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2019年8月

2019年8月30日 (金)

さよならくちびる

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劇場:MOVIX京都
監督・脚本・原案:塩田明彦
製作:瀬戸麻理子(企画・プロデュース)、根岸洋之、高橋尚子
製作総指揮:
音楽:きだしゅんすけ
主題歌:ハルレオ「さよならくちびる」
出演:小松菜奈、門脇麦、成田凌、篠山輝信、松本まりか、新谷ゆづみ、日髙麻鈴、青柳尊哉、松浦祐也、篠原ゆき子、マキタスポーツ 他

 

 

  〈キャスティングと楽曲は良い〉

 

 

 小松菜奈と門脇麦が解散ツアーに挑むインディーズのミュージシャンに挑んだ青春音楽ムービー。解散ツアーを通し、歌詞にしか書けない真実や、歌声でしか出せない思いなど、2人の意外な感情があらわになっていく。

 

 

 ハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)からなる音楽デュオ・ハルレオは、ローディ兼マネージャーのシマ(成田凌)とともに、全国7都市を回るツアーへ出発する。最後のライブでハルレオは解散することを決めていた。解散ツアーの初日となる2018年7月14日、別行動をとったレオがライブに遅刻する。険悪なムードの中、レオは「今日が何の日かくらい憶えているよ」と、ハルに小さな封筒を押し付ける。しばらくして、何事もなかったかのようにハルレオはステージに立つ。その日は、ハルがレオに初めて声をかけた日だった。バイト先のクリーニング工場で上司に叱られ、むくれていたレオを、ハルが音楽をやろうと誘ったのだ。その瞬間からずっと孤独だった二人の心は共鳴し、レオは音楽を奏でる喜びを知る。二人は路上で歌うようになり、少しずつ人気が出てくる。ハルレオはライブツアーに出るためローディを探し、そのとき、元ホストのシマが名乗りを上げた。地方ライブの集客も増え、若い女性を中心に人気が広がっていくが、誰も予期しなかった恋心が芽生えたことがきっかけで、3人の関係はこじれていく。さらに、曲作りにかかわらないレオは、音楽をやる意味を見失っていく。各々が想いをぶつけ合い、名曲と名演奏が生まれていくが、溝は深くなり、ついに解散するまで心が離れてしまう。三重、大阪、新潟、山形、青森と思い出のあるライブハウスを巡り、いよいよ北海道・函館のラストライブへと向かうが…。

 

 

 解散を決めた人気女性デュオのハルとレオ、マネージャーのシマ。3人の最後のツアーを巡る青春音楽ロードムービー。最後の全国ツアーを、最終日から過去に遡りつつ現在に追いついていく形で描く。互いに好きすぎることがかえって苦しくなる、3人の心の葛藤が描かれるのだが、それが秦基博とあいみょんがコラボした楽曲とマッチしていて、地味ながらも良い映画になっている。

 

 

 小松菜奈と門脇麦のコンビネーションも、初共演(興行的には「サムライマラソン」の方が先に公開されている)とは思えないほどハマっている。実際にCDデビューした“ハルレオ”としてのハーモニーも素晴らしい。ただ、キャスティングや楽曲は良いのに、話のテンポが淡々としているせいもあって、イマイチ盛り上がりには欠ける。観る側の捉え方にもよるが、好みは分かれそうな映画だ。

 

 

私の評価…☆☆☆

 

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2019年8月28日 (水)

The Crossing -ザ・クロッシング- Part II

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劇場:シネマート心斎橋
監督・脚本:呉宇森
原案:王蕙玲
音楽:岩代太郎
日本語版主題歌:矢井田瞳「Song of Autumn Silver Grass」
出演:章子怡、金城武、長澤まさみ、ソン・ヘギョ、黄暁明、佟大為、黒木瞳 他

 

 

  〈後編の後半でやっと船の話に〉

 

 

 「レッドクリフ」のジョン・ウーが監督、第二次国共内戦後期に起きた太平輪沈没事件を軸にした戦争ドラマ後編。ユイ・チェン、イェン・ザークン、トン・ターチンら千人近い乗員乗客を乗せた上海から台湾へ向け出航した大型客船・太平輪号が貨物船と衝突する。

 

 

 1947年、ユイ・チェン(チャン・ツィイー)、イェン・ザークン(金城武)、トン・ターチン(トン・ダーウェイ)ら千人近くもの乗客乗員を乗せた大型客船・太平輪が上海から台湾へ向け出航する。しかし深夜、付近を走る貨物船と衝突。パニックが広がる中、それまで交わることのなかった男女3組の運命が交差する…。

 

 

 普通にいい映画だったのだが。何で台湾では大ヒットして中国では大コケだったのだろう?

 

 

 まぁ日本でもそうなのだが、中国でも映画館に来る若い世代には古臭くて辛気臭い、それで尚且つ内容が重すぎる映画は敬遠されがちだからなのだろうか。監督自身は2部構成にする気などなかったらしく、“大人の事情”で分けられてしまったようである。そのせいか、後編の前半は前編と被る場面が多く、これなら分けずに3時間くらいで上映しても良いのではと思ってしまった。

 

 

 宣伝時に、“太平輪号の沈没”だけがクローズアップされてしまったのもコケた要因なのかもしれない。確かにそれは、中国の歴史上大きな事件ではあるが、太平輪号の場合、タイタニック号とは違って衝突から沈没までの時間が殆ど無かったらしく、その時間で生まれるドラマが描けない代わりに、中華民国の国民党と人民解放軍による、当時の中国を二分する国共内戦を背景に、激動の時代を生きた人々の壮絶な生き様を描く部分が多くを占めざるを得なかったのである。内容の良し悪しは別にして、宣伝文句と内容がかけ離れているのである。ジョン・ウー監督にしては慣れない、ラブストーリー中心になったのも誤算なのだろう。どちらかというと可憐で美しいイメージがある(過去には殺人鬼役もあるが)チャン・ツィイーが、貧乏な娼婦(オモテの仕事は看護師)を演じているのは意外だった。

 

 

 ところでこの映画、パンフレットが前後編まとめて1冊になっていて、しかも税込み700円というのは、昨今米中の“貿易戦争”で紙の価格が高騰しているなか(だからパンフレットの値段も上がっている)とてもリーズナブルだ。他の映画もこれくらいの値段だったら買いたいパンフレットは結構あるのだが…。何とかならないものか。

 

 

私の評価…☆☆☆

 

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The Crossing -ザ・クロッシング- Part I

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劇場:シネマート心斎橋
監督・脚本:呉宇森
原案:王蕙玲
音楽:岩代太郎
日本語版主題歌:矢井田瞳「Song of Autumn Silver Grass」
出演:章子怡、金城武、長澤まさみ、ソン・ヘギョ、黄暁明、佟大為、黒木瞳 他

 

 

  〈前編は船ではなく内戦の話〉

 

 

 「レッドクリフ」のジョン・ウーが監督、第二次国共内戦を背景にした戦争ドラマ前編。「グリーン・デスティニー」の脚本家ワン・ホエリンの原案を基に、戦争下3組の男女の移りゆく愛を描く。

 

 

 1945年、蒋介石率いる国民党の将校レイ・イーファン(ホアン・シャオミン)は上海の舞踏会でチョウ・ユンフェン(ソン・ヘギョ)と運命的な出会いをする。やがて国共内戦が激化。ユンフェンを残し、レイは内戦の最前線に向かっていった…。ユンフェンは新しく移った家屋で、ザークン(金城武)と記された絵を見つける。額の裏には、雅子(長澤まさみ)という女性の日記があった…。一方、恋人が出征したまま行方不明になったユイ・チェン(チャン・ツィイー)は、その恋人を探すために従軍看護師に志願。十分な食糧が得られない中、見知らぬ兵士トン・ターチン(トン・ダーウェイ)と家族のふりをし、食糧配給を得る…。

 

 

 この映画、本国での公開後、配給権が高騰して日本での公開がなかなか決まらなかったのだが、本国での公開から約4年経ってようやくの公開となった。中国のチャン・ツィイーやホワン・シャオミン、台湾から金城武、韓国からは「秋の童話」のソン・ヘギョ、日本からは長澤まさみと黒木瞳と、アジア色豊かなキャストが勢揃いである。

 

 

 1949年、第二次国共内戦下の中国を舞台に、実際に沈没事故を起こした客船・太平輪に乗り合わせた3組の男女の出会いと別れを2部構成の壮大なスケールで描く映画。総製作費約76億円という、中国映画史上最高の製作費で作られ、台湾では大ヒット、本国中国では大コケしてしまった映画である(笑)。

 

 

 「Part Ⅰ」では、その3組のカップルがどのようにして、内戦の戦渦の中を生き抜いたかが描かれるため、船の場面は無し。所々コミカルなシーンもあり、ジョン・ウーと言えばの白い鳩も飛んでいるのだが、終始重々しい雰囲気で話が進む。そして、別々のカップルの片割れである金城武とチャン・ツィイーが、船賃が高騰して一般人が殆ど乗れなくなっていた“太平輪”に、やっとのことで乗り込めたところで終了。エンドクレジットに「Part Ⅱ(原題「太平輪 彼岸」)」の見所が流れて“後編をお楽しみに”となる。

 

 

 「タイタニック」みたいな話を期待すると、やや肩透かしを食らわされるのだが、戦争の爆撃シーンなど一切CGを使っていないらしく(人が吹っ飛んだりしているのだが…)、ホンモノの迫力が伝わってくる。残念ながら日本では、映画自体の“旬”が過ぎてしまったせいか、単館系での小規模公開になってしまったが、中国ではIMAX 3Dで上映していたようである。同じ中国映画の「唐山大地震」(2010年)が、日本では東日本大震災の影響で、約5年も遅れて小規模公開になってしまった時にも思ったが(「唐山大地震」は中国初のIMAX映画である)、せめてもう少し、大きいスクリーンで公開できなかったものか。日本人キャストはともかく、チャン・ツィイーやソン・ヘギョなど、日本でも人気のキャストが揃っているのだから、シネコンで上映しても遜色なかったと思うのだが。やはり、映画としての“旬”が過ぎてしまったから、大手が手をつけなかったのだろう。

 

 

私の評価…☆☆☆

 

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2019年8月23日 (金)

神と共に 第2章:因と縁

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劇場:MOVIX京都
監督・脚本:キム・ヨンファ
原作:チュ・ホミン「神と一緒に」
音楽:パン・ジュンソク
出演:ハ・ジョンウ、チュ・ジフン、キム・ヒャンギ、チャ・テヒョン、ド・ギョンス(D.O.)、マ・ドンソク、キム・ドンウク、チョン・ユアン、イム・ウォニ、ナム・イルウ、チョン・ジフン、イ・ジュニョク、チャン・グァン、チョン・ヘギュン 他

 

 

  〈使者達の過去と因縁を掘り下げた為に、話がやや複雑に〉

 

 

 韓国の人気ウェブコミックを原作に、死んだ人間が訪れるという冥界で起きる出来事の数々を驚愕のビジュアルで2部作として映画化したスペクタクル・アクションの後編。

 

 

 1000年の間に48人を転生させた冥界の3人の使者、弁護士カンニム(ハ・ジョンウ)、護衛ヘウォンメク(チュ・ジフン)、補助弁護士ドクチュン(キム・ヒャンギ)は、あとひとり生まれ変わらせれば、彼ら自身も新しい生を得ることができる。カンニムは消防士ジャホンの弟スホン(キム・ドンウク)を弁護することに。兵役中の誤射で命を落とし、怨霊となったスホンの無念の死を証明するため、カンニムは彼を連れて地獄を巡る。一方、ヘウォンメクとドクチュンは、閻魔大王の命を受けて下界へ降りる。そんな3人の行く手に、謎に包まれた彼らの“前世”が立ちはだかる。3人の使者を結びつけた1000年前の衝撃的な“因縁”とは? 3人は、その宿命を乗り越えられるのか…。

 

 

 今度は亡者は脇役で、冥界の三人の使者が主役である。第1章が面白すぎた分、3人の過去と因縁を掘り下げたという事もあってか、話がやや複雑になり、冥界と現世、過去と現在の舞台が目まぐるしく入れ替わる展開に。マ・ドンソク演じるどう見ても神様には見えないソンジュ神が、3人の使者の隠された過去を昔話として語り、1000年前の時代から冥界の使者となった現代までの悲しい宿業が浮かび上がる仕掛けなのだが、話のテンポがイマイチ悪く、見せ場も少ない。謎解きの面白さはあっても、やはり1作目より地味な印象になってしまった。エンドクレジット中にオマケ映像があるので、さらなる続編が期待されるのだが、映像のなかに“2018”の文字はあるものの、とりあえず2018年に第3章が正式にアナウンスされた形跡は無い。ある映画のサイトではインターナショナル版タイトル(Along with the Gods 3)の後に(2021)と書かれていたのだが、製作が遅れているのかな?

 

 

私の評価…☆☆☆★

 

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2019年8月22日 (木)

神と共に 第1章:罪と罰

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劇場:MOVIX京都
監督・脚本:キム・ヨンファ
原作:チュ・ホミン「神と一緒に」
音楽:パン・ジュンソク
出演:ハ・ジョンウ、チュ・ジフン、キム・ヒャンギ、チャ・テヒョン、ド・ギョンス(D.O.)、マ・ドンソク、キム・ドンウク、イ・ジョンジェ、キム・スアン、オ・ダルス、イム・ウォニ、イ・ジュニョク、イェ・スジョン、チャン・グァン、チョン・ヘギュン、キム・スロ、イ・ギョンヨン、キム・ハヌル、ユ・ジュンサン 他

 

 

  〈“あの人”の登場で後編の期待値がMAXに〉

 

 

 韓国の人気ウェブコミックを原作に、死んだ人間が訪れるという冥界で起きる出来事の数々を驚愕のビジュアルで2部作として映画化したスペクタクル・アクションの前編。

 

 

 火災現場で少女を救い、壮絶な殉死を遂げた消防士ジャホン(チャ・テヒョン)は、弁護士カンニム(ハ・ジョンウ)、護衛ヘウォンメク(チュ・ジフン)、補助弁護士ドクチュン(キム・ヒャンギ)という3人の冥界の使者に迎えられる。彼らは、人は亡者になると49日間のうちに7つの地獄で裁判を受けなくてはならず、その裁判すべてを無罪でクリアした者だけが現世に生まれ変われるというルールを伝える。ジャホンが3人の使者に導かれ、殺人、怠惰、ウソ、不義、裏切り、暴力、天倫という7つの地獄を巡るなか、実直で勤勉な正義の亡者であるはずのジャホンの意外な過去が次々と暴かれ、冥界と下界を巻き込んだ壮絶なバトルが勃発する…。

 

 

 言うなれば韓国版「大霊界」といったところか。主人公は殉職した消防士。彼は3人の使者と共に49日間、7つの地獄を巡り、それぞれ地獄で裁判を受けなければならない。そして、全てに無罪となった亡者だけが、人間への転生を許される。

 

 

 ところが、スムーズに進むはずの地獄巡りが現世での事件によって妨害され、地獄での怪物と戦いながらのアドベンチャーと、現世での消防士の残された物語が同時進行していく。これがクライマックスまで絶妙に絡み合っていて面白い。3人の使者のうち、常に主人公に付く(憑く?)ヘウォンメク(チュ・ジフン)とドクチュン(キム・ヒャンギ)による能天気な会話も、どことなく楽しい。

 

 

 展開もシリアスとコメディが目まぐるしく移り変わり、140分という上映時間の長さは全く感じさせない。第1章だけでも話はキレイに収まっているのだが、ラストでの“ある人物”の登場により、第2章への期待値が最高潮に。エンドクレジット後に第2章のブッ飛んだ予告編があるので、こちらもお見逃しなく。

 

 

私の評価…☆☆☆☆

 

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2019年8月21日 (水)

〈ルネ・クレール生誕120年記念〉 巴里祭(1933年) 4Kデジタル・リマスター版

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劇場:京都シネマ
監督・脚本:ルネ・クレール
製作:ロジェ・ル・ボン
音楽:モーリス・ジョベール
出演:アナベラ、ジョルジュ・リゴー、ポーラ・イレリ、レイモン・コルディ、レイモン・エイムス 他


  〈戦前のフランス製恋愛映画の代表的な作品〉


 「巴里の屋根の下」「ル・ミリオン」「自由を我等に」次ぐルネ・クレールの第四回トーキー作品で脚本も氏自身の手になったものである。


 パリの下町、丘のあるカルチエでの物語。タクシーの運転手をしているジャンは向いのアパートに住んでいる花売娘のアンナが好きだった。だが彼にはポーラという此の界隈にうろついている女がついていた。アンナとてジャンには心をひかれていた。で、フランスの国家祭ともいうべき7月14日の革命記念日の前夜、二人は野天で、町の真中で踊った。だがこの夕方、アンナは酔いどれの老人客に失礼したというので花を売りに出入りしていたダンス場から出入りを断られたので少し心が鬱いでいた。そして、俄か雨で踊りの人が散り、彼女がジャンと二人きりになった時、2人は互いに本当に恋をしているのだという事を知った。それは二人にとって幸福な夜だった。だが翌日、7月14日、もうパリ全市の人々が祭りで有頂天になっていた日ジャンの室を訪ねたアンナは其の室に女の持ち物を見た。これはポーラの持物で昨夜遅く彼女はジャンを訪ね押し掛けで泊まり込んだのであるが、ジャンはアンナに義理を立て一晩を外で明かしたのである。そんなジャンの思いやりを知らぬアンナは一重に男の心を疑った。折も折、病いの床にいた母が彼女1人を残して此の晩に死んで行った。アンナは1人ぽっちになり、やがて室も引越し近所のカフェに勤める事となった。一時の誤解から仲違いしたアンナとジャンとはそれから長い間、逢わないでいた。自棄になったジャンは与太者になった。が、ポーラももう彼の女ではなくフェルナンというアパッシュの情婦となっていた。ある夜、ジャンはフェルナンの片棒を担いでカフェに強盗に這入った。それがアンナの勤めているカフェであった。アンナを見た時にジャンは我に返った。そして彼女を守ろうとした。アンナも男をかばおうとした。これが結果でアンナはカフェから解雇された。二人がまた逢わないで日が経って行った。


 戦前のフランス映画で、ルネ・クレール監督作。原題「Quatorze Juillet」の訳は“7月14日”なので、どこが巴里祭やねん!(笑)てな感じである。花売り娘とタクシー運転手、これに酔いどれの老紳士が絡む、甘いラブコメディー。お話は他愛ないものなのだが、ほぼ全編にわたって流れる、今ではシャンソンの名曲になった「巴里恋しや(A Paris dans chaque faubourg)」が印象的だった。


私の評価…☆☆☆

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2019年8月17日 (土)

貞子

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:中田秀夫
脚本:杉原憲明
原作:鈴木光司「タイド」(角川ホラー文庫)
製作:堀内大示、岡田美穂、下田淳行、香川正二郎、蜂谷智
音楽:海田庄吾
主題歌:女王蜂「聖戦」
出演:池田エライザ、塚本高史、清水尋也、姫嶋ひめか、桐山漣、南彩加、南彩加(山村志津子・山村貞子/二役)、水溜りボンド、ともさかりえ、佐藤仁美 他

 

 

  〈Jホラーの衰退と終焉〉

 

 

 日本を代表するホラーアイコンとなった貞子。『リング』シリーズの生みの親である中田秀夫監督が再びメガホンを握り、恐ろしい貞子を復活させたホラー。ビデオや動画を見たら呪われるというこれまでの貞子の呪いからバージョンアップし、動画を撮っただけで呪われるという、新たな恐怖の行方が描かれる。

 

 

 病院で心理カウンセラーとして働く秋川茉優(池田エライザ)は、ある日、警察によって保護されたひとりの少女(姫嶋ひめか)を担当することになるが、彼女は一切の記憶をなくし、自分の名前すら言えなかった。やがて、その少女は、1週間前に公営団地で起きた放火事件の犯人・祖父江(ともさかりえ)が人知れず生み育てていた子供であることが判明。少女と真摯に向き合う茉優だったが、次第に彼女の周囲で奇妙な出来事が起こり始めるのだった…。一方、WEBマーケティング会社に勤める石田祐介(塚本高史)の薦めで、動画クリエイターとなった茉優の弟・和真(清水尋也)は、再生回数の獲得に焦るあまり、心霊動画を撮影しようとその団地の火災跡に忍び込む。だが、動画アップ後、彼は行方不明となってしまう。そんななか、茉優は拡散された動画を探し出し再生すると、和真の背後に長い髪の女が立っていて…。

 

 

 「リング」シリーズはこれまで通算6作(ハリウッド及び韓国リメイクを除く)作られているがこれは「リング2」の直接的な続編。原作は鈴木光司の「リング」シリーズ最新作「タイド」と表記されているが、登場人物や設定が違うので、実質オリジナルといっていい。

 

 

 前作で殆どストーリーが破綻しているのだが、それはもう、シリーズ1作目の監督でも、また第1作以来約20年ぶりに同じ役で出演する佐藤仁美でさえも止められなくなったようである。主演の池田エライザは頑張っているのだが、全く怖く無いものになってしまった。もう、このシリーズもオワコンだなというのを感じてしまった。

 

 

私の評価…☆☆

 

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2019年8月 8日 (木)

〈午前十時の映画祭10-FINAL〉 愛と青春の旅だち(1982年)

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:テイラー・ハックフォード
脚本:ダグラス・デイ・スチュアート
製作:マーティン・エルファンド
音楽:ジャック・ニッチェ
出演:リチャード・ギア、デブラ・ウィンガー、デヴィッド・キース、ロバート・ロッジア、リサ・ブロント、リサ・アイルバッハー、ルイス・ゴセット・ジュニア、トニー・プラナ、ハロルド・シルヴェスター、デヴィッド・カルーソ 他


  〈今の感覚ではもう作れない? ’80年代青春映画の佳作〉


 海軍士官学校の新入生と、町工場の娘とのロマンスを軸にし、日本でも大ヒットした青春映画。


 ワシントン州、シアトル。その日の朝、ザック・メイオ(リチャード・ギア)は、全裸で寝ている父バイロンと娼婦を見ながら、少年時代を思い出していた。海軍の兵曹だった父の不実をなじって母は彼が13歳の時に自殺。ザックは父の駐屯地であるフィリピンにゆき、悲惨な思春期をすごしたのだ。目覚めた父に、彼は子供の頃からの夢だったパイロットになるため、海軍航空士官養成学校に入ると告げると、父は軍隊なんかに入って苦労するのは馬鹿げたことだという。しかし、彼の決意は固く、シアトルの近くにあるレーニエ基地内の学校に入学する。彼を含め34人の士官候補生を待っていたのは訓練教官の黒人軍曹フォーリー(ルイス・ゴセット・ジュニア)のしごきであった。34名の中にはケーシー(ルイス・アイルバッチャー)のような女性もいた。女性を除いて皆丸坊主にされ、ザックはオクラホマ出身の純朴青年シド(デヴィッド・キース)、妻子持ちの黒人ペリーマンと同じ部屋を割り当てられた。13週に及ぶ過酷な訓練が始まった。フォーリーは皆を徹底して罵倒し、ザックはメイオではなくメイヨネーズとののしられる。4週がすぎ、候補生は市民との懇親パーティーに出席することが許された。フォーリーは「娘たちは士官候補生をひっかけようと狙っているから注意しろ」という。ザックとシドは、パーティーでポーラ(デブラ・ウィンガー)とリネット(リサ・ブロント)と知りあう。彼女らは製紙工場の女工だった。そして何となくザツクとポーラ、シドとリネットのカップルが出来あがった。週末になると2組のカップルはデートした。ポーラはザックの内面の屈折した影が気になりながら、彼を愛するようになる。フォーリーは、仲間と溶けあおうとしないザックを特別しごきにしごき、任意除隊(DOR)を申請せよと迫る。ついに、極限状態に達したザックは「ここ以外に行くところがない」と叫ぶ。それを境にザックは、チームの一員として行動するようになつた。日曜日、ポーラの家に招かれたザックは、彼女の父も士官候補生だったことを聞かされる。ポーラも士官候補生をひっかけ、あわよくば玉の輿を狙っているのかも知れぬと思うザック。ザックは翌日、ポーラがかけてきた電話に出ようとしなかつた。一方、シドはリサから妊娠したと聞かされると、DORを申請。結婚指輪を持ってリサの所へかけつけた。だが、彼女は士官としか結婚しないという。ショックを受けたシドは、モテルに行き、自殺する…。


 名作とはちょっと違うかなと思うのだが、やっぱりいい映画。原題直訳は「仕官と紳士」で、これはアメリカの法律「統一軍事裁判法」の中の133条、士官や紳士に相応しくない行為(Conduct unbecoming an officer and a gentleman)を略した言葉。当然、これだけじゃ日本人にはチンプンカンプンなので、一発逆転ものの邦題になったのだが、半人前の主人公が、13週間の訓練など、幾多の苦難を乗り越えて成長し、おまけに彼女までゲットするので、この邦題の方がピッタリとハマっているように思う。

 

 

 訓練生と教官の立場が入れ替わるクライマックスからヒロインをお姫様だっこするラストなんかは特に印象的で、名場面のひとつである。後にデミ・ムーアが出てくるまでは、ハスキー・ヴォイスの美人女優っていうと、このヒロイン=デブラ・ウィンガーだった。残念ながら1995年以降は映画界から距離を置き、2014年の「ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声」(ダスティン・ホフマン主演)以降、映画には出演していないようだが、また出演作を観てみたいものである。

 

 

 因みに、ソフト版だと冒頭で主人公の父バイロンが女と“合体”している場面と、訓練生仲間が恋に破れてモーテルで自殺する場面は、陰部にボカシが入っていたが、今回の上映では入ってなかった。元々のマスターがそうなっているのかもしれないけど、時代によって規制の範囲は変わるんですな。


私の評価…☆☆☆★

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2019年8月 2日 (金)

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:マイケル・ドハティ
脚本:マックス・ボレンスタイン、マイケル・ドハティ、ザック・シールズ
原作:東宝株式会社
製作:トーマス・タル 他
音楽:ベアー・マクレアリー
出演(吹替版声優 ※判明しているもののみ):カイル・チャンドラー(田中圭)、ヴェラ・ファーミガ(木村佳乃)、ミリー・ボビー・ブラウン(芦田愛菜)、レクシー・レイブ(大地葉)、渡辺謙(同)、チャン・ツィイー(甲斐田裕子)、ブラッドリー・ウィットフォード(安原義人)、サリー・ホーキンス(高橋理恵子)、トーマス・ミドルディッチ(小林親弘)、アイシャ・ハインズ(斉藤貴美子)、オシェア・ジャクソン・Jr(松尾諭)、アンソニー・ラモス(小松利昌)、エリザベス・ラドロー(森なな子)、ジョー・モートン(高岡瓶々)、チャールズ・ダンス(土師孝也)、デヴィッド・ストラザーン(佐々木勝彦)、ジョナサン・ハワード(渡部俊樹)、ジェシー・オニール(吉田ウーロン太)、CCH・パウンダー(西宏子) 他

 

登場怪獣(カッコ内はモーションアクター 但しエンドクレジットでは“himself”と表示されている):ゴジラ( T・J・ストーム)、キングギドラ(ジェイソン・リーズ、アラン・マクソン、リチャード・ドートン)、モスラ、ラドン(ジェイソン・リーズ)、キングコング、(以下、劇中で“タイタン”と呼ばれる怪獣)ムートー、ベヒモス、スキュラ、メトシェラ、(以下、名前のみ)モケーレ・ムベンベ、バフォメット、ティアマト、タイフォン/テューポーン、アバドン、リヴァイアサン、バニップ、セクメト、ヤマタノオロチ、ケツァルコアトル、アムルック、サルゴン

 

 

  〈やっぱり“地球最大の決戦”やるなら、このくらい暴れてくれないとダメ〉

 

 

 日本が世界に誇る怪獣映画シリーズ『ゴジラ』。そのハリウッド版となる『GODZILLA ゴジラ』から5年後の世界を描くSFアクション。復活した神話時代の怪獣モスラ、ラドン、キングギドラとゴジラが激突。世界の破滅を阻止せんとする未確認生物特務機関モナークの活躍を描く。

 

 

 「GODZILLA ゴジラ」から5年後の世界。神話時代のモスラ、ラドン、キングギドラらの怪獣たちが復活し、世界の覇権をかけてゴジラと争いを繰り広げる。未確認生物特務機関・モナークは、それによって引き起こされる世界の破滅を阻止するため立ち上がる…。

 

 

 レジェンダリー・フィルムの「モンスターバース」シリーズ最新作。2014年の前作「ゴジラ」以上に、日本版ゴジラへのリスペクトがたっぷりで、楽しめる。前作のギャレス・エドワーズ監督同様、今作のマイケル・ドハティ監督も日本版ゴジラの大ファンということなので、観る側のツボをちゃんと分かって作っている感じがする。作中に“髑髏島”というセリフが頻繁に出てくるように、モンスターバースシリーズとしての前作である「キングコング:髑髏島の巨神」(2017年)との繋がりもあるので、それを観てからの方が楽しめるかも。

 

 

 劇中には他に“17体のモンスター復活”とか気になるセリフもあるが、最も気になるのはエンドロール後のおまけ。人間側のヴィランが“ある物”を買い取る取引をするのだけど、あんなもん買い取ってどうするのだろう? まさか“メカ○○○(3文字とは限らない)”でも作るのか…。来年公開予定のレジェンダリー・フィルム版「Godzilla vs Kong(原題 邦題未定)」がめっちゃ楽しみになってきた! まさか、1962年版「キングコング対ゴジラ」のオマージュたっぷり… なんてことは、ないだろうな(笑)。

 

 

私の評価…☆☆☆☆★

 

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