悦司 他


  〈何でこんな映画にした〉


 国内外で人気の作家・東野圭吾のデビュー30周年記念作を、三池崇史監督が主演に櫻井翔を迎えて映画化したミステリー。


 事件現場が遠く離れているにもかかわらず、死因はどちらも同じ自然現象下での硫化水素中毒死という2つの不審死が連続して発生する。しかも、死亡したのは知人同士であった。警察からこの不可解な事件の調査を依頼されたのは、地球化学の研究者である大学教授・青江修介(櫻井翔)。一連の事件が事故ではなく、他殺であったなら、犯人は、完全無風状態になる一瞬をあらかじめ知っていて、その瞬間、致死量の硫化水素が発生する場所へピンポイントで被害者を誘導したことになる。そんなことは、“ラプラスの悪魔”でない限り不可能だった。封鎖された事件現場の地形や地質、気象などを念入りに検証した青江は、自然科学的見地から事件性を否定する。しかし、事件現場に現れた羽原円華(広瀬すず)が、その場で次に起こる自然現象を青江の目の前で言い当てていく。青江はなりゆきで円華と行動を共にすることになり、彼女が失踪した甘粕(福士蒼汰)という青年を探していることを知る。一方、警察は、何か不思議な力が備わっている円華が事件に関与しているのではないかと疑い始める。そして、第三の事件が発生する…。


 今年の最低最悪映画賞、筆頭候補である。三池崇史監督の映画は、それこそ目茶苦茶面白い時もあれば、「テラフォーマーズ」(2016年)のようなクソ映画もあるのだが、これは酷い方。脚本も「半沢直樹」の脚本家らしくない酷さ。何より、原作から主役を変えてしまったことが最大の誤算である。原作は映画では玉木宏が扮する刑事が主役になっているのだが、何故か映画版の主役は、櫻井翔扮する大学教授。この大学教授は単なる傍観者に過ぎないので、殆ど動かない(というより動かしようがない)故、主役には適しない筈なのだが… 何だろう? 事務所の圧力なのかな(笑)。地上波民放が制作に絡んでない分、キャスティングの自由度は高かったんだろうが、これは完全に裏目。ヒロインの広瀬すずや、事件の鍵を握るイカれた映画監督役の豊川悦司の怪演っぷりは良かったんだけど。竜巻のCGも、昔の「ツイスター」(1996年)を観ているようなレベルで陳腐。よくこれでオモテに出せるなぁと思った。


私の評価…☆

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2018年5月25日 (金)

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
劇場:TOHOシネマズ二条
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
脚本:クリストファー・マルクス、スティーヴン・マクフィーリー
原作:スタン・リー、ジャック・カービー
製作:ケヴィン・ファイギ
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):ロバート・ダウニー・Jr.(藤原啓治)、クリス・ヘムズワース(三宅健太)、マーク・ラファロ(宮内敦士)、クリス・エヴァンス(中村悠一)、スカーレット・ヨハンソン(米倉涼子)、ドン・チードル(目黒光祐)、ベネディクト・カンバーバッチ(三上哲)、トム・ホランド(榎木淳弥)、チャドウィック・ボーズマン(田村真)、ゾーイ・サルダナ(朴璐美)、カレン・ギラン(森夏姫)、トム・ヒドルストン(平川大輔)、ポール・ベタニー(加瀬康之)、エリザベス・オルセン(行成とあ)、アンソニー・マッキー(溝端淳平)、セバスチャン・スタン(白石充)イドリス・エルバ(斉藤次郎)、ダナイ・グリラ(斎賀みつき)ピーター・ディンクレイジ(北川勝博)、ベネディクト・ウォン(田中美央)、ポム・クレメンティエフ(秋元才加)、デイヴ・バウティスタ(楠見尚己)、ヴィン・ディーゼル(遠藤憲一)、ブラッドリー・クーパー(加藤浩次〈極楽とんぼ〉)、グウィネス・パルトロー(岡寛恵)、ベニチオ・デル・トロ(石住昭彦)、ジョシュ・ブローリン(銀河万丈)、クリス・プラット(山寺宏一)、ウィリアム・ハート(菅生隆之)、レティーシャ・ライト(百田夏菜子)、キャリー・クーン(鷄冠井美智子)、ケリー・コンドン(安井絵里)、スタン・リー(高桑満)、コビー・スマルダーズ(本田貴子)、サミュエル・L・ジャクソン(竹中直人) 他


 〈前作でとっ散らかった話をひとまとめに〉


 2015年に公開された「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の続編であり、様々なマーベル・コミックの実写映画を同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの第19作目。当初は、来年公開予定の次作と共に前後編となる予定だったが、それぞれの作品の独立性が高いとの理由で別タイトルとなった。


 6つすべてを手に入れると世界を滅ぼす無限大の力を得ることができる“インフィニティ・ストーン”。その究極の力を秘めた石を狙う最凶にして最悪の敵“ラスボス”サノス(ジョシュ・ブローリン)が地球へ降臨。この危機にアイアンマン(ロバート・ダウニーJr.)やキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)、スパイダーマン(トム・ホランド)ら最強ヒーローチーム“アベンジャーズ”が集結。人類の命運をかけた壮絶なバトルの幕が開ける…。


 前作のストーリー展開があまりに雑すぎたので、どう収拾をつけるのかと思っていたが…。やはり今回はそのとっ散らかった色々な話をまとめにかかっているためか、話を追いかけるだけでもかなり疲れる。クライマックスも壮絶で、あまりに増えすぎた登場キャラクターを半減させる強引さ(笑)。でも何故か楽しめちゃうんだよな~。悪役サノスもジョシュ・ブローリンが演じると、何処か人間臭く魅力的だしね。


 まぁ、これは一時的なバッドエンドで、来年公開予定の4作目ではちゃんと大団円(マーベル・シネマティック・ユニバース<以下MCU>はまだまだ続行されるが「アベンジャーズ」はこれで一旦一区切りとなる予定)になるんだろうけど。


 因みにMCUの次作は「アントマン&ザ・ワスプ」(8月31日公開予定)で、来年にはマーベル初の女性ヒーローもの「キャプテン・マーベル」(2019年3月8日全米公開予定)、そして「アベンジャーズ4(仮)」(2019年5月3日全米公開予定)となる。恐らくこの「アントマン~」と「キャプテン・マーベル」のキャラクターが「アベンジャーズ4」に出てくるのであろう(キャプテン・マーベルの登場は本作のラストで“予告”されている)。ここまで来たらやはり「4」までは全部観たい。


私の評価…☆☆☆☆

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2018年5月18日 (金)

リズと青い鳥

リズと青い鳥
リズと青い鳥
劇場:MOVIX京都
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
原作:武田綾乃「響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編/後編」
音楽:牛尾憲輔
主題歌:Homecomings「Songbirds」
声の出演:鎧塚みぞれ…種崎敦美、傘木希美…東山奈央、“リズ”/“少女”…本田望結、中川夏紀…藤村鼓乃美、吉川優子…山岡ゆり、剣崎梨々花…杉浦しおり、黄前久美子…黒沢ともよ、加藤葉月…朝井彩加、川島緑輝…豊田萌絵、高坂麗奈…安済知佳 他


  〈地味な映画だが、何気に難しい事を淡々とやってのけている〉


 人気テレビアニメ「響け!ユーフォニアム」シリーズの続編を兼ねたスピンオフであり、完全新作劇場版。本作を受けて今秋にタイトル未定の続編が公開予定。


 北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美。高校三年生の2人は、最後のコンクールを迎えようとしていた。その自由曲に選ばれたのは、『リズと青い鳥』。この曲には、オーボエとフルートが掛け合うソロがあった。“なんだかこの曲、わたしたちみたい”と屈託なく語り、嬉しそうにソロを演奏する希美と、一緒に過ごす日々に幸せを感じながらも、終わりが近づくことを恐れるみぞれ。親友のはずの2人だったが、オーボエとフルートのソロは上手く噛み合わず、距離を感じさせるものだった…。


 本作は、女性同士の友情や葛藤をテーマにしているので、公開前からネットでは“百合(所謂レズ)もの”としての話題が先行していたが…。普通にイイ話ではないか! とても美しく、そして堪らなく切ない映画であった。本元の「響け!~」とは作風が異なるため、最初はどういう展開になるのか不安が過った(簡単にいうなら「響け!~」が“動”なら本作は“静”の映画)が、さすがは「聲の形」(2016年)のスタッフである。思春期独特の、繊細な心の動きを的確に表現している。何より主役の2人を演じる種﨑敦美と東山奈央、そして劇中描かれる架空の童話の登場人物を一人二役で演じ分ける本田望結ちゃんが素晴らしい。


 一見、地味な映画だが、表情や仕草、そして絶妙な間のとり方など、セリフを極力少なくしてセリフに頼らずに感情を表現する手法が実に見事。2人が気持ちをのせて演奏するクライマックスは、心揺さぶられる素晴らしい仕上がりになっていた。


 年内に公開される「響け!ユーフォニアム」の続編は、これを踏まえて作られる“2年生になった久美子たち”が描かれるのだから、いやが上にも期待が高まる。楽しみに待ってます!


私の評価…☆☆☆☆★

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2018年5月11日 (金)

名探偵コナン ゼロの執行人

名探偵コナン ゼロの執行人
名探偵コナン ゼロの執行人
劇場:イオンシネマ金沢フォーラス
監督:立川譲
脚本:櫻井武晴
原作:青山剛昌「名探偵コナン」
音楽:大野克夫
主題歌:福山雅治「零 -ZERO-」
声の出演:江戸川コナン…高山みなみ、毛利蘭…山崎和佳奈、毛利小五郎…小山力也、工藤新一…山口勝平、阿笠博士…緒方賢一、灰原哀…林原めぐみ、吉田歩美…岩居由希子、円谷光彦…大谷育江、小嶋元太…高木渉、鈴木園子…松井菜桜子、目暮十三…茶風林、白鳥任三郎…井上和彦、佐藤美和子…湯屋敦子、高木渉…高木渉、千葉和伸…千葉一伸、妃英理…高島雅羅、栗山緑…百々麻子、榎本梓…榎本充希子、バーボン / 安室透 / 降谷零…古谷徹、風見裕也…飛田展男、黒田兵衛…岸野幸正、橘境子…上戸彩、羽場二三一…博多大吉、岩井紗世子…冨永みーな、日下部誠…川島得愛、諸國沙代子…諸國沙代子(読売テレビアナウンサー) 他


  〈本格推理ものに立ち戻った〉


 青山剛昌の大人気コミックを原作に、少年探偵・江戸川コナンの活躍を描く劇場版アニメシリーズ第22作。大規模な爆破事件の真相を追う江戸川コナンが、探偵、黒ずくめの組織のメンバー、公安警察という三つの顔を持つ安室透に振り回されながらも、逮捕された毛利小五郎の無実を証明しようと奮闘する。


 東京サミットの開催地となる東京湾の新施設、エッジ・オブ・オーシャン。サミットが開催される5月1日には、2万2千人もの警察官が出動するというこの巨大施設で突如、大規模爆破事件が発生する。そこには、通称“ゼロ”と呼ばれる全国の公安警察を操る警察庁の秘密組織に所属する安室透の影があった。サミット当日ではなく、事前に起きた爆破事件と、秘密裏に動く安室の謎めいた行動に違和感を覚えるコナン。その時、現場の証拠品に残された指紋が、かつて警視庁に在籍していた毛利小五郎のものと一致してしまう。これは何かの陰謀なのか。小五郎の逮捕を巡って敵対するコナンと安室。果たして、謎の存在・安室透は、敵なのか、それとも味方なのか…?


 いつもは地元の映画館で観るのだが、今回は仕事の出張先の映画館での鑑賞である。ラブコメ&アクション全開だった前作とはうってかわって、本来の推理ものにたち戻った本作は、内容的にもかなり大人向け。警視庁と警察庁、そして検察庁という3つの庁それぞれの公安部のメンツの潰しあいが描かれる。その中で毛利小五郎が逮捕そして送検されてしまう展開(勿論、意図的)に。さて、毛利のおっちゃんを嵌めた犯人は? という流れになっていくのだが、さすがに今回は、前作までの静野孔文監督版でよく見られた派手な展開とは違って、「相棒」でseason12までメインライターを務めた脚本家だけあって、ストーリー進行が丁寧である。ただ、それは逆に言えば終始地味なストーリーであり、専門用語のような難しい言葉も多用されていたので、本来のメインターゲットである子供の観客には難解だったのではないか? 


 シリーズも長く続くと、ファン層も変わっていくが、今までのファンを離さないようにしつつ、新たなファンを獲得しないと、シリーズ存続が難しくなる。幸い本作は今のところ、前作の興行収入を上回る可能性が高くなっているようで、その点では大成功したといえるだろう。ただ、今後も作品の難易度をどのあたりまで持っていくかという難しい選択を、常にしなければならず、ラストの“予告”からプレッシャーになっていくのではないか。


 で、そのラストを観ると、来年は久々に怪盗キッドとの対決になりそう。これはまた楽しみだ。


私の評価…☆☆☆☆★

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2018年5月 4日 (金)

レディ・プレイヤー1

レディ・プレイヤー1
レディ・プレイヤー1
劇場:TOHOシネマズ二条
監督・製作:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:アーネスト・クライン、ザック・ペン
原作:アーネスト・クライン「ゲームウォーズ」
共同製作:ドナルド・デ・ライン 他
製作総指揮:ブルース・バーマン
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):タイ・シェリダン(KENN)、オリヴィア・クック(坂本真綾)、マーク・ライランス(後藤哲夫)、リナ・ウェイス(斉藤貴美子)、森崎ウィン(同)、フィリップ・ツァオ(松岡禎丞)ベン・メンデルソーン(楠大典) 、T・J・ミラー(佐藤せつじ)、サイモン・ペグ(山寺宏一)、ハナ・ジョン=カーメン(茅野愛衣)、ラルフ・アイネソン(玄田哲章)、スーザン・リンチ(高島雅羅)、レティーシャ・ライト 他


  〈全ての権利関係を得るためだけに4年もかかっちゃった傑作〉


 日本のアニメやゲームからの影響も感じさせるアーネスト・クラインのベストセラーを、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化したSFアドベンチャー。


 西暦2045年。貧富の差が激しくなった世界では、人類の歴史を変えたバーチャルネットワークシステム“オアシス”の中に存在する理想郷だけが若者たちの希望となっていた。そこでは、想像したことすべてが現実になり、誰でも何にでもなれたのだ。そんなある日、突如、オアシスに世界へ向けてメッセージが発信される。それは、この仮想世界を開発し、巨万の富を築いたジェームズ・ハリデーの死を伝え、オアシスに隠された謎を解き明かした者にすべての遺産を譲り渡すというものだった。その秘密を巡って幕を開ける激しい争奪戦。荒廃した街で暮らし、オアシスを唯一の居場所としてきた17歳の少年ウェイド(タイ・シェリダン)もその争奪戦に加わる。だが、その過酷なレースを支配しようと、巨大な組織が姿を現す。謎の美女アルテミスや仲間たちとの出会いを経験したウェイドは、果たしてその陰謀を阻止し、仲間と共に世界を守ることはできるのか…。


 久しぶりにスピルバーグ監督らしい映画を観たという感じがする。原作は、映画や音楽、テレビ、ゲームや漫画など、20世紀ポップカルチャーのオマージュに溢れたアーネスト・クラインの同名小説(邦題「ゲームウォーズ」)。


 これに関しては、映画の中身を少しでも語りだすと、殆どネタバレになってしまう気がするのだが、もう、いたるところにいろんな作品の人気キャラクターが出没する。これだけ制作会社もバラバラな権利関係を、よくまとめたなぁと思う。


 冒頭に出てくるバットマンや、ハーレイクインにキャットウーマンといったDCコミックのキャラや、アイアンジャイアントなんかは本作の制作であるワーナーブラザースの物なので、権利関係の収得は比較的容易だっただろうが、制作会社の全く違う「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンや、「AKIRA」の金田バイク、キングコングに果てはキティちゃんやメカゴジラにガンダムと、まぁ、よくもこれだけのキャラクターが、たとえ一瞬だけでも登場させる事ができたものである。殆どの制作会社が、スピルバーグだったら間違ったことはしないだろうということで、許可が下りたらしいので、まさにこの人でなければ出来なかった映画なのだろう。


 終盤には森崎ウィンが変身するガンダムが敵のメカゴジラやアイアンジャイアントと戦うという、40代以上の日本人なら誰もが激アツになるに違いない場面も出てくる。僕が映画館で観た時は、彼のあの台詞が日本語で語られた瞬間、大歓声の嵐だったが(笑)。あの場面はスピルバーグ監督の日本向けへのプレゼントだったのだろう。


 因みに、原作には他にもウルトラマンが登場する。残念ながら円谷プロは、海外の制作会社とは以前、権利関係の問題で痛い目に遭わされていて(知る人ぞ知る、タイの制作会社との一件。書けば長くなるので書かないが、ネットで調べりゃ必ずヒットする)、今回の件でも慎重であり、権利の収得が間に合わなかったが、どうやら日本公開の4日前に許可が下りたらしく、大ヒットして続編が出来れば、登場させる意向らしい。既に、原作者のアーネスト・クラインは続編の執筆に取りかかっているようで、こちらは大いに期待したい。


 先頃公開された「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」もそうだが、1980年代のポップカルチャーを通過してきた人には、ある意味懐かしく、またそれ以降に生まれた人には新鮮に写るというような、映画やテレビドラマが最近多い(ドラマなら「99.9 -刑事専門弁護士-」が、これに当たるか)。’80年代回顧ブームみたいなのが、日米同時に来ているのかな?


私の評価…☆☆☆☆★

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