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2020年5月31日 (日)

男はつらいよ お帰り 寅さん

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劇場:TOHOシネマズ二条
監督・脚本・原作:山田洋次
共同脚本:朝原雄三
製作:深澤宏
音楽:山本直純、山本純ノ介
主題歌:「男はつらいよ」桑田佳祐(オープニング)、渥美清(エンディング)
出演:渥美清、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、夏木マリ、浅丘ルリ子、美保純、佐藤蛾次郎、桜田ひより、北山雅康、カンニング竹山、濱田マリ、出川哲朗、松野太紀、林家たま平、立川志らく、小林稔侍、笹野高史、橋爪功 他

 

 

  〈山田監督なりのケジメ〉

 

 

 山田洋次監督による国民的人気映画シリーズ「男はつらいよ」の、22年ぶりの新作にして通算50作目。葛飾柴又を舞台に、心温まるストーリーが描かれる。

 

 

 小説家になる夢が叶った満男(吉岡秀隆)は、亡くなった妻の七回忌の法要で久しぶりに葛飾にある実家を訪れる。柴又の帝釈天の参道に昔あった「くるまや」の店舗は新しくカフェに生まれ変わり、その裏手に昔のままの住居がある。法事のあと、ひとしきり昔話に花が咲く。寅がマドンナを連れてくるたび、家中が大騒ぎだったことなど… あれからもう半世紀の歳月が流れたのだ。満男は、長い間サラリーマンをしていたがその合間に書いた小説が認められ小説家になっていた。そんなある日、満男の最新作の評判がよくサイン会をすることになる。ところがその列に並ぶ客の中に初恋の人、一度は結婚の約束までした女性、及川泉(後藤久美子)の姿を見て呆然となる。ヨーロッパで生活しているイズミは仕事で来日し、偶然サイン会に参加したのだった。イズミに再会した満男はサイン会もそこそこに「君に会わせたい人がいる」と小さなJAZZ喫茶にイズミを連れて行く。経営者の顔を見て驚くイズミ、それは20年以上前に奄美大島で会った寅の恋人のリリー(浅丘ルリ子)だった。懐かしい人たちとの再会、そして思い返す寅さん(渥美清)のこと。それは満男とイズミにあたたかい何かをもたらしていく。イズミはその夜「くるまや」を訪れることになるのだが…。

 

 

 寅さん=渥美清さんはもう亡くなられているので、満男が中心のエピソードになっていたが、やっぱり主役は寅さんである。オープニングの夢オチも満男が見るのだが、今までの夢オチは、本編と全く関係ないものだったのに対し、今回は本編の展開を暗示させるものになっている。

 

 

 また、満男のエピソードなので、今回のマドンナは初恋の人・泉(久しぶりに女優復帰する後藤久美子)とその母(夏木マリ)、そしてリリーさん(浅丘ルリ子)ということになるのだが、本作は過去49作を総括する意味合いもあるので回想シーンがたくさんあり、吉永小百合や大原麗子等、ほぼ全てのマドンナが、回想という形で甦る。中でも、現代の場面で満男と泉が、リリーのいるスナックに立ち寄る場面があるのだが、そこで話される寅さんとリリーの思い出話は、ファンなら涙なしでは観られないだろう。お互い、好き過ぎて上手くコクられなかったのか。思わず、切なくなってしまった。

 

 

 因みに、満男には亡くなった妻との間に娘がいる設定に。その娘を元・子役の桜田ひよりが演じていている。彼女は実写映画版「東京喰種」や、TVドラマ「明日、ママがいない」等、暗い性格や勝ち気な役どころが多かった(深夜ドラマ「ホクサイと飯さえあれば」では男子中学生役!)のだが、本作では一転して、優しくてキュートな女子高生を熱演。本人としても、新境地を拓いたのではないだろうか。

 

 

 元々、シリーズ50作目は渥美さんの存命中から、勿論本作とは全く違う形で企画されていたのだが、第48作「~寅次郎紅の花」公開半年後に渥美さんが逝去。第25作の「寅次郎ハイビスカスの花」を再編集し、別角度から捉えた「寅次郎ハイビスカスの花 特別編」が第49作となり、以降本作まで22年の月日が流れることになる。尚、幻の第49作として企画されていた「~寅次郎 花へんろ」のキャストがほぼ流用される形で「虹をつかむ男」が製作され、これがさらに「釣りバカ日誌」へと繋がっていくのである。その本来予定されていた第50作では、マドンナ役には黒柳徹子が予定され、第49作で甥の結婚を見届けた寅次郎はテキ屋を引退、晩年は幼稚園の用務員になり、子供達と遊んでいるうちに死に、町の人が思い出のために地蔵を作る… という構想があったようである。仮に渥美さんが存命で、ここまで企画が進んでいたら、どうなっていただろうか? 因みに、二代目寅さんとして片岡鶴太郎を主演に迎える、という話もあったようだが、そうなってしまうと、良くも悪くもシリーズ全体のイメージを左右することになっていたかもしれない。

 

 

 本作はある方法で、寅さんを虚構の中に封じ込める形で、幕を閉じる。言わば完結編にして、山田監督なりの渥美さんへの鎮魂歌なのだろう。サブタイトルは「お帰り」だが、これは別れを告げる映画である。

 

 

私の評価…☆☆☆☆

 

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