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2019年10月

2019年10月22日 (火)

アルキメデスの大戦

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劇場:シネプレックス小倉
監督・脚本・VFX:山崎貴
原作:三田紀房「アルキメデスの大戦」
製作:市川南
エグゼクティブ・プロデューサー:阿部秀司、山内章弘
プロデューサー:佐藤善宏、守屋圭一郎
音楽:佐藤直紀
出演:菅田将暉、柄本佑、浜辺美波、笑福亭鶴瓶、小林克也、小日向文世、國村隼、橋爪功、田中泯、舘ひろし、山崎一、矢島健一、奥野瑛太、角替和枝 他

 

 

  〈第二次世界大戦を経済の視点で捉えた傑作〉

 

 

 第二次世界大戦を数学者の視点で描いた、三田紀房の同名コミックを山崎貴監督が映画化した人間ドラマ。巨大戦艦の建造に異を唱える海軍少将・山本五十六と、彼に協力することとなった天才数学者が軍部に立ち向かっていく。

 

 

 1933年。欧米列強との対立を深め、軍拡路線を歩み始めた日本。海軍省は世界最大の戦艦を建造する計画を秘密裏に進めていた。この計画に異を唱える海軍少将の山本(舘ひろし)は国家予算の無駄使いだと証明するため、軍部の息がかかっていない元帝国大学の数学者・櫂(菅田将暉)に声をかける。だが、櫂は数学を偏愛し、大の軍隊嫌いという一筋縄ではいかない変わり者だった…。

 

 

 第二次世界大戦を描いた映画は、これまでにもたくさんあったが、これは戦争や戦艦大和を経済の視点で切った傑作だ。冒頭からいきなり戦艦大和の沈没シーンがあるのだが(予告編のアレです)、これは戦争映画ではない。描かれるのは海軍の次期艦艇を戦艦にするか、空母にするかの派閥対立。舘ひろし演じる空母派の山本五十六は、戦艦の建造費が安すぎるのに疑念を抱き、菅田将暉扮する数学の天才櫂直(かい・ただし)を雇うことに。後に明らかになる利権のからくりなどは、現代の日本にも通じるものがある。

 

 

 ただ、この映画はそんな皮肉な風刺に止まらない。戦艦大和は建造され、沈没したのは誰でも知っていることだし、それを描くだけじゃつまらない。ラストで平山造船中将(田中泯)から示される強烈なアンチテーゼには、思わずゾクッとした。これは“史実を元に創作したフィクション”だが、この国の行く先を一番分かっていたのはどの軍人なのか? とか思って観ると結構面白い。

 

 

私の評価…☆☆☆☆★

 

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天気の子

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本・原作:新海誠
製作:市川南、川口典孝
製作総指揮:古澤佳寛
音楽:RADWIMPS
主題歌:RADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」、「グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子」、「風たちの声 (Movie edit)」、「祝祭 (Movie edit) feat.三浦透子」、「大丈夫 (Movie edit)」
声の出演:森嶋帆高…醍醐虎汰朗、天野陽菜…森七菜、天野凪…吉柳咲良、須賀圭介…小栗旬、須賀夏美…本田翼、須賀萌花… 香月萌衣、間宮夫人…島本須美、立花富美…倍賞千恵子、安井刑事…平泉成、高井刑事…梶裕貴、佐々木巡査…市ノ瀬加那、カナ…花澤香菜、アヤネ…佐倉綾音、スカウトマン木村…木村良平、占いオババ…野沢雅子、荒木研究員…荒木健太郎、神主…柴田秀勝、立花瀧…神木隆之介、宮水三葉…上白石萌音、勅使河原克彦…成田凌、名取早耶香…悠木碧、宮水四葉…谷花音 他

 

 

  〈前作よりも現実寄り〉

 

 

 「君の名は。」の新海誠監督によるファンタジーアニメ。東京へやってきた家出少年と不思議な力を持つ少女のせつない恋模様が描かれる。

 

 

 家出し、離島から東京へやってきた高1の少年・帆高。見知らぬ土地でやっとのことで、怪しげなオカルト雑誌のライターという仕事を見つける。しかし、彼のこれからを示唆するかのように、連日雨が降り続ける。そんなある日、帆高は陽菜という少女と出会う。ある事情を抱え、弟と2人で明るくたくましく生きる少女には不思議な能力があった…。

 

 

 面白い! これ監督、やりたい放題なんじゃない?(笑)「君の名は。」のセルフオマージュや、なぜか「傷だらけの天使」のオマージュもあるし、「TIGER & BUNNY」みたいにプロダクトプレイスメント(劇中において、役者の小道具として、または背景として実在する企業名・商品名(商標)を表示させる手法)もふんだんにやっている。異常気象が猛威を振るう東京で、地方出身の家出少年と、局地的に晴天を呼ぶことができる特殊能力を持った少女が出会い、生きることに迷い、初恋の衝動に葛藤する青春スペクタクルファンタジー。永遠に続く雨という、ありえない(というかあってほしくない)ビジュアルが美しく、且つリアルである。

 

 

 「君の名は。」の瀧と三葉もちらちら登場するのだが、「君の名は。」は元々「言の葉の庭」のパラレルワールドなので、作品の世界観が繋がっているのか。新海監督、もしかして「アベンジャーズ」化でも狙ってる(笑)? 「君の名は。」と比べ展開がかなり強引だが、前述のとおり映像は美しく環境問題という現実ともリンクさせた作品。映画として観る価値は十分にある。

 

 

私の評価…☆☆☆☆

 

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2019年10月 4日 (金)

チャイルド・プレイ

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督:ラース・クレヴバーグ
脚本:タイラー・バートン・スミス
原作:ドン・マンシーニ(キャラクター創造)
製作:デヴィッド・カッツェンバーグ、セス・グレアム=スミス
製作総指揮:クリス・ファーガソン、アーロン・シュミット
音楽:ベア・マクレアリー
出演:ガブリエル・ベイトマン、オーブリー・プラザ、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ティム・マシスン、マーク・ハミル(チャッキーの声)

 

 

  〈人間が憑依したオリジナル版から、暴走するAIに変化した〉

 

 

 一見、かわいらしい風貌の人形が凶器を手に人々を恐怖に陥れていくさまを描き、1980年代に世界中で大ヒットを記録したホラー・シリーズ「チャイルド・プレイ」。同作を「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のプロデューサー陣が再映画化。最先端技術が組み込まれた殺人人形の声を「スター・ウォーズ」シリーズのマーク・ハミルが演じる。

 

 

 最先端テクノロジー企業・カスラン社の期待の新商品、“バディ人形”。引っ越しをして友達がいない少年アンディ(ガブリエル・ベイトマン)は、誕生日に音声認識やセンサー付きカメラ、高解像度画像認識などの機能が付いた高性能人形を母親(オーブリー・プラザ)からプレゼントされる。自らを“チャッキー”と名乗る人形だが、実は欠陥品だと判明。的外れな受け答えに最初はあきれるアンディだが、「君が一番の親友だよ」と話すチャッキーに次第に夢中になる。その後、“彼”が豹変することなど知らずに…。

 

 

 トム・ホランド監督で大ヒットした、80年代ホラーシリーズ1作目をリブートしたものである。前作のチャッキーこと“グッドガイ人形”は、ブードゥー教の秘術によって死から免れるために魂を移した殺人鬼だったが、今回はAIが搭載されたスマート家電コントローラみたいな物になり、この人形を作るブラック企業の従業員がキレて、安全プログラムを密かに全部解除してしまう。

 

 

 なので、人間に戻るために持ち主になったアンディ少年の肉体を奪おうとする恐怖は無くなってしまったが、その代わり、周辺のスマート家電に勝手にアクセスして、アンディ少年を追い詰めるなど、人を殺すために何をしでかすか分からない怖さ、つまり旧シリーズとは異質の恐怖を描いており、これはこれで面白かった。

 

 

 しかし、旧作と比べて人形のデザインが不気味過ぎる(笑)。あんな人形売れるんかいな?

 

 

私の評価…☆☆☆

 

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2019年10月 3日 (木)

東京喰種【S】

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劇場:MOVIX京都
監督:川崎拓也、平牧和彦
脚本:御笠ノ忠次
原作:石田スイ「東京喰種トーキョーグール」
製作:永江智大、福島大輔、高橋潤
製作総指揮:大角正、吉田繁暁
音楽:小田朋美、菊地成孔
主題歌:女王蜂「Introduction」
出演:窪田正孝、山本舞香、鈴木伸之、小笠原海、白石隼也、木竜麻生、森七菜、桜田ひより、村井國夫、知英、マギー、ダンカン、栁俊太郎、坂東巳之助、新田真剣佑、松田翔太 他

 

 

  〈山本舞香を売り出す事には成功か〉

 

 

 TVアニメ、ゲーム、舞台にもなった石田スイ原作の人気コミックの実写映画版第2作。人を喰らわないと生きていけない存在、喰種(=グール)になってしまった青年、カネキの前に史上最悪の喰種として仲間からも嫌われる月山が現れたことから、喰種たちの間でトラブルが巻き起こる。

 

 

 喰種たちが集う喫茶店「あんていく」の仲間たちとささやかながらも幸せな日々を過ごしているカネキ(窪田正孝)。ところがある日、あんていくに月山(松田翔太)という男が現れる。人間と喰種のハーフであるカネキに興味をもった月山は、“喰う”ことに困っているカネキを喰種レストランに招待する。だが、喰種たちが集うそこでカネキは自分が月山の食材であるということに気付かされる…。

 

 

 前作から監督が代わった事で、全く違ったテイストのものになっている。前作はレイティングが“PG12”でしたが、今回は“R15”に。その分、ホラー感やグロさが増した。

 

 

 今回の敵役はアニメ版では宮野真守が演じていた“変態喰種”月山。実写映画版では松田翔太が演じているが、アニメ版とはまた違ったアプローチで楽しませてくれる。

 

 

 でも、何と言っても今作は、2代目霧嶋董香役=山本舞香を売り出すことに成功したのではないか。彼女は前作の同役=清水富美加(現・千眼美子)と比べると、演技面では劣るものの、身体能力が抜群に良く、激しいアクションを随所でこなしている。原作でもこの月山が出てくる章は、董香がアクション等で大活躍する回でもあるので、相当なプレッシャーがかかっているはずだが、頑張っているなというのが、画面を通して分かってくる。情報通の喰種=イトリ役の知英(ジヨン)も、妖艶な雰囲気が出ていて良い。エンドクレジット後には、原作の最終章にも繋がる伏線となる場面が出てくる。新田真剣佑演じる“あのキャラ”が重要な手がかりとなるのだが…。ここまでくれば3作目も是非つくってほしい。

 

 

私の評価…☆☆☆☆

 

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